JPH0344834Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 １ 考案の目的 産業上の利用分野 この考案は油圧シヨベルのバケツトリンクに取
付けたクレーン用フツクに関するもので、バケツ
トを取付けたまゝで該クレーンフツクを取付けて
クレーンとして利用できるばかりでなく、バケツ
トを取付、取外しに関係なく常にバケツトリンク
の先端にクレーンフツクを保持できるので、油圧
シヨベルの機能を増大せしむることができる。

従来の技術 油圧シヨベルは強力なパワーを発揮できるの
で、単に掘削作業のみならず、必要に応じて荷役
作業、あるいは、牽引作業に使用することがあ
る。このため、従来から第１図に示すようにバケ
ツトの後部にフツクを固着し、クレーンとして使
用する場合に該フツクにワイヤーロープを引掛け
て物体を吊下げることができるようにしている。

また、第３図に示すように、油圧シヨベルをク
レーンとして使用する方法として、バケツトを取
外し、アームの先端にクレーン専用フツクを取付
けたものもある。この方法はバケツトを取外し、
クレーンフツクおよび支持金物をアームの先端に
直接ピンで枢支する方法で、バケツトはなく、ア
ームの先端にはクレーンフツクのみとなる。

この考案の課題 上記２つの従来の方法のうち、前者の場合は、
バケツトにフツクを固着し、これにワイヤーロー
プを引掛けるようにしているため、バケツトの回
動方向の如何によつてはワイヤーロープがフツク
から外れやすくなる。すなはち、バケツトを大き
く手前に掬い込んだ状態になると、フツクの開口
部が横向きになるなど作業範囲が限られワイヤー
ロープがフツクから外れやすくなり、非常に危険
である。（第２図）また、ワイヤーロープで垂直
方向に物体を吊下げる場合以外に、或る角度の方
向にワイヤーロープを引掛けて牽引するような場
合に、フツクがバケツトに固着されているため、
その牽引方向に十分対応できず、ワイヤーロープ
が外れやすくなり、ワイヤーロープの牽引方向に
かなりの制限をうける。

次の、バケツトを取外し、アームの先端に直接
クレーンフツクを取付ける方法は、掘削作業から
クレーン作業に変わる度毎にピンを抜いてバケツ
トを取外さなければならぬばかりでなく、クレー
ンフツクの取付にはアームとクレーンフツクのピ
ン孔を合せてピンを挿入するというわずらわしさ
があり、また、軸受部に異物が入つて軸受部の摩
耗の増大、焼付の発生等の原因ともなつている。

この考案は上記の如き直接クレーンフツクをバ
ケツトに固着した場合の問題点、あるいは、単独
にアームに取付けた場合の問題点を解決したクレ
ーンフツクの取付け装置を提供することをその課
題とするものである。

２ 考案の構成 課題を解決するための手段 前記の課題を解決するために講じたこの考案の
手段は イ バケツトリンクのバケツト駆動側の軸受部を
二分割に構成し、 ロ 上記分割した軸受を連通するブツシユを該軸
受部に挿入し、 ハ 分割した軸受部の中間に、上記ブツシユの外
周上で自由に回動する孔を上部に有するクレー
ンフツクを組付ける。

手段の作用 クレーンフツクがバケツトに対して自由に回動
できるのでワイヤーロープの引張り方向がバケツ
トの位置に拘束されず自由にとれるのでクレーン
作業範囲が拡大でき、また、作業が安全であるば
かりでなく、クレーン作業時においてワイヤーロ
ープがフツクから外れることもないので、バケツ
ト、アームの角度にあまり気をつかう必要がな
い。

バケツト着脱時においても、クレーンフツクと
バケツトリンクは常に１体となつており、二分割
した軸受部には連通する１個のブツシユが挿入さ
れているので、バケツト枢支用のピンの挿通が容
易である。

バケツトを取外した状態で吊下げたときは、バ
ケツトシリンダのストロークだけ上下の垂直方向
の移動作業が可能であるから、吊下げ物体の垂直
方向の位置決めが容易である。

実施例 この考案の実施例を図面に基づいて説明する。

１は油圧シヨベル本体、２はブーム、３はアー
ム、４はバケツトで、ブーム２はブームシリンダ
５で、アーム３はアームシリンダ６、バケツト４
はバケツトシリンダ７で作動する如く構成してい
る。また、８はレバー、９はバケツトリンクであ
るが、該バケツトリンク９は第７図に示す如くフ
オーク状に形成し、その下部には左右１対のボス
部イを有し、該ボス部イを貫ぬいて１本のブツシ
ユ１０を嵌挿している。１１はバケツト４のブラ
ケツトで、前記左右のボス部イの外側を挾む如く
バケツト４に固着されているが、該ブラケツト１
１とブツシユ１０を貫ぬいてピン１２を嵌挿し、
バケツトリンク９の先端をバケツト４に回動自在
に枢支している。１３はクレーンフツクで、開口
部がバケツト４の反対側になるように、その上部
をバケツトリンク９の左右のボス部イの間に挿入
され、ブツシユ１０で貫通した状態で回動自在に
枢支されている。

この考案は上記の如く構成しているから、クレ
ーン作業時はクレーンフツク１３にワイヤーロー
プ１４を引掛け、荷役物体を吊下げることができ
るが、作業時はブームシリンダ５、アームシリン
ダ６、バケツトシリンダ７を操作してブーム２、
アーム３、バケツト４を移動せしめることによ
り、クレーンフツク１３の位置を自由に回動せし
め、荷役物体を所望の位置に保持、あるいは、移
動できる。ブーム２、アーム３、バケツト４の位
置如何にかゝわらず、クレーンフツク１３は常に
下方に向けて吊下つており、ワイヤーロープ１４
がクレーンフツク１３から外れることはない。図
面ではバケツト４が上方に持上げられた場合に
は、クレーンフツク１３がバケツト４の背部に当
つて押上げられ、下方に垂下できず、その開口部
ロが上方から漸次後方に向く状態になるが、クレ
ーンフツク１３に掛つたワイヤーロープ１４は、
横巾の広いバケツト４の背部に当つた状態で支持
され、ワイヤーロープ１４が緩むことがなけれ
ば、常に開口部ロと反対方向に引張られており、
ワイヤーロープ１４がクレーンフツク１３から抜
け出る心配はない。

第１０図はバケツト４を取外し、クレーンフツ
ク１３のみによりクレーン作業を行なう場合で、
ピン１２を抜取りバケツト４を取外すが、この場
合、クレーンフツク１３は直接ピン１２で支持し
ていなくとも、ブツシユ１０を介して支持してい
るので、ピン１２を抜取つてもクレーンフツク１
３がバケツトリンク９から外れることはない。ピ
ン１２を抜取り、バケツト４を取外した後で再び
ピン１２を挿入すれば、容易にバケツト４のみ取
外すことができる。バケツト４がなくなれば、バ
ケツトリンク９の動きが前記の場合のようにバケ
ツト４で制限されることがなく、ワイヤーロープ
１４による引張り方向が前記の場合のクレーンフ
ツク１３を枢支するブツシユ１０から、バケツト
リンク９とバケツトシリンダ７との枢支点のピン
１５に変化するから、ワイヤーロープ１４による
引張り方向が広範囲に自由になり牽引作業が容易
になる。単にワイヤーロープ１４により吊下げる
クレーン作業においても、クレーンフツク１３が
ピン１２とピン１５の２個所で回動できるので、
クレーンフツク１３の自由度は更に拡大されクレ
ーン作業がやりやすくなる。また、第１３図のよ
うにアーム３を下方に向け、バケツトシリンダ７
のみの操作により吊下げ物体の微妙な位置調整も
行なうことができる。

３ 考案の効果 この考案はバケツトリンクの先端部を連通する
ブツシユを介してバケツト係止ピンでクレーンフ
ツクを枢支しているから、掘削作業とクレーン作
業を交互に行なうことができるばかりでなく、バ
ケツトの方向如何にかゝわらずクレーンフツクか
らワイヤーロープが外れる心配がない。また、バ
ケツトリンクとバケツトとを連結するピンのブツ
シユがフツクを枢支しているから、バケツトを外
してもクレーンフツクが外れず、バケツトリンク
の中間部からピンの回動部へ入る異物へのシール
性を保持でき、また、バケツト交換時にピン孔を
合わすことも容易である。

また、バケツトを取外し、バケツトリンクにク
レーンフツクを連結した状態でクレーン作業を行
なつた場合は、ワイヤーロープの引張り方向が広
範囲にとれるので、牽引作業が容易になり、その
作業範囲も拡大され、ワイヤーロープが外れる心
配もなく、安全な作業ができる。

また、クレーンフツクが自由に動くので、玉掛
作業が容易になり、かつ、吊下げ物体が揺れても
外れる心配がなく、安全なクレーン作業を行なう
ことができる。

また、バケツトを取外した状態で吊下げたとき
は、バケツトシリンダのストロークだけ上下の移
動が可能となるから、吊下げ物体の上下の位置決
め、微調整が可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は従来のものを示す図である
が、第１図は全体正面図、第２図は第１図のＡ部
の回動時の状態を示す図、第３図はクレーン作業
専用のフツクを取付けた図、第４図は第３図のＢ
から見た図、第５図はバケツトリンクの一部破断
正面図、第６図〜第１４図は本考案の実施例を示
す。第６図は全体正面図、第７図は第６図のＣ−
Ｃ断面図、第８図はバケツト及びピンを取外した
ときの状態を示す図、第９図は第８図の側面図、
第１０図はクレーン作業時の状態を示す正面図、
第１１図はバケツトリンクの別の実施例の一部縦
断正面図、第１２図は第１１図の側面図、第１３
図はクレーン作業の１態様示す正面図、第１４図
は本考案の他の実施例を示す縦断面図である。 ４……バケツト、９……バケツトリンク、１０
……ブツシユ、１２……ピン、１３……クレーン
フツク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 油圧シヨベルのアーム先端部に枢支したバケツ
   トを駆動するバケツトリンクにおいて、バケツト
   駆動側の軸受部を二分割に構成し、該分割した軸
   受部を連通するブツシユを挿入するとともに、上
   記二分割した軸受部の中間に、該ブツシユを軸と
   して回動自在のクレーンフツクを設けたことより
   なるフツク付バケツトリンク。