JPH0346612B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、上下水道管、ボツクス、マンホー
ル等の埋設の際使用される、オープンシールド機
を自降させる方法とその装置に関するものであ
る。

（従来の技術） 上下水道管、マンホール、ボツクス等の被埋設
物をオープンカツトした溝に埋設する際に、オー
プンシールド機が使用される。このオープンシー
ルド機は、左右の側板と、側板を固定するフレー
ムとから主として構成されている。このオープン
シールド機を溝、立坑内に設置し、バツクホーな
どの掘削機で溝を屈伸するのと並行して、オープ
ンシールド機内部で埋設作業を行うものである。

ところで、発信地点にオープンシールド機を設
置する際には、次のような方法が採られている。

(a) 最も一般的には、予め発信坑と到達坑とを設
け、オープンシールド機を前記坑内で組立、解
体する。

(b) 発信地盤で組立後、オープンシールド機内を
掘削して、井筒工法の載荷重により強制的に沈
下させる。

（発明が解決しようとする問題点） これらの方法には、次のような問題点がある。
即ち、(a)の方法では、立坑築造の際、矢板等によ
る山留工事のための板打ち込み、抜き取りによる
周辺地盤への振動、騒音、地盤への悪影響が避け
られず、工事費も高くつく。

又、(b)の方法では、側板と土との摩擦による不
等沈下を防止するのが困難である。

（問題点を解決するための手段） 前記問題点を解決するために、この発明は以下
の構成を要旨としている。

鉛直面に形成された左右の側板を有するオープ
ンシールド機の側部で地上に立設した支持柱と、
上下方向の懸架柱と、懸架柱に上端を支持柱に外
嵌されて位置調節可能な案内柱に下端を連絡され
た油圧シリンダとから懸架装置を構成する。そし
て複数の懸架装置に、各懸隔柱にオープンシール
ド機に取付けることによりオープンシールド機を
懸架する。オープンシールド機の内部の土砂を掘
削するのと平行して、油圧シリンダを油圧同調装
置で同調させながら作動させ、オープンシールド
機を均等に降下させる。

（作用） オープンシールド機は、懸架装置により地上に
懸架されたまま、オープンシールド機の内部の土
砂を掘削するのと平行して、自重の油圧シリンダ
によつて掘削面に押しつけられて下降する。各油
圧シリンダは、油圧同調装置により同調している
ので、オープンシールド機は均等に降下する。

なお、到達地点では、油圧シリンダを逆方向に
作動することにより、自昇させることができる。

（実施例） 実施例を第１図ないし第４図により説明する
と、オープンシールド機１は前述のように、左右
の側板２とフレーム３とからなり、側板１は鉛直
面に形成されている。

４は懸架装置で、懸架柱、複動油圧シリンダ、
案内柱、支持柱、及び油圧同調装置とから主とし
て構成されている。

５は５本の懸架柱で、ほぼ四角筒上に形成され
ており、下端部をフレーム３へボルトなどの締結
具で固定することによつて、オープンシールド機
１の前後へ左右対称に着脱自在に取付けられる。
６は案内部で、懸架柱の外側へ突設されている。
７は各懸架柱５内に収容された複動油圧シリンダ
で、シリンダヘツドを懸架柱の上端部に固定され
て垂下する。８はロツドである。左右の懸架柱５
の上端部は、連結金具９で着脱自在にに連結支持
される。

１０は四角筒状の案内柱であつて、下端部に固
定した取付金具１１を介して、ロツド８端を取付
けている。この案内柱１０は、前記懸架柱の案内
部材６に掛合する案内部材６′により、懸架柱５
へ嵌めこまれているので、懸架柱５は、案内柱面
に沿つて上下動自在である。１２は取付調節用の
ピン穴である。

１３は支持柱で、案内柱１０内に摺動自在に嵌
挿され、上下方向に所定間隔で貫設された複数の
位置調節用のピン穴が貫設されている。１４は両
柱１０，１３を連結固定するピンである。

１５は油圧同調整装置で、各油圧シリンダにか
かる異なつた負荷に対して油圧シリンダを同調し
て作動させるものであり、オープンシールド機の
フレーム３上に取付けられる。

上述の構成から、第１図のように、発進地盤に
設置したオープンシールド機１に各懸架装置４を
取付け、Ｈ型鋼などの支持部材１６を介して支持
柱１３を地上に立設することにより、オープンシ
ールド機を懸架する。このとき、オープンシール
ド機１を降下させる深さに応じて、案内柱１０を
上下調節して支持柱１３へピン１４で連結固定す
る。又、オープンシールド機１が鉛直に設置され
るよう、任意の油圧シリンダ７を伸縮して調節し
てもよい。

そこでオープンシールド機１内の地面を図外掘
削機で掘削するのと並行して、各油圧シリンダ７
を縮退すれば、オープンシールド機は、第２図の
ように油圧調節装置１５で同調作動する油圧シリ
ンダにより均等降下する。降下のための掘削に際
し、左右側板２が土留めをするので、立坑用土留
め工事は不要である。降下完了は懸架装置５を取
り外し、屈伸作業を開始する。

到達地点では、再び懸架装置４を取付けて油圧
シリンダ７を伸張させれば、オープンシールド機
１は自昇する。

なお、この発明は、井筒工法にも応用できる。

（効果） この発明は、発進地盤上で組立ずみのオープン
シールド機を自降させ、又、到達地点でそのまま
自昇させることを特徴とすることから、次のよう
な効果を有する。

(1) 従来のように、周辺住民に極度の不安を与え
た振動、騒音の原因である矢板等による土留め
工事を不要とし、無振動、無騒音で工事ができ
るので、周辺住民に安心感を与える。

(2) オープンシールド機を降下させるための立坑
が不要であり、幅の狭い所でも施工できる。

(3) オープンシールド機を自降、自昇させるの
で、据付、撤去期間を短縮でき、工費も低減で
きる。

(4) 周辺住民、作業員に危険である矢板などの振
り回しがないので、安全性が高い。

【図面の簡単な説明】

第１図はオープンシールド機が自降する前の状
態を示す正面図、第２図はその降下が完了した状
態の正面略図である。又、第３図は側面図、第４
図は懸架柱と案内柱との掛合関係を示す拡大平面
図である。 １……オープンシールド機、２……側板、３…
…フレーム、４……懸架装置、５……懸架柱、７
……油圧シリンダ、８……ロツド、１０……案内
柱、１３……支持柱、１５……油圧同調装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 鉛直面に形成された左右の側板を有するオー
   プンシールド機の側部で地上に立設した支持柱
   と、上下方向の懸架柱と、懸架柱に上端を支持柱
   に位置調節可能に外嵌された案内柱に下端を連絡
   された上下方向の油圧シリンダとからなる複数の
   懸架装置に、各懸隔柱をオープンシールド機に取
   付けることによりオープンシールド機を懸架し、
   オープンシールド機の内部の土砂を掘削するのと
   平行して油圧シリンダを同調させながら作動させ
   てオープンシールド機を均等降下させるオープン
   シールド機を自降させる方法。 ２ オープンシールド機の側部で地上に立設され
   る支持柱と、オープンシールド機に取付けられる
   上下方向の懸架柱と、懸架柱に上端を支持柱に位
   置調節可能に外嵌された案内柱に下端を連結され
   る上下方向の油圧シリンダとからなる複数の懸架
   装置に、油圧シリンダを同調させて作動させる油
   圧同調節装置を併設させてなるオープンシールド
   機を自降させる装置。