JPH0343908Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、車体後部にリアカバーで囲繞したリ
アボデイを有する自動二・三輪車等の車両におけ
るリアボデイ構造に関する。

〔従来の技術〕

従来より、スクータやフアミリーバイク等の自
動二・三輪車では、搭乗者の自由な運転姿勢や乗
降の容易性を考慮して、車体フレームを下方へ湾
曲したり、ステツプフロアを配設しており、燃料
タンクやパワーユニツト等の装置類をシート下部
のリアボデイ内に配置している（実開昭57−
28081号公報参照）。

第１図は、この種スクータのリアボデイ構造を
示すもので、リアカバー１で囲繞されるリアボデ
イ２の上部にシート３配置され、該シート３の後
部上面には、走行中のライダーの臀部を保持して
後方へのずれを防止する突出部３ａが形成されて
いる。

リアボデイ２内には、ステツプフロア４に連続
するリアフレーム５が車体の後部に亘つて配置さ
れ、該リアフレーム５の前部上面に燃料タンク６
を、後部上面にオイルタンク７及びバツテリ８を
設けており、またリアフレーム５の下部には、エ
アクリーナ９やエンジン１０を一体に設けたスイ
ング式のパワーユニツト１１が配設され、パワー
ユニツト１１とリアサスペンシヨン１２とにより
後輪１３が懸架されている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、上述のものでは、パワーユニツ
ト上部に燃料タンクが配設されているため、パワ
ーユニツトに上方から接近することが困難であ
り、また、パワーユニツトの点火プラグやキヤブ
レータ，エアクリーナ等は、リアカバーやフレー
ムに囲まれて配置されているため、これらのメン
テナンスを行なう作業空間が少なく、専用工具を
必要としたり、大型のリアカバーの脱着を伴うた
め作業性に劣るなどの問題があつた。

そこで本考案は、ラツゲージボツクスの大型化
を図ると共に、エンジン廻りのメンテナンス性の
向上を図つたリアボデイ構造を提供することを目
的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記目的を達成するため、車体後部に
リアカバーで囲繞されるリアボデイを有し、且つ
該リアボデイ下部にパワーユニツトを配置した自
動二・三輪車等の車両において、前記パワーユニ
ツトの上部にラツゲージボツクスを配置し、該ラ
ツゲージボツクスの底部に開口を設けて、この開
口にカバープレートを着脱可能に設けたことを特
徴とするものである。

〔作用〕

これにより、ヘルメツトはラツゲージボツクス
に収納でき、またパワーコニツト廻りのメンテナ
ンス作業は、カバープレートの取外しによつてラ
ンゲージボツクス内部からも行なうことができ
る。

〔実施例〕

以下、本考案を二輪スクータに適用した一実施
例を第２図乃至第５図に基づいて説明する。

スクータ２０は、低床式の車体フレーム２１に
設けたステツプフロア２２の前部にレツグシール
ド２３を備え、該レツグシールド２３内に、下端
にフロントサスペンシヨン２４を介して前輪２５
を懸架し、バーハンドル２６により操舵されるフ
ロントフオーク２７が設けられている。

リアカバー２８で囲繞されるリアボデイ２９の
上部には、後部に上方へ突出する突出部３０ａを
有するシート３０が配置され、またこのリアボデ
イ２９内に車体後部に亘つて設けられたロアフレ
ーム３１の下部に垂直型のエンジン３２を一体に
設けたスイング式のパワーユニツト３３を配置
し、該パワーユニツト３３とリアサスペンシヨン
３４とで後輪３５を懸架している。

シート３０の後部下方に位置するロアフレーム
３１の後端部は、下方の後輪３５をクツシヨンス
トロークを存して湾曲状に被うリアフエンダ部３
６を一体形成したもので、このリアフエンダ部３
６上面には、バツテリ３７がステー３８で支持さ
れると共に、燃料タンク３９が仕切板４０にネジ
止めされており、該燃料タンク３９は所定の容積
を車体重心に近い位置で確保するために、キヤツ
プ３９ａを設けた上部をシート３０後部の突出部
３０ａの内部空間３０ｂに突出配置している。

また、燃料タンク３９前方のシート３０下部に
は、リアボデイ２９と燃料タンク３８の前面に設
けた仕切板４０で囲繞されるスペースに大容量の
ラツゲージボツクス４１を配設している。

リアカバー２８とラツゲージボツクス４１の前
部には、それぞれ車体前方へく字状に突出する突
部２８ａ，４１ａが重ね合わせ形成され、またエ
ンジン３２の上方に位置するラツゲージボツクス
４１の底部となるロアフレーム３１には開口４１
ｂが設けられ、この開口４１ｂにラツゲージボツ
クス４１内へ突出する突部４２ａを有するカバー
プレート４２が、ネジ４３により取外し可能に設
けられている。

前記カバープレート４２の突部４２ａは、走行
によつてパワーユニツト３３が上下にスイングし
た際に、該パワーユニツト３３の上部に設けたエ
ンジン３２の揺動を許容するもので、シート３０
のロツクを解除してヒンジ４４を支点に回動し、
このカバープレート４２を取外すことにより、ラ
ツゲージボツクス４１の上部開口４１ｃから、パ
ワーユニツト廻りの点火プラグ４５やキヤブレー
タ４６、或いはエアクリーナ４７等のメンテナン
スを容易に行なうことができる。

ラツゲージボツクス４１は、運転時に着用され
るバイザー付きのヘルメツト４８の収納が可能
で、バイザー４８ａはリアカバー２８とラツゲー
ジボツクス４１の突部２８ａ，４１ａ内に収納さ
れると共に、ヘルメツト４８本体はカバープレー
ト４２の突部４２ａにガイドされて、一方向へ向
けて安定して保持することができ、同乗者用のヘ
ルメツトを収納して走行する場合にも、振動によ
つて傷めることがない。

また、ラツゲージボツクス４１の底部となるロ
アフレーム３１の下部両側のメンバー部を、第３
図のように断面Ｌ形の鋼板４９，４９で支持する
か、或いは第４図に示す如くパイプフレーム５
０，５０で支持して上部のパイプ枠５１，５１を
縦パイプ５２で連結し、リアカバー２８を合成樹
脂にすることも可能である。したがつて、ラツゲ
ージボツクス４１内にヘルメツト４８を収納でき
るから、ヘルメツト４８の汚損の防止や盗難の予
防が図れると共に、他のタンク類やバツテリ等の
自由な設計や配置が行える。

〔考案の効果〕

本考案は以上のように、リアボデイ下部に配置
したパワーユニツト上部にラツゲージボツクスを
配設すると共に、該ラツゲージボツクスの底部に
開口を設け、この開口にパワーユニツト廻りのメ
ンテナンスを行なうためのカバープレートを着脱
可能に設けたので、このカバープレートの取外し
により、エンジン本体やキヤブレータ或いはエア
クリーナ等のメンテナンスを行なうスペースをラ
ツゲージボツクス内に確保できて作業性が向上す
る効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のスクータのリアボデイを示す一
部切欠き側面図、第２図乃至第５図は本考案の一
実施例を示すもので、第２図はスクータの一部断
面側面図、第３図は第２図の−断面図、第４
図は他形状の−断面図、第５図は要部の斜視
図である。 ２０……スクータ、２１……車体フレーム、２
８……リアカバー、２８ａ……突部、２９……リ
アボデイ、３０……シート、３１……ロアフレー
ム、３２……エンジン、３３……パワーユニツ
ト、３９……燃料タンク、４１……ラツゲージボ
ツクス、４１ａ……突部、４１ｂ……開口、４１
ｃ……上部開口、４２……カバープレート、４２
ａ……突部、４５……点火プラグ、４６……キヤ
ブレータ、４７……エアクリーナ、４８……ヘル
メツト、４８ａ……バイザー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体後部にリアカバーで囲繞されるリアボデイ
   を有し、且つ該リアボデイ下部にパワーユニツト
   を配置した自動二・三輪車等の車両において、前
   記パワーユニツトの上部にラツゲージボツクスを
   配置し、該ラツゲージボツクスの底部に開口を設
   け、該開口にカバープレートを着脱可能に設けた
   ことを特徴とする自動二・三輪車等のラツゲージ
   ボツクス。