JP4066502B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、室内を暖房する冷凍サイクルに関するもので、特に冷媒圧縮機より吐出された高温、高圧のガス冷媒を冷媒蒸発器に導いてその冷媒蒸発器にてダクト内を流れる空気を加熱するようにした冷凍サイクルを備えた車両用空調装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両用暖房装置としては、エンジンを冷却する冷却水をダクト内の温水ヒータに導いてその温水ヒータにてダクト内を流れる空気を加熱して車室内を暖房する温水式暖房装置が一般的である。しかし、このような温水式暖房装置は、外気温度が低く、冷却水温度が低い時に、エンジンを始動して温水式暖房装置を起動する場合、すなわち、温水式暖房装置の立ち上がり時に著しく暖房能力が不足するという不具合が生じている。
【0003】
そこで、上記の不具合を解消する目的で、例えば特開平5−223357号公報においては、冷凍サイクルのコンプレッサより吐出された高温、高圧のガス冷媒(ホットガス)を減圧装置を経て冷媒蒸発器に導いてその冷媒蒸発器にてダクト内を流れる空気を加熱することにより、温水ヒータの暖房能力を補助するようにした冷凍サイクル(補助暖房装置)を備えた車両用空調装置(従来の技術)が提案されている。なお、コンプレッサは、電磁クラッチを介して、エンジンにより回転駆動されるエンジン駆動式のコンプレッサである。
【0004】
そして、暖房運転時には、冷却水温度が所定温度以上の場合、温水式暖房装置の温水ヒータによる暖房能力が充分高いので、コンプレッサをOFFして補助暖房装置の作動を停止するようにしている。また、冷却水温度が所定温度よりも低い場合、温水式暖房装置の温水ヒータによる暖房能力が不足しているので、コンプレッサをONして補助暖房装置を作動させるようにしている。
【0005】
そして、コンプレッサより吐出される吐出圧力が所定圧力より高い場合には、コンプレッサに負荷がかかり過ぎるので、コンプレッサをOFFして補助暖房装置の作動を停止して冷凍サイクルを保護するようにしている。また、コンプレッサより吐出される吐出圧力が所定圧力以下の場合には、コンプレッサをONして補助暖房装置を作動させるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の冷凍サイクルにおいては、ホットガスヒータ回路にて運転する暖房運転を所定時間(例えば30分間程度)継続すると、通常の冷凍サイクル回路にて運転する冷房運転時に比べて、冷凍サイクルの高圧圧力および低圧圧力が共に高い。例えば冷凍サイクルの高圧圧力は、暖房運転(ホットガスヒータ回路による運転)時に20〜25kg/cm2 で、冷房運転(冷凍サイクル回路による運転)時に13〜15kg/cm2 である。そして、冷凍サイクルの低圧圧力は、暖房運転時に4〜5kg/cm2 で、冷房運転時に1〜2kg/cm2 である。
【0007】
また、ホットガスヒータ回路にて運転する暖房運転時には、通常の冷凍サイクル回路にて運転する冷房運転時に比べて、上述したように、冷凍サイクルの高圧圧力および低圧圧力が共に高く、コンプレッサをON状態からOFFした時のトルク変動が大きい。このため、車両走行中にコンプレッサをON状態からOFFすると、コンプレッサをベルト駆動するエンジンの回転速度が大きく変動することにより、車両の動力性能および運転性能(ドライバビリティ)が悪化するという問題が生じている。
【0008】
そこで、コンプレッサを頻繁にON、OFFすることなく、能力制御および圧力制御を行うために、コンプレッサを、従来より使用されているクーラ用可変容量式コンプレッサに変更することが考えられる。ところが、従来のクーラ用可変容量式コンプレッサは、コンプレッサに吸入される吸入圧力が低い程、コンプレッサより吐出される吐出容量が小さくなるように構成されている。
【0009】
このようなクーラ用可変容量式コンプレッサをホットガスヒータ回路に組み込んで暖房運転を行う場合に、暖房熱負荷が大きいと、すなわち、エバポレータに吸い込まれる吸込空気の温度が低いと、エバポレータで空気と熱交換する冷媒の温度、圧力が低くなる。これにより、コンプレッサの可変容量制御によって、コンプレッサより吐出される吐出容量が少なくなるので、エバポレータ内に流入する高温の冷媒の流量も小さくなり、温水ヒータの暖房能力を補助する補助暖房性能を充分発揮しなくなるという問題が生じる。
【0010】
また、クーラ用可変容量式コンプレッサをホットガスヒータ回路に組み込んで暖房運転を行う場合に、暖房熱負荷が小さいと、すなわち、エバポレータに吸い込まれる吸込空気の温度が高いと、エバポレータで空気と熱交換する冷媒の温度、圧力が高くなる。これにより、コンプレッサの可変容量制御によって、コンプレッサより吐出される吐出容量が多くなるので、コンプレッサより吐出される吐出圧力が大きくなる。
【0011】
仮に冷凍サイクルの高圧圧力が異常高圧(例えば27kg/cm2 )以上に高くなると、冷媒配管等のサイクル部品の故障、破損につながる。また、暖房熱負荷が小さくても、上述したように、冷凍サイクルの高圧圧力が25kg/cm2 程度まで達していると、エバポレータ内に流入する高温の冷媒の流量も多いので、温水ヒータの暖房能力を補助する補助暖房能力が過剰となったりするという問題が生じる。
【0012】
【発明の目的】
本発明の目的は、充分な暖房性能を発揮することの可能な吐出容量可変手段を備えた冷凍サイクルを提供することにある。また、冷媒配管等のサイクル部品の故障や破損を防止できると共に、暖房能力が過剰となったりすることを防止することのできる冷凍サイクルを提供することにある。さらに、必要最小限の動力で最適な吹出温度を得ることのできる車両用空調装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項に記載の発明によれば、第2冷媒循環回路に切り替えられている時に、冷媒圧縮機の吐出圧力が設定値以上の高圧の場合には、吐出容量可変手段の作用により冷媒圧縮機の吐出容量が小さくなる。それによって、冷媒圧縮機の吐出圧力を抑えることができるので、仮に冷媒圧縮機の運転中に冷媒圧縮機の運転を停止しても、大きなトルク変動が生じなくなる。このため、仮に冷媒圧縮機の起動、停止を繰り返しても、冷媒圧縮機を回転駆動する内燃機関の回転速度が大きく変動することはないので、車両の加速性能や登坂性能等の動力性能および運転性能の悪化を抑えることができる。また、冷媒圧縮機の吐出圧力を抑えることができるので、冷媒配管等のサイクル部品の故障、破損の発生を防止できる。そして、冷媒蒸発器内に流入する冷媒の流量も減少するので、冷媒蒸発器による暖房能力が過剰となることを防止できる。
また、第2冷媒循環回路に切り替えられている時に、吹出温度検出手段にて検出した吹出温度が目標値に近づく程、冷媒圧縮機の吐出圧力の設定値を低く設定することにより、内燃機関を始動した直後は低温であった冷却水の温度が上昇してヒータ吹出温が上がった時も、冷媒圧縮機の吐出容量を小さくすることができる。これにより、冷媒圧縮機を回転駆動する内燃機関の回転動力を必要最小限とすることができる。さらに、冷媒蒸発器内に流入する冷媒の流量が減少するので、冷媒蒸発器を通過する際に加熱され、温水ヒータを通過する際に再加熱された空気の吹出温度が最適な吹出温度となり、冷媒蒸発器による暖房能力が過剰となることを防止できる。
【0019】
請求項に記載の発明によれば、ヒータ吹出温度検出手段にて検出した温水ヒータを通過した直後の空気温度が目標値に近づく程、冷媒圧縮機の吐出圧力の設定値を低く設定することにより、請求項に記載の発明と同様な効果を達成することができる。また、請求項に記載の発明によれば、冷却水温度検出手段にて検出した温水ヒータに流入する冷却水の温度が目標値に近づく程、冷媒圧縮機の吐出圧力の設定値を低く設定することにより、請求項に記載の発明と同様な効果を達成することができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、第2冷媒循環回路に切り替えられている時、冷媒圧縮機より吐出される吐出圧力が設定値以下に低くなると、冷媒圧縮機より吐出される吐出容量が大きくなる。
【0020】
【発明の実施の形態】
〔第1参考例の構成〕
図1ないし図7は本発明の第1参考例を示したもので、図1は車両用空調装置の全体構造を示した図である。
【0021】
参考例の車両用空調装置は、暖房用主熱源であるエンジン(内燃機関)Eを搭載する自動車の車室内を空調する空調ユニット(エアコンユニット)1における各空調手段(アクチュエータ)を、空調制御装置(以下エアコンECUと言う)10によって制御するように構成された車両用エアコン装置である。
【0022】
空調ユニット1は、車室内に空調空気を導く空気通路11を成す空調ダクト2を備えている。この空調ダクト2の最も空気上流側には、外気吸込口、内気吸込口および内外気切替ドア(いずれも図示せず)が設けられ、これらよりも空気下流側には遠心式送風機3が設けられている。また、空調ダクト2の最も空気下流側には、デフロスタ吹出口、フェイス吹出口またはフット吹出口等の吹出口およびモード切替ドア(図示せず)が設けられている。
【0023】
遠心式送風機3は、空調ダクト2に一体的に設けられたスクロールケーシングと、図示しないブロワ駆動回路により制御されるブロワモータ12と、このブロワモータ12に回転駆動される遠心式ファン13とから構成されている。なお、本参考例の遠心式ファン13の送風量は、0段階(OFF)から32段階まで連続的または段階的に切り替えられるように構成されている。
【0024】
次に、吹出口よりも空気上流側には、後記するエバポレータ6を通過した空気を再加熱する温水式暖房装置(主暖房装置)4の温水ヒータ5が設けられている。この温水ヒータ5は、エンジンEにより駆動されるウォータポンプ(図示せず)により冷却水の循環流が発生する冷却水循環回路14の途中に設置されている。そして、温水ヒータ5は、冷却水循環回路14に設置された温水弁15が開弁すると内部にエンジンEの排熱を吸収した冷却水が還流し、この冷却水を暖房用熱源として空気を再加熱する、すなわち、空気加熱作用を行う下流側熱交換器(第2加熱用熱交換器)である。ここで、これらのエンジンE、温水ヒータ5、冷却水循環回路14および温水弁15によって温水式暖房装置4が構成される。
【0025】
次に、遠心式送風機3と温水ヒータ5との間には、自動車に搭載された冷凍サイクル20の一構成部品を成すエバポレータ6が空調ダクト2内の空気通路11の全面を塞ぐように配されている。上記の冷凍サイクル20は、第1冷媒循環回路(以下冷凍サイクル回路と言う)21と、第2冷媒循環回路(以下ホットガスヒータ回路と言う)22と、冷凍サイクル回路21とホットガスヒータ回路22とを切り替える第1、第2電磁弁23、24とを備えている。
【0026】
冷凍サイクル回路21は、コンプレッサ7より吐出された高温、高圧のガス冷媒を、第1電磁弁23→コンデンサ(冷媒凝縮器)25→レシーバ(気液分離器)26→膨張弁(第1減圧手段)27→エバポレータ6→アキュームレータ(気液分離器)28およびコンプレッサ7の順に循環させる冷媒回路である。また、ホットガスヒータ回路22は、コンプレッサ7より吐出された高温、高圧のガス冷媒(ホットガス)を、第2電磁弁24→減圧装置(第2減圧手段)29→エバポレータ6→アキュームレータ28およびコンプレッサ7の順に循環させる冷媒回路である。
【0027】
冷凍サイクル20は、第1電磁弁23が開弁し、第2電磁弁24が閉弁すると、冷凍サイクル回路21中に冷媒が還流する。また、冷凍サイクル20は、第1電磁弁23が閉弁し、第2電磁弁24が開弁すると、ホットガスヒータ回路22中に冷媒が還流する。なお、第1、第2電磁弁23、24により本発明の循環回路切替手段を構成する。また、16は駆動モータ17により回転駆動される冷却ファンで、コンデンサ25に強制的に外気を吹き付ける。
【0028】
エバポレータ6は、本発明の冷媒蒸発器に相当するもので、冷凍サイクル回路21中を冷媒が流れる時に、膨張弁27より流入する低温の気液二相冷媒を蒸発させて通過する空気を冷却する冷却用熱交換器として働く。また、エバポレータ6は、ホットガスヒータ回路22中を冷媒が流れる時に、減圧装置29より流入する高温のガス冷媒を流して通過する空気を加熱する第1加熱用熱交換器(補助暖房装置、補助熱源システムのホットガスヒータ)として働く。ここで、膨張弁27は、冷媒を断熱膨張させるだけでなく、エバポレータ6の出口の冷媒過熱度に応じて冷媒の循環量を調節するものである。
【0029】
次に、本参考例のコンプレッサ7を図1ないし図5に基づいて簡単に説明する。ここで、図2は電磁クラッチと一体化された吐出容量可変式のコンプレッサ7を示した図である。このコンプレッサ7には、エンジンEの動力をコンプレッサ7に伝達したり遮断する電磁クラッチ8が接続されている。
【0030】
この電磁クラッチ8は、円環状の取付フランジ31を介してコンプレッサ7のハウジング44に固定されたステータハウジング32と、エンジンEにベルトVを介して連結されるプーリ33が外周に接合されたロータ34と、このロータ34との間に狭い間隙を隔てて対向配置され、ロータ34の摩擦面と摩擦係合する摩擦面が形成されたアーマチャ35と、通電されると磁束を発生することによりアーマチャ35をゴムハブ(弾性体)36の弾性力に抗してロータ34に吸着させる電磁コイル37と、アウターハブ38およびゴムハブ36を介してアーマチャ35とコンプレッサ7のシャフト40とを連結するインナーハブ39とから構成されている。
【0031】
コンプレッサ7は、本発明の冷媒圧縮機に相当するもので、自身の吐出容量を変更可能な例えばワッフルタイプの周知のもので、電磁クラッチ8のインナーハブ39と一体的に回転するシャフト40と、このシャフト40に斜めに固定された斜板41と、この斜板41にセットされたピストン42と、このピストン42が摺動するシリンダ(リヤハウジング)43を連結するハウジング(フロントハウジング)44と、このハウジング44の後端側に連結され、コンプレッサ7の吐出容量を可変するための電磁式容量制御弁(本発明の吐出容量可変手段に相当する)9とから構成されている。
【0032】
ここで、シリンダ43は、ピストン42との間にシリンダ室45を形成している。このシリンダ室45を形成するバルブプレート46の中央寄りには、弾性金属板で形成されたサクションバルブ(図示せず)により開閉される吸入口(図示せず)が形成されている。この吸入口は、電磁式容量制御弁9のバルブボディ47に形成された吸入ポート48に連通している。また、バルブプレート46の外側寄りには、弾性金属板で形成されたディスチャージバルブ49により開閉される吐出口50が形成されている。この吐出口50は、バルブボディ47に形成された吐出ポート51に連通している。なお、ハウジング44の内部には、斜板41を変位自在に動かせるためのクランク室52と吸入ポート48および吐出ポート51とを効果的に連通する固定絞り53a、53b(図3参照)が設けられている。
【0033】
以上により、電磁クラッチ8の電磁コイル37が通電状態(ON)のときには、電磁クラッチ8のアーマチャ35がロータ34に吸着してロータ34とアーマチャ35とが摩擦係合することにより、エンジンEの動力がベルトVおよび電磁クラッチ8を介してコンプレッサ7のシャフト40に伝達される。これにより、冷凍サイクル20が起動することによってエバポレータ6による空気冷却作用または空気加熱作用が行われる。また、電磁クラッチ8の電磁コイル37への通電が停止(OFF)のときには、電磁クラッチ8のアーマチャ35がロータ34より離れてロータ34とアーマチャ35との摩擦係合が遮断される。これにより、エンジンEの動力がコンプレッサ7のシャフト40に伝達されず、エバポレータ6による空気冷却作用または空気加熱作用が停止される。
【0034】
次に、電磁式容量制御弁9を図1ないし図3に基づいて説明する。ここで、図3はコンプレッサ7に内蔵された電磁式容量制御弁9の概略構造を示した図である。
【0035】
コンプレッサ7のボディおよび電磁式容量制御弁9のバルブボディ47内には冷媒圧力回路が形成されている。この冷媒圧力回路は、コンプレッサ7の吸入圧力(Ps)が導かれる圧力通路54〜56と、コンプレッサ7の吐出圧力(Pd)を導く圧力通路57、58と、コンプレッサ7のクランク室52にクランク室内圧力(Pc)を与える圧力通路59と、連通路60に連通する連通口61と、圧力通路59に連通する連通路62とから構成されている。なお、連通路60は、圧力通路55の下流側および圧力通路58の下流側の合流点と連通口61とを連通する。また、連通路62は、圧力通路56の下流側および圧力通路57の下流側の合流点と圧力通路59とを連通する。
【0036】
そして、連通口61の開度は、弁体63の停止位置により決められている。その弁体63の停止位置は、プランジャ64およびベローズ65の変位位置により決定されるように構成されている。プランジャ64およびベローズ65は、ロッド67、68を介して弁体63と連結している。そして、プランジャ64の設定位置は、電磁コイル69への制御電流の大きさにより変更されるように構成されている。なお、70はプランジャ64を初期位置に戻すためのリターンスプリングである。
【0037】
そして、圧力通路57、58の開閉は、弁体71の停止位置により決められている。また、圧力通路55、56の開閉は、弁体71と連動する弁体72の停止位置により決められている。それらの弁体71、72の停止位置は、電磁コイル73への制御電流の大きさにより変更されるように構成されている。なお、74は弁体71、72を初期位置に戻すためのリターンスプリングである。
【0038】
したがって、電磁式容量制御弁9は、エアコンECU10からの制御電流によってコンプレッサ7の吸入圧力(Ps)の設定値を変えることにより、コンプレッサ7の吐出容量を可変する吐出容量可変手段である。すなわち、電磁式容量制御弁9は、バルブボディ47内の電磁コイル69に制御電流を加えることでプランジャ64およびベローズ65への外力を可変させる構造であり、吸入圧力(Ps)に対する弁体63の開度の関係を可変させることで、実際のエバ後温度(TE)が目標エバ後温度(TEO)となるように制御する。
【0039】
次に、エアコンECU10を図1および図4に基づいて説明する。ここで、図4は車両用空調装置の制御系を示した図である。
【0040】
空調ユニット1における各空調手段を制御するエアコンECU(暖房制御手段)10には、車室内前面に設けられたエアコン操作パネル(図示せず)上の各スイッチからの各スイッチ信号が入力される。なお、エアコン操作パネル上には、空調モードをクーラモード(冷房運転)とヒータモード(暖房運転)とのいずれかに切り替えるモード切替スイッチ100、車室内の温度を所望の温度に設定する温度設定スイッチ(温度設定手段)101、冷凍サイクル20の起動または停止を指令するエアコンスイッチ102、および遠心式送風機3のオン、オフを指令するブロワスイッチ103等が設置されている。
【0041】
また、エアコンECU10の内部には、CPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータが設けられ、各センサからの各センサ信号が図示しない入力回路によってA/D変換された後に、マイクロコンピュータへ入力されるように構成されている。なお、エアコンECU10は、自動車のエンジンEの始動および停止を司るイグニッションスイッチ(キースイッチ)が投入(IG・ON)されたときに、自動車に搭載された車載電源であるバッテリ(図示せず)から直流電源が供給されると制御処理を開始するように構成されている。
【0042】
そして、エアコンECU10には、車室内の空気温度(以下内気温度と言う)を検出する内気温度センサ(内気温度検出手段)104と、車室外の空気温度(以下外気温度と言う)を検出する外気温度センサ(外気温度検出手段)105と、車室内に入射する日射量を検出する日射センサ(日射量検出手段)106と、エバポレータ6を通過した直後の空気温度(以下エバ後温度と言う)を検出するエバ後温度センサ(エバ後温度検出手段)107と、温水ヒータ5に流入する冷却水温度を検出する冷却水温度センサ(冷却水温度検出手段)108と、冷凍サイクル20の高圧圧力(吐出圧力:Pd)を検出する冷媒圧力センサ(高圧圧力検出手段)109とからの各センサ信号が入力される。なお、上記の各スイッチや各センサは、自動車の車室内を空調するのに必要な空調環境因子を検出するものである。
【0043】
〔第1参考例の制御方法〕
次に、本参考例のエアコンECU10によるコンプレッサ能力制御を図1ないし図5に基づいて簡単に説明する。ここで、図5はエアコンECU10による吐出容量制御方法を示したフローチャートである。
【0044】
イグニッションスイッチが投入(IG・ON)されてエアコンECU10に直流電源が供給されると、図5のルーチンが起動される。先ず、エアコン操作パネル上の各スイッチから各スイッチ信号を読み込む(ステップS1)。次に、各センサ信号を読み込む(ステップS2)。具体的には、内気温度センサ104にて検出した内気温度(TR)、外気温度センサ105にて検出した外気温度(TAM)、日射センサ106にて検出した日射量(TS)、エバ後温度センサ107にて検出したエバ後温度(TE)、冷却水温度センサ108にて検出した冷却水温度(TW)、および冷媒圧力センサ109にて検出したコンプレッサ7の吐出圧力(Pd)を読み込む。
【0045】
次に、予めROMに記憶された下記の数1の式に基づいて、車室内へ吹き出す空気の目標吹出温度(TAO)を算出する(ステップS3)。
【数1】
TAO=Kset×Tset−KR×TR−KAM×TAM−KS×TS+C
【0046】
なお、Tsetは温度設定スイッチ101にて設定された設定温度で、TRは内気温度センサ104にて検出した内気温度で、TAMは外気温度センサ105にて検出した外気温度で、TSは日射センサ106にて検出した日射量である。また、Kset、KR、KAM、KSはゲインで、Cは補正用の定数である。
【0047】
次に、空調モードがクーラモードであるか否かを判定する。具体的には、目標吹出温度(TAO)が所定温度以下であるか、あるいはモード切替スイッチ100によりクーラモードに設定されているか否かを判定する(ステップS4)。この判定結果がYESの場合には、電磁クラッチ8を通電(ON)し、第1電磁弁23を開弁し、第2電磁弁24を閉弁して、冷凍サイクル回路21にて冷凍サイクル20を運転する(ステップS5)。
【0048】
次に、電磁式容量制御弁9の電磁コイル73を通電(ON)する(ステップS6)。その後に、ステップS9の処理に進む。したがって、ステップS6の図に示したように、コンプレッサ7の吸入圧力(Ps)が低くなるとコンプレッサ7の吐出容量(Vc)を小さくし、且つコンプレッサ7の吸入圧力(Ps)が高くなるとコンプレッサ7の吐出容量(Vc)を大きくする容量制御が実行される。
【0049】
また、ステップS4の判定結果がNOの場合には、電磁クラッチ8を通電(ON)し、第1電磁弁23を閉弁し、第2電磁弁24を開弁して、ホットガスヒータ回路22にて冷凍サイクル20を運転する(ステップS7)。次に、電磁式容量制御弁9の電磁コイル73の通電を停止(OFF)する(ステップS8)。したがって、ステップS8の図に示したように、コンプレッサ7の吸入圧力(Ps)が低くなるとコンプレッサ7の吐出容量(Vc)を大きくし、且つコンプレッサ7の吸入圧力(Ps)が高くなるとコンプレッサ7の吐出容量(Vc)を小さくする容量制御が実行される。
【0050】
次に、目標吹出温度(TAO)に基づいて冷房熱負荷または暖房熱負荷を判定し、この冷房熱負荷または暖房熱負荷から目標エバ後温度(TEO)を決定する。具体的には、目標吹出温度(TAO)が高くなる程、目標エバ後温度(TEO)が高くなるように算出する(ステップS9)。次に、エバ後温度センサ107にて検出した実際のエバ後温度(TE)が、目標エバ後温度(TEO)に等しくなるようにコンプレッサ7の容量制御を行う(ステップS10)。具体的には、電磁式容量制御弁9の電磁コイル69への制御電流を制御する。その後に、図5のルーチンを抜ける。
【0051】
〔第1参考例の作用〕
次に、本参考例の車両用空調装置の作用を図1ないし図7に基づいて簡単に説明する。ここで、図6はクーラモード時の電磁式容量制御弁の作動状態を示した図で、図7はヒータモード時の電磁式容量制御弁の作動状態を示した図である。
【0052】
実際のエバ後温度(TE)が目標エバ後温度(TEO)よりもかなり高温の場合には、電磁式容量制御弁9の電磁コイル69を流れる制御電流を小さくしてコンプレッサ7の吸入圧力(Ps)の設定値を小さくする。この場合には、ベローズ65が収縮することによって弁体63が小さく変位して連通口61の開度が小さくなる。これにより、コンプレッサ7の吐出圧力(Pd)が圧力通路59に入り難くなりクランク室内圧力(Pc)が小さくなる。そして、クランク室内圧力(Pc)が小さくなることにより、コンプレッサの斜板41の傾きが大きくなることによってピストン42のストロークが長くなる。この結果、コンプレッサ7の吐出圧力(Pd)が高くなるので、コンプレッサ7の吐出容量(Vc)が大きくなる。
【0053】
また、実際のエバ後温度(TE)が目標エバ後温度(TEO)に略等しい場合には、電磁式容量制御弁9の電磁コイル69を流れる制御電流を大きくしてコンプレッサ7の吸入圧力(Ps)の設定値を大きくする。この場合には、ベローズ65が伸長することによって弁体63が大きく変位して連通口61の開度が大きくなる。これにより、コンプレッサ7の吐出圧力(Pd)が圧力通路59に入りクランク室内圧力(Pc)が大きくなる。そして、クランク室内圧力(Pc)が大きくなることにより、コンプレッサの斜板41の傾きが小さくなることによってピストン42のストロークが短くなる。この結果、コンプレッサ7の吐出圧力(Pd)が低くなるので、コンプレッサ7の吐出容量(Vc)が小さくなる。
【0054】
そして、空調モードがクーラモードの時には、電磁クラッチ8がONされ、第1電磁弁23が開弁し、第2電磁弁24が閉弁する。したがって、コンプレッサ7より吐出された高温、高圧のガス冷媒は、冷凍サイクル回路21を還流してエバポレータ6内に流入する。そして、空調ダクト2内に吸い込まれた空気は、エバポレータ6で低温、低圧の冷媒と熱交換して冷却されて車室内に吹き出される。これにより、車室内が冷房される。
【0055】
このような空調モードがクーラモードの時には、電磁式容量制御弁9の電磁コイル73が通電(ON)されるので、図6に示したように、リターンスプリング74の反力に抗して弁体71、72が図示下方に変位することにより、圧力通路56と連通路62とが連通し、圧力通路58と連通路60とが連通する。このため、弁体63には吐出圧力(Pd)が導かれるので、コンプレッサ7の吸入圧力(Ps)が低くなれば低くなる程、弁体63が開弁側に変位して連通口61の開度が大きくなり、コンプレッサ7のクランク室内圧力(Pc)が高くなる。
【0056】
これにより、吸入圧力(Ps)が予め設定された第1所定圧力(例えばゲージ圧2kg/cm2 )以下の低圧の時には、弁体63が開弁して、クランク室内圧力(Pc)は吐出圧力(Pd)が導かれ上昇し、、コンプレッサ7の吐出容量(Vc)が5%容量に制御される。また、吸入圧力(Ps)が予め設定された第2所定圧力(例えばゲージ圧2.1kg/cm2 )以上の高圧の時に、弁体63が全閉して、クランク室内圧力(Pc)は吸入圧力(Ps)と等しくなり、コンプレッサ7の吐出容量(Vc)が100%容量に制御される。
【0057】
さらに、吸入圧力(Ps)が第1所定圧力よりも高く、第2所定圧力よりも低い時には、弁体63が閉弁側に変位してクランク室内圧力(Pc)が吸入圧力(Ps)よりも高くなり、吐出圧力(Pd)に近づくことにより、コンプレッサ7の吐出容量(Vc)が可変する(図5のステップS6参照)。
【0058】
そして、空調モードがヒータモードの時には、電磁クラッチ8がONされ、第1電磁弁23が閉弁し、第2電磁弁24が開弁する。さらに、温水弁15も開弁する。したがって、コンプレッサ7より吐出された高温、高圧のガス冷媒は、ホットガスヒータ回路22を還流してエバポレータ6内に流入する。また、エンジンEの排熱を吸収した冷却水は、冷却水循環回路14を還流して温水ヒータ5内に流入する。そして、空調ダクト2内に吸い込まれた空気は、エバポレータ6で高温、低圧の冷媒と熱交換して加熱され、更に温水ヒータ5で高温の冷却水と熱交換して更に加熱されて車室内に吹き出される。これにより、車室内が暖房される。
【0059】
電磁式容量制御弁9の電磁コイル73の通電が停止(OFF)されるので、図7に示したように、リターンスプリング74の反力により弁体71、72が図示上方に変位することにより、圧力通路55と連通路60とが連通し、圧力通路57と連通路62とが連通する。このため、弁体63には吸入圧力(Ps)が導かれるので、コンプレッサ7の吸入圧力(Ps)が低くなればなる程、弁体63が開弁側に変位して連通口61の開度が大きくなり、コンプレッサ7のクランク室内圧力(Pc)が低くなる。
【0060】
これにより、吸入圧力(Ps)が予め設定された第1所定圧力(例えばゲージ圧3kg/cm2 )以下の低圧の時に、弁体63が全開して、クランク室内圧力(Pc)は吸入圧力(Ps)と等しくなり、コンプレッサ7の吐出容量(Vc)が100%容量に制御される。また、吸入圧力(Ps)が予め設定された第2所定圧力(例えばゲージ圧3.1kg/cm2 )以下の高圧の時に、弁体63が閉弁して、クランク室内圧力(Pc)は吐出圧力(Pd)により高くなり、コンプレッサ7の吐出容量(Vc)が5%容量に制御される。
【0061】
さらに、吸入圧力(Ps)が第1所定圧力よりも高く、第2所定圧力よりも低い時には、弁体63が閉弁側に変位してクランク室内圧力(Pc)が吸入圧力(Ps)よりも高くなり、吐出圧力(Pd)に近づくことにより、コンプレッサ7の吐出容量(Vc)が可変する(図5のステップS8参照)。
【0062】
〔第1参考例の効果〕
以上のように、車両用空調装置は、電磁クラッチ8をオン、オフすることなく、冷房熱負荷および暖房熱負荷に応じてコンプレッサ7の吐出容量を電磁式容量制御弁9で調節することにより、エバポレータ6の空気冷却性能(冷房性能)、エバポレータ6の空気加熱性能(補助暖房性能)およびコンプレッサ7の吐出圧力(Pd)を最適値に制御できる。それによって、コンプレッサ7がON、OFFを頻繁に繰り返さないので、コンプレッサ7が大きくトルク変動することはない。このため、コンプレッサ7をベルト駆動するエンジンEの回転速度が大きく変動することはないので、車両の加速性能や登坂性能等の動力性能および運転性能が悪くならない。
【0063】
空調モードがクーラモードの時に、本参考例の電磁式容量制御弁9を用いることにより、冷房熱負荷が小さくなってコンプレッサ7の吸入圧力(Ps)が低くなると、コンプレッサ7の吐出容量(Vc)が小さくなる。したがって、エバポレータ6の冷房性能が減少するので、過剰な冷房能力が発生したり、エバポレータ6にフロストが発生したりすることを抑えることができる。
【0064】
また、空調モードがヒータモードの時、暖房熱負荷が大きい場合、例えば外気温度が所定温度(例えば0℃)以下の低温環境下での温水式暖房装置4の立ち上がり(エンジンEの始動)時に、エバポレータ6に低温の空気が吸い込まれる場合には、エバポレータ6で低温の空気と熱交換することにより、冷媒の温度、圧力が低下する。これにより、コンプレッサ7の吸入圧力(Ps)が低くなる。しかし、本参考例の電磁式容量制御弁9を用いることにより、コンプレッサ7の吸入圧力(Ps)が低くなってもコンプレッサ7の吐出容量(Vc)が大きくなる。このため、ホットガスヒータ回路22中を循環する冷媒の循環流量が増加することにより、エバポレータ6内に流入する冷媒の流量が増える。したがって、暖房熱負荷が大きい場合でも充分な補助暖房性能を発揮することができる。
【0065】
空調モードがヒータモードの時に、本参考例の電磁式容量制御弁9を用いることにより、暖房熱負荷が小さくなってコンプレッサ7の吸入圧力(Ps)が高くなると、コンプレッサ7の吐出容量(Vc)が小さくなる。したがって、エバポレータ6での補助暖房性能が減少すると共に、コンプレッサ7の吐出圧力(Pd)が低くなる。これにより、内気温度が設定温度よりも上回って補助暖房能力が過剰となったり、冷凍サイクル20に使用される冷媒配管等のサイクル部品(冷凍機器)の故障、破損を防止できる。
【0066】
〔第2参考例
図8は本発明の第2参考例を示したもので、コンプレッサに内蔵された電磁式容量制御弁の概略構造を示した図である。
【0067】
参考例の電磁式容量制御弁9は、第1参考例のものを簡素化したもので、冷媒圧力回路の連通路62a、62bに固定絞り53a、53bを配し、圧力通路55に固定絞り53cを配している。そして、電磁式容量制御弁9は、空調モードがクーラモードの時には、電磁コイル73が通電(ON)される。したがって、図8に示したように、リターンスプリング74の反力に抗して弁体71が図示下方に変位することにより、圧力通路58と連通路60とが連通する。
【0068】
これにより、吸入圧力(Ps)が予め設定された第2所定圧力以上の高圧の時に、弁体63が最も閉弁側に変位して、クランク室内圧力(Pc)は吸入圧力(Ps)と等しくなり、コンプレッサ7の吐出容量(Vc)が100%容量に制御される。また、吸入圧力(Ps)が予め設定された第1所定圧力よりも高く、第2所定圧力よりも低い時には、弁体63が開弁側に変位してクランク室内圧力(Pc)が吸入圧力(Ps)よりも高くなり、吐出圧力(Pd)に近づく。これにより、吸入圧力(Ps)が低くなればなる程、コンプレッサ7の吐出容量(Vc)が小さくなるように可変する。
【0069】
また、電磁式容量制御弁9は、空調モードがヒータモードの時には、電磁コイル73の通電が停止(OFF)される。したがって、リターンスプリング74の反力により弁体71が図示上方に変位することにより、圧力通路57と連通路62aとが連通する。これにより、吸入圧力(Ps)が予め設定された第1所定圧力以下の低圧の時に、弁体63が全開して、クランク室内圧力(Pc)は吸入圧力(Ps)と等しくなり、コンプレッサ7の吐出容量(Vc)が100%容量に制御される。また、吸入圧力(Ps)が第1所定圧力よりも高く、第2所定圧力よりも低い時には、弁体63が閉弁側に変位してクランク室内圧力(Pc)が吸入圧力(Ps)よりも高くなり、吐出圧力(Pd)に近づく。これにより、吸入圧力(Ps)が高くなればなる程、コンプレッサ7の吐出容量(Vc)が小さくなるように可変する。
【0070】
〔第3参考例
図9は本発明の第3参考例を示したもので、コンプレッサに内蔵された電磁式容量制御弁の概略構造を示した図である。
【0071】
参考例の電磁式容量制御弁9は、連通口61と圧力通路58とを連通路60により直接連通し、圧力通路59と圧力通路55とを連通路62a、62bにより連通し、連通路62aに電磁弁75を配置することにより、空調モードがヒータモード時に、吐出容量(Vc)を100%固定容量に制御するように構成している。
【0072】
そして、クーラモード時には、電磁弁75の通電を停止(OFF)して閉弁させることにより、第1参考例のクーラモードと同様の冷媒圧力回路となる。また、ヒータモード時には、電磁弁75を通電(ON)して開弁させることにより、常にクランク室内圧力(Pc)を吸入圧力(Ps)と同様に制御して、吸入圧力(Ps)の高低に拘らず、吐出容量(Vc)を100%容量に固定するように構成している。
【0073】
〔第4参考例の構成〕
図10および図11は本発明の第4参考例を示したもので、図10はコンプレッサに内蔵された電磁式容量制御弁の概略構造を示した図である。
【0074】
参考例の電磁式容量制御弁9は、コンプレッサ7の吐出圧力(Pd)の高圧時の冷媒配管等のサイクル部品の保護とコンプレッサ7をON状態からOFFした時のエンジンEの回転速度の変動の抑制とを目的として、コンプレッサ7の吐出容量(Vc)を可変する高圧制御弁80を並列に設けている。
【0075】
そして、高圧制御弁80の冷媒圧力回路には、コンプレッサ7の吸入圧力(Ps)を導く圧力通路81と、コンプレッサ7の吐出圧力(Pd)を導く圧力通路82、83と、コンプレッサ7のクランク室52にクランク室内圧力(Pc)を与える圧力通路84と、圧力通路83、84を連通する連通口85とが設けられている。なお、圧力通路81には、固定絞り81aが設けられている。そして、連通口85の開度は、弁体86の停止位置により決められている。その弁体86の停止位置は、ロッド87およびベローズ88の変位位置により決定されている。なお、89はベローズ88を初期位置に戻すためのリターンスプリングである。
【0076】
〔第4参考例の制御方法〕
次に、本参考例のエアコンECU10によるコンプレッサ能力制御を図10および図11に基づいて簡単に説明する。ここで、図11はエアコンECU10による吐出容量制御方法を示したフローチャートである。
【0077】
第1参考例の図5のフローチャートのステップS10の処理を行った後に、高圧制御弁80を用いて吐出容量(Vc)を制御する(ステップS11)。これにより、予め設定されたベローズ88の作動圧力よりも、圧力通路82に与えられる吐出圧力(Pd)が上昇すると、弁体86が開弁して連通口85を開き、クランク室内圧力(Pc)が高くなる。
【0078】
したがって、コンプレッサ7の吐出圧力(Pd)が第1所定圧力(例えばゲージ圧20kg/cm2 )以下の低圧の時には、コンプレッサ7の吐出容量(Vc)が100%容量となるように制御される。また、コンプレッサ7の吐出圧力(Pd)が第1所定圧力よりも高く、第2所定圧力(例えばゲージ圧22kg/cm2 )よりも低い時には、吐出圧力(Pd)が高ければ高い程吐出容量(Vc)が小さくなるように可変制御する。そして、コンプレッサ7の吐出圧力(Pd)が第2所定圧力以上の高圧の時には、コンプレッサ7の吐出容量(Vc)が例えば5%容量となるように制御される。
【0079】
〔第5参考例
図12および図13は本発明の第5参考例を示したもので、図12はコンプレッサに内蔵された電磁式容量制御弁、切換制御弁およびホットガス容量制御弁の概略構造を示した図である。
【0080】
参考例の電磁式容量制御弁9は、クーラモードの時の可変容量制御手段である。この電磁式容量制御弁9には、プランジャ64を初期位置に戻すためのリターンスプリング91と、このリターンスプリング91のバネ座92と、プランジャ64の変位量を調整するための調整用栓93とが設けられている。また、ベローズ65の内部にも、ベローズ65を初期位置に戻すためのリターンスプリング94が設けられている。
【0081】
そして、電磁式容量制御弁9のバルブボディ95の端部には、リターンスプリング94の初期荷重を設定するための栓96が設けられている。なお、バルブボディ95には、コンプレッサ7のクランク室52にクランク室内圧力(Pc)を与える圧力通路95cと、コンプレッサ7の吐出圧力(Pd)を導く圧力通路95d、およびコンプレッサ7の吸入圧力(Ps)を導く圧力通路95sが形成されている。
【0082】
そして、電磁式容量制御弁9に連通する冷媒圧力回路には、クーラモードとヒータモードとの間で弁体97の停止位置を変更する切換制御弁98と、ヒータモードの時の可変容量制御手段であるホットガス容量制御弁99とが配されている。切換制御弁98は、弁体97、電磁コイル97aおよびリターンスプリング97bを有している。そして、切換制御弁98には、圧力通路95dに連通する連通路98aと、ホットガス容量制御弁99に連通する連通路98bと、コンプレッサ7の吐出圧力(Pd)を導く圧力通路98dとが形成されている。
【0083】
また、ホットガス容量制御弁99には、弁体99aおよびベローズ99bを有している。そして、ホットガス容量制御弁99には、コンプレッサ7のクランク室52にクランク室内圧力(Pc)を与える圧力通路99cが形成されている。なお、圧力通路99cは、クランク室52を介して吐出ポート51に連通している。また、99eは弁体99aおよびベローズ99bを初期位置に戻すためのリターンスプリングである。
【0084】
参考例では、空調モードがクーラモードの時に、切換制御弁98の電磁コイル97aの通電が停止(OFF)されてリターンスプリング97bの反力により弁体97が図示上方に変位して連通路98bを閉じる。これにより、電磁式容量制御弁9の圧力通路95dにコンプレッサ7の吐出圧力(Pd)が導かれる。
【0085】
そして、圧力通路95sに与えられる吸入圧力(Ps)が第2所定圧力(例えばゲージ圧2.1kg/cm2 )以上の高圧の場合には、図13(a)に示したように、ベローズ65が収縮して弁体63が閉弁することにより、クランク室内圧力(Pc)が吸入圧力(Ps)と等しくなり、コンプレッサ7の吐出容量(Vc)が100%容量となる。また、吸入圧力(Ps)が第1所定圧力(例えばゲージ圧2kg/cm2 )以下の低圧の場合には、図13(a)に示したように、ベローズ65が伸長して弁体63が開弁することにより、クランク室内圧力(Pc)が吐出圧力(Pd)と等しくなり、コンプレッサ7の吐出容量(Vc)が5%容量となる。なお、吸入圧力(Ps)が第1所定圧力よりも高く、第2所定圧力よりも低い場合には、図13(a)に示したように、コンプレッサ7の吐出容量(Vc)は吸入圧力(Ps)が高くなれば高くなる程、5%容量から100%容量まで連続的に可変される。
【0086】
また、空調モードがヒータモードの時には、切換制御弁98の電磁コイル97aが通電(ON)されて弁体97が図示下方に変位して連通路98aを閉じる。これにより、ホットガス容量制御弁99の制御室99d内にコンプレッサ7の吐出圧力(Pd)が導かれる。そして、制御室99d内に与えられる吐出圧力(Pd)が第1所定圧力(例えばゲージ圧20kg/cm2 )以下の低圧の場合には、図13(b)に示したように、ベローズ99bが伸長して弁体99aが閉弁することにより、クランク室内圧力(Pc)が吸入圧力(Ps)と等しくなり、コンプレッサ7の吐出容量(Vc)が100%容量となる。
【0087】
また、制御室99d内に与えられる吐出圧力(Pd)が第2所定圧力(例えばゲージ圧22kg/cm2 )以上の高圧の場合には、図13(b)に示したように、ベローズ99bが収縮して弁体99aが開弁することにより、クランク室内圧力(Pc)が吐出圧力(Pd)と等しくなり、コンプレッサ7の吐出容量(Vc)が5%容量となる。なお、吸入圧力(Ps)が第1所定圧力よりも高く、第2所定圧力よりも低い場合には、図13(b)に示したように、コンプレッサ7の吐出容量(Vc)は吐出圧力(Pd)が高くなれば高くなる程、100%容量から5%容量まで連続的に可変される。
【0088】
〔第実施形態の構成〕
図14ないし図17は本発明の第実施形態を示したもので、図14は車両用空調装置の全体構造を示した図で、図15はコンプレッサに内蔵された電磁式容量制御弁、切換制御弁および高圧制御弁の概略構造を示した図で、図16は車両用空調装置の制御系を示した図である。
【0089】
本実施形態の電磁式容量制御弁9は、クーラモード時およびヒータモード時に、図17(a)に示したように、エアコンECU10からの制御電流によってコンプレッサ7の吐出圧力(Pd)の設定値を変えることにより、コンプレッサ7の吐出容量(Vc)を可変する可変容量制御手段である。そして、本実施形態では、第5参考例のホットガス容量制御弁99の代わりに、電磁式の高圧制御弁120を設置している。
【0090】
この高圧制御弁120は、バルブボディ119内に形成された連通口121の開度を変更する弁体122を有し、後記するヒータ吹出温度センサ110にて検出したヒータ吹出温度(TH)が予め決められた目標ヒータ吹出温度(THO:例えば50℃)に近づけば近づく程、コンプレッサ7の吐出圧力(Pd)の設定値を低く設定する吐出圧力可変手段である。
【0091】
弁体122の停止位置は、プランジャ123およびベローズ124の変位位置により決定されるように構成されている。すなわち、プランジャ123およびベローズ124は、中間部材125およびロッド126を介して弁体122と連結している。そして、プランジャ123の設定位置は、電磁コイル127への制御電流の大きさにより変更されるように構成されている。
【0092】
そして、バルブボディ119内には、プランジャ123を初期位置に戻すためのリターンスプリング128が設けられている。また、ベローズ124の内部には、ベローズ124を初期位置に戻すためのリターンスプリング129が設けられている。そして、バルブボディ119の端部には、リターンスプリング129の初期荷重を設定するための栓130が設けられている。
【0093】
そして、バルブボディ119には、コンプレッサ7のクランク室52にクランク室内圧力(Pc)を与える圧力通路131と、連通路98bを介してコンプレッサ7の吐出圧力(Pd)を導く圧力通路132、133が形成されている。なお、圧力通路131と圧力通路132とは、バルブボディ119内において連通口121を介して連通している。したがって、高圧制御弁120は、コンプレッサ7の吐出圧力(Pd)をクランク室(制御圧室)52へ送る構造であり、弁体122の開度の変更はベローズ124の伸縮および電磁コイル127への制御電流に応じたプランジャ123の力のバランスにより決まる。
【0094】
一方、空調ユニット1における各空調手段、例えば電磁クラッチ8、電磁式容量制御弁9、ブロワモータ12、駆動モータ17、切換制御弁98および高圧圧力制御弁120等を制御するエアコンECU10には、モード切替スイッチ100、温度コントロールレバー111、エアコンスイッチ102およびブロワスイッチ103等の各種スイッチ類からスイッチ信号が入力される。このうち、温度コントロールレバー111は、最も一方側に操作されると最大冷房運転(MAX・COOL)を指令し、最も他方側に操作されると最大暖房運転(MAX・HOT)を指令する。
【0095】
また、エアコンECU10には、内気温度センサ104、外気温度センサ105、日射センサ106、エバ後温度センサ107、冷却水温度センサ108、冷媒圧力センサ109およびヒータ吹出温度センサ110等の各種センサ類からセンサ信号が入力される。このうち、ヒータ吹出温度センサ110は、本発明の吹出温度検出手段に相当するもので、温水ヒータ5を通過した直後の空気温度(以下ヒータ吹出温度と言う)を検出するヒータ吹出温度検出手段である。
【0096】
〔第実施形態の制御方法〕
次に、本実施形態のエアコンECU10によるコンプレッサ能力制御を図14ないし図17に基づいて簡単に説明する。
【0097】
第1参考例の図5のフローチャートのステップS10の処理を行った後に、例えばフィードバック制御(PI制御)によりコンプレッサ7の吐出容量(Vc)を制御する。具体的には、切換制御弁98の電磁コイル97aの通電および通電停止、電磁式容量制御弁9の電磁コイル69および高圧制御弁120の電磁コイル127に供給する制御電流の目標値となる、コンプレッサ7の制御電流(I)を算出(決定)する(制御電流演算手段)。
【0098】
具体的には、下記の数2の式および数3の式に基づいて、制御電流(In)を算出する。
【数2】
En=TH−THO
【数3】
In=In-1−Kp{(En−En-1)+(θ/Ti)×En}
【0099】
なお、THはヒータ吹出温度センサ110にて検出した実際のヒータ吹出温度で、THOは予め設定された目標ヒータ吹出温度(例えば50℃)で、Kpは比例定数で、θはサンプリング時間(例えば1秒間)で、Tiは積分時間で、Enは今回の温度偏差で、En-1は前回の温度偏差で、Inは今回の制御電流で、In-1は前回の制御電流である。
【0100】
ここで、乗員がイグニッションスイッチを操作してエンジンEを始動して温水式暖房装置4を起動すると、冷却水循環回路14を経てエンジンEを冷却した冷却水が空調ダクト2内の温水ヒータ5に流入する。そして、温度コントロールレバー111がMAX・HOT位置に設定されており、外気温度(TAM)が所定温度(例えば−5℃)よりも低温で、ヒータ吹出温度(TH)が目標ヒータ吹出温度(THO)よりも低温の場合には、エンジンEを始動してから所定時間(例えば5分間〜15分間)が経過するまでは(立ち上がり時には)冷却水温度が低く、温水ヒータ5による暖房能力が不足する。
【0101】
このため、第1電磁弁23を閉弁、第2電磁弁24を開弁して、冷凍サイクル20を冷凍サイクル回路21からホットガスヒータ回路22に切り替え、電磁クラッチ8をONしてコンプレッサ7を起動して、温水式暖房装置4の暖房能力を補助するようにする。このとき、空調モードはヒータモードとなるので、切換制御弁98の電磁コイル97aが通電(ON)されて弁体97が図示下方に変位し連通路98aが閉じられる。これにより、連通路98bを介して圧力通路132、133内にコンプレッサの吐出圧力(Pd)が導かれる。
【0102】
そして、圧力通路133内に与えられる吐出圧力(Pd)が第1所定圧力(例えばゲージ圧20kg/cm2 )以下の低圧の場合には、図17(b)に示したように、ベローズ124が伸長して弁体122が閉弁することにより、クランク室内圧力(Pc)が吸入圧力(Ps)と等しくなり、コンプレッサ7の吐出容量(Vc)が100%容量と大きくなる。
【0103】
また、圧力通路133内に与えられる吐出圧力(Pd)が第2所定圧力(例えばゲージ圧22kg/cm2 )以上の高圧の場合には、図17(b)に示したように、ベローズ124が収縮して弁体122が開弁することにより、クランク室内圧力(Pc)が吐出圧力(Pd)と等しくなり、コンプレッサ7の吐出容量(Vc)が5%容量と小さくなる。
【0104】
そして、圧力通路133内に与えられる吸入圧力(Ps)が第1所定圧力よりも高く、第2所定圧力よりも低い場合には、図17(b)に示したように、コンプレッサ7の吐出容量(Vc)は吐出圧力(Pd)が高くなれば高くなる程、100%容量から5%容量まで連続的に可変される。
【0105】
ここで、高圧制御弁120の電磁コイル127への制御電流を、上記の数2の式および数3の式に基づいて変更することにより、ヒータ吹出温度センサ110にて検出したヒータ吹出温度(TH)が目標ヒータ吹出温度(THO:例えば50℃)に近づけば近づく程、図17(b)の矢印に示したように、コンプレッサ7の吐出圧力(Pd)の設定値が低く設定される。
【0106】
これにより、エンジンEを始動した直後は低温であった冷却水の温度が上昇して暖房熱負荷が小さくなり、コンプレッサ7の吐出圧力(Pd)が低くなっても、コンプレッサ7の吐出容量(Vc)を更に小さくすることができる。それによって、ヒータ吹出温度(TH)が目標ヒータ吹出温度(THO)に接近したら、電磁クラッチ8を介してコンプレッサ7をベルト駆動するエンジンEの回転動力が必要最小限となる。その上、エバポレータ6内に流入する冷媒の流量も減少する。このとき、空調ダクト2内を流れる空気は、エバポレータ6を通過する際にやや加熱され、温水ヒータ5を通過する際に充分に加熱されることで、空気の吹出温度が最適な吹出温度となり、エバポレータ6による暖房能力が過剰となることを防止できる。
【0107】
〔他の実施形態〕
本実施形態では、本発明を自動車等の車両用空調装置の冷凍サイクルに適用したが、本発明を航空機、船舶または鉄道車両等の空調装置の冷凍サイクルに適用しても良い。また、本発明を工場、店舗または住宅等の空調装置の冷凍サイクルに適用しても良い。
【0108】
実施形態では、吹出温度検出手段としてヒータ吹出温度センサ110を用いたが、吹出温度検出手段として冷却水温度センサ108を用いても良い。すなわち、冷却水温度(TW)が目標冷却水温度(TWO:例えば80℃)に近づけば近づく程、コンプレッサ7の吐出圧力(Pd)の設定値を低く設定するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用空調装置の全体構造を示した構成図である(第1参考例)。
【図2】電磁クラッチと吐出容量可変式のコンプレッサを示した断面図である(第1参考例)。
【図3】電磁式容量制御弁の概略構造を示した説明図である(第1参考例)。
【図4】車両用空調装置の制御系を示したブロック図である(第1参考例)。
【図5】エアコンECUによる吐出容量制御方法を示したフローチャートである(第1参考例)。
【図6】クーラモード時の電磁式容量制御弁の作動状態を示した説明図である(第1参考例)。
【図7】ヒータモード時の電磁式容量制御弁の作動状態を示した説明図である(第1参考例)。
【図8】電磁式容量制御弁の概略構造を示した説明図である(第2参考例)。
【図9】電磁式容量制御弁の概略構造を示した説明図である(第3参考例)。
【図10】電磁式容量制御弁の概略構造を示した説明図である(第4参考例)。
【図11】エアコンECUによる吐出容量制御方法を示したフローチャートである(第4参考例)。
【図12】電磁式容量制御弁、切換制御弁およびホットガス容量制御弁の概略構造を示した説明図である(第5参考例)。
【図13】(a)はコンプレッサの吸入圧力と吐出容量との関係を示したグラフで、(b)はコンプレッサの吐出圧力と吐出容量との関係を示したグラフである(第5参考例)。
【図14】車両用空調装置の全体構造を示した構成図である(第実施形態)。
【図15】電磁式容量制御弁、切換制御弁および高圧制御弁の概略構造を示した説明図である(第実施形態)。
【図16】車両用空調装置の制御系を示したブロック図である(第実施形態)。
【図17】(a)はコンプレッサの吐出圧力の設定値と制御電流との関係を示したグラフで、(b)はコンプレッサの吐出圧力と吐出容量との関係を示したグラフである(第実施形態)。
【符号の説明】
E エンジン(内燃機関)
1 空調ユニット
2 空調ダクト
3 遠心式送風機
4 温水式暖房装置
5 温水ヒータ
6 エバポレータ(冷媒蒸発器)
7 コンプレッサ(冷媒圧縮機)
8 電磁クラッチ
9 電磁式容量制御弁(吐出容量可変手段)
10 エアコンECU
14 冷却水循環回路
20 冷凍サイクル
21 冷凍サイクル回路(第1冷媒循環回路)
22 ホットガスヒータ回路(2冷媒循環回路)
23 第1電磁弁(循環回路切替手段)
24 第2電磁弁(循環回路切替手段)
25 コンデンサ(冷媒凝縮器)
98 切換制御弁
99 ホットガス容量制御弁
110 ヒータ吹出温度センサ(吹出温度検出手段、ヒータ吹出温度検出手段)
120 高圧制御弁(吐出圧力可変手段)

Claims (4)

  1. (a)車室内に空調空気を導く空調ダクトと、
    (b)この空調ダクト内に配されて、流入した冷媒を空気と熱交換させて蒸発気化させる冷媒蒸発器と、
    (c)前記空調ダクト内において前記冷媒蒸発器の空気下流側に配されて、内燃機関の冷却水を暖房用熱源として空気を加熱する温水ヒータと、
    (d)内燃機関により回転駆動されて冷媒を圧縮する冷媒圧縮機と、
    (e)流入した冷媒を冷却媒体と熱交換させて凝縮液化させる冷媒凝縮器と、
    (f)前記冷媒圧縮機より吐出された冷媒を、前記冷媒凝縮器を通過させて前記冷媒蒸発器に流し、前記冷媒圧縮機に戻すようにした第1冷媒循環回路と、
    (g)前記冷媒圧縮機より吐出された冷媒を、前記冷媒凝縮器より迂回させて前記冷媒蒸発器に流し、前記冷媒圧縮機に戻すようにした第2冷媒循環回路と、
    (h)前記第1冷媒循環回路と前記第2冷媒循環回路とを切り替える循環回路切替手段と、
    (i)前記内燃機関より流出した冷却水を、前記温水ヒータに流し、前記内燃機関に戻すようにした冷却水循環回路と、
    (j)前記第2冷媒循環回路に切り替えられている時に、前記冷媒圧縮機より吐出される吐出圧力が設定値以上に高くなると、前記冷媒圧縮機より吐出される吐出容量を小さくする吐出容量可変手段と、
    (k)前記空調ダクトから車室内に吹き出す空気の吹出温度を検出する吹出温度検出手段と、
    (l)前記第2冷媒循環回路に切り替えられている時に、この吹出温度検出手段にて検出した吹出温度が目標値に近づく程、前記吐出圧力の設定値を低く設定する吐出圧力可変手段と
    を備えた車両用空調装置
  2. 請求項1に記載の車両用空調装置において、
    前記吹出温度検出手段は、前記温水ヒータを通過した直後の空気温度を検出するヒータ吹出温度検出手段であることを特徴とする車両用空調装置
  3. 請求項1に記載の車両用空調装置において、
    前記吹出温度検出手段は、前記温水ヒータに流入する冷却水の温度を検出する冷却水温度検出手段であることを特徴とする車両用空調装置
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の車両用空調装置において、
    前記吐出容量可変手段は、前記第2冷媒循環回路に切り替えられている時に、前記冷媒圧縮機より吐出される吐出圧力が設定値以下に低くなると、前記冷媒圧縮機より吐出される吐出容量を大きくすることを特徴とする車両用空調装置。
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