JPH0346356Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この考案は引張圧縮両振り試験おいて試験片を
つかむ引張圧縮試験用つかみ具に係り、特に負荷
中のつかみ具内の試験片が変形しても、これに追
従して締め付け力を確保できる引張圧縮試験用つ
かみ具に関する。

(ロ)従来技術 従来、この種のつかみ具はつかみ具内の試験片
が変形してもこれに追従して充分な締め付け力を
得るために、傾斜ガイド面に沿つて摺動するつか
み歯を油圧ピストン或いは空圧ピストンによつて
駆動している。そのため従来のつかみ具は次のよ
うな問題が指摘される。

つかみ具の機構が複雑になるため高価にな
る。

油、空気の供給源が必要となるため高価にな
る。

低温あるいは高温の環境下での使用が制限さ
れる。

形状が大きく重量が増すため、取扱と保守が
煩雑である。

(ハ) 目的 この考案は上記諸問題を解決し得る比較的簡単
な構成と備えた引張圧縮試験用つかみ具を提供す
ることを目的としている。

(ニ) 構成 この考案に係る引張圧縮試験用つかみ具は、先
端部につかみ歯があり、基部が揺動自在に支持さ
れた少なくとも一対のレバーを有する第１のつか
み具と、先端部につかみ歯があり、基部が揺動自
在に支持された少なくとも一対のレバーを有する
第２のつかみ具とを備え、前記両つかみ具におけ
る一対のレバーの一方は荷重作用方向に対して引
張方向側に傾斜している一方、一対のレバーの他
方は荷重作用方向に対して圧縮方向側に傾斜して
おり、且つ前記両つかみ具のつかみ歯が対向する
ように配設されるとともに、対向するつかみ歯が
圧接する方向に付勢されていることを特徴として
いる。

(ホ) 実施例 第１図はこの考案の一実施例に係る引張圧縮試
験用つかみ具の構成を示した斜視図である。

図において、１０は略『コ』の字形状の枠体を
示し、この枠体１０の中央部外側に連結棒１１が
結合し、この連結棒の他端は図示しないロードセ
ルあるいはテーブル等に連結している。

枠体１１の平行した側壁部の内側にヒンジ部１
２がそれぞれ対向する位置に形成されている。一
方のヒンジ部１２には２本のレバー２１，３１が
揺動自在に支持されている。同様に他方のヒンジ
部にもレバー２２，３２が支持されている。

レバー２１，３１は荷重の作用方向に対して互
いに異なる方向に傾斜している。即ち、レバー２
１はその先端が引張方向側（同図における枠体１
０の中央部側）に傾斜し、レバー３１はその先端
が圧縮方向側（同図における枠体１０の開口側）
に傾斜し、両レバー２１，３１はヒンジ部１２を
中心として『Ｖ』の字形状に配設されている。レ
バー２２，３２もレバー２１，３１と同様に傾斜
して配設されている。

各レバー２１，２２，３１，３２の先端にはつ
かみ歯２３，２４，３３，３４がヒンジ２５，２
６，３５，３６を介して揺動自在に取りつけられ
て、つかみ歯２３，２４及びつかみ歯３３，３４
がそれぞれ対向している。各つかみ歯の対向面
は、試験片４０との間の摩擦力を上げるために鋸
歯状の歯面が形成されている。

レバー２１とレバー３１はその中間部分に引張
コイルバネ５１の両端を係止され、互いに近寄る
方向に付勢されている。同様にレバー２２，３２
もバネ５２によつて付勢されている。これにより
対向するつかみ歯が互いに圧接する方向に力が作
用するから、つかみ具に荷重が作用していない場
合においても、つかみ歯２３，２４及びつかみ歯
３３，３４は試験片４０を一定の圧力で把持す
る。

しかして、前記レバー２１，２２及びつかみ歯
２３，２４等は第１のつかみ具を形成し、レバー
３１，３２及びつかみ歯３３，３４等は第２のつ
かみ歯をそれぞれ構成している。

次に上述した構成を備えた引張圧縮試験用つか
み具の作用について説明しよう。

第２図に示すように試験片４０の両端が第１図
に示したつかみ具で把持される。前述したように
荷重が作用していない状態において、試験片４０
は各つかみ具のバネ力によつて把持されている。

しかして、試験片４０が同図に示すＡ方向の引
張荷重がが作用した場合、第１のつかみ具２０の
レバー２１，２２は前記荷重に釣り合う軸方向に
沿つた反力を試験片４０に与える。この反力の成
分の内、試験片に垂直方向の成分がつかみ歯２
３，２４の締め付け力として作用する。したがつ
て引張荷重が増すほど前記締め付け力が大きくな
り、いゆる自動締め付けが行われる。

一方、試験片に同図に示すＢ方向の圧縮荷重が
作用した場合、前記引張荷重が作用した場合と反
対に第２のつかみ具３０のレバー３１，３２に軸
力が発生し、これによりつかみ歯３３，３４が試
験片４０を自動締め付けする。

なお、上述の実施例において第１のつかみ具お
よび第２のつかみ具の各レバーに適宜のリンク機
構を連結形成し、前記リンク機構に関連して設け
られた操作レバーによつて前記つかみ具のつかみ
歯の開閉を容易化するのも望ましい。

また、第１及び第２のつかみ具のレバーの支持
手段あるいはつかみ歯の構成等は上述の実施例で
述べたようなものに限られず例えば、各レバーを
個別のヒンジで支持する等、種々変形して実施し
得ることはいうまでもない。

(ヘ) 効果 この考案に係る引張圧縮試験用つかみ具は、上
述のように構成した第１のつかみ具と第２のつか
み具によつて引張・圧縮試験の際に自動締め付け
力を得るものであり、従来装置のように油圧や空
圧を用いないから、比較的その構成が簡単となり
つかみ具の小型・軽量化を図ることができる。

また油圧、空圧を使用しないことからこれらの
供給源が不要となりつかみ具を安価に実現するこ
とができるとともに、低温・高温領域での使用可
能範囲を従来装置よりも拡げることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例に係る引張圧縮試
験用つかみ具の構成を示した斜視図、第２図は第
１図に示した引張圧縮試験用つかみ具の使用状態
を示した説明図である。 １０…枠体、１２…ヒンジ部、２０…第１のつ
かみ具、３０…第２のつかみ具、２１，２２，３
１，３２…レバー、２３，２４，３３，３４…つ
かみ歯、４０…試験片、５１，５２…引張コイル
バネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 先端部につかみ歯があり、基部が揺動自在に支
   持された少なくとも一対のレバーを有する第１の
   つかみ具と、先端部につかみ歯があり、基部が揺
   動自在に支持された少なくとも一対のレバーを有
   する第２のつかみ具とを備え、前記両つかみ具に
   おける一対のレバーの一方は荷重作用方向に対し
   て引張方向側に傾斜している一方、一対のレバー
   の他方は荷重作用方向に対して圧縮方向側に傾斜
   しており、且つ前記両つかみ具のつかみ歯が対向
   するように配設されるとともに、対向するつかみ
   歯が圧接する方向に付勢されていることを特徴と
   する引張圧縮試験用つかみ具。