JP3820664B2 - 車両用空気調和装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷媒圧縮機、冷媒凝縮器、受液器、減圧手段および冷媒蒸発器を環状に連結してなる冷凍サイクルを備えた車両用空気調和装置に関するもので、特に冷凍サイクルの減圧手段として、冷媒蒸発器の出口で冷媒の蒸発が完了するような状態に保つ温度作動式の膨張弁を用いた車両用空気調和装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、空気調和装置においては、冷凍サイクルの運転中、冷媒圧縮機および冷媒凝縮器の温度が冷媒蒸発器の温度よりも高温となっている。そして、冷凍サイクルの運転を停止すると、冷媒蒸発器の温度が高くなり、冷媒圧縮機の温度が低くなる。このとき、冷媒凝縮器および冷媒蒸発器と冷媒圧縮機との間に温度差が生じ、冷媒圧縮機の温度が冷媒凝縮器および冷媒蒸発器の温度よりも低くなると、冷媒凝縮器内の液冷媒や高圧配管内のガス冷媒が温度の低い冷媒圧縮機へ逆流し、また冷媒蒸発器内の液冷媒や低圧配管内のガス冷媒が温度の低い冷媒圧縮機側に移動する。そして、冷媒圧縮機側に移動した冷媒は、温度の低い冷媒圧縮機に流入することによりガス冷媒も冷やされて液冷媒となって冷媒圧縮機内で寝込む現象が生じる可能性がある。このような液冷媒で寝込む現象が生じると、冷凍サイクルの始動時に冷媒圧縮機が液圧縮を行うという不具合が発生する可能性もある。
【0003】
そこで、従来より、定置式空気調和装置においては、冷凍サイクルの停止後に電気ヒータを通電して冷媒圧縮機を加熱することにより、冷媒圧縮機の低温化を防ぎ、冷媒圧縮機内への液冷媒の寝込みを防止するようにした技術(第1従来例)が提案されている。
また、従来より、車両用空気調和装置においては、冷媒圧縮機の前の低圧配管の途中に設置した常閉型電磁弁、および冷媒圧縮機の後の高圧配管の途中に設置した常閉型電磁弁によって、冷凍サイクルの停止後に、冷媒凝縮器側および冷媒蒸発器側から冷媒が冷媒圧縮機内に侵入することを防止して、冷媒圧縮機付近の冷媒量を減らすようにした技術(第2従来例)も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、第1従来例においては、定置式空気調和装置のように常時電源が確保されているものには良い方法であるが、電気部品の電源が寿命に限りのあるバッテリーを利用する車両用空気調和装置の場合には、エンジン停止中に冷媒圧縮機を加熱するために電気ヒータを通電することはバッテリあがりの要因にもなるため、採用するには問題がある。
また、第2従来例においては、一方の常閉型電磁弁を冷凍サイクルの高圧配管の途中に設け、他方の常閉型電磁弁を低圧配管の途中に設ける必要があるので、冷凍サイクルを構成する構成部品の部品点数が多くなり、冷凍サイクルへの組付工数も増加するので、冷凍サイクル全体の製品コストが上昇する。さらに、常閉型電磁弁だけでは完全に冷媒の移動を防止することはできず、信頼性の面で心配が増加するという問題が生じる。
【0005】
【発明の目的】
本発明の目的は、冷凍サイクルを運転した後に停止すると、冷媒圧縮機から減圧装置までの間の冷媒流路に冷媒が多く存在し、冷媒凝縮器側が圧力が高いという点に着目し、冷凍サイクルの停止中に、大きな電力を必要とする電気部品を使用することなく、冷媒圧縮機への液冷媒の寝込みを防止することのできる車両用空気調和装置を提供することにある。さらに、冷媒凝縮器側から冷媒圧縮機への冷媒の逆流を完全に防止することのできる車両用空気調和装置を提供することにある。また、冷凍サイクルを構成する構成部品の部品点数および冷凍サイクルへの組付工数を減少することにより冷凍サイクル全体の製品価格を減少することのできる車両用空気調和装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、空調制御装置によって、冷凍サイクルを運転した後に停止する指令を受けてから所定時間が経過するまでの間に、圧縮機駆動手段および凝縮器送風機の作動を継続させると共に、蒸発器送風機を最低回転速度で作動させることにより、温度作動式の膨張弁が冷媒蒸発器の出口で所定の過熱度を得るために膨張弁が絞られる。それによって、冷媒蒸発器に流入する冷媒量が少なくなることにより、膨張弁と冷媒圧縮機との間の冷媒流路中の冷媒量が少なくなり、冷媒圧縮機と膨張弁との間の冷媒流量中の冷媒量が増える。また、冷媒圧縮機と冷媒凝縮器との間に逆流防止手段を設けることにより、冷媒凝縮器より冷媒圧縮機へ向かう冷媒の逆流が阻止される。
【0007】
したがって、冷凍サイクルを運転した後に冷凍サイクルを停止してから長時間が経過して、冷媒凝縮器および冷媒蒸発器よりも冷媒圧縮機の温度が低くなっても、膨張弁と冷媒圧縮機との間の冷媒流路中の冷媒量が少ないので、冷媒蒸発器側から冷媒圧縮機内に移動する量が減り、冷媒凝縮器側から冷媒圧縮機内への冷媒の移動が防止される。これにより、冷媒圧縮機に電気ヒータを取り付けたり、冷媒圧縮機の前後に常閉型電磁弁を設けることなく、冷媒圧縮機内において液冷媒での寝込みが抑制されるので、冷凍サイクルの運転開始時の冷媒圧縮機が液圧縮することを抑えることができ、冷凍サイクルを構成する構成部品の部品点数および冷凍サイクルへの組付工数を減少することにより冷凍サイクル全体の製品価格を減少することができる。
【0008】
また、逆流防止手段から冷媒蒸発器側の冷媒量を少なくし、逆流防止手段から冷媒凝縮器側の冷媒量を多くすることにより、逆流防止手段の前後で温度差が生じ、逆流防止手段の前後の圧力差が大きくなるので、逆流防止手段のシール性を向上できるので、冷媒凝縮器側から冷媒圧縮機への冷媒の逆流を完全に防止することができる。さらに、冷媒圧縮機よりも冷媒蒸発器側の温度が高くなっても、逆流防止手段から冷媒蒸発器側の冷媒量が少ないと、逆流防止手段から冷媒蒸発器側の圧力が高くならず、逆流防止手段の前後で圧力が均圧となることも防止できるので、逆流防止手段のシール性の低下を防止することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、エアコンスイッチやキースイッチ等の手動操作手段から冷凍サイクルを停止する信号を入力すると、空調制御装置によって、上記の作動がなされる。それによって、請求項1に記載の効果と同様な効果が得られる。
請求項3に記載の発明によれば、逆流防止手段として、逆止弁または直動式電磁弁を用いることにより、冷媒凝縮器側から冷媒圧縮機への冷媒の逆流を完全に防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態の構成〕
図1ないし図3は本発明の第1実施形態を示したもので、図1は車両用空気調和装置の冷凍サイクルを示した図で、図2は温度作動式膨張弁と冷媒蒸発器を示した図で、図3は車両用空気調和装置の制御系を示した図である。
【0011】
本実施形態の車両用空気調和装置は、大型バス車両、鉄道車両または普通自動車等の車両走行用エンジンとは別途架装されたサブエンジンEに駆動される冷凍サイクル1の冷凍機器を、エアコン制御装置10によって自動コントロールされるように構成されたオートエアコンである。
【0012】
冷凍サイクル1は、図1に示したように、サブエンジン(本発明の圧縮機駆動手段に相当する)Eの駆動力によって吸入口から吸入した冷媒を圧縮して吐出口から吐出する冷媒圧縮機(コンプレッサ)2、この冷媒圧縮機2の吐出口から吐出された冷媒を凝縮させる冷媒凝縮器(コンデンサ)3、この冷媒凝縮器3から流入した冷媒を気液分離する気液分離器(レシーバ)4、この気液分離器4から流入した冷媒を減圧させる温度作動式の膨張弁(エキスパンションバルブ)5、この膨張弁5から流入した冷媒と空気とを熱交換して冷媒を蒸発させる冷媒蒸発器(エバポレータ)6等から構成されている。
【0013】
そして、冷凍サイクル1は、、冷凍サイクル1中に冷媒を循環させ、車両の車室内の熱を冷媒蒸発器6で吸収し、冷媒凝縮器3から車室外へ放出させることにより、車両の車室内を冷房する。上記のうち冷媒圧縮機2の吐出口と冷媒凝縮器3の入口との間を連結する冷媒配管(冷媒流路)には、冷媒の逆流を防止する逆止弁(本発明の逆流防止手段に相当する)7が設置されている。
【0014】
そして、冷媒凝縮器3近傍には、この冷媒凝縮器3内を通過する冷媒を冷却する空気を冷媒凝縮器3に送風する凝縮器送風機8が設けられている。この凝縮器送風機8は、図示しないシュラウド内に回転自在に収容された軸流式ファン11とこの軸流式ファン11を回転駆動するファンモータ12とから構成され、一定の回転速度で軸流式ファン11が回転する。なお、ファンモータ12を廃止して、サブエンジンEにより軸流式ファン11を直結駆動またはベルト駆動しても良い。
【0015】
また、冷媒蒸発器6が設置され、空気を車室内に送るための空調ダクト(図示せず)には、冷媒蒸発器6内を通過する冷媒を加熱する空気を冷媒蒸発器6に送風する蒸発器送風機9が設けられている。この蒸発器送風機9は、空調ダクト内に回転自在に収容された遠心式ブロワ13とこの遠心式ブロワ13を回転駆動するブロワモータ14とから構成され、少なくとも3段階の回転速度で遠心式ブロワ13が回転する。なお、ブロワモータ14を廃止して、サブエンジンEにより遠心式ブロワ13を直結駆動またはベルト駆動しても良い。また、冷媒蒸発器6と空調ダクトのユニットケースとからクーリングユニットが構成される。
【0016】
また、上記のうち膨張弁5は、本発明の減圧装置に相当する部品で、図2に示したように、弁ケース20内を摺動するニードル弁(弁体)21と、このニードル弁21を駆動する感温エレメント22等から構成されている。ニードル弁21は、気液分離器4より流入した液冷媒を小さな弁孔(絞り孔)23から噴射させることにより急激に膨張させて低温、低圧の霧状冷媒(気液二相状態の冷媒)にする。
【0017】
感温エレメント22は、感温筒24、キャピラリチューブ25、ダイヤフラム26またはベローズ(図示せず)を含む動力部27等を有している。感温筒24は、内部に冷媒と同じ成分のガスが封入されており、冷媒圧縮機2の吸入口に吸入されるガス冷媒の過熱度(スーパーヒート)、すなわち、冷媒蒸発器6の出口の冷媒の温度変化を検出する冷媒温度検出手段である。
【0018】
キャピラリチューブ25は、感温筒24内と動力部27の片側の圧力室(ダイヤフラム室)28内とを連通すると共に、感温筒24内の圧力変化をダイヤフラム室28に導く導圧管路を形成する。ダイヤフラム26は、ダイヤフラム室28内の圧力変化に基づいて、ニードル弁21を図示上下方向に駆動する弁体駆動手段である。
【0019】
なお、膨張弁5は、冷媒蒸発器6の出口の冷媒温度が所定の過熱度(例えば10℃)以上に上昇すると感温筒24内のガスが膨張し、プレッシャースプリング29のばね力に抗してダイヤフラム26が図示下方に変位することにより、ニードル弁21を押し下げて弁孔23の開度を大きくして冷媒蒸発器6に供給される冷媒量を増やす。また、冷媒蒸発器6の出口の冷媒温度が所定の過熱度(例えば10℃)よりも下降すると感温筒24内のガスが収縮し、プレッシャスプリング29のばね力によりダイヤフラム26が図示上方に変位することにより、ニードル弁21が上昇し弁孔23の開度を小さくして冷媒蒸発器6に供給される冷媒量を減らす。
【0020】
エアコン制御装置10は、本発明の空調制御装置に相当する部品で、図3に示したように、車室内に設けられた操作パネル30上の各スイッチからのスイッチ信号、および車室内を空調するのに必要な空調情報を検出する空調情報検出手段を構成する各センサからのセンサ信号を入力する。このエアコン制御装置10は、各スイッチからのスイッチ信号および各センサからのセンサ信号に応じて演算処理を行い、少なくともサブエンジンEの始動、停止、ファンモータ12の作動、停止、ブロワモータ14のブロワ電圧の変更等を制御する。そして、エアコン制御装置10は、CPU、ROM、RAM等からなり、その構成自体は周知のマイクロコンピュータで、車両のキースイッチ(本発明の手動操作手段に相当する)31がオフされても少なくとも所定時間(例えば1秒間)はバッテリ32より電力が供給されて作動状態を継続する。
【0021】
ここで、操作パネル30上には、エアコンスイッチ(本発明の手動操作手段に相当する)33、温度設定レバー34および風量切替レバー35等が設置されている。上記のうちエアコンスイッチ33は、オンされると冷凍サイクル1の運転を指令する信号をエアコン制御装置10に出力し、オフされると冷凍サイクル1の停止を指令する信号をエアコン制御装置10に出力する。
【0022】
また、風量切替レバー35は、遠心式ブロワ13を停止するオフ(OFF)位置、遠心式ブロワ13の送風量を最大風量から最小風量まで段階的または連続的に自動コントロールするためのオート(AUTO)位置、遠心式ブロワ13の送風量を最小風量から最大風量まで3段階に固定する最小風量(LO)位置、中間風量(ME)位置および最大風量(HI)位置を備えている。ここで、本実施形態では、ブロワモータ14に印加するブロワ電圧が最小値(例えば6V)の場合には、遠心式ブロワ13の回転速度が最低回転速度となり、遠心式ブロワ13の送風量が最小風量となる。
【0023】
また、ブロワモータ14に印加するブロワ電圧が中間値(例えば12V)の場合には、遠心式ブロワ13の回転速度が中間回転速度となり、遠心式ブロワ13の送風量が中間風量となる。さらに、ブロワモータ14に印加するブロワ電圧が最大値(例えば24V)の場合には、遠心式ブロワ13の回転速度が最大回転速度となり、遠心式ブロワ13の送風量が最大風量となる。
【0024】
〔第1実施形態の作用〕
次に、本実施形態の車両用空気調和装置の作用を図1ないし図3に基づいて簡単に説明する。
【0025】
冷凍サイクル1の運転が行われた後に、キースイッチ31がオフされるか、あるいはエアコンスイッチ33がオフされると、冷凍サイクル1を停止する信号がエアコン制御装置10に入力される。すると、エアコン制御装置10は、サブエンジンEの運転およびファンモータ12への通電を所定時間(例えば1分間)継続すると共に、ブロワモータ14に最小のブロワ電圧を所定時間(例えば1分間)印加する。
【0026】
これにより、サブエンジンEにより駆動される冷媒圧縮機2は、吸入口より吸入した冷媒を圧縮して高温高圧のガス冷媒を吐出する。そして、冷媒圧縮機2の吐出口より吐出された高温高圧のガス冷媒は、順方向に流れているため、逆止弁7を通過して冷媒凝縮器3内に流入する。そして、ガス冷媒は、冷媒凝縮器3を通過する際に、軸流式ファン11により吹き付けられる空気と熱交換して冷却されることにより凝縮液化される。
【0027】
凝縮した液冷媒は、気液分離器4内に流入して気液分離し、液冷媒のみが膨張弁5へ供給される。そして、液冷媒は、膨張弁5の小さな弁孔23から噴射させることにより急激に膨張して低温、低圧の霧状冷媒(気液二相状態の冷媒)となる。この霧状冷媒は、冷媒蒸発器6に流入して、遠心式ブロワ13により吹き付けられる空気と熱交換して加熱されることにより蒸発気化する。このとき、冷媒蒸発器6の出口では所定の過熱度を持つ過熱蒸気となる。そして、この過熱蒸気は、吸入口から冷媒圧縮機2内に吸入されて再度圧縮される。この冷凍サイクル1の運転が、冷凍サイクル1を停止する信号を入力してから所定時間(例えば1分間)継続される。
【0028】
ここで、本実施形態では、冷媒蒸発器6内を通過する冷媒を加熱するための空気流を遠心式ブロワ13により発生しているが、ブロワモータ14に最小値のブロワ電圧が印加されているため、遠心式ブロワ13の回転によって生ずる送風量は最小風量に設定されている。これにより、冷媒蒸発器6の出口の冷媒温度が所定の過熱度(例えば10℃)よりも下降するため、感温筒24内のガスが収縮し、プレッシャースプリング29のばね力によりダイヤフラム26が図示上方に変位することにより、ニードル弁21が上昇し弁孔23の開度が小さくなる。この結果、膨張弁5の弁孔23から冷媒圧縮機2の吸入口までの冷媒蒸発器6側の冷媒量が少なくなり、冷媒圧縮機2の吐出口から膨張弁5の弁孔23までの冷媒凝縮器側の冷媒量が多くなる。
【0029】
そして、所定時間が経過した後に、サブエンジンEの運転、ファンモータ12およびブロワモータ14への通電を停止してエアコン制御装置10の作動も停止する。その後に、冷媒圧縮機2の駆動が長時間行われないと、冷媒凝縮器3の温度よりも冷媒圧縮機2の温度の方が低くなって、冷媒が冷媒圧縮機2内へ向かおうとするが、逆止弁7が冷媒圧縮機2の前に設置されているので、冷媒凝縮器3側から冷媒圧縮機2内に向かう冷媒の逆流が阻止される。
【0030】
〔第1実施形態の効果〕
以上のように、車両用空気調和装置は、冷凍サイクル1を運転した後に冷凍サイクル1を停止してから長時間が経過して、冷媒凝縮器3および冷媒蒸発器6よりも冷媒圧縮機2の温度が低くなっても、膨張弁5と冷媒圧縮機2との間の冷媒流路中の冷媒量が少ないので、冷媒蒸発器6側から冷媒圧縮機2内に移動する量が減り、冷媒凝縮器3側から冷媒圧縮機2内への冷媒の移動が防止される。これにより、冷媒圧縮機2内において液冷媒での寝込みが抑制されるので、冷凍サイクル1の運転開始時に冷媒圧縮機2の液圧縮を防止することができる。
【0031】
したがって、冷凍サイクル1が長期間(例えば一晩)停止していても、大きな電力を必要とする電気ヒータや電動式膨張弁等の電気部品を使用することなく、また高価な2個の常閉型電磁弁を冷媒圧縮機2の前後に設置することなく、冷媒圧縮機2への液冷媒の寝込みを防止することができるので、冷凍サイクル1を構成する構成部品の部品点数および冷凍サイクル1への組付工数を減少でき、冷凍サイクル全体の製品価格を減少することができる。
【0032】
また、逆止弁7から冷媒蒸発器6側の冷媒量を少なくし、逆止弁7から冷媒凝縮器3側の冷媒量を多くすることにより、逆止弁7の前後で温度差が生じ、逆止弁7の前後の圧力差が大きくなるので、逆止弁7のシール性を向上できるので、冷媒凝縮器3側から冷媒圧縮機2への冷媒の逆流を完全に防止することができる。さらに、冷媒圧縮機2よりも冷媒蒸発器6側の温度が高くなっても、逆止弁7から冷媒蒸発器6側の冷媒量が少ないと、逆止弁7から冷媒蒸発器6側の圧力が高くならず、逆止弁7の前後で圧力が均圧となることも防止できるので、逆止弁7のシール性の低下を防止することができる。
【0033】
〔第2実施形態〕
図4は本発明の第2実施形態を示したもので、車両用空気調和装置の冷凍サイクルを示した図である。
【0034】
本実施形態では、第1実施形態の逆止弁7の代わりに、本発明の逆流防止手段としての直動式電磁弁19を冷媒圧縮機2の吐出口と冷媒凝縮器3の入口との間を連結する冷媒配管の途中に設置している。本実施形態の冷凍サイクル1も、第1実施形態と同じ作用および効果を奏することができる。
【0035】
〔他の実施形態〕
本実施形態では、圧縮機駆動手段として車両走行用エンジンとは別途搭載されたサブエンジンを用いたが、圧縮機駆動手段として走行用エンジンや電動モータ等の駆動源によりベルト駆動され、駆動源から冷媒圧縮機2に伝達される回転動力を断続する電磁クラッチを用いても良い。
【0036】
本実施形態では、冷媒圧縮機2の吐出口と冷媒凝縮器3の入口との間を連結する冷媒配管の途中に、逆止弁7や直動式電磁弁19等の逆流防止手段を設けたが、冷媒圧縮機2の内部に逆流防止手段を設けても良い。また、空調制御装置は、車室内を空調するのに必要な空調情報を検出する空調情報検出手段を有し、この空調情報検出手段で検出した空調情報から演算された空調モードが、冷凍サイクル1の運転を停止する停止モードの時に、冷凍サイクル1の運転を停止する信号を入力するようにしても良い。
【0037】
本実施形態では、冷凍サイクル1を停止する信号を入力した後に、軸流式ファン11を通常の速度で回転させ、遠心式ブロワ13を通常の最小風量となる速度で回転させるようにしたが、冷凍サイクル1を停止する信号を入力した後に、軸流式ファン11を通常の速度よりも高速で回転させたり、遠心式ブロワ13を通常の最小風量の回転速度よりも低速となる速度で回転させるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用空気調和装置の冷凍サイクルを示した構成図である(第1実施形態)。
【図2】温度作動式の膨張弁と冷媒蒸発器を示した概略図である(第1実施形態)。
【図3】車両用空気調和装置の制御系を示したブロック図である(第1実施形態)。
【図4】車両用空気調和装置の冷凍サイクルを示した構成図である(第2実施形態)。
【符号の説明】
E サブエンジン(本発明の圧縮機駆動手段に相当する)
1 冷凍サイクル
2 冷媒圧縮機
3 冷媒凝縮器
4 気液分離器
5 膨張弁(減圧装置)
6 冷媒蒸発器
7 逆止弁(逆流防止手段)
8 凝縮器送風機
9 蒸発器送風機
10 エアコン制御装置
19 直動式電磁弁(逆流防止手段)
31 キースイッチ(手動操作手段)
33 エアコンスイッチ(手動操作手段)

Claims (3)

  1. 冷媒圧縮機、冷媒凝縮器、気液分離器、減圧装置および冷媒蒸発器を環状に連結してなると共に、前記減圧装置として、前記冷媒蒸発器内における冷媒の気化状態に応じて前記冷媒蒸発器に供給する冷媒量を調節する温度作動式の膨張弁を用いた冷凍サイクルと、
    前記冷媒圧縮機を駆動する圧縮機駆動手段と、
    前記冷媒凝縮器への送風を行う凝縮器送風機と、
    前記冷媒蒸発器への送風を行う蒸発器送風機と、
    前記圧縮機駆動手段、前記凝縮器送風機および前記蒸発器送風機の作動および停止を制御する空調制御装置と
    を備えた車両用空気調和装置において、
    前記冷凍サイクルは、前記冷媒圧縮機と前記冷媒凝縮器との間に、前記冷媒凝縮器より前記冷媒圧縮機へ向かう冷媒の逆流を阻止する逆流防止手段を設け、
    前記空調制御装置は、前記冷凍サイクルを停止する指令を受けてから所定時間が経過するまでの間、前記圧縮機駆動手段および前記凝縮器送風機の作動を継続させると共に、前記蒸発器送風機を最低回転速度で作動させることを特徴とする車両用空気調和装置。
  2. 請求項1に記載の車両用空気調和装置において、
    前記空調制御装置は、エアコンスイッチやキースイッチ等の手動操作手段から前記冷凍サイクルを停止する信号を入力することを特徴とする車両用空気調和装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用空気調和装置において、
    前記逆流防止手段は、逆止弁または直動式電磁弁であることを特徴とする車両用空気調和装置。
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