JPH0342991Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はゴム等の射出成形用加硫装置に係る。

〔従来の技術〕

多数個の成形品を一つの金型で射出成形するに
当たり、射出ノズルより原料を送入するスプルー
からホツトランナー孔を設けて成形品に加硫する
と、成形品にランナーのバリが残り、このバリを
取除くために多くの労力と時間を要する。

また、成形品にバリが残らないように、従来、
キヤビテイの側面に通ずるゲートを施すと共に、
キヤビテイの下面に押出しピンを設けて、この押
出しピンを押し上げて成形品を取出すせん断力で
ゲートを切断するように構成されている。しかし
ながら、このような構造にすると、切り取られた
バリを取出すために金型構造が複雑になると共
に、金具付等の複雑な形状の成形品にはゲートを
施し難く、成形品の形状に制限を受けると共に、
金型費が高価になるという欠点を有していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案はかかる事情に鑑み考案されてものであ
つて、上記欠点を除去することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は上記目的を達成するために、ノズル側
を一端面から他端面に挿入可能に固定配置されて
いる固定板と、該固定板に対して離間および押圧
可能に対向配置されている可動型と、該固定板と
該固定板間に配置され、該固定板側から順次積層
配置されている該固定板に一体的に固定されてい
るコールドランナープレート、断熱板および加熱
板と、さらに該加熱板に対面して離間可能に配置
されている移動型とを備え、該移動型と該可動型
間でキヤビテイを形成する射出成形用加硫装置に
おいて、該コールドランナープレートは内部に該
射出ノズルより射出されたゴム材料を移送するコ
ールドランナー孔が設けられ、該加熱板と該移動
型との当接面に該コールドランナー孔に通じる該
当接面と平行に延びるホツトランナー孔が設けら
れ、該断熱板と該加熱板に該コールドランナー孔
と該ホツトランナー孔とを連通する該ホツトラン
ナー孔と実質的に直交する連通孔が設けられ、該
移動型に該ホツトランナー孔を介して該キヤビテ
イに通じる該ホツトランナー孔と実質的に直交す
るゲートランナー孔を設けて、該コールドランナ
ープレートから該キヤビテイに連通する流路が形
成されてなることを特徴とする射出成形用加硫装
置を構成したものである。

〔作用〕

本考案は上述の如く構成されているので、型締
め時において、加熱板は金型からの熱が伝導して
加熱されるが、コールドランナープレートは加熱
板との間に断熱板が配置されているので、コール
ドランナープレートを低温に維持することがで
き、射出ノズルより原料をキヤビテイに注入し
て、成形品に加硫するとコールドランナープレー
トに施されたコールドランナーと加熱板と移動型
との当接面に形成されたこの当接面と平行に延び
るホツトランナー孔とを連通する連通孔内におい
て、射出された原料の未加硫部分と加硫された加
硫部分との境が存在する。

従つて、加熱板に対して移動型と可動型と共に
所定範囲まで移動する際、加熱板と移動型とが離
間し、連通孔内において、加硫部分が未加硫部分
と切り離れ、ホツトランナー孔に生じたランナー
に連なつて移動型側に残る。

さらに、可動型を移動型に対して離間した際、
ゲートランナー孔がホツトランナー孔と実質的に
直交しているので、ゲートランナー孔に生じたラ
ンナーがホツトランナー孔に生じたランナーに連
なつたゲートランナー孔のランナーが、ホツトラ
ンナー孔に生じたランナーの係止作用により、可
動型側に成形された成形品とかかる一連のランナ
ーがゲートで引き切られ、かかる一連のランナー
がバリ層として移動型側に残り、バリ屑と成形品
とが分離する。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を第１図ないし第２図
に基づいて説明する。第１図は本考案の型締め状
態における一部断面図であり、第２図は本考案の
射出成形後の型開き状態における一部断面図であ
る。

図において、１１は本装置の図示されていない
固定フレームに取付けられた固定板であり、この
固定板１１の中央にノズルが挿入できる貫通孔１
１ａが施されている。

そして、この固定板１１の下面に放熱板１２、
断熱板１３、加熱板１４が順次相接して固定板１
１側にボルト・ナツト１により締付けられてい
る。

固定板１１の下方には、固定板１１の下面と対
向して上下に移動可能になした移動型１５が配置
されている。

即ち、固定板１１の各角部近辺の下方に向けて
突出した連結部材１７が固設してあり、この連結
部材１７に沿つて移動型１５が前記加熱板１４と
対向間隔が所定範囲で上下に移動できるようにな
つている。そしてこの移動型１５は移動型１５の
下面と対向する可動型１６を可動型移動装置（図
示されていない）により上方に可動させると、先
ず移動型１５と可動型１６とが当接し、さらに、
上方に可動させると、次に上方の加熱板１４の下
面に移動型１５の上面に当接して、移動型１５と
可動型１６とが型締めされると共に、キヤビテイ
１０が形成される。

そして、移動型１５および可動型にはキヤビテ
イ１０に近接して電熱ヒータ１５ｂ，１６ｂがそ
れぞれ埋設され、キヤビテイ１０内に射出されて
ゴム材料を加硫せしめて成形品に成形できるよう
になつている。

具体的には、固定板１１に対して、２枚の合せ
板１２ａ，１２ｂ、補助板１２ｃ、断熱板１３、
加熱板１４が順次積層され、それぞれに設けた貫
通孔にボルトを挿通せしめてボルト・ナツト１に
より一体的に締付けられている。

従つて、コールドランナープレート１２は２枚
の合せ板１２ａ，１２ｂと、補助板１２ｃとで構
成され、移動型１５および可動型１６の熱が加熱
板１４に伝導され、加熱板１４に伝導された熱が
前記コールドランナープレート１２側に断熱板１
３により熱伝導され難くなされている。

そして、上部の合せ板１２ａの上面中央にノズ
ル２が当接するノズルタツチ面が施され、ノズル
タツチ面からキヤビテイ１０に原料を送り出すス
プルー３が施されてあり、合せ板１２ａ，１２ｂ
に合せ面にそれぞれ断面半円の溝を上下対称位置
に設けることにより、断面円形のコールドランナ
ー４が複数個形成され、このコールドランナー４
は前記スプルー３に連なつている。

まお、補助板１ｃには断熱板１３をこの補助板
１２ｃと加熱板１４間に挟持し易くするために設
けたものである。

また、加熱板１４の下面には複数個の凸部１４
ａが設けられ、一方、加熱板１４と対向する移動
型１５の上面に前記凸部１４ａが嵌入する凹部１
５ａが施されている。そして、この凹部１５ａの
底面にこの底面と平行に延びる断面半円形の溝が
十の字に交差して施され、この溝が前記凸部１４
ａ表面と当接して形成される当接面に、この当接
面と平行に延びるホツトランナー孔５が形成され
ている。そして、このホツトランナー孔５の両端
から下方のキヤビテイ１０に通ずるゲートランナ
ー孔６がそれぞれ施されている。

そこで、前記コールドランナープレート１２に
形成されたコールドランナー孔４の両端から、下
方に形成された前記ホツトランナー孔５に連通す
る連通孔７が前記加熱板１４に施した凸部の中央
を貫通して前記移動型１５に施した十の字の溝の
交差点に連通して施されている。

なお、コールドランナー孔４とホツトランナー
孔５を連通する前記連通孔７において、断熱板１
３が相接する当接面で、原料が漏れ出さないよう
に、断熱板を嵌挿すると共に、コールドランナー
プレート１２および加熱板１４に埋設されるよう
になしたブツシユ８を嵌着して、このブツシユ８
に貫通孔を設けて連通孔７が施されている。

従つて、本考案は上述の如く構成されているの
で、移動型１５と可動型が型締めされた後、ノズ
ルより射出されたゴム材料は、スプルー３、コー
ルドランナー孔４、連通孔７、ホツトランナー孔
５、ゲートランナー孔６を経てキヤビテイ１０に
充填される。しかる後、キヤビテイ１０内のゴム
材料が加硫完了し成形品２０に成形される。な
お、この成形品２０は内筒金具２１、外筒金具２
２を有している。

そして成形品２０を取出すために、第２図に示
す如く、可動型１６を下降させると、可動型１６
の下降にともなつて移動型１５が自身の重量で連
結部材１７に沿つて下降し、加熱板１４と移動型
１５が離間する。

この時、断熱板１３が設けてあるので、連通孔
７内のゴム材料において、未加硫と加硫部が存在
する。従つて、未加硫部の先端で加硫部と切り離
され、加硫部は移動型１５と共に下降する。

しかし、この移動型１５は連結部材１７によ
り、所定範囲に移動が規制され、次に移動型１５
と可動型１６とが離間する。

この時、ホツトランナー孔５がゲートランナー
孔６に直交しているので、連通孔７内の未加硫部
と加硫部の境で切り残された連通孔７部分および
ホツトランナー孔５およびゲートランナー孔６に
形成された一連のランナーが、ホツトランナー孔
５におけるランナーの係止作用により成形品２０
のゲートで切り離され、バリ屑９として移動型１
５に残り、成形品２０は可動型１６と共に可動し
た後、可動型１６から容易に取出せるようになつ
た。

〔考案の効果〕

本考案によれば、型開き時に連通孔内の未加硫
部と加硫部の境で切り残された連通孔部分、ホツ
トランナー孔、およびゲートランナー孔に形成さ
れた一連のランナーが、成形品のバリ屑として、
可動型に保持せしめて完全に成形品から取除くこ
とができ、バリ取り作業が不要となる。しかも、
構造は簡単であり、且つあらゆる複雑な成形品に
利用でき、さらに、同じようなサイズの成形品を
成形する場合、コールドランナープレート、断熱
板、加熱板を共通利用できるので、本考案の工業
的利用価値は大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の型締め状態における要部を説
明する断面図であり、第２図は本考案の射出成形
加硫後の型開き状態における要部を説明する断面
図である。 ２……ノズル、４……コールドランナー孔、５
……ホツトランナー孔、６……ゲートランナー
孔、７……連通孔、１１……固定板、１２……コ
ールドランナープレート、１３……断熱板、１４
……加熱板、１５……移動型、１６……可動型。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 射出ノズルを一端面から他端面に挿入可能に固
   定配置されている固定板と、該固定板に対して離
   間および押圧可能に対向配置され、該固定板側か
   ら順次積層配置されている可動型と、該固定板と
   該可動型間に配置されている該固定板に一体的に
   固定されているコールドランナープレート、断熱
   板および加熱板と、さらに該加熱板に対面して離
   間可能に配置されている移動型とを備え、該移動
   型と該可動型間でキヤビテイを形成する射出成形
   用加硫装置において、該コールドランナープレー
   トは内部に該射出ノズルより射出されたゴム材料
   を移送するコールドランナー孔が設けられ、該加
   熱板と該移動型との当接面に該コールドランナー
   孔に通じる該当接面と平行に延びるホツトランナ
   ー孔が設けられ、該断熱板と該加熱板に該コール
   ドランナー孔と該ホツトランナー孔とを連通する
   該ホツトランナー孔と実質的に直交する連通孔が
   設けられ、該移動型に該ホツトランナー孔を介し
   て該キヤビテイに通じる該ホツトランナー孔と実
   質的に直交するゲートランナー孔を設けて、該コ
   ールドランナープレートから該キヤビテイに連通
   する流路が形成されてなることを特徴とする射出
   成形用加硫装置。