JPH0343424B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は階段ふみ板用モジユール式支持体に
関し、特に簡単に階段の設置及び調整を行うこと
ができるようにするものである。非単一構造の階
段はふみ板を上にのせる荷重支持床を有している
ことが知られている。前記の床は階段によつて相
互に連結されるおどり場に固着されているだけで
ある。また現在用いられている階段における前記
の床は、個々のふみ板を支える支持体を順次配置
した形態のものである。このような支持体は、互
に離して設置された垂直な各スリーブが延び、そ
の対向面にのせるひとつのデツキからなる。各支
持体の下部スリーブは下方にある支持体の上部ス
リーブに挿入されている。この挿入は前記スリー
ブの相互のかみ合い深さとこれらのスリーブ相互
の角度位置を変更できるようになつている。介在
する伸縮部材によつて、この２つのスリーブは所
望の軸方向と角度の位置に固定される。このよう
に予め組み立てられたモジユール式支持体によつ
て、階段はその垂直高と階段軸の型式とを変えて
つくることができ、そしてこの型式は直線の断面
及び／または曲線の断面を有していてもよい。以
上のように明らかな利点があるにもかかわらず、
前記モジユール式支持体によつて階段を設置する
とその用途が限定されるというような欠点があ
る。特にこのような支持体は相互に配置して固定
するのが難かしく、従つてこの支持体を設置する
のが煩雑で高価なため特に不評である。さらにこ
の支持体に美的なカバーを付けることが通常必要
とされるが、このようなカバー取り付けはこの階
段設置の全体のコストにかかわつてくる。

この発明はこれらの事情に鑑みなされたもので
その具体的構成は、単一構造体であり、ふみ板用
の水平な支持デツキと、モジユール式支持体の外
面と内面を形成しかつ該支持デツキの上方に延び
る垂直な円筒部を有する第１壁と、モジユール式
支持体の外面と内面を形成し、この内面が第１壁
の内面方向を向き、支持デツキの下方に延びる垂
直な円筒部を有する第２壁とからなり、この第２
壁の外面に前記支持デツキが取り付けられ、第２
壁の外面が第１壁の外面に適合可能で、そしてさ
らに一つの隣接する支持体の第２壁に第１壁を固
定するために、第１壁の内面及び第２壁の内面と
に適合するようにそれぞれ形成された少なくとも
一対の締付要素を有し、隣接する支持体同志を固
定するよう構成し、更に前記第１壁と上方の隣接
する支持体の支持デツキとの間に位置し、それぞ
れ独立して作動可能なふみ板高さ調整手段を有し
てなる階段ふみ板用モジユール式支持体を提供す
るものである。

そしてこのモジユール式支持体は従来の支持体
の前記欠点を取り除いて、特にその設置と調整が
容易であり、さらに簡単なデザイン、広い用途、
高い信頼性及び低コストはもちろんすぐれた外観
を有するものである。

特にこの発明は、下位に位置する支持体の第１
壁の上部に特定のふみ板高さ調整手段を設けるこ
とによつて、そのふみ板高さ調整手段を上位に位
置する支持体の支持デツキに当接できるように
し、それによつて両支持体の上下方向の位置関
係、つまり階段の高さを容易に調整できるように
するものである。

以下図に示す実施例によりこの発明を詳述す
る。なお、これによつてこの発明が限定されるも
のではない。

まず第１図と第２図において支持体１は、壁３
（以下階段の昇り方向に対して後部壁と呼称す
る。）と隔壁（ボーダー）４とからなる第１壁ｆ
と、この壁ｆを強化する側壁６と、前部壁８と、
ふみ板２を支える支え板９と、隣接する支持体を
固着するための締め付け要素１４，１５とから主
として構成される。

後部壁３は垂直円筒部を有し、該円筒部の縦方
向の端部３ａは折り曲げられ、円筒部の凸面４１
に面し互いに平行で垂直に延びる各隔壁４に接続
しており、この後部壁３と各隔壁４とで第１壁ｆ
が構成されている。この隔壁４は長方形で、高さ
は後部壁３の高さに等しく、内側へ直角に折曲さ
れた端部５を有する。

各隔壁４には、これに平行に延びる一対の側壁
６が溶接などによつて取り付けられている。各側
壁６はそれぞれ隔壁４の対応する端部５と係合す
るよう外側に折曲された垂直の端部７を有し、そ
の高さは後部壁３の高さの1/2に実質的に等しく、
後部壁３の下端から延びている。

また各側壁６は、隔壁４に取り付けられている
側と反対側で、前部壁と呼称される第２壁８によ
つて連結されている。この前部壁８は軸が垂直の
円筒部からなり、側壁６に対して下方に延び、そ
の全体の高さは後部壁３よりごくわずかに高い。

また前部壁８の上端に沿つて、前部壁８の外面
４２に、階段の各ふみ板２を支え支持デツキを形
成する水平な支え板９が取り付けられている。こ
の支え板９は略楕円形であり、その上面に放射状
に配列されて形成されている複数の強化リブ１０
を有する。さらに支え板９の端部には、前記壁８
に結合する凹形部分に沿つて、前部壁８に支え板
９を容易に溶接しうるように構成された凹部又は
くぼみ部９ａを形成している。最後に支え板９に
は、ふみ板固定用ネジの孔１１が適切な間隔をお
いて設けられている。

板１２，１３が補強用に２枚の側壁６の間に水
平に取り付けられる。

前部壁８は後部壁３の外面４０に面接する外面
４２を有している。各支持体の前部壁８はこのよ
うに同様の下方の支持体の後部壁３に連結するこ
とができる。連結した壁部を相互に締付けるため
に、一対の締め付け要素１４，１５がそれぞれ、
一方の要素１４が前部壁８の凹面４３に、他方の
要素１５が後部壁３の凸面４１上に位置してい
る。要素１４，１５はそれぞれ、円筒形状部から
なり、各々が支えようとする面に適合するような
形態を有し、それぞれの中央部で縦方向にのびる
突出部１４ａ，１５ａを形成し、この突出部が強
化機能を果し平面部を有している。

このような平面部で作動するように各ネジ手段
１６の頭部が設置され、それぞれのナツト１６ａ
はこの平面部に溶接され、該ネジ手段１６は要素
１４，１５を互に締めつけるために、該ナツト１
６ａにネジで結合されている。ネジ１６を挿入す
るのに適切な孔が締め付け要素自体に設けられ、
さらに特に２つのネジ１６は、それぞれ壁３の中
央部で垂直に延びて互に一列に並んだ長穴１７を
通じて一方の支持体の後部壁３を貫通し、かつ異
なる高さで水平に延びる長穴１８を通じて上方の
支持体の前部壁８を貫通している。

隔壁４の上部の、折り曲げられた端部５で形成
された角部内に、ナツト１９が最後に取り付けら
れこれはそれぞれのネジ２０がふみ板の垂直高を
調節するためのナツトとして作動するよう構成さ
れている。

この発明の支持体の作動は上記のことから明ら
かである。支持体１は、それぞれの締付要素１
４，１５によつて互にモジユール式に取り付けら
れている。各支持体は壁部の３と８の円筒状面で
連結されているので、隣接した支持体に対して相
対的に回転することができる。このような回転
は、両支持体を相互に固定するネジ１６が貫通し
ている前部壁８の水平長穴１８によつて可能にな
つている。従つて、その階段の軸のたどる通路が
必要に応じて不規則な形態を有していても、いず
れの通路にも階段を作ることができるようにな
る。また、階段の組立てを特に容易にするネジ２
０を操作することによつて階段の垂直高を調節す
ることができる。実際には、すでに据え付けられ
ている下方の支持体の２つのネジ２０がそれぞれ
の隔壁４の上面より上に、予めセツトした高さに
突出するまでこれらのネジを操作した後、支持体
１が前記下方支持体の上方に設置される。そして
下方支持体のネジ２０の頭部の上にその支持体の
支え板９を置き、次いで前記のように上方支持体
を下方支持体に対して相対的に回転することによ
つて位置調整がなされる。

次いでネジ１６を締め付けることによつて固着
されるが、これらのネジは垂直長穴１７があるた
めに、両支持体を相互に軸方向に移動させて階段
の垂直高を調節するのを妨げない。連続したモジ
ユール式支持体１で製作されたこの階段構造体は
その端部でそれぞれのおどり場の床に固定されて
いる。第３図に階段の最上段の支持体を、第４図
に階段の最下段の支持体を示した。底部にはおど
り場の床の上面に据え付けるためのベース２１が
設けられている。ベース２１の上面には、垂直方
向の軸を有するスリーブ２２が取り付けられてお
り、このスリーブ２２は、下方の段の支持体の前
部壁２３を摺動自在に嵌合させるためのものであ
る。その前部壁２３は、前記した後部壁３に固定
された側壁６と同様の側壁２４と高さが等しい限
定された高さの円筒状部からなる。

スリーブ２２は円板状に形成された板部２５に
よつて上部が閉鎖され、その板部２５は複数のネ
ジ２６と２７用の内部にネジを切つたネジ座を有
している。これらのネジ座はそれぞれ板部を貫通
する孔と板部に溶接されたひとつのナツト２６ａ
もしくは２７ａで構成されている。ネジ２７は、
支持体の各側壁２４を連結する水平板２８を支え
るために、その角型作動頭の下に肩部２７ｂを有
している。このようにして第１段目の垂直高も調
整することができる。ネジ２６は平板２８を平板
２５に固着しその結果第１段目の支持体をベース
２１に固着する。

階段の最上段の支持体は、代りに、側壁６の端
部にまたがつて設置された垂直板からなる後部壁
２９を有している。後部壁２９は各側壁６間の距
離以上の長さにわたつて延出して、その端部の近
くに、おどり場床に固定されたブラケツト３２に
固定するためのボルト３１用の垂直長穴３０を有
する。そして３１の頭部は該ソケツトに取り付け
られたボツクス３３内に配設されている。

最後に第５図と第６図は、２対の締め付け要素
間で締め付けられて連結された後部壁３と前部壁
８とを有する支持体を示す。そしてこれらの締付
け要素はそれぞれ該壁部の上部と下部に設置され
ている。これらの図面中で３４と３５は該締付け
要素対のひとつを示す。

締付け要素３４，３５は、それぞれの突出部３
４ａと３５ａを形成する限定された高さの円筒部
からなる。これらの突出部は中央部で縦方向に延
び、また締め付けネジ１６を挿入するる孔を中心
にあけた平らな面を備えている。締め付け要素３
４と３５それぞれの上部横方向の端部（upper
cross edge）と下部横方向の端部とはそれぞれの
フランジ３６，３７に接続するように折り曲げら
れておりこれらフランジはそれぞれ、要素３４の
凹面上および要素３５の凸面上に延び、締め付け
要素自体の縦方向の軸を横切る各平面上にあり、
強化機能を有する。

締め付け要素３４，３５の組立ては勿論、１
４，１５の締め付け要素について前記したのと同
様にして行なわれる。支持体のモジユール式組立
と階段の垂直高の調整はともに極めて簡単かつ速
やかに、階段を設置するときに容易に行うことが
できる。

さらに、支持体自体が連続した囲いを形成し、
接合部材が内部に入つているのでさらにカバーを
つける必要はない。

またこの発明を実施する際には、素材、形状お
よび寸法は必要に応じて変えてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例のモジユール式階
段ふみ板用支持体の組立てた状態における縦断面
図、第２図は第１図の支持体の部分切欠き横断面
図、第３図は第１図の支持体の最上段部の縦断面
図、第４図は第１図の支持体の最下段部の縦断面
図、および第５図と第６図はそれぞれ、他の実施
例の締め付け要素を具備する支持体の部分切欠き
の縦断面図と横断面図である。 １……階段ふみ板用モジユール式支持体、３…
…後部壁、４……隔壁、６……側壁、８……第２
壁（前部壁）、９……支え板、１４，１５……締
め付け要素、１６……ネジ手段およびネジ、１
７，１８……長穴。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 単一構造体であり、ふみ板用の水平な支持デ
   ツキと、モジユール式支持体の一つの外面と一つ
   の内面を形成しかつ該支持デツキの上方に延びる
   垂直な円筒部を有する第１壁と、モジユール式支
   持体の一つの外面と一つの内面とを形成し、この
   内面が第１壁の内面方向に向き支持デツキの下方
   に延びる垂直な円筒部を有する第２壁とからな
   り、この第２壁の外面に前記支持デツキが取り付
   けられ、第２壁の外面が第１壁の外面に適合可能
   で、さらに一つの隣接する支持体の第２壁に前記
   支持体の第１壁を固定するために、第１壁の内面
   と第２壁の内面とに適合するようにそれぞれ形成
   された部分を有する少なくとも１対の締め付け要
   素を有し、隣接する支持体同志を固定するよう構
   成し、更に前記第１壁と上方の隣接する支持体の
   支持デツキとの間に位置し、それぞれ独立して作
   動可能なふみ板高さ調整手段を有してなる階段ふ
   み板用モジユール式支持体。 ２ ふみ板高さ調整手段は、実質的に第１壁の上
   部に位置し、上方の隣接する支持体の支持デツキ
   を支えるよう構成された調整用ネジ手段からなる
   特許請求の範囲第１項記載の階段ふみ板用モジユ
   ール式支持体。 ３ 第１壁と第２壁とが隣接する支持体の対応す
   る壁に前記の第１と第２の壁を固着するためのネ
   ジ手段挿入用の垂直及び水平長穴をそれぞれ備え
   た特許請求の範囲第１項記載の階段ふみ板用モジ
   ユール式支持体。 ４ 第１壁がその下部で、第２壁によつて互に連
   結される垂直で平行な一対の側壁で強化されてい
   る特許請求の範囲第１項記載の階段ふみ板用モジ
   ユール式支持体。 ５ 第２壁が側壁の下方に延びる特許請求の範囲
   第４項記載の階段ふみ板用モジユール式支持体。 ６ 第１壁が折り曲げられた縦方向の端部を有
   し、この端部はそれぞれ垂直で平行な隔壁に連結
   され、その隔壁はそれぞれ側壁に強固に連結され
   てなる特許請求の範囲第１項記載の階段ふみ板用
   モジユール式支持体。 ７ ふみ板高さ調整手段は、各隔壁の上部に連結
   されたそれぞれのナツト部材と、このナツト部材
   とネジ係合し、隣接する上方の支持体の支持デツ
   キを支える調整用ネジとからなる特許請求の範囲
   第６項記載の階段ふみ板用モジユール式支持体。 ８ 支持デツキが第２壁の上方端部でその外側に
   形成された接合凹部を有する支え板からなる特許
   請求の範囲第１項記載の階段ふみ板用モジユール
   式支持体。