JPH0527118Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車座席のシートバツク構造、詳し
くは、クツシヨン体製の中央部と、この中央部の
左右及び上部に該中央部と別体に成形したクツシ
ヨン体製のサイド部と、前記中央部及びサイド部
を支持するフレーム構造体と、前記サイド部及び
中央部を夫々被覆する表皮と、前記サイド部の表
皮の前記中央部側の縦側端末を前記フレーム構造
体方向へ吊り込む吊り込み部材とからなるシート
バツク構造の改良に関する。

（従来の技術とその問題点） 従来この種のシートバツク構造は、逆Ｕ字状の
フレームにＳ形ばねなどの支持部材を張架したフ
レーム構造体に、サイド部を組付けた後、中央部
をフレーム構造体に固定している。

そして、前記サイド部及び中央部は、いずれも
発泡体製（ウレタンフオームなど）クツシヨン体
を表皮で被覆したものである。

前記サイド部は中央部側の表皮端末（横端末と
左右の縦端末）にそれぞれ吊り袋を縫着し、この
各吊り袋内にストラツプ（ゴム製）を配設し、表
皮の縦端末の吊り袋のストラツプをフレーム構造
体にホツグリングなどで結着することにより固定
している。

前記縦端末の吊り袋のストラツプは、その下端
をフレーム構造体における最下端に横架したパイ
プ製補強材における下面から裏面に沿つて巻回
し、フレーム構造体の補強材の裏面側に掛止して
いる。

そのため、ストラツプの下端のホツグリング
が、シートバツクの背裏に凸状に突設するため、
このホツグリングに当接する表皮が出つ張り、外
観品質が損なわれる不具合があつた。

そこで、本考案は、サイド部を被覆する表皮の
中央部側を引き込むものにおいて、ストラツプを
シートバツクの背裏に突出することなくフレーム
構造体に掛止し、表皮が平面状となつて外観品質
が向上するシートバツク構造を提供することを目
的とする。

（問題点を解決するための手段） 以上の目的を達成するための本考案は、ストラ
ツプの下端に、前記フレーム構造体補強材の下面
から裏面へ巻回す折り返し部を形成し、この折り
返し部の先端に掛止部を設け、この掛止部を前記
フレーム構造体の最下端に横架したパイプ製補強
材における上面に設けたガイド片に挿通して、フ
レーム構造体の内側に掛止し、前記ストラツプの
掛止部が前記表皮の裏面に当接することを防止す
ることを特徴とするものである。

（実施例） 本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

同図中、中央部ａは発泡体製の第１のクツシヨ
ン体１１と、この第１のクツシヨン体１１を被覆
する第１の表皮１２とから構成される。

この中央部ａは、サイド部ｂ，ｂ及び頂部b′か
らなる第２のクツシヨン体１３に囲繞され、これ
らサイド部ｂ，ｂ及び頂部b′の第２のクツシヨン
体１３の空間部内に嵌合される。

前記サイド部ｂ，ｂ及び頂部b′からなる第２の
クツシヨン体１３は第２の表皮１４により被包さ
れる。

これら、第１、第２のクツシヨン体１１，１３
は発泡体製からなり、中央部ａの第１のクツシヨ
ン体１１を囲繞する頂部b′及びサイド部ｂ，ｂの
第２のクツシヨン体１３は前記第１のクツシヨン
体１１より肉厚状に構成される。

そして、第２の表皮１４は袋状に形成されると
共に、背もたれ面の中央に、前記中央部ａを嵌合
するための中央空間が設けられる。

この第２の表皮１４の中央部ａ側の端末には吊
り袋１５が縫着される。

この吊り袋１５ａ，１５ｂ，１５ｂは、第２の
表皮１４の横端末１４ａと左右端末１４ｂ，１４
ｂにそれぞれ設けられる。

前記第２の表皮１４の横端末１４ａに縫着した
横吊り袋１５ａには両端にフツク１６，１６を形
成した横ストラツプ１７が挿通する。

そして、左右端末１４ｂ，１４ｂの縦吊り袋１
５ｂ，１５ｂには縦ストラツプ１８，１８が挿通
する。

この縦ストラツプ１８，１８は、その上端１８
ａ，１８ａが前記横ストラツプ１７のフツク１
６，１６に掛止し、下端１８ｂ，１８ｂが後述す
るフレーム構造体１９のＳばね支持部材２０に掛
止する。

なお、横ストラツプ１７及び縦ストラツプ１８
が第２の表皮１４を引き込む。

前記縦ストラツプ１８は下端１８ｂに、フレー
ム構造体１９の前面１９ａから下辺１９ｂに沿つ
て裏面１９ｃ方向へ巻回す折り返し部１８ｃが形
成される。

この折り返し部１８ｃはフレーム構造体１９の
最下端の補強材２５に形成したガイド片２１を挿
通し、その先端に形成したフツク２２がフレーム
構造体１９のＳばね支持部材２０に掛止する。

前記フレーム構造体１９はパイプを逆Ｕ字状に
折曲したフレーム２３に、Ｓ形ばねなどの支持部
材２０を取付けたものである。

そして、このフレーム２３の左右両側部には前
記サイド部ｂ，ｂ内に装着するサイドフレーム２
４，２４を設け、フレーム２３の最下端間に、パ
イプ製の補強材２５を横架してなる。

この補強材２５の左右には後述の様に、山形状
に折曲したガイド片２１，２１の両端が補強材２
５の上面に溶接により固設される。

従つて、以下に説明する様に、サイド部ｂ，ｂ
及び頂部b′の第２のクツシヨン体１３を被覆する
第２の表皮１４を吊り込む。

最初に、フレーム構造体１９にサイド部ｂ，ｂ
及び頂部b′の第２のクツシヨン体１３を固定す
る。

そして、この第２のクツシヨン体１３を第２の
表皮１４で被覆する。この第２の表皮１４の横吊
り袋１５ａ及び縦吊り袋１５ｂ，１５ｂに横スト
ラツプ１７及び縦ストラツプ１８，１８を挿通
し、この横ストラツプ１７の両端のフツク１６，
１６に縦ストラツプ１８，１８の上端１８ａ，１
８ａを係止する。

そして、縦ストラツプ１８，１８の下端１８ｂ
をフレーム構造体１ａの補強材２５に沿つて巻回
し、この折り返し部１８ｃを補強材２５のガイド
片２１に挿通する。

この折り返し部１８ｃの先端に形成したフツク
２２を、フレーム構造体１９の支持部材２０に掛
止すると、第２の表皮１４の横端末１４ａ及び左
右端末１４ｂ，１４ｂは引き込まれる。

従つて、縦ストラツプ１８，１８の下端１８ｂ
を、フレーム構造体１９の支持部材２０に掛止す
ることにより、第２の表皮１４を引き込むことが
できるため、縦ストラツプ１８の下端１８ｂはシ
ートバツクの背裏に突出することがない。

そのため、第２の表皮の背裏側に出つ張りが生
じることなく平面状となるので、外観品質が向上
する。

また、縦ストラツプ１８の下端１８ｂに形成し
たフツク２２を、フレーム構造体１９の支持部材
２０に係止する際、縦ストラツプ１８を持つて行
なうことができるので、縦ストラツプ１８の支持
部材２０への係止作業が容易化する。

第５図は第２の実施例で、前記実施例と構成は
略同一であるが、縦ストラツプ２６の下端２６ｂ
に突部２６ａを設け、この突部２６ａを、補強材
２７の前面側に形成した孔部２７ａに嵌合し、縦
ストラツプ２６を引き込んでいる。

（考案の効果） 本考案によれば、上記の様な構成としているた
め、次の効果を奏する。

ストラツプの折り返し部に、フレーム構造体
の内側に掛止する掛止部を形成しているため、
この掛止部がシートバツクの背裏へ突出するこ
とがない。

そのため、表皮に掛止部による出つ張りが生
じないので、外観品質が向上する。

ストラツプの掛止部をフレーム構造体に掛止
することにより、引き込み作業ができるため、
作業が容易化する。

フレーム構造体の最下端に横架したパイプ製
補強材の上面には、山形状のガイド片が固設さ
れているため、このガイド片によつてストラツ
プの左右方向における移動は規制される。従つ
て、表皮の縦方向の引き込み位置が、左右方向
にズレることがないので、表皮の縦吊りによつ
て生じるシートバツクの前面側の装飾用凹溝が
シートバツクの側面に対して並列状になり、シ
ートバツクの前面側における外観品質も向上す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るシートバツク構造を用い
た自動車座席の斜視図、第２図は第１図の−
線に沿う断面図、第３図は第１図の−線に沿
う断面図、第４図は要部を示す拡大斜視図、第５
図は第２の実施例を示し、第４図相当の拡大斜視
図である。 図中、ａは中央部、ｂはサイド部、１８ストラ
ツプ、２２は掛止部である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 クツシヨン体製の中央部と、この中央部の左右
   及び上部に該中央部と別体に成形したクツシヨン
   体製のサイド部と、前記中央部及びサイド部を支
   持するフレーム構造体と、前記サイド部及び中央
   部を夫々被覆する表皮と、前記サイド部の表皮の
   前記中央部側の縦側端末を縦方向へ引き込みフレ
   ーム構造体の最下端に横架したパイプ製補強材に
   巻回して固定するストラツプとからなるシートバ
   ツクにおいて、 前記フレーム構造体の最下端における上面に
   は、山形状に折曲したガイド片の両端を固着し、
   前記ストラツプの下端には、前記フレーム構造体
   の補強材の前面から裏面側へ巻回す折り返し部を
   形成し、この折り返し部の先端に掛止部を設け、
   この掛止部を前記フレーム構造体の補強杆のガイ
   ド片に挿通すると共にフレーム構造体の内側に掛
   止し、前記ストラツプの掛止部が前記表皮の裏面
   に当接することを防止したことを特徴とするシー
   トバツク構造。