JPH046230Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、電子楽器やオーデイオ機器等の電
気機器において、外装（ケ−ス）の外部に露出さ
れる外部接続端子、操作子、表示器等の部品を装
着するパネルの取付構造に関する。

〔考案の概要〕

この考案は、電気機器の外装の外部に露出され
る部品を装着したパネルの取付構造において、こ
のパネルとその関連回路を構成する電子部品を装
着した基板とを仮係止した状態で両部品間を接続
し、そのパネルと基板とを共通の取付部材によつ
て一体的に電気機器の外装に固着することによ
り、取付作業性を大幅に向上し得るようにしたも
のである。

〔従来の技術〕 このようなパネルに装着される部品には、通常
関連回路が必要であり、従来は外部に露出される
上記のような部品を装着したパネルと、その関連
回路を構成する電子部品を装着してプリント回路
に半田付けした基板とを、総組立時又はユニツト
組立時に外装（ケース）内に別々に取付け、パネ
ルに装着された部品と基板の回路とを配線によつ
て接続していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、このような従来のパネル取付構
造では、パネルと基板とを別々に電気機器の外装
に取付け、しかも狭いスペース内で両者間の配線
をしなければにらないため作業性が悪く、組立コ
ストが高くなるという問題点があつた。

この考案は、このような従来の問題点を解決し
て、外部に露出される部品を装着したパネル及び
その関連回路を構成する基板の取付作業性を向上
させることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

そのため、この考案による電気機器のパネル取
付構造は、電気機器の外装の外部に露出される部
品を装着するパネルに仮係止部を設けると共に、
電子部品が装着される基板に上記パネルの仮係止
部に対応して仮係合部を設け、パネルの仮係止部
と基板の仮係合部とを嵌合させて該パネルと基板
とを仮係止した状態で、パネルに装着された部品
と基板に装着された部品とを接続し、そのパネル
と基板とを共通の取付部材によつて一体的に電気
機器の外装に固着するようにしたものである。

〔作用〕

パネルと基板とがその仮係止部と仮係合部との
嵌合によつて仮係止された状態でユニツト化さ
れ、パネルに装着された部品と基板に装着された
部品とを配線なしに直接に接続でき、この仮係止
されたパネルと基板はネジ等の共通の取付部材に
よつて電気機器の外装に容易に固着される。

〔実施例〕

以下、この考案を電子楽器の外部接続端子パネ
ルの取付構造に適用した実施例について、添付図
面を参照して説明する。

第１図において、外部スピーカや他の電子楽器
等の外部機器をするための部品である外部接続端
子１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｄは、それぞれパネル２
にねじ止め又は爪止めされる。

このパネル２は、若干弾性を有する合成樹脂等
によつてハツト状に一体形成され、第２図乃至第
４図にも示すように、その鍔状部２１の四隅に取
付孔２２を貫通させた円柱状のスペーサ２３を突
設しており、その反対側に突出した本体部２４に
は、外部接続端子１Ａ〜１Ｄを装着するための透
孔２５Ａ〜２５Ｄを設け、長手方向の両端面中央
部からスペーサ２３の突出方向に、先端に係止爪
２６ａを有する一対の係止片２６を突設してい
る。この係止片２６が仮係止部である。

一方、このパネル２に取付けられる部品に関連
する回路を構成する基板であるプリント基板３に
は、第３図に最もよく示されるように、パネル２
の係止片２６に対応する位置に角孔による一対の
係合孔（仮係合部）３１を形成し、パネル２の取
付孔２２に対応する位置に取付孔３２を形成する
と共に、外部接続端子１Ａ〜１Ｄの各接続ピン等
を貫通させる透孔群３３及び図示を省略している
が各種電子部品４のリード線を挿通させる多数の
小孔を穿設している。

また、図で上面側には挿着された各種電子部品
４の相互間及びこれらの電子部品と接続端子１Ａ
〜１Ｄの接続ピン間等を接続するプリントパター
ンが形成されており、電子部品４が半田付けされ
ている。

次に、このように構成したパネルとプリント基
板の取付手順を説明する。

パネル２に外部接続端子１Ａ〜１Ｄをねじ止め
又は爪止めした後、第１図及び第３図に矢印で示
すように、このパネル２とプリント基板３の一方
を他方に近づけて押圧し、パネル２の係止片２６
をプリント基板３の係合孔３１に嵌合させ、第２
図に示すように係止片２６の係止爪２６ａとスペ
ーサ２３とによつてプリント基板３を仮係止す
る。

この時、外部接続端子１Ａ〜１Ｄの各接続ピン
は透孔群３３（第３図）を貫通して全てプリント
基板３の裏面側に突出した状態になるので、これ
らの接続ピンをプリントパターン又は電子部品４
のリード線に半田付けすることにより、回路接続
が完成すると共にパネル２とプリント基板３との
仮係止がより確実になり、一体的にユニツト化さ
れる。

このようにしてユニツト化したパネル２とプリ
ント基板３を、第２図に示すように電子楽器の棚
板５に形成したパネル取付窓５ａにパネル２の本
体部２４を嵌め込んで装着し、プリント基板３の
裏面側（図で上側）から共通の取付部材である取
付ネジ６を取付孔３１及びパネル２の取付孔２２
を通して棚板５にねじ込んで一体的に固着する。

なお、上記実施例では、パネルに複数の仮係止
部を設け、この仮係止部に対応した複数の仮係合
部を基板に設けるようにしたが、上記仮係止部と
仮係合部はパネルと基板の各中央部に１つずつ設
けてもよく、この場合、仮係止部はたとえば傘状
フツク部を有する突起にして若干可撓性を有する
孔状の仮係合部に圧入するようにしてもよい。

さらに、上記実施例では仮係止部を突状の係止
片とし、仮係合部を係合孔としたが、仮係止部を
Ｃ字状の係合孔にし、仮係合部を突状片としても
よい。この場合、突状片の仮係合部は基板にワン
タツチで固着される別部材で構成すると共に、こ
の突状片に係合するＣ字状の係合孔をパネル裏面
の所望の位置にパネルに一体成形によつて形成し
てもよい。

さらにまた、上記実施例はこの考案を電子楽器
の外部接続端子パネルの取付構造に適用した場合
について説明したが、この考案はこれに限るもの
ではなく、例えばPAミキサー、テープレコーダ
VTR，ステレオ等の各種オーデイオ機器、パソ
コン、ワードプロセツサ等の各種OA機器等広範
囲な電気機器に適用し得るものであり、パネルに
装着する部品も外部接続端子に限らず、ボリユー
ム等の操作子やランプ等の表示器などでもよい。

共通の取付部材としては、木ネジ、ボルト・ナ
ツト、クリツプ等を使用することができる。

〔考案の効果〕

以上述べたように、この考案による電気機器の
パネル取付構造は、電気機器の外装の外部に露出
する部品を装着したパネルと電子部品を装着した
基板とを仮係止した状態で両者の部品を直接的に
接続してユニツト化し、そのパネルと基板を共通
の取付部材で一体的に外装に固着するようにした
ので、パネルと基板との間の接続線が不要にな
り、半田付けや取付作業も従来よりも著しく簡単
になる。

したがつて、パネル取付作業の能率が大幅に向
上する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例における取付前の
パネルと基板の状態を示す断面図、第２図は同じ
く取付後のパネルと基板の状態を示す断面図、第
３図は同じくパネル取付前の状態を下方から見た
斜視図、第４図はパネル単体を上方から見た斜視
図である。 １……外部接続端子、２……パネル、３……プ
リント基板、４……電子部品、５……電子楽器の
棚板、６……取付ネジ、２６……係止片（仮係止
部）、３１……係合孔、（仮係合部）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電気機器の外装の外部に露出される部品を装着
   するパネルに仮係止部を設けると共に、電子部品
   が装着される基板に前記パネルの仮係止部に対応
   して仮係合部を設け、前記パネルの仮係止部と基
   板の仮係合部とを嵌合させて該パネルと基板とを
   仮係止した状態で、該パネルに装着された部品と
   基板に装着された部品とを接続し、該パネルと基
   板とを共通の取付部材によつて一体的に電機機器
   の外装に固着することを特徴とする電機機器のパ
   ネル取付構造。