JPH0343735Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はアンテナ用増幅器、信号混合器その他の
電子機器の筐体に関するものである。

〔従来の技術〕

この種の電子機器は、例えば第４図に示す如く
本体部５１の一側壁５２に接栓座５３を取付け、
接栓座５３につながる電子部品を内装した本体部
分５４はカバー５５で覆着されている。この電子
機器は本体部５１の一側壁５２より突設した取付
座５６で壁面や収容ボツクスのパネルにビスで取
付けるか、或いは取付座５６に形成した山形案内
部５７とこれと対向する取付金具（図示せず）の
山形案内部とでマストを挟みボルト、ナツトで取
付座５６と取付金具とを締結してマストに取付け
ており、その後接栓座５３にケーブルを接続して
いる。

尚、本体部分５４を閉蓋するカバーは、図示の
ように本体部分５４全体を内包するのものと、本
体部分の開口部のみカバーするものがある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで前記電子機器は、本体部５１の一側壁
５２に取付座５６と接栓座５３を同じ向きに突設
するから、接栓座５３に取付けたケーブルと取付
座５６との隙間及び取付座５６を取付けるマスト
等の支持部材とケーブルとの隙間が狭くなり、ケ
ーブルのテーピング、防水接栓その他のケーブル
加工が非常にやり難いという問題があり、そのた
め隙間を広げたものでは本体部５１が嵩張り製品
が大型化する難点があつた。又、取付座５６と接
栓座５３は常に同じ向きに突設するから、ケーブ
ル配線の都合上取付座５６に対して接栓座５３を
反対向きに、あるいは直角方向に配設する場合に
は、それぞれの向きのものを別途用意する必要が
あつた。このため多品種小量生産となりコスト高
を招くと共に、何種類もの筐体を在庫する無駄が
ある。さらに、電子部品の修理や保守点検を本体
部５１のみ支持部材から取外して行うことができ
ず、その都度、電子機器全体を支持部材から取外
し、さらにカバーを取外していたから、非能率な
修理・保守点検作業となる。

本考案は前記の点に鑑みてなされたもので、接
栓座に取付けたケーブルに対するテーピング等の
処理及び電子部品の修理や保守点検が能率よく施
行でき、しかも支持部材に対する接栓座の向きを
選択できるようにした電子機器の筐体を提供する
ことを目的とする。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕

本考案の電子機器の筐体においては、片面に取
付面を形成しその反対面の一側に支持部材取付機
構を突設したカバーと、取付面のある開口部に電
子部品を内装し且つ外側壁の一部に接栓座を設け
た本体部とを、取付面を合わせて少くとも４本の
取付ねじで連結している。このため、筐体を支持
部材取付機構で支持部材に取付けた状態におい
て、本体部のみ取外して電子部品の修理等が行え
る。

さらに、取付面の少くとも４つの取付ねじ用孔
でできる４角形を長方形又は正方形としているの
で、カバーの支持部材取付機構と本体部の接栓座
の向きを違えて組付けることができ、又、支持部
材に取付けたカバー支持部材取付機構に対して接
栓座の向きを変えることができる。

〔実施例〕

本考案の実施例を図面に基づいて説明する。第
１図〜第３図において、１は電子機器で、コンデ
ンサ、トランジスタその他の電子部品を取付けた
プリント基板２、接栓座１３等を備えた本体部３
と、その開口部を閉蓋するカバー４からなる。

本体部３は、カバー４を取付ける方形の開口側
取付面５に方形環状溝６と４隅にビス取付孔８を
設け、環状溝６の内側壁７を取付面５より突設す
ると共に、この内側壁７で囲まれる開口部２１内
に支持突起（図示せず）を介してプリント基板２
をビス２２で取付け、取付面５に隣接する外側壁
の一つに複数の接栓座取付部２０を設けている。

カバー４は、４隅に本体部３のビス取付孔８と
対向するねじ孔１２を形成し、取付面９には２段
の環状段部１０，１１を凹設して、本体部取付時
環状段部１０で本体部３の環状溝６に嵌めたパツ
キンを押圧して水密性を確保するようになし、さ
らに、カバー４の取付面９と反対面の一側には支
持部材取付機構１５を突設している。この支持部
材取付機構１５はカバー４に一体連接した取付平
板１６の中央に山形案内部１７を貫設し、山形案
内部１７を挟む両取付平板部分にそれぞれ山形案
内部１７と平行の長孔１８及び中間に止ねじの頭
部を遊嵌できる丸孔１９を形成している。

本実施例のカバー４は４つのねじ孔１２を結ん
で得られる４角形を長方形としているので、ねじ
孔１２と対向させるビス取付孔８を有する本体部
３をビス２７によりカバー４に取付ける場合、本
体部３は正逆いずれの向きでも取付けできる。従
つて、本体部３の接栓座１３を支持部材取付機構
１５と同じ向きに、又は逆の向きにすることがで
きる。次に、４つのねじ孔１２を結んで得られる
４角形を正方形にすれば、カバー４に対し、接栓
座１３を90度ごと違えた４つの向きに選択的に取
付けできる。

電子機器１のマスト１４への取付けは、第３図
に示す如く支持部材取付機構１５の山形案内部１
７と押え金２５の山形案内部２４とでマスト１４
を挟み、取付平板１６の２つの長孔１８と押え金
２５の２つの通孔に挿通した取付ねじ２６とナツ
トにより両者を挟着してマスト１４に取付けてい
る。又、建物等の壁面や収納ボツクスのパネル等
に取付けるには、予め取付箇所にビスを所定間隔
をおいて途中までねじ込み、このビスを取付平板
１６の丸孔１９に挿入し、取付面に沿つて電子機
器１を下方へずらし、長孔１８の上端にビスが当
接した状態でビスを締結して壁面等に取付けてい
る。

尚、本考案は例示の如き実施態様に拘束される
ものではなく、その要旨の範囲内において各様に
改変し得る。

〔考案の効果〕

本考案は、以上説明したように構成されている
ので、下記するような効果を奏する。

(1) 筐体を支持部材取付機構で支持部材に取付け
る際、本体部の接栓座と支持部材取付機構が重
ならないように取付けておくことにより、接栓
座と支持部材との隙間が広くなつて、接栓座に
取付けたケーブルに対するテーピングその他の
ケーブル加工が容易に行えると共に、電子機器
の偏平化に役立つ。

支持部材に取付けたカバーに本体部を取付け
る際、接栓座の向きを選択できるので、ケーブ
ル配線が容易となる。従つて、従来のように接
栓座の向きを違えたものを何種類か用意する無
駄がなくなるほか、収納ボツクス等のパネルに
複数個の電子機器等を配設するような場合、コ
ンパクトなケーブル配線となし得て、収納ボツ
クスを有効に利用でき、スペースを削減でき
る。

電子部品の修理や保守点検は、カバーを支持
部材に取付けたまま本体部のみ取外せば直ちに
行えるので、修理等に際しカバーの取付け取外
しが不要となり、作業の簡略化、作業時間の短
縮を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の本体部の斜視図、第
２図は本考案の実施例のカバーの斜視図、第３図
は本考案を実施した電子機器のマスト取付状態を
示す側面図、第４図は従来品の斜視図である。 ３……本体部、４……カバー、５……開口側取
付面、９……取付面、１５……支持部材取付機
構、２０……接栓座取付部、２１……開口部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 片面に取付面を形成しその反対面の一側に支持
   部材取付機構を突設したカバーと、取付面のある
   開口部に電子部品を内装し且つ外側壁の一部に接
   栓座を設けた本体部とを、取付面を合わせて少く
   とも４本の取付ねじで連結すると共に、取付面の
   少くとも４つの取付ねじ用孔でできる４角形を長
   方形又は正方形としたことを特徴とする電子機器
   の筐体。