JP2576583B2 - 容量可変型圧縮機 - Google Patents

容量可変型圧縮機

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JP2576583B2
JP2576583B2 JP9952988A JP9952988A JP2576583B2 JP 2576583 B2 JP2576583 B2 JP 2576583B2 JP 9952988 A JP9952988 A JP 9952988A JP 9952988 A JP9952988 A JP 9952988A JP 2576583 B2 JP2576583 B2 JP 2576583B2
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寛之 林
照之 堀田
雅人 横山
祐次 山本
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、自動車用空調装置等に使用される吸入冷媒
バイパス式の容量可変型圧縮に関する。
〔従来の技術〕
自動車用空調装置に使用される容量可変型圧縮機は、
円筒型のハウジングと、このハウジング内で回転させる
偏心ロータと、この偏心ロータに径方向へ摺動自在に取
付けられたベーンとで囲まれた作動室が、上記偏心ロー
タの回転に伴って容量を変化する作用を利用して冷媒を
吸入し、圧縮し、吐出すようになっている。
この種の容量可変型圧縮機において、上記作動室で圧
縮されようとする冷媒の1部をバイパス孔から逃すこと
により冷媒の吐出量を制御するようにしたものが知られ
ており、このものは、バイパス孔の開閉量をスプール弁
などのようなバイパス弁で制御しており、このバイパス
弁は冷媒の圧力を背面に受けて作動し、これによって上
記バイパス孔の開閉量、すなわち冷媒のバイパス量を制
御し、この結果圧縮機の吐出量を制御している。
このような構成の圧縮機では、冷房能力が少なくてす
む小容量運転時には、バイパス弁がバイパス孔の開度を
大きくして作動室での圧縮開始時に圧縮されようとする
冷媒を吸入室に戻し、この結果、圧縮機の吐出量が減少
されるものである。
しかしながら、上記のような小容量で運転する時、車
室内に騒音が発生することがある。
この原因について究明したところ、以下のような理由
であることが判明した。すなわち、従来の場合、第3図
に示すように、吸入室109に吸入孔110、バイパス孔113
およびエバポレータに接続された外部配管601が開口さ
れており、小容量運転時に作動室からバイパス孔113を
通じて吸入室109にバイパスされた冷媒の圧力脈動が上
記吸入室109より外部配管601を通じて、車室内に設置さ
れているエバポレータに伝わり、このエバポレータで共
鳴を生じて、車室内騒音を発生することが判った。
上記のような車室内騒音を防止するため、従来におい
ては、圧縮機の外部配管系に別体のマフラを付設し、こ
のマフラ内で上記バイパス冷媒による圧力脈動を減衰さ
せることにより騒音を抑制するような対策が提案されて
いる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記マフラによる対策は、部品点数が
増すばかりでなく、体格の増加が避けられず、大きなス
ペースを必要としたり、組付けに手間を要してコスト増
を招くなどの不具合がある。
本発明の目的は、格別なマフラなどを用いることなく
バイパス冷媒による圧力脈動が外部配管に伝わらないよ
うにし、騒音の低減が可能になる容量可変型圧縮機を提
供しようとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、ハウジング内に回転自在に配設されたシャ
フトにより偏心ロータを回転させ、このハウジングと偏
心ロータおよびベーンとで囲まれた作動室を容積変化さ
せるようにし、この作動室に吸入孔を介して連通する吸
入室から冷媒を導入するとともに、この作動室で圧縮さ
れた冷媒を吐出孔を介して導通する吐出室に吐出し、上
記作動室で圧縮されようとする冷媒の1部を、上記作動
室に開口したバイパス孔を通じて前記吸入室へ逃すよう
にし、このバイパス孔の開度をバイパス弁で調整するこ
とにより吐出容量を制御する容量可変型圧縮機に適用さ
れるものであり、上記吸入室内を仕切り壁により、吸入
孔が開口された吸入ガス部屋と、バイパス孔が開口され
たバイパスガス部屋とに区画したことを特徴とするもの
である。
〔作用〕 本発明によると、吸入室内が仕切り壁により、吸入ガ
ス部屋とバイパスガス部屋とに区画されるので、バイパ
ス孔からバイパスガス部屋に帰還された冷媒の圧力が吸
入孔側に伝わるのが防止され、すなわちバイパス冷媒の
圧力脈動が外部配管を通じてエバポレータ等の配管系に
伝わらないようになり、騒音の低減が可能になる。
〔実施例〕
以下本発明について、第1図および第2図に示す一実
施例にもとづき説明する。
第2図は可変容量型圧縮機および冷凍サイクルを示す
もので、図中100はシャフトであり、フロントエンドプ
レート103内に軸受104を介して回転自在に支持されてい
る。シャフト100の端部は偏心ロータ102に連結し、この
偏心ロータ102はシャフト100の回転を受けてハウジング
101内で回転される。
偏心ロータ102にはベーン溝105が径方向に貫通形成さ
れており、このベーン溝105内にベーン106が径方向に摺
動自在に配置されている。このベーン106はハウジング1
01の内周面を摺接する。このため、ハウジング101の内
面、偏心ロータ102の外面およびベーン106の側面により
囲まれた空間に作動室107が形成され、この作動室107は
ロータ102の回転により容積を増減する。
フロントハウジング108内には吸入室109が形成されて
おり、この吸入室109は吸入孔110を介して上記作動室10
7と連通している。吸入孔110は作動室107が容積を増大
する吸入行程に形成され、吸入室109の冷媒が吸入孔110
から作動室107に吸入される。
また、作動室107の容積が最も減少した部位には吐出
孔111が開口しており、上記作動室107内で圧縮された冷
媒がこの吐出孔111から吐出室112に吐出される。
フロントエンドプレート103のうち作動室107が容積を
減少している部位に位置して、バイパス孔113が開口し
ており、このバイパス孔113は作動室107と吸入室109を
導通させている。なお、バイパス孔113の開口位置は、
作動室107の容積が最大容量時の17%に減少する部位に
位置して開口されている。
フロントエンドプレート103には、バイパス孔113と交
差する方向に中溝114が形成されている。この中溝114に
はバイパス弁115が摺動自在に嵌挿されている。このバ
イパス弁115の移動により上記バイパス孔115の開閉度が
制御される。
上記中溝114内には、バイパス弁115の一方側にスプリ
ング116が配置されており、このスプリング116によりバ
イパス弁115がバイパス孔113を開く方向に付勢されてい
る。
上記中溝114内には、バイパス弁115の他方側に制御圧
室117が形成されている。このため、上記バイパス弁115
は、この制御圧室117の圧力とスプリング116による付勢
力とのバランスによりその変位位置が制御される。
上記制御圧室117には制御手段200によって、制御され
た圧縮機の吐出側の高圧が供給される。すなわち、圧縮
機のうち偏心ロータ102の側方でしかも吐出孔111の近傍
となる部位からは導圧通路201が導かれており、この導
圧通路201は制御手段200の高圧導入口202に連通されて
いる。そして、制御手段200には吸入室109と連通する低
圧導入口203が開口しており、この低圧導入口203と上記
高圧導入口202との間は弁体204によって遮断可能に導通
されている。
弁体204は電磁ソレノイド205のムービングコア206に
連結されており、ソレノイドコア207の励磁、非励磁に
よりムービングコア206が変位されることによって弁体2
04は低圧導入口203と上記高圧導入口202との導通を制御
する。低圧導入口203と上記高圧導入口202が導通される
と、高圧導入口202より導入された圧力の一部が制御手
段200を介して吸入室109側へ逃されることになる。そし
て、このような制御後の圧力が信号圧として信号圧供給
通路209より前述の制御圧室117に導入される。
フロントハウジング108端部の円筒部130には、図示を
省略した電磁クラッチが配置されており、この電磁クラ
ッチを介して自動車走行用エンジンの回転駆動力がシャ
フト100に伝達される。
また、フロントハウジング108とシャフト100の間には
軸封装置131が配置されており、圧縮機内部の冷媒およ
び潤滑油がシャフト100を伝わって外方に漏出するのを
防止している。
上記圧縮機の吐出室112より吐出された高温高圧の冷
媒は、コンデンサ400に導入され、このコンデンサ400内
で冷却風と熱交換して凝縮する。
凝縮後の冷媒は高温高圧のまま膨張弁500に流入し、
この膨張弁500で低温低圧の霧状に減圧膨張する。膨張
弁500は、エバポレータ600の出口側に設けられた感温セ
ンサ501からの信号にもとづいて絞り量を制御する。
膨張弁500で減圧膨張された低温低圧の霧状冷媒は、
自動車の車室に設置されたエバポレータ600に流入し、
このエバポレータ600で外気と熱交換される。このため
外気、すなわち車室内の空気は冷却され、一方冷媒は蒸
発する。
そして、このガス冷媒は外部配管601を介して圧縮機
の吸入室109に導入される。
なお,700はコントローラであり、車室の人が車室の温
度状況に応じて空調温度を設定することができるように
なっており、この設定温度を維持すべく上記制御手段20
0に電気信号を付与する。この電気信号により制御手段2
00のソレノイドコイル207が励磁または非励磁に作動さ
れる。
上記圧縮機のフロントハウジング108とフロントエン
ドプレート103で囲まれた吸入室109は、第1図に示すよ
うに、仕切り壁150により区画されている。仕切り壁150
はフロントハウジング108の補強リブを兼用したもの
で、仕切り壁150により上記吸入室109は、吸入ガス部屋
151とバイパスガス部屋152とに区画されている。
吸入ガス部屋151にはフロントエンドプレート103に形
成した前記吸入孔110が開口されているとともに、フロ
ントハウジング108の周壁に位置して前記エバポレータ6
00に接続された外部配管601が連通されている。
バイパスガス部屋152には、フロントエンドプレート1
03に形成した前記バイパス孔113が開口されているとと
もに、バイパス逃し孔153がフロントエンドプレート103
に開口されている。このバイパス逃し孔153は作動室107
における吸入行程開始位置、すなわちハウジング101と
ロータ102が接するアキシャルシール点と吸収孔110との
間に位置して作動室107に連通している。
次に、上記構成による圧縮機の作用を説明する。
制御手段200にはコントローラ700から電気信号が付与
され、この電気信号により制御手段200のソレノイドコ
イル207が励磁または非励磁に切替えられる。
ソレノイドコイル207が励磁した状態では、弁体204が
第2図中右方向に変位し、高圧導入口202と低圧導入口2
03が導通する。したがって、高圧通路201内の冷媒は制
御手段200を介して吸入室109側に逃され、このため信号
圧供給通路209内の圧力が低下する。
よって、制御圧室117には比較的低い圧力が付与され
ることになり、この場合はスプリング116の付勢力が制
御圧室117内に圧力に勝り、バイパス弁115は第2図中上
方向に変位する。
したがって、バイパス孔113が開かれ、作動室107と吸
入室109におけるバイパスガス部屋152とが連通して作動
室107内の冷媒がバイパスガス部屋152に逃される。バイ
パスガス部屋152に逃された冷媒はバイパス逃し孔153を
経て吸入行程開始位置の作動室107に戻される。
この状態では、作動室107はバイパス孔113を通過した
後でなければ圧縮を開始しないことになり、圧縮機の吐
出容量は例えば17%まで低下する。
一方、コントローラ700からの電気信号が出力され
ず、ソレノイドコイル207が励磁しない状態では弁体204
が高圧導入口202と低圧導入口203とを遮断する。この状
態では、高圧通路201内の圧力は吸入室109側に逃され
ず、制御圧室117内の圧力が上昇する。したがって、制
御圧室117内の圧力がスプリング116の付勢力に打ち勝っ
て、バイパス弁115は第2図中下方向に変位する。この
変位により、バイパス孔113が閉じられる。
この結果、吸入孔110から作動室107内に吸入した冷媒
は、圧縮途中でバイパスされることがなくなるので全量
が圧縮吐出されることになり、圧縮機は100%の吐出容
量となる。
そして上記実施例では、吸入室109が、第1図に示す
ように、仕切り壁150によって吸入ガス部屋151とバイパ
スガス部屋152とに区画してあるので、前記小容量運転
時に作動室107からバイパス孔113を通じてバイパスされ
た冷媒は、バイパスガス部屋152に導入され、バイパス
逃し孔153から作動室107の吸入行程開始位置に戻され
る。この場合、バイパス逃し孔153はアキシャルシール
点と吸入孔110との間に位置して作動室107に連通してい
るから、作動室107に発生する負圧によりバイパスガス
部屋152から強制的に吸い出され、かつ吸入孔110側に戻
されることもない。
このため、バイパス冷媒の圧力脈動が外部配管601を
通じてエバポレータ600に伝えられることがなくなる。
この結果、小容量で運転する時の車室内騒音を防止す
ることができる。
〔発明の効果〕
以上述べたように本発明によると、吸入室内を仕切り
壁により、吸入ガス部屋とバイパスガス部屋とに区画し
たから、バイパス孔からバイパスして帰還された冷媒の
圧力脈動が外部配管を通じてエバポレータ等に伝わるの
が防止され、小量運転時の騒音低減が可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明の一実施例を示し、第1図
は吸入室の断面図、第2図は可変容量型圧縮機および冷
凍サイクルを示す構成図、第3図は従来の吸入室の断面
図である。 100……シャフト、101……ハウジング、102……偏心ロ
ータ、106……ベーン、107……作動室、109……吸入
室、110……吸入孔、111……吐出孔、113……バイパス
孔、115……バイパス弁、150……仕切り壁、151……吸
入ガス室、152……バイパスガス室、153……バイパス逃
し孔、200……制御手段、400……コンデンサ、500……
膨張弁、600……エバポレータ、700……コントローラ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 祐次 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 秋山 訓孝 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハウジング内に回転自在に配設されたシャ
    フトにより偏心ロータを回転させ、このハウジングと偏
    心ロータおよびベーンとで囲まれた作動室を容積変化さ
    せるようにし、この作動室に吸入孔を介して連通する吸
    入室から冷媒を導入するとともに、この作動室で圧縮さ
    れた冷媒を吐出孔を介して導通する吐出室に吐出し、上
    記作動室で圧縮されようとする冷媒の1部を、上記作動
    室に開口したバイパス孔を通じて前記吸入室へ逃すよう
    にし、このバイパス孔の開度をバイパス弁で調整するこ
    とにより吐出容量を制御する容量可変型圧縮機におい
    て、 上記吸入室内を仕切り壁により、前記吸入孔が開口され
    た吸入ガス部屋とバイパス孔が開口されたバイパスガス
    部屋とに区画したことを特徴とする容量可変型圧縮機。
JP9952988A 1988-04-22 1988-04-22 容量可変型圧縮機 Expired - Lifetime JP2576583B2 (ja)

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JPH01271692A JPH01271692A (ja) 1989-10-30
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