JPH0344881Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、鉄骨鉄筋コンクリート造の建物にお
ける柱、梁の仕口部の構造に係るものである。

「従来の技術と考案が解決しようとする問題点」 鉄骨鉄筋コンクリート造の柱では、鉄骨柱の周
辺に複数の柱主筋が配され、これらの柱主筋の周
りにロ字状に形成した多数のフープが組み込まれ
る。しかし、鉄骨柱と鉄骨梁とが結合される仕口
部では、鉄骨梁があるために通常のフープを直に
組み込むことができない。そこで、一般には、フ
ープをコ字状の半フープに形成し、また、鉄骨梁
のフープ適合位置に透孔を配列して、これらの透
孔に左右から半フープを通しては溶接又は機械的
手段により接合し連結させて、ロ字状に完成して
いる。

しかしながら、斯様な手法では、かなり手数が
かかり、工期が長くなり、コスト高となる。

一方、鉄筋コンクリート構造におけるプレバブ
組立鉄筋体において、該鉄筋体の現場接合部近傍
のせん断補強筋に、ワイヤロープを用いることが
提案されている（実開昭53−97516号公報）。

そこで、本考案は、このワイヤロープに着目
し、鉄骨鉄筋コンクリート造における柱、梁の仕
口部において、フープとして一定条件下でワイヤ
ロープを採用し、従来の欠点を除去しようとする
ものである。

「問題点を解決するための手段」 本考案は、図面に示すように、鉄骨柱１の周辺
に複数の柱主筋３…を配し、その鉄骨柱１の適所
に鉄骨梁２，２を連係した柱、梁の仕口部におい
て、鉄骨柱１に連なる鉄骨梁２，２端部のフープ
適合位置に縦１列に透孔２１…，２１…を配し、
これらの透孔にワイヤロープ４を通して上記柱主
筋３…に螺旋状に巻き付けると共に、両端を鉄骨
柱１に固定し、該ワイヤロープ４を以て仕口部の
フープとして成る。

なお、柱主筋３…とワイヤロープ４との差交部
分では、番線等による結束を要しない。

仕口部以外では、柱主筋３…に従来同様に多数
のフープ５…を組み込む。

「作用」 如上の構成であるから、ワイヤロープ４は、フ
ープとして作用するのは勿論、端部が鉄骨柱１に
固定され一体化されることと、強力な張力を有す
ることが相俟つて、柱主筋３…を強固に支持し、
したがつて、コンクリートの付着性を高め、仕口
部の耐震性等の強度を高め、施工性及び経済性を
向上させる。

「実施例」 図面は、本考案の実施例を示している。

図示のものは、Ｈ形鋼とＴ形鋼とをウエブで接
合一体化した鉄骨柱１の周辺に、柱四隅に対応さ
せて４本の柱主筋たる柱鉄筋３…を配し、その鉄
骨柱１のフランジに接合したＨ形鋼による二方向
の鉄骨梁２，２のウエブに、上記柱鉄筋３…と対
応させてそれぞれ２乃至３個の透孔２１…を螺旋
フープ配置に適宜に配し、それらの透孔に１本の
ワイヤロープ４を通して上記各柱鉄筋３…に螺旋
状に巻き付けると共に、両端を上記鉄骨柱１のい
ずれかのフランジに適宜に溶接固定し、該ワイヤ
ーロープ４を以て仕口部のフープとして成る。

図中５は、仕口部の上下に配した通常のフープ
である。

「考案の効果」 本考案によれば、現場において、予め用意され
た適宜長さのワイヤロープ４を、鉄骨梁２，２に
予め穿設された透孔２１…，２１…に通して柱主
筋３…へ巻き付け、端部を鉄骨柱１に固定すれば
よく、したがつて、仕口部におけるフープ作業が
著しく簡素化され、手数、工期、コストを大幅に
低減できる。

また、ワイヤロープ４の端部が鉄骨柱１に固定
され一体化されることに加えて、ワイヤロープ４
が強力な張力を有するので、柱主筋３…はワイヤ
ロープ４により強固に支持され、これに伴つて、
コンクリートの付着性が向上し、仕口部の強度が
格段に向上する。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の実施例を示す斜視図である。 １……鉄骨柱、２……鉄骨梁、３……柱鉄筋、
４……ワイヤロープ、５……フープ、２１……透
孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鉄骨柱１の周辺に複数の柱主筋３…を配し、そ
   の鉄骨柱１の適所に鉄骨梁２，２を連係した柱、
   梁の仕口部において、鉄骨柱１に連なる鉄骨梁
   ２，２端部のフープ適合位置に縦１列に透孔２１
   …，２１…を配し、これらの透孔にワイヤロープ
   ４を通して上記柱主筋３…に螺旋状に巻き付ける
   と共に、両端を鉄骨柱１に固定し、該ワイフロー
   プを以て仕口部のフープとしたことを特徴とする
   柱、梁の仕口部の構造。