JPH10226225A - 車両用空気調和装置 - Google Patents

車両用空気調和装置

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JPH10226225A
JPH10226225A JP3155297A JP3155297A JPH10226225A JP H10226225 A JPH10226225 A JP H10226225A JP 3155297 A JP3155297 A JP 3155297A JP 3155297 A JP3155297 A JP 3155297A JP H10226225 A JPH10226225 A JP H10226225A
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compressor
condenser
evaporator
air conditioner
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷凍サイクル1の停止中に、大きな電力を必
要とする電気部品を使用することなく、冷媒圧縮機2へ
の液冷媒の寝込みを防止すると共に、冷媒凝縮器3側か
ら冷媒圧縮機2への冷媒の逆流を完全に防止する。 【解決手段】 減圧装置として温度作動式の膨張弁5を
使用し、且つ冷媒圧縮機2の吐出口と冷媒凝縮器3の入
口との間を連結する冷媒配管の途中に逆止弁7を設置し
た。そして、冷凍サイクル1を運転した後に冷凍サイク
ル1を停止する信号を受けた場合に、冷媒圧縮機2の駆
動、軸流式ファン11および遠心式ブロワ13の作動を
所定時間継続すると共に、その間は遠心式ブロワ13の
送風量を最小風量にすることで膨張弁5で冷媒蒸発器6
側の冷媒量を少なくし、冷媒凝縮器3側の冷媒量を多く
した。これにより、冷凍サイクル1を長期間使用しなく
ても、冷媒圧縮機2への液冷媒の寝込みを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷媒圧縮機、冷媒
凝縮器、受液器、減圧手段および冷媒蒸発器を環状に連
結してなる冷凍サイクルを備えた車両用空気調和装置に
関するもので、特に冷凍サイクルの減圧手段として、冷
媒蒸発器の出口で冷媒の蒸発が完了するような状態に保
つ温度作動式の膨張弁を用いた車両用空気調和装置に係
わる。
【0002】
【従来の技術】従来より、空気調和装置においては、冷
凍サイクルの運転中、冷媒圧縮機および冷媒凝縮器の温
度が冷媒蒸発器の温度よりも高温となっている。そし
て、冷凍サイクルの運転を停止すると、冷媒蒸発器の温
度が高くなり、冷媒圧縮機の温度が低くなる。このと
き、冷媒凝縮器および冷媒蒸発器と冷媒圧縮機との間に
温度差が生じ、冷媒圧縮機の温度が冷媒凝縮器および冷
媒蒸発器の温度よりも低くなると、冷媒凝縮器内の液冷
媒や高圧配管内のガス冷媒が温度の低い冷媒圧縮機へ逆
流し、また冷媒蒸発器内の液冷媒や低圧配管内のガス冷
媒が温度の低い冷媒圧縮機側に移動する。そして、冷媒
圧縮機側に移動した冷媒は、温度の低い冷媒圧縮機に流
入することによりガス冷媒も冷やされて液冷媒となって
冷媒圧縮機内で寝込む現象が生じる可能性がある。この
ような液冷媒で寝込む現象が生じると、冷凍サイクルの
始動時に冷媒圧縮機が液圧縮を行うという不具合が発生
する可能性もある。
【0003】そこで、従来より、定置式空気調和装置に
おいては、冷凍サイクルの停止後に電気ヒータを通電し
て冷媒圧縮機を加熱することにより、冷媒圧縮機の低温
化を防ぎ、冷媒圧縮機内への液冷媒の寝込みを防止する
ようにした技術(第1従来例)が提案されている。ま
た、従来より、車両用空気調和装置においては、冷媒圧
縮機の前の低圧配管の途中に設置した常閉型電磁弁、お
よび冷媒圧縮機の後の高圧配管の途中に設置した常閉型
電磁弁によって、冷凍サイクルの停止後に、冷媒凝縮器
側および冷媒蒸発器側から冷媒が冷媒圧縮機内に侵入す
ることを防止して、冷媒圧縮機付近の冷媒量を減らすよ
うにした技術(第2従来例)も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、第1従来例
においては、定置式空気調和装置のように常時電源が確
保されているものには良い方法であるが、電気部品の電
源が寿命に限りのあるバッテリーを利用する車両用空気
調和装置の場合には、エンジン停止中に冷媒圧縮機を加
熱するために電気ヒータを通電することはバッテリあが
りの要因にもなるため、採用するには問題がある。ま
た、第2従来例においては、一方の常閉型電磁弁を冷凍
サイクルの高圧配管の途中に設け、他方の常閉型電磁弁
を低圧配管の途中に設ける必要があるので、冷凍サイク
ルを構成する構成部品の部品点数が多くなり、冷凍サイ
クルへの組付工数も増加するので、冷凍サイクル全体の
製品コストが上昇する。さらに、常閉型電磁弁だけでは
完全に冷媒の移動を防止することはできず、信頼性の面
で心配が増加するという問題が生じる。
【0005】
【発明の目的】本発明の目的は、冷凍サイクルを運転し
た後に停止すると、冷媒圧縮機から減圧装置までの間の
冷媒流路に冷媒が多く存在し、冷媒凝縮器側が圧力が高
いという点に着目し、冷凍サイクルの停止中に、大きな
電力を必要とする電気部品を使用することなく、冷媒圧
縮機への液冷媒の寝込みを防止することのできる車両用
空気調和装置を提供することにある。さらに、冷媒凝縮
器側から冷媒圧縮機への冷媒の逆流を完全に防止するこ
とのできる車両用空気調和装置を提供することにある。
また、冷凍サイクルを構成する構成部品の部品点数およ
び冷凍サイクルへの組付工数を減少することにより冷凍
サイクル全体の製品価格を減少することのできる車両用
空気調和装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
よれば、空調制御装置によって、冷凍サイクルを運転し
た後に停止する指令を受けてから所定時間が経過するま
での間に、圧縮機駆動手段および凝縮器送風機の作動を
継続させると共に、蒸発器送風機を最低回転速度で作動
させることにより、温度作動式の膨張弁が冷媒蒸発器の
出口で所定の過熱度を得るために膨張弁が絞られる。そ
れによって、冷媒蒸発器に流入する冷媒量が少なくなる
ことにより、膨張弁と冷媒圧縮機との間の冷媒流路中の
冷媒量が少なくなり、冷媒圧縮機と膨張弁との間の冷媒
流量中の冷媒量が増える。また、冷媒圧縮機と冷媒凝縮
器との間に逆流防止手段を設けることにより、冷媒凝縮
器より冷媒圧縮機へ向かう冷媒の逆流が阻止される。
【0007】したがって、冷凍サイクルを運転した後に
冷凍サイクルを停止してから長時間が経過して、冷媒凝
縮器および冷媒蒸発器よりも冷媒圧縮機の温度が低くな
っても、膨張弁と冷媒圧縮機との間の冷媒流路中の冷媒
量が少ないので、冷媒蒸発器側から冷媒圧縮機内に移動
する量が減り、冷媒凝縮器側から冷媒圧縮機内への冷媒
の移動が防止される。これにより、冷媒圧縮機に電気ヒ
ータを取り付けたり、冷媒圧縮機の前後に常閉型電磁弁
を設けることなく、冷媒圧縮機内において液冷媒での寝
込みが抑制されるので、冷凍サイクルの運転開始時の冷
媒圧縮機が液圧縮することを抑えることができ、冷凍サ
イクルを構成する構成部品の部品点数および冷凍サイク
ルへの組付工数を減少することにより冷凍サイクル全体
の製品価格を減少することができる。
【0008】また、逆流防止手段から冷媒蒸発器側の冷
媒量を少なくし、逆流防止手段から冷媒凝縮器側の冷媒
量を多くすることにより、逆流防止手段の前後で温度差
が生じ、逆流防止手段の前後の圧力差が大きくなるの
で、逆流防止手段のシール性を向上できるので、冷媒凝
縮器側から冷媒圧縮機への冷媒の逆流を完全に防止する
ことができる。さらに、冷媒圧縮機よりも冷媒蒸発器側
の温度が高くなっても、逆流防止手段から冷媒蒸発器側
の冷媒量が少ないと、逆流防止手段から冷媒蒸発器側の
圧力が高くならず、逆流防止手段の前後で圧力が均圧と
なることも防止できるので、逆流防止手段のシール性の
低下を防止することができる。
【0009】請求項2に記載の発明によれば、エアコン
スイッチやキースイッチ等の手動操作手段から冷凍サイ
クルを停止する信号を入力すると、空調制御装置によっ
て、上記の作動がなされる。それによって、請求項1に
記載の効果と同様な効果が得られる。請求項3に記載の
発明によれば、逆流防止手段として、逆止弁または直動
式電磁弁を用いることにより、冷媒凝縮器側から冷媒圧
縮機への冷媒の逆流を完全に防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態の構成〕図1ないし図3は本発明の第1
実施形態を示したもので、図1は車両用空気調和装置の
冷凍サイクルを示した図で、図2は温度作動式膨張弁と
冷媒蒸発器を示した図で、図3は車両用空気調和装置の
制御系を示した図である。
【0011】本実施形態の車両用空気調和装置は、大型
バス車両、鉄道車両または普通自動車等の車両走行用エ
ンジンとは別途架装されたサブエンジンEに駆動される
冷凍サイクル1の冷凍機器を、エアコン制御装置10に
よって自動コントロールされるように構成されたオート
エアコンである。
【0012】冷凍サイクル1は、図1に示したように、
サブエンジン(本発明の圧縮機駆動手段に相当する)E
の駆動力によって吸入口から吸入した冷媒を圧縮して吐
出口から吐出する冷媒圧縮機(コンプレッサ)2、この
冷媒圧縮機2の吐出口から吐出された冷媒を凝縮させる
冷媒凝縮器(コンデンサ)3、この冷媒凝縮器3から流
入した冷媒を気液分離する気液分離器(レシーバ)4、
この気液分離器4から流入した冷媒を減圧させる温度作
動式の膨張弁(エキスパンションバルブ)5、この膨張
弁5から流入した冷媒と空気とを熱交換して冷媒を蒸発
させる冷媒蒸発器(エバポレータ)6等から構成されて
いる。
【0013】そして、冷凍サイクル1は、、冷凍サイク
ル1中に冷媒を循環させ、車両の車室内の熱を冷媒蒸発
器6で吸収し、冷媒凝縮器3から車室外へ放出させるこ
とにより、車両の車室内を冷房する。上記のうち冷媒圧
縮機2の吐出口と冷媒凝縮器3の入口との間を連結する
冷媒配管(冷媒流路)には、冷媒の逆流を防止する逆止
弁(本発明の逆流防止手段に相当する)7が設置されて
いる。
【0014】そして、冷媒凝縮器3近傍には、この冷媒
凝縮器3内を通過する冷媒を冷却する空気を冷媒凝縮器
3に送風する凝縮器送風機8が設けられている。この凝
縮器送風機8は、図示しないシュラウド内に回転自在に
収容された軸流式ファン11とこの軸流式ファン11を
回転駆動するファンモータ12とから構成され、一定の
回転速度で軸流式ファン11が回転する。なお、ファン
モータ12を廃止して、サブエンジンEにより軸流式フ
ァン11を直結駆動またはベルト駆動しても良い。
【0015】また、冷媒蒸発器6が設置され、空気を車
室内に送るための空調ダクト(図示せず)には、冷媒蒸
発器6内を通過する冷媒を加熱する空気を冷媒蒸発器6
に送風する蒸発器送風機9が設けられている。この蒸発
器送風機9は、空調ダクト内に回転自在に収容された遠
心式ブロワ13とこの遠心式ブロワ13を回転駆動する
ブロワモータ14とから構成され、少なくとも3段階の
回転速度で遠心式ブロワ13が回転する。なお、ブロワ
モータ14を廃止して、サブエンジンEにより遠心式ブ
ロワ13を直結駆動またはベルト駆動しても良い。ま
た、冷媒蒸発器6と空調ダクトのユニットケースとから
クーリングユニットが構成される。
【0016】また、上記のうち膨張弁5は、本発明の減
圧装置に相当する部品で、図2に示したように、弁ケー
ス20内を摺動するニードル弁(弁体)21と、このニ
ードル弁21を駆動する感温エレメント22等から構成
されている。ニードル弁21は、気液分離器4より流入
した液冷媒を小さな弁孔(絞り孔)23から噴射させる
ことにより急激に膨張させて低温、低圧の霧状冷媒(気
液二相状態の冷媒)にする。
【0017】感温エレメント22は、感温筒24、キャ
ピラリチューブ25、ダイヤフラム26またはベローズ
(図示せず)を含む動力部27等を有している。感温筒
24は、内部に冷媒と同じ成分のガスが封入されてお
り、冷媒圧縮機2の吸入口に吸入されるガス冷媒の過熱
度(スーパーヒート)、すなわち、冷媒蒸発器6の出口
の冷媒の温度変化を検出する冷媒温度検出手段である。
【0018】キャピラリチューブ25は、感温筒24内
と動力部27の片側の圧力室(ダイヤフラム室)28内
とを連通すると共に、感温筒24内の圧力変化をダイヤ
フラム室28に導く導圧管路を形成する。ダイヤフラム
26は、ダイヤフラム室28内の圧力変化に基づいて、
ニードル弁21を図示上下方向に駆動する弁体駆動手段
である。
【0019】なお、膨張弁5は、冷媒蒸発器6の出口の
冷媒温度が所定の過熱度(例えば10℃)以上に上昇す
ると感温筒24内のガスが膨張し、プレッシャースプリ
ング29のばね力に抗してダイヤフラム26が図示下方
に変位することにより、ニードル弁21を押し下げて弁
孔23の開度を大きくして冷媒蒸発器6に供給される冷
媒量を増やす。また、冷媒蒸発器6の出口の冷媒温度が
所定の過熱度(例えば10℃)よりも下降すると感温筒
24内のガスが収縮し、プレッシャスプリング29のば
ね力によりダイヤフラム26が図示上方に変位すること
により、ニードル弁21が上昇し弁孔23の開度を小さ
くして冷媒蒸発器6に供給される冷媒量を減らす。
【0020】エアコン制御装置10は、本発明の空調制
御装置に相当する部品で、図3に示したように、車室内
に設けられた操作パネル30上の各スイッチからのスイ
ッチ信号、および車室内を空調するのに必要な空調情報
を検出する空調情報検出手段を構成する各センサからの
センサ信号を入力する。このエアコン制御装置10は、
各スイッチからのスイッチ信号および各センサからのセ
ンサ信号に応じて演算処理を行い、少なくともサブエン
ジンEの始動、停止、ファンモータ12の作動、停止、
ブロワモータ14のブロワ電圧の変更等を制御する。そ
して、エアコン制御装置10は、CPU、ROM、RA
M等からなり、その構成自体は周知のマイクロコンピュ
ータで、車両のキースイッチ(本発明の手動操作手段に
相当する)31がオフされても少なくとも所定時間(例
えば1秒間)はバッテリ32より電力が供給されて作動
状態を継続する。
【0021】ここで、操作パネル30上には、エアコン
スイッチ(本発明の手動操作手段に相当する)33、温
度設定レバー34および風量切替レバー35等が設置さ
れている。上記のうちエアコンスイッチ33は、オンさ
れると冷凍サイクル1の運転を指令する信号をエアコン
制御装置10に出力し、オフされると冷凍サイクル1の
停止を指令する信号をエアコン制御装置10に出力す
る。
【0022】また、風量切替レバー35は、遠心式ブロ
ワ13を停止するオフ(OFF)位置、遠心式ブロワ1
3の送風量を最大風量から最小風量まで段階的または連
続的に自動コントロールするためのオート(AUTO)
位置、遠心式ブロワ13の送風量を最小風量から最大風
量まで3段階に固定する最小風量(LO)位置、中間風
量(ME)位置および最大風量(HI)位置を備えてい
る。ここで、本実施形態では、ブロワモータ14に印加
するブロワ電圧が最小値(例えば6V)の場合には、遠
心式ブロワ13の回転速度が最低回転速度となり、遠心
式ブロワ13の送風量が最小風量となる。
【0023】また、ブロワモータ14に印加するブロワ
電圧が中間値(例えば12V)の場合には、遠心式ブロ
ワ13の回転速度が中間回転速度となり、遠心式ブロワ
13の送風量が中間風量となる。さらに、ブロワモータ
14に印加するブロワ電圧が最大値(例えば24V)の
場合には、遠心式ブロワ13の回転速度が最大回転速度
となり、遠心式ブロワ13の送風量が最大風量となる。
【0024】〔第1実施形態の作用〕次に、本実施形態
の車両用空気調和装置の作用を図1ないし図3に基づい
て簡単に説明する。
【0025】冷凍サイクル1の運転が行われた後に、キ
ースイッチ31がオフされるか、あるいはエアコンスイ
ッチ33がオフされると、冷凍サイクル1を停止する信
号がエアコン制御装置10に入力される。すると、エア
コン制御装置10は、サブエンジンEの運転およびファ
ンモータ12への通電を所定時間(例えば1分間)継続
すると共に、ブロワモータ14に最小のブロワ電圧を所
定時間(例えば1分間)印加する。
【0026】これにより、サブエンジンEにより駆動さ
れる冷媒圧縮機2は、吸入口より吸入した冷媒を圧縮し
て高温高圧のガス冷媒を吐出する。そして、冷媒圧縮機
2の吐出口より吐出された高温高圧のガス冷媒は、順方
向に流れているため、逆止弁7を通過して冷媒凝縮器3
内に流入する。そして、ガス冷媒は、冷媒凝縮器3を通
過する際に、軸流式ファン11により吹き付けられる空
気と熱交換して冷却されることにより凝縮液化される。
【0027】凝縮した液冷媒は、気液分離器4内に流入
して気液分離し、液冷媒のみが膨張弁5へ供給される。
そして、液冷媒は、膨張弁5の小さな弁孔23から噴射
させることにより急激に膨張して低温、低圧の霧状冷媒
(気液二相状態の冷媒)となる。この霧状冷媒は、冷媒
蒸発器6に流入して、遠心式ブロワ13により吹き付け
られる空気と熱交換して加熱されることにより蒸発気化
する。このとき、冷媒蒸発器6の出口では所定の過熱度
を持つ過熱蒸気となる。そして、この過熱蒸気は、吸入
口から冷媒圧縮機2内に吸入されて再度圧縮される。こ
の冷凍サイクル1の運転が、冷凍サイクル1を停止する
信号を入力してから所定時間(例えば1分間)継続され
る。
【0028】ここで、本実施形態では、冷媒蒸発器6内
を通過する冷媒を加熱するための空気流を遠心式ブロワ
13により発生しているが、ブロワモータ14に最小値
のブロワ電圧が印加されているため、遠心式ブロワ13
の回転によって生ずる送風量は最小風量に設定されてい
る。これにより、冷媒蒸発器6の出口の冷媒温度が所定
の過熱度(例えば10℃)よりも下降するため、感温筒
24内のガスが収縮し、プレッシャースプリング29の
ばね力によりダイヤフラム26が図示上方に変位するこ
とにより、ニードル弁21が上昇し弁孔23の開度が小
さくなる。この結果、膨張弁5の弁孔23から冷媒圧縮
機2の吸入口までの冷媒蒸発器6側の冷媒量が少なくな
り、冷媒圧縮機2の吐出口から膨張弁5の弁孔23まで
の冷媒凝縮器側の冷媒量が多くなる。
【0029】そして、所定時間が経過した後に、サブエ
ンジンEの運転、ファンモータ12およびブロワモータ
14への通電を停止してエアコン制御装置10の作動も
停止する。その後に、冷媒圧縮機2の駆動が長時間行わ
れないと、冷媒凝縮器3の温度よりも冷媒圧縮機2の温
度の方が低くなって、冷媒が冷媒圧縮機2内へ向かおう
とするが、逆止弁7が冷媒圧縮機2の前に設置されてい
るので、冷媒凝縮器3側から冷媒圧縮機2内に向かう冷
媒の逆流が阻止される。
【0030】〔第1実施形態の効果〕以上のように、車
両用空気調和装置は、冷凍サイクル1を運転した後に冷
凍サイクル1を停止してから長時間が経過して、冷媒凝
縮器3および冷媒蒸発器6よりも冷媒圧縮機2の温度が
低くなっても、膨張弁5と冷媒圧縮機2との間の冷媒流
路中の冷媒量が少ないので、冷媒蒸発器6側から冷媒圧
縮機2内に移動する量が減り、冷媒凝縮器3側から冷媒
圧縮機2内への冷媒の移動が防止される。これにより、
冷媒圧縮機2内において液冷媒での寝込みが抑制される
ので、冷凍サイクル1の運転開始時に冷媒圧縮機2の液
圧縮を防止することができる。
【0031】したがって、冷凍サイクル1が長期間(例
えば一晩)停止していても、大きな電力を必要とする電
気ヒータや電動式膨張弁等の電気部品を使用することな
く、また高価な2個の常閉型電磁弁を冷媒圧縮機2の前
後に設置することなく、冷媒圧縮機2への液冷媒の寝込
みを防止することができるので、冷凍サイクル1を構成
する構成部品の部品点数および冷凍サイクル1への組付
工数を減少でき、冷凍サイクル全体の製品価格を減少す
ることができる。
【0032】また、逆止弁7から冷媒蒸発器6側の冷媒
量を少なくし、逆止弁7から冷媒凝縮器3側の冷媒量を
多くすることにより、逆止弁7の前後で温度差が生じ、
逆止弁7の前後の圧力差が大きくなるので、逆止弁7の
シール性を向上できるので、冷媒凝縮器3側から冷媒圧
縮機2への冷媒の逆流を完全に防止することができる。
さらに、冷媒圧縮機2よりも冷媒蒸発器6側の温度が高
くなっても、逆止弁7から冷媒蒸発器6側の冷媒量が少
ないと、逆止弁7から冷媒蒸発器6側の圧力が高くなら
ず、逆止弁7の前後で圧力が均圧となることも防止でき
るので、逆止弁7のシール性の低下を防止することがで
きる。
【0033】〔第2実施形態〕図4は本発明の第2実施
形態を示したもので、車両用空気調和装置の冷凍サイク
ルを示した図である。
【0034】本実施形態では、第1実施形態の逆止弁7
の代わりに、本発明の逆流防止手段としての直動式電磁
弁19を冷媒圧縮機2の吐出口と冷媒凝縮器3の入口と
の間を連結する冷媒配管の途中に設置している。本実施
形態の冷凍サイクル1も、第1実施形態と同じ作用およ
び効果を奏することができる。
【0035】〔他の実施形態〕本実施形態では、圧縮機
駆動手段として車両走行用エンジンとは別途搭載された
サブエンジンを用いたが、圧縮機駆動手段として走行用
エンジンや電動モータ等の駆動源によりベルト駆動さ
れ、駆動源から冷媒圧縮機2に伝達される回転動力を断
続する電磁クラッチを用いても良い。
【0036】本実施形態では、冷媒圧縮機2の吐出口と
冷媒凝縮器3の入口との間を連結する冷媒配管の途中
に、逆止弁7や直動式電磁弁19等の逆流防止手段を設
けたが、冷媒圧縮機2の内部に逆流防止手段を設けても
良い。また、空調制御装置は、車室内を空調するのに必
要な空調情報を検出する空調情報検出手段を有し、この
空調情報検出手段で検出した空調情報から演算された空
調モードが、冷凍サイクル1の運転を停止する停止モー
ドの時に、冷凍サイクル1の運転を停止する信号を入力
するようにしても良い。
【0037】本実施形態では、冷凍サイクル1を停止す
る信号を入力した後に、軸流式ファン11を通常の速度
で回転させ、遠心式ブロワ13を通常の最小風量となる
速度で回転させるようにしたが、冷凍サイクル1を停止
する信号を入力した後に、軸流式ファン11を通常の速
度よりも高速で回転させたり、遠心式ブロワ13を通常
の最小風量の回転速度よりも低速となる速度で回転させ
るようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用空気調和装置の冷凍サイクルを示した構
成図である(第1実施形態)。
【図2】温度作動式の膨張弁と冷媒蒸発器を示した概略
図である(第1実施形態)。
【図3】車両用空気調和装置の制御系を示したブロック
図である(第1実施形態)。
【図4】車両用空気調和装置の冷凍サイクルを示した構
成図である(第2実施形態)。
【符号の説明】
E サブエンジン(本発明の圧縮機駆動手段に相当す
る) 1 冷凍サイクル 2 冷媒圧縮機 3 冷媒凝縮器 4 気液分離器 5 膨張弁(減圧装置) 6 冷媒蒸発器 7 逆止弁(逆流防止手段) 8 凝縮器送風機 9 蒸発器送風機 10 エアコン制御装置 19 直動式電磁弁(逆流防止手段) 31 キースイッチ(手動操作手段) 33 エアコンスイッチ(手動操作手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】冷媒圧縮機、冷媒凝縮器、気液分離器、減
    圧装置および冷媒蒸発器を環状に連結してなると共に、
    前記減圧装置として、前記冷媒蒸発器内における冷媒の
    気化状態に応じて前記冷媒蒸発器に供給する冷媒量を調
    節する温度作動式の膨張弁を用いた冷凍サイクルと、 前記冷媒圧縮機を駆動する圧縮機駆動手段と、 前記冷媒凝縮器への送風を行う凝縮器送風機と、 前記冷媒蒸発器への送風を行う蒸発器送風機と、 前記圧縮機駆動手段、前記凝縮器送風機および前記蒸発
    器送風機の作動および停止を制御する空調制御装置とを
    備えた車両用空気調和装置において、 前記冷凍サイクルは、前記冷媒圧縮機と前記冷媒凝縮器
    との間に、前記冷媒凝縮器より前記冷媒圧縮機へ向かう
    冷媒の逆流を阻止する逆流防止手段を設け、 前記空調制御装置は、前記冷凍サイクルを停止する指令
    を受けてから所定時間が経過するまでの間、前記圧縮機
    駆動手段および前記凝縮器送風機の作動を継続させると
    共に、前記蒸発器送風機を最低回転速度で作動させるこ
    とを特徴とする車両用空気調和装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の車両用空気調和装置にお
    いて、 前記空調制御装置は、エアコンスイッチやキースイッチ
    等の手動操作手段から前記冷凍サイクルを停止する信号
    を入力することを特徴とする車両用空気調和装置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2に記載の車両用空
    気調和装置において、 前記逆流防止手段は、逆止弁または直動式電磁弁である
    ことを特徴とする車両用空気調和装置。
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