JPH034313B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、溶接ロボツトの電極チツプを切削
して整形を行うチツプドレツサーに関するもので
ある。

〔従来の技術〕

現在、自動車の車体組立ライン等では、溶接ロ
ボツトによるスポツト溶接が行なわれているが、
その溶接方法は、ガンの先端に装着した一対の電
極チツプによつて溶接個所を両側より押圧、挾持
し、電流を流して挾持部の抵抗発熱により挾持部
を融合させて溶接するものである。

この電極チツプは、溶接回数が増すにつれて、
その先端表面が酸化膜に覆われるとともに接触面
積が大きくなるため、抵抗発熱による融合が少な
くなり、溶接品質が悪くなる。

そのため、一定回数溶接を行うとチツプドレツ
サーにより電極チツプの先端を切削して、酸化膜
を除去すると共に先端の形状を最適な形状に整形
しなければならない。

従来のチツプドレツサーは、第４図及び第５図
に示すように、上下縁を放物線状に凹ませると共
に刃片を形成した平板状のカツターブレード１枚
を回転させることにより上下一対の電極チツプを
同時に切削するものである。

ガン先端の電極チツプをチツプドレツサーに挿
入し切削する方法には、ガンのタイプによつて、
カツターブレードの回転軸と同軸に上下から挿入
する方法と、斜めにカツターブレードに滑り込ま
せる方法とがある。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記二方法のうち、電極チツプを斜めに滑り込
ませる方法では、第４図ａ，ｂ，ｃに示すよう
に、平板状のカツターブレード７は、平面視した
場合、直線状であり、カツターブレード７とホル
ダー５の間に反円形の空間が形成されてしまう。
そして一般的にガンのアームは剛性が少ないた
め、カツターブレード７の回転によつて電極チツ
プ１１に揺れを生じ、カツターブレード７が90゜
回転すると、第５図ａ，ｂ，ｃに示すように、電
極チツプ１１はアームの押圧力及びカツターブレ
ード７の回転力によつてアダプタ１３の長円孔１
４の長手方向に移動するので、電極チツプ１１の
中心とカツターブレード７の回転中心とにずれｌ
が発生する。

このような場合、カツターブレード７がさらに
90゜回転すると、電極チツプ１１がカツターブレ
ード７とホルダー５との間にできた反円形の空間
にはまり込んで噛み込み、回転できなくなる。

このような噛み込みを防ぐ方法として、特開昭
60−50555号や実開昭60−94384号のように、カツ
ターブレード７の刃片を４枚にする方法が考えだ
された。

しかし、カツターブレード７は一定の時間使用
すると、刃が磨耗するため交換しなければならな
い。そのため、カツターブレード７の交換の容易
性も兼ね備えていなければならないのが、これら
は構造が複雑であり、カツターブレード７の交換
に手間どるという問題があつた。

さらに、これらカツターブレード７の構成が複
雑であり、製作が困難であるという問題があつ
た。

この発明は、このような電極チツプ１１の噛み
込みを防止し、しかもカツターブレード７の交換
と製作が容易なチツプドレツサーを提供すること
を目的としている。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明のチツプドレツサーでは、チツプドレ
ツサー本体１の先端の、モータからの駆動力によ
つて回転する軸に、筒形のホルダー５を介して、
カツターブレード７が取り付けられたチツプドレ
ツサーであつて、前記カツターブレード７が、中
央に切込み１２を形成した二枚のブレード８，９
の切込み１２，１２同志を噛み合わせて十字形に
形成され、ホルダー５の内周面に形成された４本
の溝部６に嵌挿され、チツプドレツサー本体１の
軸の上下に着脱自在に取り付けられたアダプタ１
３，１３によりホルダー５から抜けないように止
められているようにした。

〔作用〕

この発明では、ブレード８，９が十字形に形成
されているので、ブレード８，９とホルダー５と
の間にできた空間が小さく、電極チツプ１１がは
まり込んで噛み込むことがない。

さらに、各ブレード８，９は互いに十字に重ね
て組み合わされているだけなので、製作が容易で
ある。

また、カツターブレード７はホルダー５の溝部
６に嵌挿され、アダプタ１３，１３により止めら
れているだけなので、上下いずれかのアダプタ１
３を外せばカツターブレード７を容易に交換する
ことができる。

〔実施例〕

この発明の一実施例を図面に基づき説明する。

第１図において、１はチツプドレツサー本体、
２はモータであつて、チツプドレツサー本体１に
はギア群が内蔵されており、このギア群によつて
先端のギア３までモータ２の回転力が伝達され
る。

ギア３は、中央に貫通孔４を形成してあり、こ
の貫通孔４にホルダー５を嵌挿する。

ホルダー５は略円筒形であり、内周面に４本の
溝部６を形成し、この溝部６にカツターブレード
７を嵌挿する。

カツターブレード７は、２枚のブレード８，９
を上下から十字形に重ね合わせることによつて中
心から放射状に４枚の刃片１０を形成するもので
あつて、各ブレード８，９はそれぞれ上下縁８
ａ，８ａ，９ｂ，９ｂを、放物線状に凹ませると
共に刃片１０を形成してあり、上下奴方から電極
チツプ１１の切削ができるようにしてある。

上下のブレード８には下縁８ｂ中央に、下方の
ブレード９には上縁９ａ中央にそれぞれ切込み１
２を形成してあり、第３図のように上下の切込み
１２，１２同志を噛み合わせれば十字形のカツタ
ーブレード７となる。

ホルダー５へのカツターブレード７の組み込み
は、ブレード８，９を十字形に重ね合わせてから
溝部６に嵌挿するか、上下のブレード８，９を
別々に嵌挿して行う。

カツターブレード７を組み込んだ後、上下から
アダプタ１３，１３をチツプドレツサー本体１に
ボルトで取り付け、カツターブレード７の抜け止
めを行う。

アダプタ１３は中央に電極チツプ１１挿入用の
長円孔１４を設けてあり、長円孔１４週面にテー
パー部１５を形成し、電極チツプ１１が滑り込み
易くしている。

次に、以上の構成からなるチツプドレツサーに
よる電極チツプ１１の切削方法について説明す
る。

溶接ロボツトのガン先端に装着した上下の電極
チツプ１１は、斜め上方あるいは斜め下方から長
円孔１４の内部に滑り込み、傾斜した状態で回転
しているカツターブレード７の刃方１０に押圧さ
れ、切削される。

カツターブレード７は４枚の刃片１０から構成
されているので、切削中に電極チツプ１１がカツ
ターブレード７とホルダー５との間にできた空間
にはまり込んで噛み込むことがない。

また、カツターブレード７はホルダー５の溝部
６に嵌挿され、アダプタ１３により取り付けられ
ているだけなので、ボルトを外して上下にいずれ
かのアダプタ１３を取り除けば容易に交換するこ
とができる。

この実施例では、上下縁８ａ，８ｂ，９ａ，９
ｂを、放物線状に凹ませた例を示したが、一方の
電極チツプ１１が平坦なガンを使用する場合は、
凹ませるのは片方だけでよいのは勿論である。

〔発明の効果〕

この発明のカツターブレード７の刃片１０を４
枚としているので、カツターブレード７に電極チ
ツプ１１が噛み込んで回転が停止することがな
い。また、カツターブレード７の交換が容易であ
るので、カツターブレード７の交換のために組立
ラインを停止する時間を短縮することができ、作
業効率が良くなる。

さらに、カツターブレード７はブレード８，９
を組み合わせて十字形にしてあるので、製作が簡
単である。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図はこの発明の一実施例であつ
て、第１図はチツプドレツサーの部分断面図、第
２図は同底面図、第３図はホルダーへのカツター
ブレードの組込状態を示す分解斜視図である。第
４図ａ，ｂ，ｃ及び第５図ａ，ｂ，ｃは従来例を
示し、それぞれａ図はブレードの拡大図、ｂ図は
電極チツプを滑り込ませた状態のチツプドレツサ
ーの部分平面図、ｃ図はｂ図の部分断面図を示
す。 １……チツプドレツサー本体、５……ホルダ
ー、６……溝部、７……カツターブレード、８，
９……ブレード、１２……切込み、１３……アダ
プタ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ チツプドレツサー本体１の先端の、モータか
   らの駆動力によつて回転する軸に、筒形のホルダ
   ー５を介して、カツターブレード７が取り付けら
   れたチツプドレツサーであつて、 前記カツターブレード７が、中央に切込み１２
   を形成した二枚のブレード８，９の切込み１２，
   １２同志を噛み合わせて十字形に形成され、 ホルダー５の内周面に形成された４本の溝部６
   に嵌挿され、 チツプドレツサー本体１の軸の上下に着脱自在
   に取り付けられたアダプタ１３，１３によりホル
   ダー５から抜けないように止められている ことを特徴とするチツプドレツサー。