JPH0511802Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車用シート（座席）のシートバツ
ク（背凭部）、詳しくはクツシヨン体製の中央部
と、この中央部の左右に該中央部と別体に成形し
たクツシヨン体製のサイド部と、前記中央部及び
サイド部を支持するフレーム構造体とからなるシ
ートバツクの改良に関する。

（従来の技術とその問題点） 従来この種のシートバツクは中央部と該中央部
を被覆する表皮と別体の表皮で被覆されているサ
イド部とが夫々独立状にフレーム構造体に組付け
ている。即ち、このシートバツクは逆Ｕ字状のフ
レームにＳ形ばねなどの支持部材を張架したフレ
ーム構造体に、サイド部を組付けた後、中央部を
フレーム構造体に固定している。そして、前記サ
イド部及び中央部はいずれも発泡体製（ウレタン
フオームなど）クツシヨン体を表皮で被覆したも
のであり、サイド部はその表皮の端末をフレーム
構造体側にホツグリングなどで結着することによ
り固定している。

一方、中央部はその両側面がサイド部によつて
塞がれるため、前面側からフレーム構造体にホツ
グリング等で一体に結着することが困難である。
従つて、前記従来品は、フレーム構造体の背裏側
にフアスナー、バツクボードを設け、このフアス
ナーなどに中央部の表皮端末をフレーム構造体の
裏面側からホツグリングで、フレーム構造体側に
固着している。そのため、中央部の取付性が良好
になるが、ホツグリングがシートバツクの背裏に
凸状に突設するため、シートバツクの外観品質が
損なわれる不具合があつた。

そこで、本考案は、斯様に中央部が左右のサイ
ド部に対して別体であるものにおいて、その中央
部の取付性を損なうことなく、シートバツクの外
観を向上することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 以上の目的を達成するための本考案は、前記中
央部を構成するクツシヨン体内に縦方向にゴム製
ストラツプをその上、下部を外部に突設させて埋
設し、該ストラツプの上、下端を前記フレーム構
造体に掛止して、中央部をフレーム構造体に固定
してなることを特徴とするものである。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図、第２図は中央部ａを示し、この中央部
ａは発泡体製のクツシヨン体１１と、このクツシ
ヨン体１１を被覆する表皮１２とから構成され、
その形状はサイド部ｂ，ｂ及び頂部b′に囲撓され
た空間部内に嵌合できる大きさに形成されてい
る。

そして、この中央部ａを構成するクツシヨン体
１１の底面側内部における左右には、縦方向にゴ
ム紐製のストラツプ１３，１３がその上、下部が
外部に突出するように挿通状に埋設されている。
また、この中央部ａの横方向の上部端末に吊袋１
５が一体に縫着され、この吊袋１５内にはワイヤ
１４が挿通されている。

図示する以上のストラツプ１３，１３は外部に
露出する上端に環状に形成した掛止部１３ａを設
け、また、下端部には鉤形状フツク１３ｂが一体
に設けてあるが、このフツク１３はストラツプ１
３，１３に必ずしも設ける必要がない。

このストラツプ１３，１３はクツシヨン体発泡
成形時に、モールド内で一体に成形する。図中１
０は装飾用の深溝、１１ａはクツシヨン体１１と
一体の裏基布を示す。

第３図乃至第５図は中央部ａを取付けた状態の
シートバツクＡを示し、この中央部ａを囲撓する
サイド部ｂ，ｂ及び頂部b′は中央部ａに対して肉
厚状の発泡体製クツシヨン体２１，２１′で構成
され、このクツシヨン体２１，２１′は表皮２２，
２２′によつて被覆され、この表皮２２，２２′の
端末をフレーム構造体ｃ側のトリムワイヤ３７，
３７等にホツグリング等で結着することにより、
サイド部ｂ，b′等は前記従来品と同様にフレーム
構造体ｃに固定される。

フレーム構造体ｃは第６図に示すように、パイ
プを逆Ｕ字状に折曲したフレーム３０にＳ形ばね
などの支持部材３２…を設けたものであり、フレ
ーム３０の左右両側部には前記サイド部ｂ，ｂ内
に装着するサイドフレーム３１，３１を設け、フ
レーム３０の再下端間に、パイプ製の補強材３４
を架設し、この補強材３４の上方に該補強材３４
と平行に下横杆３３、またフレーム３０の上部側
に帯状の上横杆３６を夫々設け、この下横杆３３
と上横杆３６との間に縦方向に所定の間隔をあけ
てトリムワイヤ３７…を架設し、このトリムワイ
ヤ３７…の横方向にＳ形ばね３２を張架してお
り、また上横杆３６の近傍には横方向にトリムワ
イヤ３８が溶接されている。そして、前記上横杆
３６には前記ストラツプ１３，１３の掛止部１３
ａ，１３ａを掛止するフツク状の係止片３５，３
５が突設されている。

従つて、以下に説明するが如く、前記中央部ａ
をフレーム構造体ｃに組付ける。

まず、フレーム構造体ｃにサイド部ｂ，ｂ頂部
b′を固定する。すると、そのサイド部ｂ…等によ
つて囲撓される部分に空間部に生じ、この空間部
に中央部ａを嵌合し、中央部ａの上部に設けた吊
袋１５をその内部に挿通するワイヤ１４と共にフ
レーム構造体ｃのトリムワイヤ３８にホツグリン
グで結着して、中央部ａの上部を横方向に固定す
る。次に、又はこの中央部ａの上部を固定する前
に、各々のストラツプ１３，１３の掛止部１３ａ
を係止片３５，３５に掛止する。然る後、この
各々のストラツプ１３，１３の下端部を下方に引
つ張る。これにより、中央部ａの底面側はＳ形ば
ね３２…などの支持部材側に接合される。この状
態において、ストラツプ１３，１３の下端部を補
強材３４を巻回して、フツク１４ｂを下横杆３３
に掛止するか、フツク１４ｂを有しないものにお
いては下横杆に巻回して結着する。すると、中央
部ａはフレーム構造体ｃに固定され第３図に示す
ようなシートバツクＡが組立られる。なお、第４
図、第５図において図中４１はバツクボード若し
くは被覆布である。

（効果） 本考案によれば、中央部を構成するクツシヨン
体の縦方向に沿つてゴム製ストラツプを挿通状に
埋設し、このストラツプの上、下端をフレーム構
造体側に掛止することにより、中央部はストラツ
プの弾性にフレーム構造体の支持面に沿つて固定
できる。従つて、前記従来品の如き、ホツグリン
グを使用せずに中央部を固定できるため、中央部
の取付性が向上すると共に、シートバツクの外観
品質も良好になる。

加えて、クツシヨン体成形時にストラツプを一
体成形できるため、成形性も向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は中央部の部分切欠斜視図、第２図は第
１図における−線断面図、第３図は本案品の
斜視図、第４図は同横断面図、第５図は同縦断面
図、第６図はフレーム構造体の正面図である。 図中ａは中央部、ｂ，ｂはサイド部、ｃはフレ
ーム構造体、１３はストラツプを夫々示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 表皮で被覆されるクツシヨン体製の中央部と、
   この中央部の左右に該中央部と別体に成形すると
   共に前記中央部の表皮と別体の表皮で被覆される
   クツシヨン体製のサイド部と、前記中央部及びサ
   イド部を夫々独立状に支持するフレーム構造体と
   からなるシートバツクにおいて、 前記中央部を構成するクツシヨン体内に縦方向
   にゴム製ストラツプをその上、下部を外部に突設
   させて埋設し、該ストラツプの上、下端を前記フ
   レーム構造体に掛止し、前記サイド部の表皮の端
   末を、前記中央部の表皮と別体にフレーム構造体
   に固定してなることを特徴とするシートバツク。