JP3187587B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP3187587B2
JP3187587B2 JP01742093A JP1742093A JP3187587B2 JP 3187587 B2 JP3187587 B2 JP 3187587B2 JP 01742093 A JP01742093 A JP 01742093A JP 1742093 A JP1742093 A JP 1742093A JP 3187587 B2 JP3187587 B2 JP 3187587B2
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健二 竹中
亨 竹市
正文 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車室内の冷房に供
して好適な車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来技術】従来の一般的な車両用空調装置は、エンジ
ンの駆動力が電磁クラッチを介して伝達される冷媒圧縮
機を冷凍回路に接続したものである。冷媒圧縮機は、電
磁クラッチのオン時に駆動軸が駆動され、これによりボ
アの容積変化を通じて冷媒ガスの圧縮仕事を行なう。図
4に示す冷凍回路において、冷媒圧縮機1の吐出室13
から吐出された高温・高圧の圧縮冷媒ガスは、凝縮器2
で液化され、膨張弁3で膨張させることにより低温・低
圧の霧状とされ、そして蒸発器4で潜熱により周囲の空
気を冷却することにより車室内の冷房に供され、しかる
後に再び冷媒圧縮機1の吸入室12に吸入される。
【0003】ここで使用される冷媒圧縮機1は可変容量
型斜板式圧縮機であって、軸心と平行な複数のボア(図
示せず)を有するシリンダブロック(図示せず)と、該
シリンダブロックの一端にクランク室11を形成して連
結されたハウジング(図示せず)と、クランク室11を
貫通して前記ハウジングに回転自在に支承された駆動軸
(図示せず)と、クランク室11で前記駆動軸と共動す
る斜板(図示せず)に連係されて前記ボア内を直動する
ピストン(図示せず)と、該ピストンの直動を介して前
記ボアと選択的に連通する吸入室12及び吐出室13と
を備え、クランク室11と吸入室12及び吐出室13と
を連通する逃がし通路14及び供給通路15を介してク
ランク室圧力を変化させることにより前記斜板の傾斜角
とともにピストンストロークを調節して吐出容量を制御
するように構成されている。
【0004】この場合、逃がし通路14には絞り弁16
が配設されるとともに、供給通路15には制御弁17が
配設されており、吐出容量を小さくするときには制御弁
17を介して冷媒ガスの供給量を逃がし量よりも多く
し、クランク室圧力を高めることにより吐出容量が制御
される。なお、このような吐出容量の制御は、制御弁1
7を逃がし通路14及び供給通路15の少なくとも一方
に配設することにより同様に行うことができる。
【0005】また、この冷媒圧縮機1のクランク室11
と吐出室13とを連通する供給通路18には制御弁19
が配設されており、この制御弁19はクラッチのオフ信
号を受けた制御アンプ20により冷媒圧縮機1の作動停
止直前に強制的に開放される。これにより、冷媒圧縮機
1は斜板の傾斜角を小さくして最小吐出容量状態で作動
を停止する。したがって、冷媒圧縮機1が再びクラッチ
のオンにより始動する際には、最小吐出容量状態である
ことから負荷が小さくなるため、大きなショック等が発
生することなく円滑な始動が可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の冷媒
圧縮機1を使用した車両用空調装置では、冷媒圧縮機1
が作動を停止する直前にその制御弁19が開放される
と、凝縮器2側にある高温・高圧の冷媒ガスが吐出室1
3から供給通路18、クランク室11、逃がし通路1
4、吸入室12を経て蒸発器4へと差圧によって流れ、
蒸発器4が加熱されてしまう。その結果、車室内には温
風が流れることによりすぐにまたクラッチがオンとなっ
てしまい、動力損失が大きくなるという問題が発生す
る。
【0007】本発明は上記問題に鑑み案出されたもので
あって、上記冷媒圧縮機を用いた車両用空調装置におい
て冷媒圧縮機の作動停止時における蒸発器の温度上昇を
防止し、動力損失の低減を図ることを解決すべき課題と
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、冷媒圧縮機の吸入室と蒸発器とを接続する通
路上には、前記吸入室より前記蒸発器への冷媒ガスの流
れを阻止する逆止弁が設けられているという新規な構成
を採用している。
【0009】
【作用】本発明の車両用空調装置では、その冷媒圧縮機
が制御弁の作動により最小吐出容量状態となって作動を
停止するとき、凝縮器側にある高温・高圧の冷媒ガスが
吐出室から、クランク室、吸入室へと向かってその差圧
により流れる。しかし、吸入室と蒸発器とを接続する通
路上に設けられた逆止弁により、吸入室から蒸発器への
冷媒ガスの流出は阻止される。これにより、凝縮器側よ
り逆流する高温・高圧の冷媒ガスにより蒸発器が加熱さ
れる虞れは解消され、冷媒圧縮機がすぐにまた作動を開
始してしまう虞れも回避される。これにより動力損失が
低減する。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。図1は本実施例に係る車両用空調装置を模式的に示
す構成図である。図1に示すように、本実施例の車両用
空調装置は、可変容量型斜板式の冷媒圧縮機1と、凝縮
器2と、膨張弁3と、蒸発器4とを順に配管7a、7
b、7cにより接続して冷媒ガスの冷凍サイクルを形成
するとともに、冷媒圧縮機1の吸入室12と蒸発器4と
の間に逆止弁5を配設したものである。ここでの冷媒圧
縮機1、凝縮器2、膨張弁3及び蒸発器4は、前記従来
のものと同じであるため、同じ部材等は符号を援用して
詳しい説明は省略する。
【0011】逆止弁5は、冷媒圧縮機1の吸入室12よ
り蒸発器4への冷媒ガスの流れを阻止するように吸入室
12の入口に設けられている。この逆止弁5は、図2に
示すように、一端にフランジ51を介して形成された開
口52と、側周壁中央部に窓状に形成された複数の流出
口53とをもつ円筒状のケース54を有する。このケー
ス54は、吸入室12内に突出した状態でその他端部が
冷媒圧縮1のハウジング10に取付けられており、開
口52及び各流口53は吸入室12と連通している。
【0012】ケース54の他端側内周には、円筒状に形
成された弁座55の一端部が同軸状に嵌合されている。
流入口56を形成する弁座55の他端部は、ケース54
の他端より更にハウジング10の外側に突出しており、
この突出した他端部には蒸発器4と連通する配管7cが
連結されている。そして、ケース54内には、有底円筒
状の弁体57が弁座55の一端面と対向してケース54
の内周面と摺動自在に配設されているとともに、この弁
体57とフランジ51との間には弁体57を弁座55に
着座させて閉弁するように付勢するばね58が配設され
ている。
【0013】以上のように構成された車両用空調装置に
おいて、クラッチのオンによりエンジンの駆動力が冷媒
圧縮機1に伝達されると、冷媒圧縮機1の吐出室13か
ら吐出された高温・高圧の圧縮冷媒は、凝縮器2で液化
され、膨張弁3で膨張させることにより低温・低圧の霧
状とされた後、蒸発器4で潜熱により周囲の空気を冷却
することにより車室内の冷房に供され、しかる後に冷媒
圧縮機1の吸入室12に吸入されて再び吐出室13から
吐出され、上記冷凍回路での循環を繰返す。
【0014】このとき、冷媒圧縮機1の吸入室12に配
設されている逆止弁5は、図3に示すように、吸入室1
2内の圧力が蒸発器4側の圧力よりも低圧になると、弁
体57がばね58の付勢力に抗してケース51内で摺動
し、流出口53が開放される。これにより、蒸発器4の
冷媒ガスは、逆止弁5の流入口56及び流出口53を通
って冷媒圧縮機1の吸入室12に吸入される。
【0015】そして、クラッチのオフにより冷媒圧縮機
1へのエンジンの駆動力の伝達が停止されると、制御ア
ンプ20により制御弁19が開弁して吐出室13から流
入する冷媒ガスによりクランク室11内が高圧となり、
これにより斜板の傾斜角が小さくなって冷媒圧縮機1は
最小吐出容量状態で停止する。そして、制御弁19の強
制的開放により吐出室13、クランク室11、吸入室1
2は連通状態になって凝縮器2の状況が蒸発器4に影響
しようとする。このとき、凝縮器2側にある高温・高圧
の冷媒ガスが吐出室13からクランク室11、吸入室1
2へと向かってその差圧により流れる。しかし、吸入室
12の入口に配設されている逆止弁5は、ばね58の付
勢力により弁体57が弁座55に着座した状態となって
流出口53が閉塞し(図2参照)、吸入室12に流入し
た高温・高圧の冷媒ガスが蒸発器4側へ流れるのを阻止
する。これにより、凝縮器2側より逆流する高温・高圧
の冷媒ガスによって蒸発器4が加熱される虞れが回避さ
れ、車室内に温風が流れることによりすぐにまたクラッ
チがオンとなる虞れは回避される。
【0016】したがって、本実施例の車両用空調装置に
よれば、冷媒圧縮機1の作動停止時に高温・高圧の冷媒
ガスが凝縮器2側から冷媒圧縮機1経て蒸発器4へ逆
流するのを阻止する逆止弁5が設けられているため、蒸
発器4が加熱されるのを防止し、動力損失を著しく低減
することができる。しかも、吸入室12から蒸発器4側
へ冷媒ガスが流出しないので、流動空間が縮小されてク
ランク室内の圧力上昇が速やかとなり、最小吐出容量状
態へ確実に移行できる。なお、本実施例における逆止弁
5は、冷媒圧縮機1の吸入室12の入口に直接設けられ
ているが、蒸発器4の出口に直接設けたり、吸入室12
と蒸発器4とを接続する配管7cの途中に設けてもよ
い。
【0017】また、クラッチのオフ時に開放される制御
弁19は、本実施例では独立して構成されかつ供給通路
15と別の供給通路18に配設されているが、供給通路
15に配設された吐出容量制御用の制御弁17をクラッ
チのオフ時に制御アンプ20により強制的に開放するよ
うに構成して兼用することもできる。
【0018】
【発明の効果】本発明の車両用空調装置によれば、クラ
ンク室圧を制御して吐出容量を変えるとともに、停止時
に強制的に開放される制御弁を備えたものにおいて、
媒圧縮機の吸入室と蒸発器とを接続する通路上に吸入室
より蒸発器への冷媒ガスの流れを阻止する逆止弁が設け
られているため、冷媒圧縮機の作動停止時における蒸発
器の温度上昇を防止することができ、これにより動力損
失の低減を図ることができる。それとともに、停止時に
斜板を最小吐出容量状態に確実に移行させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る車両用空調装置を模式的に示す構
成図である。
【図2】実施例に係る逆止弁の閉弁状態の断面図であ
る。
【図3】実施例に係る逆止弁の開弁状態の断面図であ
る。
【図4】従来の車両用空調装置を模式的に示す構成図で
ある。
【符号の説明】
1…冷媒圧縮機 2…凝縮器 3…膨張弁 4…
蒸発器 5…逆止弁 11…クランク室 12…吸入室
13…吐出室 14…逃がし通路 15、18…供給通路 17、
19…制御弁 54…ケース 55…弁座 57…弁体 58…
ばね
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日高 茂之 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社豊田自動織機製作所内 (56)参考文献 特開 平1−257777(JP,A) 特開 平1−210761(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 1/00 F04B 53/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器
    からなる冷凍回路を備え、前記冷媒圧縮機は、クランク
    室内を貫通してハウジングに回転自在に支承された駆動
    軸と、前記クランク室内で前記駆動軸と共動する斜板に
    連係されてボア内を直動するピストンと、該ピストンの
    直動を介して前記ボアと選択的に連通する吸入室及び吐
    出室とを備え、前記クランク室と前記吸入室とを連通す
    る逃がし通路及び前記クランク室と前記吐出室とを連通
    する供給通路を介してクランク室圧力を変化させること
    により前記斜板の傾斜角とともにピストンストロークを
    調節して吐出容量を制御し、その圧縮機の作動停止時に
    前記供給通路に配設された制御弁を強制的に開放して最
    小吐出容量状態で停止させるように構成されている車両
    用空調装置において、 前記冷媒圧縮の吸入室と前記蒸発器とを接続する通路
    上には、前記吸入室より前記蒸発器への冷媒ガスの流れ
    を阻止する逆止弁が設けられていることを特徴とする車
    両用空調装置。
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US6352416B1 (en) 1999-03-15 2002-03-05 Kabushiki Kaisha Toyoda Jidoshokki Seisakusho Device and method for controlling displacement of variable displacement compressor
JP2001073939A (ja) * 1999-08-31 2001-03-21 Toyota Autom Loom Works Ltd 容量可変型圧縮機の制御弁及び容量可変型圧縮機

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