JP6259505B2 - 樹脂成形品の製造方法及び樹脂成形品の製造装置 - Google Patents

樹脂成形品の製造方法及び樹脂成形品の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂成形品の製造方法及び樹脂成形品の製造装置に関する。
樹脂成形品を製造する方法としては、特許文献1に記載されたものがある。
この方法は、互いに対向配置された可動プレート及び固定プレートの間のキャビティへ固定プレートに形成された流路を介して溶融樹脂を充填する工程と、充填した樹脂を硬化させて樹脂板を成形する工程と、固定プレートを開いて樹脂板から突出するランナーを切断除去する工程を備えている。
この方法は、その後、可動プレートを固定プレート側から遠ざけて新たにキャビティを形成する工程と、固定プレートを閉じて再びキャビティに溶融樹脂を充填する工程と、新たに充填した樹脂を硬化させることにより先に成形した樹脂板に積層する樹脂板を新たに成形する工程と、固定プレートを開いて新たに成形した樹脂板から突出するランナーを切断除去する工程と、を必要なだけ繰り返すことにより、相互に積層された複数の樹脂板を一体的に有する樹脂成形品を製造する、というものである。
ここで、溶融樹脂を充填する工程は、可動プレートと固定プレートとの対向間隔を維持して行う。
特開2012−40853号公報
特許文献1の技術では、可動プレートと固定プレートとの対向間隔を予め所定の対向間隔に設定した状態で、その対向間隔を維持しながら、キャビティへの溶融樹脂の充填を行う。
本発明者の検討によれば、このような技術では、樹脂板どうしの界面に残存するボイドなどによって、樹脂板どうしの密着性が不良となり、最終的な樹脂成形品の一体性が不十分となる可能性がある。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、相互に一体的に積層される樹脂板どうしの良好な密着性を容易に得ることが可能な樹脂成形品の製造方法及び樹脂成形品の製造装置を提供するものである。
本発明によれば、互いに対向する第1金型プレートと第2金型プレートとの対向間隔を徐々に拡大しながら、前記第1金型プレートと前記第2金型プレートとの間に形成されるキャビティに溶融樹脂を充填する1回目の第1工程と、前記対向間隔の拡大を停止してキャビティに充填された前記溶融樹脂を硬化させることにより樹脂板を形成する1回目の第2工程と、1回目の前記第2工程で形成された第1の前記樹脂板を前記第1金型プレートまたは前記第2金型プレートの一方とともに移動させて、第1の前記樹脂板と前記第1金型プレートまたは前記第2金型プレートの他方との対向間隔を徐々に拡大しながら、第1の前記樹脂板と前記他方との間に形成されるキャビティに溶融樹脂を充填する2回目の前記第1工程と、2回目の前記第1工程における前記対向間隔の拡大を停止してキャビティに充填された前記溶融樹脂を硬化させることにより、第1の前記樹脂板と一体的に第2の樹脂板を形成する2回目の前記第2工程と、を少なくとも含む、第1の前記樹脂板と第2の前記樹脂板とが相互に積層された樹脂成形品の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、互いに対向して配置される第1金型プレート及び第2金型プレートと、前記第1金型プレートと前記第2金型プレートとの対向間隔を変化させる間隔変化機構と、前記第1金型プレートと前記第2金型プレートとの間に形成されるキャビティに溶融樹脂を充填する充填機構と、前記間隔変化機構と前記充填機構とを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記間隔変化機構によって前記対向間隔を徐々に拡大させながら、前記充填機構によって前記キャビティに溶融樹脂を充填させる1回目の第1処理と、前記間隔変化機構による前記対向間隔の拡大を停止させて、前記キャビティに充填された前記溶融樹脂を硬化させ樹脂板を形成する1回目の第2処理と、1回目の前記第2処理で形成された第1の前記樹脂板を前記第1金型プレートまたは前記第2金型プレートの一方とともに移動させて、第1の前記樹脂板と前記第1金型プレートまたは前記第2金型プレートの他方との対向間隔を徐々に拡大しながら、第1の前記樹脂板と前記他方との間に形成されるキャビティに溶融樹脂を充填する2回目の前記第1処理と、2回目の前記第1処理における前記対向間隔の拡大を停止してキャビティに充填された前記溶融樹脂を硬化させることにより、第1の前記樹脂板と一体的に第2の樹脂板を形成する2回目の前記第2処理と、を少なくとも実行する、第1の前記樹脂板と第2の前記樹脂板とが相互に積層された樹脂成形品の製造装置が提供される。
本発明によれば、相互に一体的に積層される樹脂板どうしの良好な密着性を容易に得ることが可能となる。
実施形態に係る樹脂成形品の製造装置の全体構成を示す図である。 第1の実施形態に係る樹脂成形品の製造方法を説明するためのタイムチャートである。 第1の実施形態に係る樹脂成形品の製造方法を説明するための工程図である。 第1の実施形態に係る樹脂成形品の製造方法を説明するための工程図である。 第1の実施形態に係る樹脂成形品の製造方法を説明するための工程図である。 第1の実施形態に係る樹脂成形品の製造方法を説明するための工程図である。 第2の実施形態に係る樹脂成形品の製造方法を説明するためのタイムチャートである。 第2の実施形態に係る樹脂成形品の製造方法を説明するための工程図である。 第2の実施形態に係る樹脂成形品の製造方法を説明するための工程図である。 第2の実施形態に係る樹脂成形品の製造方法を説明するための工程図である。 第3の実施形態に係る樹脂成形品の製造方法を説明するためのタイムチャートである。 第3の実施形態に係る樹脂成形品の製造方法を説明するための工程図である。 第3の実施形態に係る樹脂成形品の製造方法を説明するための工程図である。 第4の実施形態に係る樹脂成形品の製造装置の全体構成を示す図である。 第5の実施形態に係る樹脂成形品の製造装置の全体構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
〔第1の実施形態〕
先ず、図1から図6を用いて、第1の実施形態を説明する。
本実施形態に係る樹脂成形品の製造装置100(以下、単に製造装置100と称する場合がある)は、互いに対向して配置される第1金型プレート(例えば固定コア51)及び第2金型プレート(例えば可動コア30のプレート部31)と、第1金型プレートと第2金型プレートとの対向間隔を変化させる間隔変化機構(例えば、駆動モータ16、駆動軸17、駆動ギア18、駆動伝達チェーン15、被動ギア14、回転ネジ13、回転ネジ保持部12、雌ネジ部33、スライド部32、スライドレール20等により構成される)と、を備えている。
製造装置100は、更に、第1金型プレートと第2金型プレートとの間に形成されるキャビティ(キャビティ10a等)に溶融樹脂を充填する充填機構(例えば射出装置70)と、間隔変化機構と充填機構とを制御する制御部80と、を備えている。
制御部80は、間隔変化機構によって上記対向間隔を徐々に拡大させながら、充填機構によってキャビティに溶融樹脂を充填させる第1処理と、間隔変化機構による上記対向間隔の拡大を停止させて、キャビティに充填された樹脂を硬化させ樹脂板(樹脂板2、3等)を形成する第2処理と、を繰り返し実行する。
以下、製造装置100の構成を詳細に説明する。
図1に示すように、製造装置100は、金型装置10と、射出装置70と、冷却加熱機構90と、これら金型装置10、射出装置70及び冷却加熱機構90の動作を制御する制御部80と、を備えて構成されている。
このうち金型装置10は、射出装置70と連結されているとともに固定的に配置される固定ユニット50と、固定ユニット50に対して相対的に移動可能な可動ユニット40と、を備えて構成されている。
可動ユニット40は、例えば、板状のベースプレート11と、ベースプレート11の一方の面側に固定された保持枠部19と、を備えている。保持枠部19は、ベースプレート11から遠い側の部分が筒状(例えば角筒状)に形成されている。保持枠部19の筒状の部分における一部分の内周部は、スライドレール20により構成されている。保持枠部19は、筒状の部分の内部に可動コア30を保持している。
可動コア30は、一端が板状のプレート部31によって閉塞した筒状(例えば角筒状)のものである。可動コア30は、保持枠部19の筒状の部分と同軸に配置されている。可動コア30のプレート部31は、可動コア30の軸方向に対して直交して配置され、且つ、固定ユニット50の固定コア51と対向して配置されている。プレート部31の外形寸法は、保持枠部19の筒状の部分の内周の寸法と略等しく設定されている。
プレート部31において、固定コア51と対向する面は、平坦に形成されていても良い。ただし、プレート部31と樹脂との良好なアンカー性を実現するために、プレート部31において固定コア51と対向する面には、1つ又は複数のボス又は凹部が形成されていたり、粗面化処理が施されていたりしても良い。
可動コア30の外周部には、プレート部31と同等の外径のスライド部32が形成されている。
可動コア30は、保持枠部19に対して相対的に、可動コア30の軸方向(図1の左右方向)に移動できるようになっている。可動コア30が保持枠部19に対して相対的に軸方向に移動する際には、保持枠部19のスライドレール20によりスライド部32がガイドされるとともに、プレート部31が保持枠部19の筒状の部分の内周面に対して摺動する。
可動コア30の内周面には雌ネジ部33が形成されている。
可動ユニット40は、更に、ベースプレート11の一方の面側に設けられた回転ネジ保持部12と、雄ネジである回転ネジ13と、を備えている。
回転ネジ13は、当該回転ネジ13の軸周りに回転可能に、回転ネジ保持部12によって保持されており、これにより、ベースプレート11に対しても相対的に回転可能となっている。
回転ネジ13は、可動コア30と同軸に配置されており、可動コア30の雌ネジ部33に対して回転ネジ13が螺合している。
可動ユニット40は、更に、回転ネジ13を軸周りに一方向及び反対方向に回転(正回転及び逆回転)させるための駆動モータ16を備えている。駆動モータ16は、当該駆動モータ16の駆動軸17が回転ネジ13と並行となるように配置されている。具体的には、例えば、駆動モータ16は、保持枠部19の外周面に固定されている。
可動ユニット40は、更に、駆動軸17と同軸に当該駆動軸17の周囲に固定された駆動ギア18と、回転ネジ13と同軸に当該回転ネジ13の周囲に固定された被動ギア14と、被動ギア14と駆動ギア18とに亘って架け渡された駆動伝達チェーン15と、を備えている。
駆動モータ16が駆動軸17を一方向に回転(正回転)させることにより、この回転が駆動ギア18、駆動伝達チェーン15及び被動ギア14を介して回転ネジ13に伝達され、回転ネジ13が一方向に回転(正回転)する。回転ネジ13が正回転するのに伴い、可動コア30は保持枠部19に対して相対的に、ベースプレート11に近づく方向(図1の左方向)に移動する。すなわち、可動コア30のプレート部31は、固定ユニット50の固定コア51から遠ざかる方向に移動するため、固定コア51とプレート部31との対向間隔は徐々に拡大する。
また、駆動モータ16が駆動軸17を反対方向に回転(逆回転)させることにより、この回転が駆動ギア18、駆動伝達チェーン15及び被動ギア14を介して回転ネジ13に伝達され、回転ネジ13が反対方向に回転(逆回転)する。回転ネジ13が逆回転するのに伴い、可動コア30は保持枠部19に対して相対的に、ベースプレート11から遠ざかる方向(図1の右方向)に移動する。すなわち、可動コア30のプレート部31は、固定ユニット50の固定コア51に近づく方向に移動するため、固定コア51とプレート部31との対向間隔は徐々に縮小する。
なお、製造装置100により製造される樹脂成形品4(図6)の厚み寸法は、可動コア30の移動可能量(ストローク)の範囲内で適宜に変更することができる。可動コア30のストロークの大きさは特に限定されないが、例えば、40mm以上とすることができ、好ましくは60mm程度にすることができる。
ここで、駆動モータ16は、回転速度を段階的に又は無段階に可変に構成されている。従って、固定コア51とプレート部31との対向間隔を徐々に拡大する速度を、複数の速度の中から設定(選択)することができるようになっている。すなわち、製造装置100の間隔変化機構は、複数の速度の中から設定された速度で対向間隔を変化させることが可能である。
固定ユニット50は、例えば、盤状に形成されているとともに保持枠部19及びプレート部31と対向して配置された固定コア51と、固定コア51におけるプレート部31側とは反対側の面に固定されている板状の固定プレート52と、を備えて構成されている。
ここで、保持枠部19における固定コア51側の端面と固定コア51における保持枠部19側の端面とを密着させ(つまり金型装置10を型締めし)、且つ、固定コア51とプレート部31との間に間隙を形成することにより、当該間隙がキャビティとなる。より具体的には、キャビティは、固定コア51と、プレート部31と、保持枠部19の筒状の部分の内周面と、により囲まれた空間により構成される。
固定ユニット50には、例えば、固定プレート52及び固定コア51を貫通する樹脂流路53が形成されている。なお、樹脂流路53の先端部(プレート部31側の端部)は、先端側(プレート部31側)に向けてテーパー状に縮径している。
射出装置70から射出された溶融樹脂(後述するノズル74から吐出された溶融樹脂)は、樹脂流路53を介して、金型装置10のキャビティに導入されるようになっている。
製造装置100は、更に、金型装置10の可動ユニット40を固定ユニット50に対して近づく方向(図1の右方向)及び固定ユニット50から遠ざかる方向(図1の左方向)に移動させる金型駆動機構60を備えている。
すなわち、可動ユニット40を構成するベースプレート11、回転ネジ保持部12、回転ネジ13、被動ギア14、駆動伝達チェーン15、駆動モータ16、駆動軸17、駆動ギア18、保持枠部19(スライドレール20を含む)及び可動コア30は、一体的に、金型駆動機構60によって移動させられるようになっている。
金型駆動機構60の構成は特に限定されないが、例えば、金型駆動機構60は、シリンダ装置などを備えて構成されている。
製造装置100は、更に、プレート部31及び固定コア51を個別に冷却及び加熱するための冷却加熱機構90を備えている。
プレート部31の内部には、プレート部31を冷却するための熱媒体(例えば、水等の液体)の流路である冷却用流路34と、プレート部31を加熱するための熱媒体(例えば、水等の液体)の流路である加熱用流路35と、が形成されている。
同様に、固定コア51の内部には、固定コア51を冷却するための熱媒体(例えば、水等の液体)の流路である冷却用流路54と、固定コア51を加熱するための熱媒体(例えば、水等の液体)の流路である加熱用流路55と、が形成されている。
このように、固定コア51には、キャビティに溶融樹脂を充填するための樹脂流路53が形成されているとともに、当該固定コア51を冷却するための熱媒体の流路である冷却用流路54と、当該第1金型プレートを加熱するための熱媒体の流路である加熱用流路55と、が形成されている
冷却加熱機構90は、冷却用流路34に冷却用の熱媒体を供給する動作と、加熱用流路35に加熱用の熱媒体を供給する動作と、冷却用流路54に冷却用の熱媒体を供給する動作と、加熱用流路55に加熱用の熱媒体を供給する動作と、が可能に構成されている。
冷却加熱機構90が冷却用流路34に冷却用の熱媒体を供給することにより、プレート部31に接触する溶融樹脂を速やかに冷却して硬化させることが可能となっている。
また、冷却加熱機構90が加熱用流路35に加熱用の熱媒体を供給することにより、プレート部31に接触する樹脂を速やかに加熱して軟化点以上の温度に昇温させる(つまり樹脂を軟化させる)ことが可能となっている。
同様に、冷却加熱機構90が冷却用流路54に冷却用の熱媒体を供給することにより、固定コア51に接触する溶融樹脂を速やかに冷却して硬化させることが可能となっている。
また、冷却加熱機構90が加熱用流路55に加熱用の熱媒体を供給することにより、固定コア51に接触する樹脂を速やかに加熱して軟化点以上の温度に昇温させる(つまり樹脂を軟化させる)ことが可能となっている。
すなわち、製造装置100は、いわゆるヒートアンドクールシステムを備えている。
射出装置70は、筒状のバレル71と、バレル71内に樹脂ペレットを供給するためのホッパ72と、先端側部分がバレル71に収容されたスクリュー73と、バレル71の先端部に設けられバレル71の内部と連通しているノズル74と、スクリュー73をバレル71に対して相対的に当該スクリュー73の軸方向に進退させるスクリュー進退機構75と、バレル71内の樹脂ペレット又は溶融樹脂をノズル74側に押し出す方向にスクリュー73を軸周りに回転させるスクリュー回転機構76と、を備えて構成されている。スクリュー進退機構75は、例えば、シリンダ装置などにより構成され、スクリュー回転機構76は、例えば、モータ等により構成されている。
ノズル74の先端の開口は、樹脂流路53と直接又は間接に連通している。
制御部80は、スクリュー進退機構75、スクリュー回転機構76、駆動モータ16、金型駆動機構60及び冷却加熱機構90の動作をそれぞれ制御する。
制御部80は、制御用プログラムを記憶保持しているROM(Read Only Memory)と、この制御用プログラムに従ってスクリュー進退機構75、スクリュー回転機構76、駆動モータ16、金型駆動機構60及び冷却加熱機構90の制御動作を実行するCPU(Central Processing Unit)と、このCPUの作業領域などとして機能するRAM(Random Access Memory)と、を備えて構成されている。
なお、制御部80は、スクリュー進退機構75、スクリュー回転機構76、駆動モータ16、金型駆動機構60などを動作させるためのドライバ回路等を含んで構成されていても良い。
製造装置100は、以上のように構成されている。
次に、本実施形態に係る樹脂成形品の製造方法を説明する。
この製造方法では、互いに対向する第1金型プレート(例えば固定コア51)と第2金型プレート(例えば可動コア30のプレート部31)との対向間隔を徐々に拡大しながら、第1金型プレートと第2金型プレートとの間に形成されるキャビティ(キャビティ10a、10b等)に溶融樹脂を充填する第1工程と、上記対向間隔の拡大を停止してキャビティに充填された樹脂を硬化させることにより樹脂板(樹脂板2、3等)を形成する第2工程と、を繰り返し行う。
これにより、複数の樹脂板を相互に積層及び一体化させることにより構成された樹脂成形品4(図6)を形成することができる。
ここで、樹脂成形品4の成形には、熱可塑性樹脂が用いられる。熱可塑性樹脂の種類は特に限定されないが、例えば、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合合成樹脂(ABS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート、アクリル、塩化ビニル、スチロール、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)などを用いることができる。
例えば、樹脂成形品4を構成する各層の樹脂板を構成する樹脂材料は、互いに同一であっても良いし、互いに異なっていても良い。
なお、互いに樹脂材料が異なる複数の樹脂板を備える樹脂成形品4を成形する場合には、例えば、射出装置70のバレル71内に残留する樹脂のパージを行った後、別の種類の樹脂材料を用いた成形を行う。ただし、製造装置100として、複数ラインの射出装置70を備えるものを用い、各層の樹脂板を形成する工程毎に、金型装置10に溶融樹脂を射出する射出装置70の切り替えを行っても良い。
以下、図2のタイムチャートと、図3(a)、図3(b)、図4(a)、図4(b)、図5(a)、図5(b)、図6(a)及び図6(b)に示される一連の工程図とを用いて、本実施形態に係る樹脂成形品の製造方法についてより詳細に説明する。
この製造方法は、上述した構成の製造装置100を用いることにより好適に行うことができる。以下に説明する工程は、制御部80の制御下で、駆動モータ16、金型駆動機構60、スクリュー進退機構75、スクリュー回転機構76及び冷却加熱機構90を動作させることにより行われる。
図2において、縦軸は固定コア51とプレート部31との対向間隔(mm)であり、以下の説明では単に対向間隔と称する場合がある。また、図2の横軸は時間である。なお、図2は時系列的な工程の流れと各工程における対向間隔の変化を示すものであるが、横軸に示される各タイミングT10〜T17の相互間の間隔(長さ)の比率は必ずしも正確な時間の長さの比率を示すものではない。
ここでは、図2に示すように、初期状態(タイミングT10)では対向間隔が0mmであるものとする。すなわち、初期状態は、プレート部31と固定コア51とが接していて実質的にキャビティが存在しない状態であるものとする。
初期状態から駆動モータ16を正回転させることによりプレート部31と固定コア51との対向間隔を徐々に拡大させ、当該対向間隔が最初に成形される(1枚目の)樹脂板2(図4(a)参照)の厚さと対応する対向間隔となったタイミング(タイミングT12)で、駆動モータ16を停止させることによって、対向間隔の拡大を停止させる。
樹脂板2の厚さは特に限定されないが、一例として、2mmとすることができ、従って、タイミングT12における対向間隔は、例えば2mmとすることができる。
また、樹脂板2は、例えば1辺が300mmの正方形などとすることができるが、樹脂板2の形状及び寸法はこの例に限らない。
また、樹脂板2に積層して形成される樹脂板3(図5(b))の厚さは、樹脂板2と同等とすることができるが、樹脂板2とは異なる厚さに設定しても良い。樹脂板3の形状及び寸法は、樹脂板2と同じとなる。
ここで、対向間隔を徐々に拡大する過程(タイミングT10からタイミングT12までの間)において対向間隔を拡大する速度、すなわち駆動モータ16による可動コア30の移動速度は、一定速度とすることができる。ただし、対向間隔を徐々に拡大する過程において、必要に応じて、対向間隔を拡大する速度を途中で変化させても良い。
そして、対向間隔を徐々に拡大する過程(タイミングT10からタイミングT12までの間)で、対向間隔が所定の対向間隔となった時点(タイミングT11)から、上記の第1工程、すなわち対向間隔を徐々に拡大しながら固定コア51とプレート部31との間に形成されるキャビティ(ここではプレート部31と固定コア51とにより厚みが画定されるキャビティ10a)に溶融樹脂を充填する工程を開始する。
つまり、図3(a)の状態となったタイミング(タイミングT11)から、図3(b)のようにキャビティ10aへの溶融樹脂の充填を開始する。
ここで、所定の間隔とは、対向間隔を徐々に拡大する過程(タイミングT10からタイミングT12までの間)における最小の対向間隔と最大の対向間隔との中間のいずれかの対向間隔である。ここでは、一例として、所定の対向間隔は、樹脂板2の厚みの半分の1mmであるものとする。すなわち、対向間隔が1mmとなったタイミングT11から、第1工程を開始する。
ここで、第1工程の開始前に、予め、射出装置70のホッパ72に投入された樹脂ペレットがバレル71内において回転するスクリュー73によって混練されつつ溶融し、バレル71の先端側に送られることにより、バレル71の先端部(スクリュー73の前方)の液溜りに溶融樹脂が貯留されているものとする。
そして、バレル71の先端部の液溜りに溶融樹脂が貯留されている状態で、スクリュー進退機構75がスクリュー73を前進させることにより、液溜りの溶融樹脂がノズル74及び樹脂流路53を介してキャビティ10aに充填される。すなわち、第1工程では、固定コア51に形成された樹脂流路53を介して、キャビティ10aに溶融樹脂を充填する。
そして、タイミングT12において、対向間隔を徐々に拡大する過程の終了と同期させて、スクリュー進退機構75によるスクリュー73の前進を停止させることにより、キャビティ10aへの溶融樹脂の充填を停止させる(図4(a))。
なお、射出装置70によって金型装置10に供給される溶融樹脂の圧力だけではプレート部31は固定コア51から離間せず、射出装置70によって溶融樹脂が金型装置10に供給されるのと同期して、駆動モータ16によってプレート部31が固定コア51から遠ざかる方向に移動させられることによって、プレート部31は固定コア51から離間する。すなわち、対向間隔は、樹脂圧によって拡大するものではない。
次に、冷却加熱機構90からプレート部31の冷却用流路34及び固定コア51の冷却用流路54にそれぞれ冷却用の熱媒体を供給し当該熱媒体を冷却用流路34及び冷却用流路54にてそれぞれ流通させることにより、プレート部31及び固定コア51を冷却する(タイミングT12からタイミングT13までの間)。これにより、キャビティ10a内の樹脂1を冷却し硬化させ、樹脂板2(図4(a))を形成する(第2工程)。
このように、対向間隔が樹脂板2の厚さよりも小さい状態からキャビティ10aへの溶融樹脂の充填を開始するため、溶融樹脂がキャビティ10aの全域に速やかに行き渡り、キャビティ10a内の溶融樹脂とプレート部31との界面におけるボイドの残留を抑制することができる。よって、キャビティ10a内の樹脂1とプレート部31との良好な密着性を実現できる。そして、キャビティ10aを徐々に拡大しながら、キャビティ10aへの溶融樹脂の充填を継続するため、キャビティ10a内の樹脂1とプレート部31との良好な密着性を維持しつつ、必要な厚みの樹脂板2を形成することができる。
次に、次回の射出の予備工程として、冷却加熱機構90から固定コア51の冷却用流路54に加熱用の熱媒体を供給し当該熱媒体を冷却用流路54において流通させることにより、固定コア51を加熱する。これにより、樹脂流路53内の樹脂1と、キャビティ10a内の樹脂1(つまり樹脂板2)における固定コア51との接触部分と、を軟化させる(タイミングT13からタイミングT14までの間)。ここで、樹脂流路53内の樹脂1と、キャビティ10a内の樹脂1における固定コア51との接触部分と、を溶融させても良い。
なお、タイミングT12からタイミングT14までの間は、対向間隔は一定(例えば2mm)に維持される。
次に、再び、駆動モータ16を正回転させることによりプレート部31と固定コア51との対向間隔を徐々に拡大させ、当該対向間隔が2回目に成形される(2枚目の)樹脂板3(図5(b)参照)の厚さと対応する対向間隔となったタイミング(タイミングT16)で、駆動モータ16を停止させることによって、対向間隔の拡大を停止させる。このとき、樹脂板2はプレート部31に密着しているため、プレート部31に伴って固定コア51から徐々に離間する。
一例として、樹脂板3の厚さも2mmとすることができ、従って、タイミングT16における対向間隔は、例えば4mm(樹脂板2と固定コア51との対向間隔は2mm)とすることができる。
ここでも、対向間隔を拡大する速度は、例えば、一定速度とすることができるが、必要に応じて対向間隔を拡大する速度を途中で変化させても良い。
そして、対向間隔を徐々に拡大する過程(タイミングT14からタイミングT16までの間)で、対向間隔が所定の対向間隔となった時点(タイミングT15)から、再び第1工程、すなわち対向間隔を徐々に拡大しながら固定コア51とプレート部31との間に形成されるキャビティ(ここでは樹脂板2と固定コア51とにより厚みが画定されるキャビティ10b)に溶融樹脂を充填する工程を開始する。
つまり、図4(b)の状態となったタイミング(タイミングT15)から、図5(a)のようにキャビティ10bへの溶融樹脂の充填を開始する。
ここでいう所定の間隔とは、対向間隔を徐々に拡大する過程(タイミングT14からタイミングT16までの間)における最小の対向間隔と最大の対向間隔との中間のいずれかの対向間隔である。ここでは、一例として、所定の対向間隔は、樹脂板2の厚みと樹脂板3の厚みの半分とを足し合わせた厚みである3mmであるものとする。すなわち、対向間隔が3mmとなったタイミングT15から、2回目の第1工程を開始する。
2回目の第1工程でも、射出装置70のバレル71の先端部の液溜りに予め貯留されている溶融樹脂が、スクリュー進退機構75によるスクリュー73の前進動作によって、樹脂流路53を介してキャビティ10bに充填される。
そして、タイミングT16において、対向間隔を徐々に拡大する過程の終了と同期させて、スクリュー進退機構75によるスクリュー73の前進を停止させることにより、キャビティ10bへの溶融樹脂の充填を停止させる(図5(b))。
なお、1回目の第1工程の後、2回目の第2工程の開始前に、予め、スクリュー73が後退し、且つ、バレル71の先端部の液溜りに溶融樹脂が貯留されているものとする。
次に、冷却加熱機構90からプレート部31の冷却用流路34及び固定コア51の冷却用流路54にそれぞれ冷却用の熱媒体を供給し当該熱媒体を冷却用流路34及び冷却用流路54にてそれぞれ流通させることにより、プレート部31及び固定コア51を冷却する(タイミングT16からタイミングT17までの間)。これにより、キャビティ10b内の樹脂1を冷却し硬化させ、樹脂板3を樹脂板2と一体的に形成する(図5(b))(2回目の第2工程)。
こうして、樹脂板2と樹脂板3とが相互に積層されることにより構成された樹脂成形品4が得られる。樹脂成形品4は、それぞれ平板状の複数の樹脂板を相互に積層し一体化することにより構成されている。
その後は、金型駆動機構60により可動ユニット40を固定コア51から遠ざかる方向に移動させることにより、図6(a)に示すように型開きを行う。
次に、駆動モータ16を逆回転させてプレート部31を固定コア51側に移動させることにより、図6(b)に示すように、樹脂成形品4を金型装置10から取り出すことができる。
このように、対向間隔が樹脂板2の厚さと樹脂板3の厚さとを足し合わせた厚さよりも小さい状態からキャビティ10bへの溶融樹脂の充填を開始するため、溶融樹脂がキャビティ10bの全域に速やかに行き渡り、樹脂板2とキャビティ10b内の溶融樹脂との界面におけるボイドの残留を抑制することができる。よって、キャビティ10b内の樹脂1と樹脂板2との良好な密着性を実現できる。そして、キャビティ10bを徐々に拡大しながら、キャビティ10bへの溶融樹脂の充填を継続するため、キャビティ10b内の樹脂1と樹脂板2との良好な密着性を維持しつつ、必要な厚みの樹脂板3を形成することができる。
また、本実施形態では、第2工程に続いて、固定コア51を加熱することにより、樹脂流路53内の樹脂1と、キャビティ(例えばキャビティ10a)内の樹脂1(樹脂板2)における固定コア51との接触部分と、を軟化させる工程を行い、当該軟化させる工程に続いて、再び第1工程を行う。
これにより、樹脂板2の形成後、型開きすることなく、引き続き、樹脂板2に積層して樹脂板3を形成することができる。しかも、樹脂板2と、樹脂板2に後に樹脂板2に積層して形成される樹脂板3と、の良好な密着性が得られる。
なお、上記の説明では、工程を簡略化するため、第1工程と第2工程とを繰り返し2回行って、樹脂板2と樹脂板3とが積層されてなる樹脂成形品4を成形する例を説明したが、第1工程と第2工程とを繰り返し行う回数、すなわち樹脂成形品4が有する樹脂板の層数は、3以上であっても良い。
また、上述のように、対向間隔を徐々に拡大する速度は、複数の速度の中から設定(選択)することが可能である。この速度は、成形に使用する樹脂の種類に応じて設定することが好ましい。
すなわち、本実施形態に係る樹脂成形品の製造方法では、対向間隔を徐々に拡大する速度を、複数の速度の中から、使用する樹脂の種類に応じて設定する工程を更に備え、第1工程では、設定された速度で対向間隔を徐々に拡大することが好ましい。
このようにすることにより、個々の樹脂により異なる粘度等の性状に応じて、適切な速度で対向間隔を変化させることができる。
より具体的には、例えば、第1粘度の第1樹脂を用いて樹脂成形品4を成形する第1成形工程と、第1粘度よりも高粘度の第2粘度の第2樹脂を用いて樹脂成形品4を成形する第2成形工程と、を行う場合に、第1成形工程において対向間隔を拡大する速度よりも、第2成形工程において対向間隔を拡大する速度を小さく設定することができる。
以上の第1の実施形態に係る樹脂成形品の製造方法では、互いに対向する固定コア51とプレート部31との対向間隔を徐々に拡大しながら、固定コア51とプレート部31との間に形成されるキャビティ(キャビティ10a、10b)に溶融樹脂を充填する第1工程と、対向間隔の拡大を停止してキャビティに充填された樹脂を硬化させることにより樹脂板(樹脂板2、3)を形成する第2工程と、を繰り返し行う。
すなわち、キャビティの厚みが第2工程で形成される樹脂板の厚みよりも小さい状態から、キャビティへの溶融樹脂の充填を開始するので、キャビティの全域に溶融樹脂を速やかに行き渡らせることができる。
これにより、キャビティに充填された溶融樹脂と金型との界面におけるボイドの残留、並びに、先に形成された樹脂板と、新たに充填された溶融樹脂との界面におけるボイドの残留を抑制できるため、樹脂板と金型との良好な密着性、並びに、樹脂板どうしの良好な密着性が得られる。
よって、相互に一体的に積層される樹脂板どうしの良好な密着性を容易に得ることが可能となる。
〔第2の実施形態〕
次に、第2の実施形態を説明する。
本実施形態に係る製造装置100も、図1に示す構成を備えている。本実施形態に係る製造装置100は、制御部80による制御動作の一部が第1の実施形態と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態に係る製造装置100と同様に構成されている。
また、本実施形態に係る樹脂成形品の製造方法は、以下に説明する点で、上記の第1の実施形態に係る樹脂成形品の製造方法と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態に係る樹脂成形品の製造方法と同様に構成されている。
以下、図7のタイムチャートと、図8(a)、図8(b)、図9(a)、図9(b)及び図10に示される一連の工程図とを用いて、本実施形態に係る樹脂成形品の製造方法について説明する。
本実施形態の場合、先ず、対向間隔が0mmの状態(プレート部31と固定コア51とが接した状態)で、プレート部31まで溶融樹脂を到達させるとともに当該溶融樹脂によってプレート部31を押圧し、樹脂流路53の溶融樹脂の圧力を高める工程(タイミングT20からタイミングT21までの間の工程)を行う(図8(a)参照)。
この工程は、例えば、バレル71の先端部の液溜りに溶融樹脂が貯留されている状態から、液溜りの溶融樹脂がノズル74を介して樹脂流路53に充填され、且つ、樹脂流路53内の溶融樹脂が加圧されるまで、スクリュー進退機構75がスクリュー73を僅かに前進させることにより行うことができる。
そして、プレート部31まで溶融樹脂を到達させるとともに当該溶融樹脂によってプレート部31を押圧する工程に続けて、第1工程、すなわち対向間隔を徐々に拡大させながらキャビティ10aに溶融樹脂を充填する工程(タイミングT21からタイミングT22までの工程)を開始する。このため、キャビティ10aからの排気が不要であるとともに、キャビティ10aへの溶融樹脂の充填(図8(b)参照)をより速やかに行うことができる。
なお、本実施形態の場合、図7に示すように、キャビティ10aへの溶融樹脂の充填は、対向間隔が0mmのタイミングから、対向間隔が樹脂板2の厚みと対応する間隔である2mmとなるまで行う。そして、当該対向間隔が2mmとなったタイミング(タイミングT22)で、駆動モータ16を停止させることによって、対向間隔の拡大を停止させるとともに、キャビティ10aへの溶融樹脂の充填を停止させる。
次に、第1の実施形態と同様にプレート部31及び固定コア51を冷却することによって、第2工程(タイミングT22からタイミングT23までの間)を行い、樹脂板2を形成する(図9(a))。
更に、第1の実施形態と同様に、次回の射出の予備工程として、固定コア51を加熱することによって、樹脂流路53内の樹脂1と、キャビティ10a内の樹脂板2における固定コア51との接触部分と、を軟化させる(タイミングT23からタイミングT24までの間)。
次に、樹脂板2と固定コア51との対向間隔が0mmの状態(樹脂板2と固定コア51とが接した状態)で、樹脂板2まで溶融樹脂を到達させるとともに当該溶融樹脂によって樹脂板2を押圧し、樹脂流路53の溶融樹脂の圧力を高める工程(タイミングT24からタイミングT25までの間の工程)を、2回目の第1工程の前に行う。
この工程も、例えば、バレル71の先端部の液溜りに溶融樹脂が貯留されている状態から、液溜りの溶融樹脂がノズル74を介して樹脂流路53に充填され、且つ、樹脂流路53内の溶融樹脂が加圧されるまで、スクリュー進退機構75がスクリュー73を僅かに前進させることにより行うことができる。
なお、タイミングT22からタイミングT25までの間は、対向間隔は一定(例えば2mm)に維持される。
そして、樹脂板2まで溶融樹脂を到達させるとともに当該溶融樹脂によって樹脂板2を押圧する工程に続けて、2回目の第1工程、すなわち対向間隔を徐々に拡大させながらキャビティ10bに溶融樹脂を充填する工程(タイミングT25からタイミングT26までの工程)を開始する。このため、キャビティ10bからの排気が不要であるとともに、キャビティ10bへの溶融樹脂の充填(図9(b)参照)をより速やかに行うことができる。
本実施形態の場合、図7に示すように、キャビティ10bへの溶融樹脂の充填は、対向間隔が2mmのタイミングから、対向間隔が樹脂板2の厚みと樹脂板3の厚みとを足し合わせた厚みと対応する間隔である4mmとなるまで行う。そして、当該対向間隔が4mmとなったタイミング(タイミングT26)で、駆動モータ16を停止させることによって、対向間隔の拡大を停止させるとともに、キャビティ10bへの溶融樹脂の充填を停止させる。
次に、第1の実施形態と同様にプレート部31及び固定コア51を冷却することによって、2回目の第2工程(タイミングT26からタイミングT27までの間)を行い、樹脂板2に対して積層された樹脂板3を形成する(図10)。
更に、第1の実施形態と同様に型開きし(図6(a)参照)、プレート部31を固定コア51側に移動させることにより樹脂成形品4を金型装置10から取り出す(図6(b)参照)。
なお、本実施形態でも、第1工程と第2工程とを繰り返し行う回数、すなわち樹脂成形品4が有する樹脂板の層数は、3以上であっても良い。
以上のような第2の実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
また、本実施形態では、2回目以降の第1工程(例えば2回目の第1工程)の前に、前回の第2工程で形成された樹脂板(例えば1回目の第2工程で形成された樹脂板2)に溶融樹脂を到達させるとともに当該溶融樹脂によって当該樹脂板を押圧する工程を備え、当該押圧する工程に続けて2回目以降の前記第1工程を開始する。このため、キャビティ(例えばキャビティ10b)からの排気が不要であるとともに、キャビティへの溶融樹脂の充填をより速やかに行うことができる。
〔第3の実施形態〕
次に、第3の実施形態を説明する。
本実施形態に係る製造装置100も、図1に示す構成を備えている。本実施形態に係る製造装置100は、制御部80による制御動作の一部が第1の実施形態と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態に係る製造装置100と同様に構成されている。
また、本実施形態に係る樹脂成形品の製造方法は、以下に説明する点で、上記の第1の実施形態に係る樹脂成形品の製造方法と相違し、その他の点では、上記の第1の実施形態に係る樹脂成形品の製造方法と同様に構成されている。
以下、図11のタイムチャートと、図12(a)、図12(b)、図13(a)及び図13(b)に示される一連の工程図とを用いて、本実施形態に係る樹脂成形品の製造方法について説明する。
本実施形態では、先ず、第1の実施形態におけるタイミングT10からタイミングT13までの工程(図2等参照)と同様に、タイミングT30からタイミングT31、タイミングT32及びタイミングT33までの工程(図13)を行う。すなわち、樹脂板2を形成するまでの工程は、第1の実施形態と同様である。
その後、金型駆動機構60により可動ユニット40を固定コア51から遠ざかる方向に移動させることにより(タイミングT33からタイミングT34までの工程を行うことにより)、図12(a)に示すように、一旦、型開きを行う。
そして、樹脂流路53内の樹脂1を除去する。すなわち、前回の第2工程に続いて、固定コア51とプレート部31とを開いた状態で、樹脂流路53内の樹脂を除去する(図12(b))。なお、キャビティ10a内の樹脂(樹脂板2)と一体形成されたランナー(図示略)が存在する場合には、当該ランナーを樹脂板2から除去する。
つまり、次回の第1工程における溶融樹脂の充填の妨げとなる樹脂の除去を行う(タイミングT34からタイミングT35までの工程)。
次に、金型駆動機構60により可動ユニット40を固定コア51に近づく方向に移動させることにより(タイミングT35からタイミングT36までの工程を行うことにより)、再び型締めを行う(図13(a))。
その後は、第1の実施形態におけるタイミングT14からタイミングT17までの工程(図2等参照)と同様に、タイミングT36からタイミングT37、タイミングT38及びタイミングT39までの工程(図13)を行う。これにより、樹脂板2に積層させて樹脂板3(図5(b)参照)を形成する。
ここで、2回目の第1工程にてキャビティ10bへの溶融樹脂の充填を開始する直前には、図13(b)に示すように、樹脂流路53には溶融樹脂の流動を妨げる硬化した樹脂が存在しないため、キャビティ10bへの溶融樹脂の充填をスムーズに行うことができる。
このように、本実施形態では、第2工程に続いて、固定コア51とプレート部31とを開いた状態(型開きした状態)で、樹脂流路53内の樹脂又はキャビティ10a内の樹脂(樹脂板2)と一体成形されたランナーを除去する工程と、再び固定コア51とプレート部31とを閉じる工程と、を行い、固定コア51とプレート部31とを閉じる工程に続いて、再び第1工程を行う。
このため、射出の予備工程として、冷却加熱機構90から固定コア51の加熱用流路55に加熱用の熱媒体を供給して固定コア51を加熱する工程は不要とすることができ、その場合は、製造装置100は加熱用流路55を有していなくても良い。ただし、本実施形態の場合も、必要に応じて、いずれかの工程において、加熱用流路55に加熱用の熱媒体を供給して固定コア51を加熱しても良い。
〔第4の実施形態〕
図14は第4の実施形態に係る製造装置100の全体構成を示す図である。
本実施形態に係る製造装置100は、油圧ユニット56およびロッド部57を備えている点で第1の実施形態の製造装置(図1参照)と相違する。図14では、便宜上、冷却用流路34、加熱用流路35、冷却用流路54および加熱用流路55(図1参照)を図示省略している。
本実施形態の製造装置100は、第1金型プレート(固定コア51)が、第2金型プレート(可動コア30のプレート部31)に向かってキャビティ10a、10bの内部に突出動作する押出部(ロッド部57)を有している点で第一実施形態と相違する。ロッド部57は油圧ユニット56によって進退駆動される。押出部は、所望のタイミングで樹脂板2、3をプレート部31に向かって付勢するものであれば具体的な構造や配置は特に限られるものではない。本実施形態では油圧ユニット56で駆動されるロッド部57を例示するが、これに限られない。例えば、ロッド部57はモータによって進退自在に螺進駆動されるものでもよい。
ロッド部57を後退動作させた場合、ロッド部57の先端(図14における左端)は固定コア51の内面(プレート部31との対向面)と面一となる。ロッド部57を突出動作させた場合、ロッド部57の先端はキャビティ10a、10bの内部に突き出る。これにより、硬化した樹脂板2、3を、固定コア51から剥離させるとともにプレート部31に向かって押しつけることができる。
油圧ユニット56は制御部80と信号接続されており、ロッド部57を進退駆動する駆動信号を受信してロッド部57を突出動作または後退動作させる。ロッド部57は、樹脂流路53を取り囲むようにして固定コア51の複数箇所に設けられている。キャビティ10aの平面視形状、すなわち可動コア30の後退方向に見たキャビティ10aの形状が矩形の場合、ロッド部57は当該矩形の四隅の近傍に配置するとよい。
本実施形態に係る樹脂成形品の製造方法について説明する。本実施形態の製造方法は、図2、図7および図11に示したタイムチャートに従って行うことができる。
この製造方法は、第2工程で冷却硬化した樹脂板2、3を第1金型プレート(固定コア51)から剥離させる剥離工程を備えている。剥離工程は、第1金型プレート(固定コア51)から第2金型プレート(可動コア30のプレート部31)に向かって押出部(ロッド部57)で樹脂板2、3を押し出すことによって行う。そして剥離工程の後に2回目以降の第1工程を開始する。剥離工程の後に行う次回の充填工程を行う前に、ロッド部57を後退駆動してロッド部57の先端は固定コア51と面一になるまで後退させておく。
より詳細には、キャビティ10a、10b内の樹脂1が冷却硬化して樹脂板2、3が成形されたタイミングT13(図2参照),T23(図7参照)またはT33(図11参照)から、固定コア51とプレート部31との間隔を広げる(すなわち間隔拡大または型開きを行う)までの間に、上記の剥離工程を行う。したがって具体的には、タイミングT13〜T14の間(図2参照)、タイミングT23〜T25の間(図7参照)、またはタイミングT33〜T36の間(図11参照)に剥離工程を行う。
本実施形態に係る製造方法のように、冷却硬化した樹脂板2、3を、次回の充填工程の前に固定コア51から剥離させることで、次回の充填工程において可動コア30をスムーズに後退させてキャビティ10a、10bを形成することができる。また、プレート部31に上述したボスを形成して樹脂板2、3とアンカーさせる場合にも、本実施形態のように樹脂板2、3をロッド部57でプレート部31に押しつけて剥離させることで、プレート部31を後退させる際に樹脂板2、3がボスから外れてしまうことが防止できる。
〔第5の実施形態〕
図15は第5の実施形態に係る製造装置100の全体構成を示す図である。
本実施形態に係る製造装置100は、与圧部58を備えている点で第1の実施形態の製造装置(図1参照)と相違する。
本実施形態の製造装置100は、キャビティ10a、10bの周壁(保持枠部19)を内向きに与圧する与圧部58を有している。与圧部58は四方から周壁(保持枠部19)に内向きの押圧力を付与する。制御部80は、充填機構(射出装置70)がキャビティ10a、10bに溶融樹脂を充填するタイミングと連動させて与圧部58で与圧させる。保持枠部19は、可動コア30やキャビティ10aを周囲から取り囲む周壁である。与圧部58は金型駆動機構60と信号接続されており、図15に白抜矢印で示すように、所定のタイミングで保持枠部19を内向きに与圧し、または当該与圧を減少させて保持枠部19が外向きに移動することを許容する。より詳細には、与圧部58は、射出装置70の射出圧に抗してキャビティ10aを所定の外形寸法に維持するため、少なくともキャビティ10a内の樹脂1を冷却硬化させる冷却工程においては保持枠部19を内向きに与圧する。与圧部58には公知の与圧機構を用いることができる。一例として、与圧部58は保持枠部19をキャビティ10a、10bの内側に向かって機械的に押圧する押圧機構を備えている。
本実施形態に係る樹脂成形品の製造方法について説明する。本実施形態の製造方法は、図2、図7および図11に示したタイムチャートに従って行うことができる。
この製造方法では、第2工程はキャビティ10a、10bの周壁(保持枠部19)を内向きに与圧した状態で行う。そして2回目以降の第1工程は、周壁(保持枠部19)への与圧を低減した状態で開始し、かつ当該第1工程でキャビティ10a、10bに供給された溶融樹脂が周壁(保持枠部19)に到達する前に与圧を行う。ここで、与圧を低減するとは、内向きの与圧の一部を除去して軽減する態様のほか、与圧を完全に無くす態様や、逆に負圧に減圧して保持枠部19を外向きに付勢する態様を含む。このように、固定コア51とプレート部31との間隔を拡大する第1工程の前半部分を、与圧を低減した減圧状態で行うことにより、前回の第2工程で冷却硬化した樹脂板2、3を保持枠部19から容易に剥離させることができる。そして、続く第1工程で溶融樹脂が保持枠部19に到達する前に与圧することで、溶融樹脂が保持枠部19と可動コア30との隙間に浸入してしまうことが防止でき、そして所望の外形寸法の樹脂板2、3を成形することができる。
より詳細には、金型駆動機構60は制御部80からの制御信号を受けて与圧部58を駆動する。図2のタイムチャートに基づく場合、与圧部58は、タイミングT14〜T15は減圧状態とし、タイミングT15〜T17は与圧状態で行うとよい。また、図7のタイムチャートに基づく場合、与圧部58は、タイミングT23〜T25は減圧状態とし、タイミングT25〜T27は与圧状態で行うとよい。そして図11のタイムチャートに基づく場合、与圧部58は、タイミングT33〜T37は減圧状態とし、タイミングT37〜T39は与圧状態で行うとよい。なお、減圧状態と与圧状態との切り換えは、溶融樹脂の充填工程の途中、すなわち図2ではタイミングT15を僅かに過ぎた時点(かつタイミングT16よりも前)、図7ではタイミングT25を僅かに過ぎた時点(かつタイミングT26よりも前)、図11ではタイミングT37を僅かに過ぎた時点(かつタイミングT38よりも前)としてもよい。
以上、図面を参照して各実施形態を説明したが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。また、上記の各実施形態は、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、適宜に組み合わせることができる。例えば、図14に示した第4の実施形態の油圧ユニット56およびロッド部57と、図15に示した第5の実施形態の与圧部58と、の双方を設けてもよい。
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)互いに対向する第1金型プレートと第2金型プレートとの対向間隔を徐々に拡大しながら、前記第1金型プレートと前記第2金型プレートとの間に形成されるキャビティに溶融樹脂を充填する第1工程と、前記対向間隔の拡大を停止してキャビティに充填された樹脂を硬化させることにより樹脂板を形成する第2工程と、を繰り返し行う樹脂成形品の製造方法。
(2)前記対向間隔を徐々に拡大する過程で、前記対向間隔が所定の対向間隔となった時点から、前記第1工程を開始する(1)に記載の樹脂成形品の製造方法。
(3)2回目以降の前記第1工程の前に、前回の前記第2工程で形成された前記樹脂板に溶融樹脂を到達させるとともに当該溶融樹脂によって当該樹脂板を押圧する工程を備え、当該押圧する工程に続けて2回目以降の前記第1工程を開始する(1)に記載の樹脂成形品の製造方法。
(4)前記第1工程では、前記第1金型プレートに形成された樹脂流路を介して、前記キャビティに溶融樹脂を充填するようにし、前記第2工程に続いて、前記第1金型プレートを加熱することにより、前記樹脂流路内の樹脂と、前記キャビティ内の樹脂における当該第1金型プレートとの接触部分と、を軟化させる工程を行い、前記軟化させる工程に続いて、再び前記第1工程を行う(1)から(3)のいずれか一項に記載の樹脂成形品の製造方法。
(5)前記第1工程では、前記第1金型プレートに形成された樹脂流路を介して、前記キャビティに溶融樹脂を充填するようにし、前記第2工程に続いて、前記第1金型プレートと前記第2金型プレートとを開いた状態で、前記樹脂流路内の樹脂又は前記キャビティ内の樹脂と一体成形されたランナーを除去する工程と、再び前記第1金型プレートと前記第2金型プレートとを閉じる工程と、を行い、前記第1金型プレートと前記第2金型プレートとを閉じる工程に続いて、再び前記第1工程を行う(1)から(3)のいずれか一項に記載の樹脂成形品の製造方法。
(6)前記対向間隔を徐々に拡大する速度を、複数の速度の中から、使用する樹脂の種類に応じて設定する工程を更に備え、前記第1工程では、設定された速度で前記対向間隔を徐々に拡大する(1)から(5)のいずれか一項に記載の樹脂成形品の製造方法。
(7)互いに対向して配置される第1金型プレート及び第2金型プレートと、前記第1金型プレートと前記第2金型プレートとの対向間隔を変化させる間隔変化機構と、前記第1金型プレートと前記第2金型プレートとの間に形成されるキャビティに溶融樹脂を充填する充填機構と、前記間隔変化機構と前記充填機構とを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記間隔変化機構によって前記対向間隔を徐々に拡大させながら、前記充填機構によって前記キャビティに溶融樹脂を充填させる第1処理と、前記間隔変化機構による前記対向間隔の拡大を停止させて、前記キャビティに充填された樹脂を硬化させ樹脂板を形成する第2処理と、を繰り返し実行する樹脂成形品の製造装置。
(8)前記間隔変化機構は、複数の速度の中から設定された速度で前記対向間隔を変化させることが可能である(7)に記載の樹脂成形品の製造装置。
(9)前記第1金型プレートには、前記キャビティに溶融樹脂を充填するための樹脂流路が形成されているとともに、当該第1金型プレートを冷却するための熱媒体の流路である冷却用流路と、当該第1金型プレートを加熱するための熱媒体の流路である加熱用流路と、が形成されている(7)又(8)に記載の樹脂成形品の製造装置。
また、上記の実施形態は更に以下の技術思想を包含する。
(10)前記第2工程で硬化した前記樹脂板を前記第1金型プレートから前記第2金型プレートに向かって押出部で押し出すことにより前記樹脂板を前記第1金型プレートから剥離させる剥離工程を更に備え、前記剥離工程の後に2回目以降の前記第1工程を開始する上記の樹脂成形品の製造方法。
(11)前記第2工程は、前記キャビティの周壁を内向きに与圧した状態で行い、2回目以降の前記第1工程は、前記周壁への前記与圧を低減した状態で開始し、かつ当該第1工程で前記キャビティに供給された前記溶融樹脂が前記周壁に到達する前に前記与圧を行う上記の樹脂成形品の製造方法。
(12)前記第1金型プレートが、前記第2金型プレートに向かって前記キャビティの内部に突出動作する押出部を有する上記の樹脂成形品の製造装置。
(13)前記キャビティの周壁を内向きに与圧する与圧部を有し、前記制御部は、前記充填機構が前記キャビティに前記溶融樹脂を充填するタイミングと連動させて前記与圧部で与圧させる上記の樹脂成形品の製造装置。
1 樹脂
2、3 樹脂板
4 樹脂成形品
10 金型装置
10a キャビティ
10b キャビティ
11 ベースプレート
12 回転ネジ保持部(間隔変化機構)
13 回転ネジ(間隔変化機構)
14 被動ギア(間隔変化機構)
15 駆動伝達チェーン(間隔変化機構)
16 駆動モータ(間隔変化機構)
17 駆動軸(間隔変化機構)
18 駆動ギア(間隔変化機構)
19 保持枠部(間隔変化機構,周壁)
20 スライドレール(間隔変化機構)
30 可動コア
31 プレート部(第2金型プレート)
32 スライド部(間隔変化機構)
33 雌ネジ部(間隔変化機構)
34 冷却用流路
35 加熱用流路
40 可動ユニット
50 固定ユニット
51 固定コア(第1金型プレート)
52 固定プレート
53 樹脂流路
54 冷却用流路
55 加熱用流路
56 油圧ユニット
57 ロッド部(押出部)
58 与圧部
60 金型駆動機構
70 射出装置(充填機構)
71 バレル
72 ホッパ
73 スクリュー
74 ノズル
75 スクリュー進退機構
76 スクリュー回転機構
80 制御部
90 冷却加熱機構
100 樹脂成形品の製造装置

Claims (12)

  1. 互いに対向する第1金型プレートと第2金型プレートとの対向間隔を徐々に拡大しながら、前記第1金型プレートと前記第2金型プレートとの間に形成されるキャビティに溶融樹脂を充填する1回目の第1工程と、
    前記対向間隔の拡大を停止してキャビティに充填された前記溶融樹脂を硬化させることにより樹脂板を形成する1回目の第2工程と、
    1回目の前記第2工程で形成された第1の前記樹脂板を前記第1金型プレートまたは前記第2金型プレートの一方とともに移動させて、第1の前記樹脂板と前記第1金型プレートまたは前記第2金型プレートの他方との対向間隔を徐々に拡大しながら、第1の前記樹脂板と前記他方との間に形成されるキャビティに溶融樹脂を充填する2回目の前記第1工程と、
    2回目の前記第1工程における前記対向間隔の拡大を停止してキャビティに充填された前記溶融樹脂を硬化させることにより、第1の前記樹脂板と一体的に第2の樹脂板を形成する2回目の前記第2工程と、
    を少なくとも含む、第1の前記樹脂板と第2の前記樹脂板とが相互に積層された樹脂成形品の製造方法。
  2. 前記対向間隔を徐々に拡大する過程で、前記対向間隔が所定の対向間隔となった時点から、1回目または2回目の前記第1工程を開始する請求項1に記載の樹脂成形品の製造方法。
  3. 2回目の前記第1工程の前に、1回目の前記第2工程で形成された前記樹脂板に溶融樹脂を到達させるとともに当該溶融樹脂によって当該樹脂板を押圧する工程を備え、当該押圧する工程に続けて2回目の前記第1工程を開始する請求項1に記載の樹脂成形品の製造方法。
  4. 互いに対向する第1金型プレートと第2金型プレートとの対向間隔を徐々に拡大しながら、前記第1金型プレートと前記第2金型プレートとの間に形成されるキャビティに溶融樹脂を充填する第1工程と、
    前記対向間隔の拡大を停止してキャビティに充填された樹脂を硬化させることにより樹脂板を形成する第2工程と、
    を繰り返し行う樹脂成形品の製造方法であって、
    前記第2工程は、前記キャビティの周壁を内向きに与圧した状態で行い、
    2回目以降の前記第1工程は、前記周壁への前記与圧を低減した状態で開始し、かつ当該第1工程で前記キャビティに供給された前記溶融樹脂が前記周壁に到達する前に前記与圧を行うことを特徴とする樹脂成形品の製造方法。
  5. 互いに対向する第1金型プレートと第2金型プレートとの対向間隔を徐々に拡大しながら、前記第1金型プレートと前記第2金型プレートとの間に形成されるキャビティに溶融樹脂を充填する第1工程と、
    前記対向間隔の拡大を停止してキャビティに充填された樹脂を硬化させることにより樹脂板を形成する第2工程と、
    を繰り返し行う樹脂成形品の製造方法であって、
    前記第1工程では、前記第1金型プレートに形成された樹脂流路を介して、前記キャビティに溶融樹脂を充填するようにし、
    前記第2工程に続いて、前記第1金型プレートを加熱することにより、前記樹脂流路内の樹脂と、前記キャビティ内の樹脂における当該第1金型プレートとの接触部分と、を軟化させる工程を行い、
    前記軟化させる工程に続いて、再び前記第1工程を行うことを特徴とする樹脂成形品の製造方法。
  6. 互いに対向する第1金型プレートと第2金型プレートとの対向間隔を徐々に拡大しながら、前記第1金型プレートと前記第2金型プレートとの間に形成されるキャビティに溶融樹脂を充填する第1工程と、
    前記対向間隔の拡大を停止してキャビティに充填された樹脂を硬化させることにより樹脂板を形成する第2工程と、
    を繰り返し行う樹脂成形品の製造方法であって、
    前記第1工程では、前記第1金型プレートに形成された樹脂流路を介して、前記キャビティに溶融樹脂を充填するようにし、
    前記第2工程に続いて、
    前記第1金型プレートと前記第2金型プレートとを開いた状態で、前記樹脂流路内の樹脂又は前記キャビティ内の樹脂と一体成形されたランナーを除去する工程と、
    再び前記第1金型プレートと前記第2金型プレートとを閉じる工程と、
    を行い、
    前記第1金型プレートと前記第2金型プレートとを閉じる工程に続いて、再び前記第1工程を行うことを特徴とする樹脂成形品の製造方法。
  7. 前記対向間隔を徐々に拡大する速度を、複数の速度の中から、使用する樹脂の種類に応じて設定する工程を更に備え、
    1回目および2回目の前記第1工程では、設定された速度で前記対向間隔を徐々に拡大する請求項1からのいずれか一項に記載の樹脂成形品の製造方法。
  8. 互いに対向して配置される第1金型プレート及び第2金型プレートと、
    前記第1金型プレートと前記第2金型プレートとの対向間隔を変化させる間隔変化機構と、
    前記第1金型プレートと前記第2金型プレートとの間に形成されるキャビティに溶融樹脂を充填する充填機構と、
    前記間隔変化機構と前記充填機構とを制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記間隔変化機構によって前記対向間隔を徐々に拡大させながら、前記充填機構によって前記キャビティに溶融樹脂を充填させる1回目の第1処理と、
    前記間隔変化機構による前記対向間隔の拡大を停止させて、前記キャビティに充填された前記溶融樹脂を硬化させ樹脂板を形成する1回目の第2処理と、
    1回目の前記第2処理で形成された第1の前記樹脂板を前記第1金型プレートまたは前記第2金型プレートの一方とともに移動させて、第1の前記樹脂板と前記第1金型プレートまたは前記第2金型プレートの他方との対向間隔を徐々に拡大しながら、第1の前記樹脂板と前記他方との間に形成されるキャビティに溶融樹脂を充填する2回目の前記第1処理と、
    2回目の前記第1処理における前記対向間隔の拡大を停止してキャビティに充填された前記溶融樹脂を硬化させることにより、第1の前記樹脂板と一体的に第2の樹脂板を形成する2回目の前記第2処理と、
    を少なくとも実行する、第1の前記樹脂板と第2の前記樹脂板とが相互に積層された樹脂成形品の製造装置。
  9. 前記間隔変化機構は、複数の速度の中から設定された速度で前記対向間隔を変化させることが可能である請求項に記載の樹脂成形品の製造装置。
  10. 前記第1金型プレートには、前記キャビティに溶融樹脂を充填するための樹脂流路が形成されているとともに、当該第1金型プレートを冷却するための熱媒体の流路である冷却用流路と、当該第1金型プレートを加熱するための熱媒体の流路である加熱用流路と、が形成されている請求項8又は9に記載の樹脂成形品の製造装置。
  11. 前記第1金型プレートが、前記第2金型プレートに向かって前記キャビティの内部に突出動作する押出部を有する請求項8から10のいずれか一項に記載の樹脂成形品の製造装置。
  12. 互いに対向して配置される第1金型プレート及び第2金型プレートと、
    前記第1金型プレートと前記第2金型プレートとの対向間隔を変化させる間隔変化機構と、
    前記第1金型プレートと前記第2金型プレートとの間に形成されるキャビティに溶融樹脂を充填する充填機構と、
    前記間隔変化機構と前記充填機構とを制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記間隔変化機構によって前記対向間隔を徐々に拡大させながら、前記充填機構によって前記キャビティに溶融樹脂を充填させる第1処理と、
    前記間隔変化機構による前記対向間隔の拡大を停止させて、前記キャビティに充填された樹脂を硬化させ樹脂板を形成する第2処理と、
    を繰り返し実行する樹脂成形品の製造装置であって、
    前記キャビティの周壁を内向きに与圧する与圧部を有し、
    前記制御部は、前記充填機構が前記キャビティに前記溶融樹脂を充填するタイミングと連動させて前記与圧部で与圧させることを特徴とする樹脂成形品の製造装置。
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