JPH034447Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、ワークを治具台にセツトしてスポツ
ト溶接するスポツト溶接装置に関するものであ
る。

（従来技術） 従来より、ワークとして主に小物部品のスポツ
ト溶接を行うスポツト溶接装置においては、ベー
ス上の治具にワークを載置し、この治具上方に配
設された上部電極をシフトシリンダにて所定の位
置に移動し、この部分で上部電極を下降作動して
ワークの溶接部をスポツト溶接する専用自動機タ
イプ（例えば特開昭58−107283号公報）のもの、
もしくは溶接ロボツトのアーム先端にスタツトガ
ンを設け、このスタツトガンを治具上のワークに
押付けてスポツト溶接するスタツトガン溶接ロボ
ツトタイプ（例えば実開昭58−119979号公報）の
ものなどがある。

しかるに、前者の専用自動機タイプのもので
は、溶接ポイントに規則性がない小物部品を数多
く接合するワークの場合等に、多数の溶接ガン
（電極）を設けたり、複雑なシフト機構を備えた
装置となるとともに、シフト機構およびワーク位
置決め機構等によつて治具の近傍が狭くなつてい
るため、ワークのセツトおよび取出しが煩雑で作
業性が低いものである。一方、後者のスタツトガ
ン溶接ロボツトタイプのものでは、ワークのセツ
トは容易となるが、スタツトガンをワークに押圧
する溶接反力がロボツトのアームに作用するの
で、ロボツトに対する負荷が大きくなつてアーム
等の剛性を向上しなければならない問題を有す
る。

（考案の目的） 本考案は上記事情に鑑み、ワークのセツトを容
易にするとともに、ロボツトに対する負荷を低減
したスポツト溶接装置を提供することを目的とす
るものである。

（考案の構成） 本考案のスポツト溶接装置は、下方に空間部を
有する治具ベースと、該治具ベース上にワーク載
置面を有するバツク電極とを備えた治具台を設け
る一方、溶接ガンのＣ形フレームの一端にはシリ
ンダで移動する可動電極を設け、フレームの他端
部には治具台の空間部に挿入してワーク取付部の
裏面に当接する接触面を設け、さらに、前記可動
電極とバツク電極とにワークをダイレクトスポツ
ト溶接する二次ケーブルを接続し、ロボツトによ
つて溶接ガンを治具台の溶接位置に移動するよう
にしたことを特徴とするものである。

（考案の効果） 本考案によれば、治具台上にワークをセツトす
る際には溶接ガンを後退させて治具台の上方を開
放することにより、ワークのセツトが容易に作業
性よく行うことができる。また、溶接ガンには可
動電極のみを配設し、治具台上のバツク電極とに
それぞれ二次ケーブルを接続して両電極間に直接
通電させることで、電通ロスのきわめて少ない効
率的なスポツト溶接を行うことができる。さら
に、溶接時には溶接ガンでワークの溶接部を直接
挾持することなく、一端を治具ベースの空間部に
挿入したＣ形フレームによつて溶接反力を受ける
ようにし、ロボツトには負荷が掛らないようにし
ていることにより、ロボツトアーム等の剛性を向
上する必要もなく、しかもワーク下部に溶接ガン
挿入用のスペースを必要とせず、このワークを直
接バツク電極上に載置することで小物部品の溶接
の汎用化が可能となるものである。

（実施例） 以下、図面により本考案の実施例を説明する。

第１図に全体構成図を示すように、スポツト溶
接装置は、ワークＷを支持する治具台１と、溶接
ガン２と、溶接ガン２を支持するロボツト３とに
よつて構成されている。

上記治具台１は基盤１２上に固着された治具ベ
ース５を備え、この治具ベース５上にワークＷを
溶接位置に位置決めして取付けるワーク取付部６
が形成されている。このワーク取付部６は、ワー
クＷの溶接部に対応して、ワーク載置面を有する
バツク電極７が配設されている。すなわち、前記
ワーク取付部６は、前記バツク電極７を含んで一
方のワークＷを載置する載置台８を有するととも
に、この載置台８上の一方のワークＷ上に端部が
載置される他方のワークＷの他端部をクランプす
るクランプ爪１０を有し、このクランプ爪１０が
クランプシリンダ９によつて開閉されるものであ
る。また、前記治具ベース５のワーク取付部６の
裏面には、横方向に空間部１１が開設されてい
る。

上記溶接ガン２は、上片１４ａと下片１４ｂと
が縦片１４ｃに対して水平方向に延びるＣ形フレ
ーム１４を備え、上片１４ａの先端部にシリンダ
１５にて上下方向に移動される可動電極１６が下
方のバツク電極７に向けて移動可能に取付けられ
ている。また、Ｃ形フレーム１４の下片１４ｂは
前記治具台１の空間部１１内に挿入可能に設けら
れ、この下片１４ｂの先端部には上方に向けて上
記空間部１１の上面すなわちワーク取付部６の裏
面に当接する接触面１７が設けられている。

さらに、上記Ｃ形フレーム１４の縦片１４ｃの
背部には上下方向のガイドバー１８を備えたブラ
ケツト１９が固着され、このガイドバー１８はロ
ボツト３のアーム２２先端部のホルダー２３を縦
方向に貫通して連結支持され、このホルダー２３
の上下にそれぞれスプリング２０，２１が縮装さ
れ、溶接ガン２が上下方向に移動可能に、かつ、
スプリング２０，２１によつて中立位置に保持さ
れている。

上記ロボツト３はアーム２２が前後方向に伸縮
移動自在で、該アーム２２が基体２４に揺動自在
に支持され、基体２４が前記基盤１２に固着され
ている。このロボツト３の作動は、図示しない制
御装置によつて行われる。

さらに、上記溶接ガン２の上方には溶接トラン
ス２６が設置され、この溶接トランス２６から可
動電極１６およびバツク電極７（載置台８）に対
してワークＷをダイレクトスポツト溶接する二次
ケーブル２７の分岐した一極２７ａおよび他極２
７ｂがそれぞれ接続されている。また、この二次
ケーブル２７は分岐前の中間部が巻上げ器２８に
よつて持ち上げられている。なお、図示していな
いが、前記クランプシリンダ９および可動電極移
動用のシリンダ１５には加圧エア等の流体圧が供
給される。

上記構造におけるスポツト溶接作用を説明すれ
ば、まず、ワークＷをセツトする場合には、ロボ
ツト３のアーム２２を収縮作動させて溶接ガン２
を後退位置に移動し、この状態で治具台１のワー
ク取付部６に対して、一方のワークＷを載置台８
に位置決めして載置するとともに、他方のワーク
Ｗを載置台８のワークＷ上に位置決めして載置す
るとともにその端部をクランプ爪１０によつてク
ランプする。上記の如くワークＷをセツトした
後、アーム２２を伸長作動して溶接ガン２を前進
移動し、可動電極１６をワークＷの溶接部の上に
位置させるとともに、Ｃ形フレーム１４の下片１
４ｂの接触面１７を治具ベース５の空間部１１内
に挿入する。

続いて、溶接ガン２のシリンダ１５を作動して
可動電極１６を下方に移動させ、その先端部をバ
ツク電極７上のワークＷに押圧する。この可動電
極１６がワークＷに接触すると、シリンダ１５の
作動力によつてフレーム１４が上方に移動し、下
片１４ｂの接触面１７が空間部１１の上面のワー
ク取付部６の裏面に当接し、可動電極１６はワー
クＷをバツク電極７との間に所定の圧力で押付け
るものである。その際、フレーム１４背部のガイ
ドバー１８が上方に移動するのに伴つて、ホルダ
ー２３下方のスプリング２１が収縮している。

上記可動電極１６とバツク電極７との間に溶接
トランス２６からの溶接電流が二次ケーブル２７
によつて通電されてスポツト溶接が行われた後
に、シリンダ１５によつて可動電極１６を上昇作
動すると、まず、スプリング２１の付勢力によつ
てＣ形フレーム１４が下降移動し、下片１４ｂの
接触面１７が空間部１１上面から離れ、フレーム
１４が中立位置に戻つてから可動電極１６がワー
クＷから離れる。この後、溶接ガン２を移動して
次の溶接部をスポツト溶接し、溶接が完了した後
にはロボツト３のアーム２２の作動によつて溶接
ガン２を後退移動して、溶接後のワークＷを取出
し、次のワークＷをセツトするものである。

なお、ワークＷの形状等が変更した場合には、
治具台１のワーク取付部６の構造すなわち載置台
８の形状およびクランプ爪１０の位置を変更する
とともに、バツク電極７の配設位置を変更し、こ
れに伴つて溶接ガン２の移動経路を変更するよう
にロボツト制御装置にテイーチングを行うもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例におけるスポツト溶
接装置の全体構成を一部断面にして示す正面図で
ある。 １……治具台、２……溶接ガン、３……ロボツ
ト、５……治具ベース、６……ワーク取付部、７
……バツク電極、８……載置台、１１……空間
部、１４……Ｃ形フレーム、１５……シリンダ、
１６……可動電極、１７……接触面、１８……ガ
イドバー、１９……ブラケツト、２０，２１……
スプリング、２２……アーム、２６……溶接トラ
ンス、２７……二次ケーブル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ワークを治具台にセツトしてスポツト溶接する
   スポツト溶接装置であつて、上記治具台は、下方
   に空間部を有する治具ベースと、該治具ベース上
   にワーク載置面を有するバツク電極とを備えてな
   り、一方、溶接ガンはＣ形のフレームを備え、こ
   のフレームの一端にはシリンダにて移動される可
   動電極が設けられ、フレームの他端部には上記治
   具台の空間部に挿入されてワーク取付部の裏面に
   当接する接触面が設けられ、さらに、前記可動電
   極とバツク電極とにワークをダイレクトスポツト
   溶接する二次ケーブルが接続され、前記溶接ガン
   が該溶接ガンを溶接位置に移動するロボツトに支
   持されていることを特徴とするスポツト溶接装
   置。