JPH0344076Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案はアクセサリボタンをシートに装着する
取付構造に関する。

〈従来の技術〉 自動車等の車輌用シートあるいは家具用ソフア
シートにはシートに意匠的装飾感、高級感を付与
する目的でアクセサリボタンが装着される第５図
はこのアクセサリボタン５１がシートクツシヨン
５２およびシートバツク５３の適宜位置に取り付
けられた自動車用シートの斜視図であり、アクセ
サリボタン５１によつてシート面に凹凸が生じて
意匠的効果及び高級感が付与されている。

このアクセサリボタン５１の取り付けは従来、
第６図および第７図に示す構造によつて行われて
いる。ウレタン発泡材等からなるパツド５４の適
宜位置に吊込穴５５が形成されると共にインサー
トワイヤ５６が埋設されている。パツド５４は表
皮５７によつて被覆されるが、表皮５７には裏側
に折り返された吊り布５８が形成され、この吊り
布５８に吊込ワイヤ５９が挿通されている。アク
セサリボタン５１はこの表皮５７の表側から取り
付けられる。このアクセサリボタン５７の下面に
は吊込紐６０が伸びており、表皮５７の吊込ワイ
ヤ５９とパツド５４のインサートワイヤ５６とが
ホグリング６１によつて連結された後、吊込紐６
０が吊込穴５５からパツド５４の裏側に引き出さ
れ、その引き出し端が裏ボタン６２に掛着される
ことでアクセサリボタン５１の取り付けが行われ
る。

〈考案が解決しようとする問題点〉 以上のとおり従来の取り付け構造では、ホグリ
ング６１による吊込ワイヤ５９とインサートワイ
ヤ５６との連結と、吊込紐６０と裏ボタン６２と
の掛着とを別個に行う必要があるため、作業工程
数が多く、作業性が低下している。又、アクセサ
リボタン５１を表皮５７に固定できないため、取
付部作業中にアクセサリボタン５１が脱落する不
都合も生じている。

本考案は上記事情を考慮してなされ、少ない工
程で取り付けることができ、しかも表皮からの脱
落のないアクセサリボタンを提供するものであ
る。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は可撓性チユーブを吊込紐に取り付け、
この可撓性チユーブとインサートワイヤとを連結
する構造としたものであり、可撓性チユーブに吊
込紐が挿通され、この吊込紐がボタン本体の裏側
に引掛けられ、前記可撓性チユーブがシートパツ
ド内のインサートワイヤに連結されていることを
特徴としている。

〈作用〉 可撓性チユーブに挿通された吊込紐をボタン本
体の裏側に取り付け、この状態で吊込紐を表皮に
差し込むと可撓性チユーブによつてボタン本体の
脱落がなくなる。又、この可撓性チユーブをパツ
ドのインサートワイヤに連結すると、ボタン本体
の吊り込みが行われる。

〈実施例〉 以下、本考案を図示する実施例を参照して具体
的に説明する。

第１図は本考案の一実施例の取り付け状態を示
す断面図、第２図はアクセサリボタンの斜視図、
第３図は表皮への取り付け段階を示す断面図であ
る。アクセサリボタン１０は表皮１の表側に取り
付けられるボタン本体１１と、ボタン本体１１を
吊り込むための吊込紐１２と、吊込紐１２が挿通
される可撓性チユーブ１３とを備えて構成され
る。ボタン本体１１は内部が中空状に形成される
と共に、その裏側からはフツク１４が差し込まれ
ており、吊込紐１２はこのフツク１４のフツク孔
に差し込まれ巻回されることでボタン本体１１の
裏側に引掛けられている。この場合、吊込紐１２
は１本の紐体の端部が溶着、縫合あるいは結び目
形成等によつて結合されることで無端状に成形さ
れており、本実施例ではその結合部分が可撓性チ
ユーブ１３内に位置するようになつている。この
ようにしてボタン本体１１と一体化された吊込紐
１２は第３図に示すように、表皮１の表側から表
皮１に差し込まれる。これにより、ボタン本体１
１は表皮１の表側に取り付けられると共に、可撓
性チユーブ１３が表皮１の裏側に抜き出され、ボ
タン本体１１の脱落が防止される。

次に以上のようにして表皮１に取り付けられた
アクセサリボタン１０をシートに取り付ける操作
を第１図により説明する。同図において、表皮１
によつて被覆されるパツド２はウレタン発泡体等
からなり、パツド２の上部にはインサートワイヤ
３が埋設されている。そして、パツド２の上面の
適宜の箇所が切り欠かれて取付ホール４が形成さ
れることで、吊込紐１２の取付スペースが確保さ
れると共に、インサートワイヤ３が露出されてア
クセサリボタンとの連結が行われるようになつて
いる。吊込紐１２の差し込みによつて表皮１に取
り付けられたアクセサリボタン１０は表皮１をパ
ツド２に被覆することで、その吊込紐１２が取付
ホール４内に垂下する。従つて、この状態で可撓
性チユーブ１３およびインサートワイヤ３にホグ
リング５を引掛け、若干、下方に吊り込むように
ホグリング５を巻き付ける。これにより、ボタン
本体１１が表皮１を下方に押した状態で固定され
るからアクセサリボタン１０の取り付けが終了す
る。このような取り付け状態では吊込紐１２に被
覆された可撓性チユーブ１３によつて吊込紐１２
の保護がなされているから、ホグリングの際に吊
込紐１２が切断されることがないと共に、異音の
発生が防止されている。

第４図は本考案の別の実施例を示す側面図であ
り、前記実施例と同一の部分は同一の符号を付し
て対応させてある。同図ａの実施例では吊込紐１
２の結び目１５がフツク１４のフツク孔に位置し
ており、これにより吊込紐１２のフツク孔内での
慴動が防止されている。又、同図ｂにおいては可
撓性チユーブ１３の両端部に結び目１６が形成さ
れて、可撓性チユーブ１３のズレが抑制されてい
る。従つて、いずれの場合にも可撓性チユーブ１
３が位置決めされるからインサートワイヤ３との
連結が容易となつている。

〈考案の効果〉 以上のとおり本考案によれば、可撓性チユーブ
に挿通された吊込紐がボタン本体の裏側に引掛け
られて表皮に取り付けられるから、ボタン本体が
表皮から脱落することがなく、取付作業を容易に
行うことができる。又、可撓性チユーブがシート
パツドのインサートワイヤに連結されることで取
付けが行われるから、取付工程が簡略化され、そ
の作業性が向上する、効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の取り付け状態の断
面図、第２図はアクセサリボタンの分解斜視図、
第３図は表皮への取り付け段階を示す断面図、第
４図ａ，ｂは別の実施例を示す側面図、第５図は
自動車用シートん斜視図、第６図および第７図は
従来の構造を示す断面図である。 １……表皮、２……シートパツド、３……イン
サートワイヤ、１０……アクセサリボタン、１１
……ボタン本体、１２……吊込紐、１３……可撓
性チユーブ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 可撓性チユーブに吊込み紐が挿通され、この吊
   込紐がボタン本体の裏側に引掛けられ、前記可撓
   性チユーブがシートパツド内のインサートワイヤ
   に連結されていることを特徴とするシートのアク
   セサリボタン。