JPH0342124B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、板状材料の圧延装置であつて、スタ
ンド内に、プレス平面内で圧延間げきを形成して
板状材料に作用する２つの作業ロールと所属の支
持ロールとが配置されており、少なくとも一方の
支持ロールは、たわみ調整ロールとして構成され
ていて、スタンド内に支えられている支持体と、
この支持体の回りで回転可能で圧力媒体を供給さ
れる支持部材により該支持体に支えられていてプ
レス平面内で可動であるロール外とうとを有して
おり、圧延間げき通過後の板状材料の所定の厚さ
を調整する圧力調節装置が設けられている形式の
ものに関する。

例えば米国特許第4222255号明細書に記載され
ているこのような形式の圧延装置は、金属帯材・
プラスチツクシートその他の塑性変形可能な材料
を特定の厚さに圧延するのに役立つ。最も簡単な
場合、圧延装置は２つの作業ロールから構成する
ことができるが、付加的にプレス平面内に複数の
支持ロール、例えば４重圧延機の場合には２つの
支持ロールを設けること、あるいはプレス平面内
及び側方に複数の支持ロールを配置することもで
きる。この場合圧延材料に規定された調整可能な
圧力を作用させ得るようにするために、作業ロー
ルあるいは１つ又は複数の支持ロールをたわみ調
整ロールとして構成しておくと、極めて有利であ
る。

このような延力装置における問題は、圧延され
た板状材料の所定の圧力を維持することである。
普通はこの厚さ制御は、例えば米国特許第
4074624号明細書に記載されているように、圧延
間げきの後方で材料厚さを厚さ検出器によつて検
出して、たわみ調整ロールの静液圧式の支持部材
内の圧力液体圧力の調節装置を制御しかつ後調節
し、これにより材料厚さを一定に維持することに
よつて行われる。しかしこの場合、厚さ検出を、
圧延間げきからある程度の間隔をおいたところ
で、つまりある程度の時間的遅れをもつて、行わ
なければならない。したがつて高速圧延装置の場
合には圧力調節が十分に迅速に行われず、厚さ変
動が生じる。また圧延速度を特定値以上に高める
ことは不可能である。この欠点を避けるために、
例えばドイツ連邦共和国特許第2439580号明細書
に記載されているように、圧延間げきを、時間的
遅れなしに圧延機スタンド内の測定点での間接的
な測定によつて、例えば支持ロール又はその軸受
けピンの圧下シリンダの位置の測定によつて、あ
るいは英国特許第2068482号明細書に記載されて
いるようにロール外とうの軸受けブツシユの測定
によつて、検出することが試みられているが、こ
の場合においては、ロール・軸受けピン及びスタ
ンドの弾性変形若しくは軸受けの円形回転誤差が
測定値に影響し、正確な測定が行われない。スタ
ンドの伸長が影響しないように支持ロールの直接
的な間隔測定を行つても、ロールの弾性変形の影
響を排除することができない。

例えば英国特許第1529861号明細書に記載され
ているような作業ロールの直接的間隔測定は正確
に行うことができるけれども、検出器が外部のす
べての影響、例えば金属粉・圧延油・ダスト及び
温度作用を受けることになる。また頻繁に行われ
る作業ロールの交換の際に、検出器が損傷する危
険がある。

本発明の目的は、従来技術の前述の欠点を取り
除き、圧延された材料の厚さを、時間的遅れなし
にかつ圧延機スタンドの弾性変形の影響をほとん
ど受けることなしに、確実に、迅速に、外部の影
響を受けることなしにかつ圧力調節装置が損傷す
る危険なしに、後調節し得るようにすることであ
る。

この目的を達成するために本発明の構成では、
スタンドに結合されているベースの圧延間げき側
を基準としてロール外とうの支持体側内面のプレ
ス平面内での位置を測定する少なくとも１つの位
置信号発生器が設けられており、この位置信号発
生器の出力値に基づいて圧力調節装置によつて静
液圧式の支持部材の圧力液体圧力が調節されて、
ロール外とうの位置が所定の値になるようにし
た。

したがつて、支持ロールがたわみ調整ロールと
して構成されている場合、位置測定のための測定
点を作業ロール及び圧延間げきにできるだけ近づ
けて、外部の影響及び圧延機スタンドの弾性変形
の影響を遮断することが可能である。測定は作業
ロールと直接に接触している支持ロールの外とう
のところで直接に行われるので、支持ロール支持
体の弾性変形の影響も減少せしめられる。作業ロ
ールをたわみ調整ロールとして構成する場合にも
同じ利点が達成される。

ロール外とうの位置測定のためのベースとして
支持ロールの支持体のための軸受けブロツクの一
部を使用すると有利である。

たわみ調整ロールの両側のところに位置信号発
生器を設け、両方の位置信号発生器が多数の支持
部材領域を別個に制御するように圧力調節装置を
構成することも有利である。

また、両方の作業ロール又は支持ロールが位置
信号発生器を有するたわみ調整ロールとして構成
されていると有利であり、その場合両方のたわみ
調整ロールの位置信号発生器は共通のベース、例
えば一方のロールの軸受けブロツクを有している
ようにする。このようにする代わりに、両方の位
置信号発生器を軸受けブロツクとは無関係に圧延
機スタンドに固定しておくこともできる。この場
合スタンド中間片が機械的結合に役立つ。

以下においては、図面に示した実施例に基づい
て本発明の構成を具体的に説明する。

第１図〜第３図に示した圧延装置において、圧
延機はスタンド１を有し、このスタンド内に２つ
の作業ロール２及び３が軸受けブロツク４，５に
よつて回転可能に支承されている。作業ロール２
と３との間には圧延間げき６が形成されている。
これらの作業ロール２，３は、圧延過程の際に、
プレス平面Ａ内でやはり軸受けブロツク９，９′
によりスタンド１内に支承されている両側の２つ
の支持ロール７，８によつて押し合わされる。

支持ロール７はたわみ調整ロールとして構成さ
れていて、軸受けブロツク９の調心軸受け１０に
より支承されている不動の支持体１１と、この支
持体の回りを回転可能なロール外とう１２とより
成つており、ロール外とう１２は静液圧式の支持
部材１３を介して支持体１１に支えられており、
支持部材１３には管路１４を介して圧力液体が供
給される。この圧力液体の圧力によつてロール外
とう１２はプレス平面内で作業ロール２に圧着さ
れる。静水圧式の支持部材１３は、例えば英国特
許第3802044号明細書に記載されているように、
シリンダ内で可動でかつ穴を介してシリンダに接
続されている圧力ポケツトを有している支持ピス
トンとして構成しておくことができるが、別の構
成の支持部材を使用することもでき、特に、支持
体とロール外とうとの間の、可動のプランジヤの
ない簡単な単数又は複数の圧力室として支持部材
を構成してもよい。

他方の支持ロール８は普通の金属ロールとして
構成されるか、あるいは上方の支持ロール７と同
じように回転するロール外とう１５（第３図）を
有するたわみ調整ロールとして構成される。支持
ロールの代わりに作業ロール２，３をたわみ調整
ロールとして構成しておくこともできる。

圧延間げき６の開口ひいては圧延された材料の
厚さの調節は位置信号発生器１６を介して行わ
れ、この位置信号発生器１６は、支持体１１に向
いたロール外とう１２の内面の位置を測定する。
この場合、ロール外とう１２の両方の外縁のとこ
ろにそれぞれ１つの位置信号発生器を設けて、圧
力調節装置に接続しておくとよい。調節値として
ロール外とう内面の位置を使用することにより、
フレーム及び軸受けブロツクの弾性的な伸長も、
また支持ロールのたわみも測定結果に影響を及ぼ
すことがなく、たんに作業ロールの比較的にわず
かな、ほとんど無視し得る磨滅が影響するにすぎ
ない。他面において位置信号発生器が圧延の際に
外部からの影響に対して保護される。また作業ロ
ールの交換の際に位置信号発生器が損傷する危険
がない。

位置信号発生器としては基本的には任意の距離
信号発生器、例えば無接触型の信号発生器を使用
することができる。第２図には誘導型の位置信号
発生器１６の構造の１例が示されている。この場
合位置信号発生器１６は、軸受けブロツク９と結
合された固定部材２０を有しており、この固定部
材２０の延長部２１は、本来の誘導型の測定部材
２２を有している。測定部材２２と協働するスリ
ーブ形の対応部材１７はコイルばね１８によつ
て、ロール外とう１２の内面の滑らかなレース面
に圧着されている。この場合対応部材１７からの
測定部材２２の間隔が測定され、その出力信号が
圧力調節装置に供給される。

第３図に示した実施例においては、両方の支持
ロール７，８がたわみ調整ロールとして構成され
ており、両方の支持ロール７，８のロール外とう
１２，１５にそれぞれ１つの位置信号発生器１
６，２３が設けられている。上方の支持ロール７
の位置信号発生器１６はやはり所属の軸受けブロ
ツク９をベースとして利用しているのに対し、下
方の支持ロール８の位置信号発生器２３は所属の
軸受けブロツク９′から隔離されていて、機械的
な結合機構２４を介して、上方の位置信号発生器
１６と同じベースに支えられている。したがつて
軸受けブロツクの変形による影響が減少せしめら
れる。

第４図に示した実施例では、両方の位置信号発
生器１６，２３が締め付け装置２５，２６によつ
て機械的に又は液力で圧延機のスタンド１内に締
め込まれていることによつて、軸受けブロツクに
よる影響が減少せしめられる。この場合締め付け
装置２５，２６の間のスタンド中間片は機械的結
合並びに位置値伝達に役立つ。これら両方の点の
間のスタンド変形は極めてわずかであるので、測
定結果にほとんど影響を及ぼさない。しかもコン
ピユータでこの影響を補償することは極めて容易
である。また、一方の位置信号発生器をスタンド
内で締め付け、他方の位置信号発生器は、第３図
に示すように、機械的な結合機構を介して一方の
位置信号発生器に支えておくこともできる。

第５図には圧延装置及び圧力調節装置が概略的
に示されており、この場合第１図〜第４図と同一
の部分には同一の符号が付けられている。

両方の位置信号発生器１６は２つの位置調節器
２７を制御し、これらの位置調節器は圧力調節装
置２８に調節信号を供給する。この圧力調節装置
により、静液圧式支持部材１３へ圧力液体を供給
する管路１４内の圧力が制御されて、ロール外と
う１２の位置の目標値が達成される。このために
必要な制御調節装置は周知であつて、圧延装置に
使用されており、制御は通常の形式で行われる。

上述の、極めて迅速に動作する調節装置の外に
付加的に、材料出口に設けられた付加的な厚さ検
出器２９を有する周知の厚さ調節装置を付加的に
使用することができる。この場合厚さ検出器２９
は圧延間げき調節器３０を介して同じ圧力調節装
置２８を制御するか、あるいはこれとは無関係に
ロール相互の圧着力を後調節し、若しくはロール
外とうの位置のための所定の目標値を供給する。
このようにして、板状材料厚さのより正確な維持
が達成される。

材料の幅に沿つて特定の厚さプロフイールが要
求される場合には、多数の厚さ検出器２９を材料
の幅に沿つて分配配置し、これらの厚さ検出器２
９が個々の支持部材１３を個別的に制御するよう
にするか、あるいはただ１つの厚さ検出器が材料
の幅に沿つて往復に移動しながら材料厚さを記録
するようにすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、プレス平面内での圧延装置の断面
図、第２図は、位置信号発生器及びその配置を示
した断面図、第３図は、プレス平面に対して垂直
な圧延装置の断面図、第４図は別の実施例の圧延
装置の部分的断面図、第５図は、圧延装置並びに
所属の調節装置の概略図である。 １……スタンド、２及び３……作業ロール、４
及び５……軸受けブロツク、６……圧延間げき、
７及び８……支持ロール、９及び９′……軸受け
ブロツク、１０……調心軸受け、１１……支持
体、１２……ロール外とう、１３……支持部材、
１４……管路、１５……ロール外とう、１６……
位置信号発生器、１７……対応部材、１８……コ
イルばね、２０……固定部材、２１……延長部、
２２……測定部材、２３……位置信号発生器、２
４……結合機構、２５及び２６……締め付け装
置、２７……位置調節器、２８……圧力調節装
置、２９……厚さ検出器、３０……圧延間げき調
節器、Ａ……プレス平面。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 板状材料の圧延装置であつて、スタンド１内
   に、プレス平面Ａ内で圧延間げき６を形成して板
   状材料に作用する２つの作業ロール２，３と所属
   の支持ロール７，８とが配置されており、少なく
   とも一方の支持ロール７は、たわみ調整ロールと
   して構成されていて、スタンド内に支えられてい
   る支持体１１と、この支持体の回りで回転可能で
   圧力媒体を供給される支持部材１３により該支持
   体に支えられていてプレス平面内で可動であるロ
   ール外とう１２とを有しており、圧延間げき通過
   後の板状材料の所定の厚さを調整する圧力調節装
   置２８が設けられている形式のものにおいて、ス
   タンドに結合されているベースの圧延間げき側を
   基準としてロール外とう１２の支持体１１側の内
   面のプレス平面Ａ内での位置を測定する少なくと
   も１つの位置信号発生器１６，２３が設けられて
   おり、この位置信号発生器の出力値に基づいて圧
   力調節装置２８によつて静液圧式の支持部材１３
   の圧力液体圧力が調節されて、ロール外とう１２
   の位置が所定の値になるようにしたことを特徴と
   する圧延装置。 ２ 位置信号発生器１６がロール外とう１２の端
   縁のところに配置されている特許請求の範囲第１
   項記載の装置。 ３ ロール外とう１２の各端縁のところにそれぞ
   れ１つの位置信号発生器１６が配置されている特
   許請求の範囲第２項記載の装置。 ４ 作業ロールがたわみ調整ロールとして構成さ
   れている特許請求の範囲第１項〜第３項のいずれ
   か１項に記載の装置。 ５ 両方の支持ロール７，８がたわみ調整ロール
   として構成されており、各支持ロール７，８にそ
   れぞれ少なくとも１つの位置信号発生器１６，２
   ３が設けられている特許請求の範囲第１項〜第３
   項のいずれか１項に記載の装置。 ６ 支持体１１がスタンド１の軸受けブロツク９
   内に支承されており、位置信号発生器１６，２３
   が軸受けブロツクの特定の点に対するロール外と
   う内面の位置を測定する特許請求の範囲第１項〜
   第５項のいずれか１項に記載の装置。 ７ 少なくとも１つの位置信号発生器１６，２３
   が、軸受けブロツク９は基準とせずに圧延機スタ
   ンド１自体を基準とするロール外とう内面の位置
   を測定する特許請求の範囲第１項〜第５項のいず
   れか１項に記載の装置。 ８ 少なくとも１つの位置信号発生器１６，２３
   がスタンド１に対し機械的又は液力的に緊定され
   ている特許請求の範囲第７項記載の装置。 ９ 両方の位置信号発生器１６，２３が互いに機
   械的に結合されていて、両方のロール外とう内面
   の位置が共通のベースを基準として測定される特
   許請求の範囲第３項〜第８項のいずれか１項に記
   載の装置。 １０ 位置信号発生器１６，２３が誘導型の間隔
   測定装置として構成されている特許請求の範囲第
   １項〜第９項のいずれか１項に記載の装置。 １１ 誘導型の間隔測定装置が、ロール外とう１
   ２の内面のレース面に圧着される対応部材１７に
   対する間隔を測定する特許請求の範囲第１０項記
   載の装置 １２ 圧延間げき６を通過した板状材料の厚さを
   測定する少なくとも１つの厚さ検出器２９が付加
   的に設けられて、この厚さ検出器の出力値により
   圧力調節装置２８が付加的に制御される特許請求
   の範囲第１項〜第１１項のいずれか１項に記載の
   装置。 １３ 板状材料の幅に沿つて多数の厚さ検出器２
   ９が配置されており、これらの厚さ検出器は、所
   定の厚さプロフイールが維持されるように、個々
   の静液圧式の支持部材１３内の圧力液体圧力を制
   御する特許請求の範囲第１２項記載の装置。 １４ 静液圧式の支持部材１３が、圧力液体を供
   給されるシリンダ内で可動の支持ピストンを有し
   ており、この支持ピストンは、穴を介してシリン
   ダに接続されている圧力ポケツトを備えている特
   許請求の範囲第１項〜第１２項のいずれか１項に
   記載の装置。