JPH0341953A - 創傷被覆材の製造方法 - Google Patents

創傷被覆材の製造方法

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JPH0341953A
JPH0341953A JP17883489A JP17883489A JPH0341953A JP H0341953 A JPH0341953 A JP H0341953A JP 17883489 A JP17883489 A JP 17883489A JP 17883489 A JP17883489 A JP 17883489A JP H0341953 A JPH0341953 A JP H0341953A
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gel
wound
wound dressing
benzene
soln
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JP17883489A
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Toshitatsu Hirayama
平山 俊達
Shigeru Komatsuzaki
小松崎 茂
Tetsuo Toyokawa
哲生 豊川
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 イ、産業上の利用分野 本発明は創傷被覆材の製造方法に関し、例えば火傷、外
傷等の創傷の治療に好適な被覆材の製造方法に関するも
のである。
口、従来技術 従来、火傷、外傷或いは創傷等による広範囲の皮膚欠損
傷の治療に、種々の被覆材が開発されている。
こうした創傷被覆材については構造上の種々の工夫がな
されているが、現在多く使用されている形態としては、
織物やスポンジ構造体の片面に細菌の浸入を阻止するた
めにシリコーン膜を貼付したものである。この構造体は
、患部からの滲出液を吸収してフィブリンを形成するこ
とによって一次生体密着を生じ、これに続く線維芽細胞
や毛細血管の浸入によって二次生体密着が可能となり、
被覆材と創傷面との強固な密着が生じる。しかし、シリ
コーン膜は膜下に体液中のタンパク質が堆積するので、
既に創傷面に存在する細菌の繁殖源となる危険性が大き
く、このために創傷の治療が却って妨げられるという欠
点を有している。
また、上記の如きスポンジ構造体においては、上記した
滲出液及び血液との接触性や、薬剤の放出効率、患部の
被覆性等の要求性能についてこれ迄あまり検討されては
いない。例えば、米国特許第3113568号公報に示
された構造体は、第13図及び第14図に示すように、
パッド11の下側に設けられた綱状構造の発泡フオーム
からなるバリア20として形成されている。このバリア
20を構成する単位セル21は、脚状のリンク23によ
って立体的に連結されて気孔となる各フェース22が形
成された多面体状の構造を呈している。
従って、このような構造体は単なる網状物であるから、
その構造上、上記した各要求性能を十分に満たすものと
はな“らない。即ち、網状物が単に脚上のリンク23で
連結されているにすぎないので、滲出液や血液と接触す
る接触面積が不十分であり、網状物の機械的強度が小さ
く、網状物から分散する薬剤(これは予め構造体中に内
包される。)の放出効率が小さく、かつ細菌に対するバ
リア性もなお改善の余地が残されている。こうした問題
は、他の公知のスポンジ構造体全般に存在するものであ
る。
ハ0発明の目的 本発明者は、従来の皮膚欠損傷治療用被覆材等の創傷被
覆材について種々検討を重ねたところ、スポンジ構造体
等の多孔質構造を具体的に改変できる方法を見出し、本
発明に到達した。
本発明の目的は、滲出液や血液と材料との接触面積を増
し、凝固及びカサブタ形成を促進し、機械的強度も大き
くし、材料表面に分散して存在する薬剤の放出効率を王
げ、水分及び水蒸気の透過性を落とさずにバリア性を増
大させ、カサブタが形成された段階においてより有効な
被覆効果を得ることのできる創傷被覆材の製造方法を提
供することにある。
二0発明の構成 即ち、本発明は、原料物質含有液を攪拌しながら加温し
て均一な溶液を作成する工程と、この均一な溶液を攪拌
しながら冷却して原料物質含有ゲル粒子が分散した分散
ゲルを作成する工程と、この分散ゲルを凍結、乾燥する
工程とを有する創傷被覆材の製造方法に係るものである
また、本発明は、原料物質含有液を攪拌しながら加温し
て均一な溶液を作成する工程と、この均一な溶液を攬拌
しながら冷却して原料物質含有ゲル粒子が分散した分散
ゲルを作成する工程と、この分散ゲルを攪拌しながら加
温する工程と、この加温されたゲルを放冷後に凍結、乾
燥する工程とを有する創傷被覆材の製造方法も提供する
ものである。
ホ、実施例 以下、本発明の詳細な説明する。
まず、本発明の第1の実施例による創傷被覆材(タイプ
1)の製造方法を説明する。
まず、第1図に示すように、型8として例えば52C!
+1 X 14cmの寸法のものを使用し、この中に例
えばlaf当たり重10.26 gのナイロンメツシュ
3を底面から例えば5卿の高さに張り渡す。そして、型
8内に注入する分散ゲル7(ポリアミノ酸分散ゲル)を
二周製するのに、例えばポリ(L−ロイシン)eA度が
0.11w/v%の場合、次の組成物を調製する。なお
、ポリ(L−ロイシン)濃度は通常0.01−1w/v
%の範囲で調製される。
ベンゼン         lOi!。
(1バツチ) ポリ (L−ロイシン)11g スルファジアジン銀     4g この組成物を攪拌しながら、ベンゼンをとばさないで溶
液が組織変化しない温度である55°C以上、特に70
〜75℃に昇温し、3時間以上で均一な溶液とする。こ
の均一溶液の組成は、上記の型8内への注入量に換算す
ると、次の通りである。
ベンゼン         728− (10m厚に注入) ポリ (L−ロイシン)    0.8008 gスル
ファジアジン銀    0.2912 gなお、使用で
きる溶媒はベンゼンがよいが、他のポリロイシンの溶媒
を使用することもできる。
上記に調製した均一溶液を攪拌しなから55°C以下〜
はぼ室温まで冷却することによって、ポリ(L−ロイシ
ン)、ベンゼン及びスルファジアジン銀を含有する粒径
10〜11000uの分散粒が分散した分散ゲルを調製
した。なお、上記均一溶液をそのまま室温に冷却して均
一ゲルとした後、均一ゲルをすりつぶすか或いは均一ゲ
ルをふるいに通す等の操作をすることによって、分散ゲ
ルを調製することもできるが、製造時の操作性を考慮す
ると、均一溶液を上記したように攪拌しながら冷却して
調製するのが効率的である。得られた分散ゲルは、ゲル
化した分散粒が分散液(これは非常に少量)中に分散し
たものからなっている。そして次に、この分散ゲルを第
1図に示したようにして型8内に室温のまま注型し、更
にそのまま凍結、乾燥させた。凍結温度はO〜−40°
C(例えば−10″C)とし、その後の乾燥は減圧下で
ベンゼンを蒸発させなからO〜80″C1例えばlOo
C(棚板42の温度)で行う。
この凍結時の状態は、第2図に概略図示したように、棚
板42(創傷面)側から凍結が進行し、分散粒4間のフ
リーのベンゼン33が早く結晶化し、下方から上方へと
徐々に結晶化が生じ、この過程で、第3図(創傷被覆材
の断面全体の膜構造の走査型電子顕微鏡写真)に示すよ
うに、創傷面倒31ではl6Ji雑状構造、内部(内層
)30では網状構造、表面32では比較的密な構造が生
成されるものと考えられる。そして、上記の分散粒4は
既述した膜状物1となる部分であり、ベンゼンの蒸発し
た部分に多数の気孔が形成される。
こうして得られたナイロンメツシュ内蔵の多孔性フィル
ムに第4図のように1mmφ又は2Wlφの細孔10を
loIIll間隔で千鳥足状に形成し、タイプlの創傷
被覆材41を作製した。
第5図は、上記に得られた創傷被覆材の構造を更に詳細
に示すものである。但し、第3図に示した創傷被覆材の
表面とは最外面より厚さ10〜200μmの領域(表層
)、創傷面側とは表面と反対側の最外面より厚さ10〜
200μmの領域、内部とは表面、創傷面側以外の領域
(内層)を意味する。
なお、第3図の創傷被覆材の断面においては、ナイロン
メツシュ3が埋め込まれていて、これを境にして組織の
状態が変化している状況が示されている。
第5A図はタイプ1の創傷被覆材についてその表面の一
部分の膜構造の走査型電子顕微鏡写真、第5B図はその
内部の同様の走査型電子顕微鏡写真、第5C図はその創
傷面側の同様の走査型電子顕微鏡写真を夫々示す。これ
らの写真から、タイプ1の創傷被覆材は、微小な膜状物
(又は膜片)1が三次元的に連結されることによって気
孔2を内包する如くに構成された独得の多孔質構造から
なっていることが分かる。これは、第14図に示したよ
うな脚状のリンクで構成された多孔質構造とは根本的に
異なっている。即ち、膜状物1は後述する分散ゲル中の
分散粒に対応して生成されるものであって、その幅が比
較的広く、気孔2間を隔絶することなしに連続的に(連
続気孔として)つなげており、かつ気孔2自体もサイズ
が大きくて個数も多い。こ−うした気孔は特に創傷被覆
材の内部で多く見られるが、創傷面側も気孔が多数見ら
れ、また表面では比較的緻密な表層が形成されている(
第3図参照)。
タイプ1の構造によれば、次の(1)〜(3)に示す如
〈従来にはない顕著な作用効果を得ることができる。
(1)、多くの気孔2(これは各部においてほぼ−様な
孔径を有している。)が膜状物1による三次元構造中に
内包されているので、創傷面からの滲出液や血液と材料
との接触面積が増大し、凝固及びカサブタ形成を促進す
ることができ、かつ機械的強度も大きくできる。
(2)、これに加えて、材料表面に分散して存在する薬
剤(これは上述のように予め材料中に含有させておくこ
とができる。)の放出効率を上げることができる。
(3)、また、水分及び水蒸気の透過性を落とさずにバ
リア性を増大させ、カサブタが形成された段階において
より有効な被覆効果を得ることができる。
第3図においては、ナイロンメツシュ3としてチのもの
を埋め込み、このメツシュに組織を絡ませることによっ
て被覆材の強度を向上させている。
そして、メツシュ3を境にして、表面側30では気孔2
が大きく、創傷面側31では気孔2が小さくて膜組織が
比較的密になっていることが分かる。
即ち、第1図のように、メツシュ3をセットした棚板4
2上の型8内に分散ゲル7を注型する時に、シュ3から
創傷面側に通過するが、粗い粒子は通過せずにメツシュ
3よりも表面側に残される傾向がある。この結果、上記
したようにメツシュ3を境にしてその両側の組織が変化
することになる。
メツシュ3よりも創傷面側は気孔2は小さいが個数が多
くなるので、透水性及び強度、薬剤の放出性のいずれも
が良好であり、かつ、メツシュ3よりも表面側は気孔2
が大であるために透水性が一層良好となり、強度も膜状
物1が幅広であってメツシュ3による補強作用が加わる
ために十分になっており、また柔軟性又はクツション性
も良好である。また、表面32の組織は比較的緻密であ
り、外部からの細菌の侵入を防止する効果が良くなって
いる。そのように、表面32が比較的緻密な組織となる
のは、第2図に概略的に示すように、凍結時には棚板4
2の側から表面に向かって徐々に温度が上昇する温度勾
配が形成され、分散粒4間で溶媒(ベンゼン等)の微結
晶33が創傷面側から生成されるため、表面にボリア逅
ノ酸が押しやられて密度が高くなるからであると推定さ
れる。
次に、本発明の第2の実施例による創傷被覆材(タイプ
2)の製造方法を説明する。
上述したタイプlの創傷被覆材の製造に用いた上述の分
散ゲルを同様に調製し、この分散ゲルを攪拌しながら5
6℃で10分以内(例えば7.5分)、又は52°Cで
1〜3時間加温することによって、上記した分散ゲルと
均一ゲルとの中間状態のゲルを調製する。そして、この
ゲルを攪拌時の温度を保持したまま第1図のようにして
注型する。次いで、放冷することによって、柔らかいゲ
ルとする。
これを上述したと同様にして凍結、乾燥し、細孔を形成
してタイプ2の創傷被覆材41を作製した。このタイプ
2の場合、上記したように分散ゲルを加温して注型して
いるので、第6図に概略図示したように、加温によって
分散粒4間に相互作用が凍結前に生じており、これに起
因して中間状態のゲルとなり、第7図(創傷被覆材の断
面全体の膜構造の走査型電子顕微鏡写真)に示した独得
の構造を形成するものと考えられる。
第8A図はタイプ2の創傷被覆材の表面の一部分の膜構
造の走査型電子顕微鏡写真、第8日図はその内部の同様
の走査型電子顕微鏡写真、第8C図はその創傷面側の同
様の走査型電子顕微鏡写真を夫々示す。これらの写真か
ら、タイプ2の創傷被覆材は、タイプ1のものと同様に
、微小な膜状物1が三次元的に連結されることによって
気孔2を内包する如くに構成された独得の多孔質構造か
らなっている。そして、このタイプ2の構造は、タイプ
1に比べて、膜状物1がより幅広で気孔2もより大きい
ように見受けられる。これは、上記した製法に示される
ように、分散ゲルを加温後に凍結しているために、凍結
前に既に、分散ゲルと非分散ゲル(即ち、分散粒のない
均一相からなる均一ゲル)との中間状態のゲルになって
いるからであると考えられる。タイプ2のものは、従っ
て、タイプ1と同様の作用効果を奏すると共に、タイプ
lよりも被覆材の強度が向上している。
上述したタイプ1、タイプ2の各創傷被覆材41は、全
体が組織親和性に優れる多孔質ポリ−α−アミノ酸から
なるフィルム状体であって、抗菌剤として例えばスルフ
ァジアジン銀を含有し、厚さが0.1−10mm、例え
ば1閣であってよく、表面には厚さ0.5〜5μm、特
に1〜3μmの薄い表面N32が形成されている0表面
fii32中の気孔2の孔径は20μm以下、内部30
中の気孔2の孔径は20〜500μmとしてよい、内部
30中には例えばナイロンメツシュ3からなる芯材が埋
設されていて、創傷被覆材41の機械的強度を高め、使
用中に破れたりすることがないようにしている。また、
この創傷被覆材41には、表面と裏面との間を貫通する
細孔10が多数設けられている。この細孔10の径は数
十〜数千μmであり、そのピッチdは10mmとしてよ
い。
従って、生体40の創傷面から排出される体液は、多数
の気孔2を通って創傷被覆材41の31から内部30に
滲み込むと共に、毛細管現象によって細孔10を通って
表面層32へ滲出する。このように、体液は創傷被覆材
41中に順調に吸収され、生体40の創傷面と創傷被覆
材41との境界に体液が滞留することがなく、体液の滞
留による細菌繁殖の危険を防ぎ、創傷の治癒が速くなる
そして、表面層32中の気孔は、前述したように微細で
あり、外部から菌が侵入するのを防いでいる。
創傷被覆材41中の抗菌剤は創傷面における細菌を死滅
させ、これ以後は、外部からの細菌の侵入による感染を
阻止することができるが、このためには一定速度で微量
の抗菌剤が放出されること(徐放)が望ましい、そこで
、本例において、上記の多孔性層の基材を特に疎水性ポ
リ−α−アミノ酸で構成することによって、層内での液
体の循環を著しく制限し、長期にわたっての薬剤の放出
を可能としている。
また、本例では、多孔性層中に抗菌剤を含有せしめて徐
放作用を発揮させることができるが、このためには、抗
菌剤含有量は(基材ポリマー100部に対して)O−1
00重量部、即ち0〜50重量%とするのがよい。
本例で使用する組織親和性の優れたポリ−α−アミノ酸
には、ポリ(T−ベンジル−L−グルタメー))(PB
LG)、ポリ(L−ロイシン)、ポリ(N′−カルボベ
ンゾキシ−L−リジン)、及びこれらのアミノ酸の組合
せ等がある。これらのポリ−α−アミノ酸は疎水性であ
る上に、ポリマー化が容易であり、凍結真空乾燥のでき
るベンゼン又はジオキサンに溶解するため、特に加工性
に優れた膜材料である。
また、本例で使用可能な局所抗菌剤としては、スルファ
ジアジン銀、スルファジアジン亜鉛、スルファジアジン
セリウム、硝酸銀、ゲンタマイシン等がある。そして、
上記の組織親和性の優れた多孔性膜材料に抗菌剤を添加
し、この混和物より被覆材を作成することができる。
なお、上記の抗菌剤と併用して、血管収縮剤(止血用)
や鎮痛剤等の他の薬剤を多孔性層に含有させることもで
きる。
本例による創傷被覆材において、多孔性層中に埋設(即
ち、中間に介在)させた芯材3は該被覆材に機械的強度
を付与すると共に、例えば深在性■度熱傷と■度熱傷の
治療の一定期間創傷面を被覆保護したのち、多孔性層を
剥離する役割を示すのである。剥離の際、再生したm層
内に残留する基材は生体内で分解吸収される。この意味
において、特に、上述したように多孔性層である内層が
ある程度の厚み(0,1〜10mm)を有していないと
、組織に密着した部分も剥がれてしまう。また、芯材3
を組み込む位置を制御することによって、治癒後の被覆
材の除去性を改善できる。
即ち、被覆材を創傷面に当てると滲出液や血液と一体化
したカサブタを形成するが、これにナイロンメツシュ3
も絡んでいれば、ナイロンメツシュ3を剥がすことによ
り全体を除去でき、そのためには、ナイロンメツシュを
組み込む位置を適度に制御する必要がある。
本例による創傷被覆材は生体に貼着して使用する際、生
体が動いたときにこの動きに対応して適度に屈曲する屈
曲性を有することが望ましい。即ち、屈曲性がないと、
生体から剥離し易いからである。そうした屈曲性を付与
すべく、上記の芯材3は適度な伸縮性を有する(伸縮自
在である)ことが望ましい、使用可能な芯材3としては
、天然繊維(タンパク繊維、セルロース繊維、鉱物繊維
等)、合成繊維(ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ボリア旦ド、シリコ
ーン、ポリエステル等)、金属繊維(ステンレス、銅等
)が挙げられる。その芯材の形態は、メツシュ状がよく
、例えばナイロンメツシュやシリコーンガーゼとして作
成可能である。
なお、本例による創傷被覆材の少なくとも一方の面(特
に創傷面側)には、生体親和性の良好な(若しくは創傷
治癒を促進する)物質を付着セしめておくのが望ましい
。このような物質層を積層して設けることによって、初
期生体密着を促進し、被覆材と創傷面との間に滲出液の
貯留を阻止して治療促進効果を奏することができる。積
層方法としては、予め上記物質の多孔性層を設け、この
上に前記の方法により被覆材を形成するか、或いは被覆
材の表面に上記物質の溶液を塗布し、凍結乾燥する。上
記物質としては、フィブリノーゲン、アルブミン、T−
グロブリン、フィブロネクチン等の血清タンパク、コラ
ーゲン(アテロコラーゲンを含む、)、ゼラチン、ムコ
多tUtが挙げられる。
このうち、フィブリノーゲンは血液凝固タンパクであり
、スロンビンの作用でフィブリンを形成する。フィブリ
ンは、線維芽細胞に対して極めて優れた接着性と増殖性
を示すので、被覆材の創傷面側にフィブリノーゲンを塗
布することにより、止血効果を示すと同時に、優れた生
体密着と創傷治療効果を示すことになる。また、コラー
ゲンは線維芽細胞に対して優れた接着性と増殖性とを示
す材料であるため、やはり生体密着と創傷治療効果を示
す。
以上に作製された各創傷被覆材について、以下に示す各
テストを行った。
(1)、引張り強さ ナイロンメツシュが伸びる方向での引張り強さを測定し
た結果、次の如くになった。
タイプ1 :0.69kg/cd タイプ2 : 1.02kg/C11 いずれも0.5 kg/cd以上の強さを示し、強度的
に十分であることが分かった。
t2)、水蒸気透過性 第9図に示すように、カップ52を用い、創傷被覆材4
1(水蒸気透過部は直径6cmの円形)を張り渡し、リ
ング状部50をパラフィン51で固めてシールし、40
℃、75%RHの雰囲気下で、創傷被覆材41を通して
移動する水分を透過水分として乾燥剤53の重量増加か
ら求めた。結果を第9図のグラフに示した。
この結果から、タイプ1.2のいずれも透湿性が高いこ
とが分かる。ここで、均一ゲル凍結乾燥品とあるのは、
上述した均一ゲルをそのまま凍結乾燥して得られた創傷
被覆材を示す。
(3)、血清透過性 第10図に示すように、馬血清60を容した輸液ビン6
1から馬血清6oを導く導管62の下端に、創傷被覆材
41を配したミリポアフィルタホルダー63を設け、高
さHを変えながら収容ビン64に滴下する血清の流量を
測定した。結果を第10図のグラフに示した。
この結果は、タイプ1.2の血清透過性は十分であるこ
とを示している。
(4)、血漿透過性 これも、第10図の装置を用いて、馬血清60の代わり
に馬血漿を収容し、同様にしてその流量を測定した。第
11図に結果を示した。
この結果も、タイプ2(タイプ1は実験せず)の血漿透
過性は良好であることを示している。
(5)、動物実験 体重約3kg0家兎を用いて、ベントパルビタールナト
リウム全身麻酔下に、背部を刷毛・消毒の後、電動式デ
ルマトームで深さ20/1000インチ、大きさ25 
X 50mの分層皮膚欠損側を作成した。創面を各創傷
被覆材で被覆し、その上に減菌ガーゼ及び減菌カット綿
をのせ、弾性包帯にて圧迫固定した。術後10日目に、
創部を肉眼的に観察の後、ヘマトキシリン−エオシン染
色により創の断面を組織学的に観察した。タイプ1、タ
イプ2各試料を使用した場合、肉眼的観察においていず
れも上皮化の完了を示し、また、組織学的観察において
は、創傷被覆材内への浸出液の浸透及び創面での良好な
肉芽形成・上皮化を示した。比較例としで、市販の創傷
被覆材であるBiobrane ’ (米国Wo o 
d r o o fLaboratories Inc
、製)及び0pSite @(英国Sm1thand 
Nephew Medical Li+5iLed  
製)を使用して同様にして実験を行った結果、肉眼的観
察においていずれもほとんど上皮化を示さず、また、組
織学的観察においては、いずれも創傷被覆材内への浸出
液の浸透がなく、創面の治癒もほとんどみられなかった
以上、本発明の実施例を述べたが、これらの実施例は本
発明の技術的思想に基づいて更に変形可能である。
例えば、本発明による創傷被覆材の製造条件は種々変更
してよく、これに対応して、膜構造又は組織は上述の膜
状物のサイズや分布、気孔のサイズや分布等により種々
変化させてよい。また、被覆材の材質、組成等も上述し
たものに限定されることはない。使用する溶媒(ベンゼ
ン等)の種類や使用量、ナイロンメツシュの配置も変化
させてよい。ナイロンメツシュは省略することができる
また、第12図に示すように、被覆材に形成する細孔1
0も、上述した例のような小さな丸孔(第12図(A)
)をはじめ、第12図(B)の如く表裏に貫通したスリ
ット状の切れ目10′、第12図(C)の如く表裏に貫
通した十字状の切れ目10′、第12図(D)の如く表
裏に貫通した0字状の切れ目10′、第12図(E)の
如き極小のピンホール状の貫通孔10′等、種々変化可
能である。第12図(日)以降のものは、切れ目又は孔
を形成するときに抜はカスが生じず、また第12図(C
)や(D)のものは十字又は0字の交差部分を指先でめ
くり上げると、被覆材の内側の創傷面の状態を目視で観
ることができる。
へ0発明の作用効果 本発明は上述したように、原料物質の均一な溶液を冷却
して分散ゲルとし、これを必要なときには加温した後に
凍結、乾燥しているので、得られた創傷被覆材は、分散
粒子に対応した微小な膜状物による三次元構造中に気孔
が内包されたものとなる。従って、この被覆材は、創傷
面からの滲出液や血液と材料との接触面積が大きく、凝
固及びカサブタ形戒を促進し、かつ機械的強度も大きく
なっている。また、材料表面に分散して存在する薬剤の
放出効率を上げることができ、かつ、水分及び水蒸気の
透過性を落とさずにバリア性を増大させ、カサブタが形
成された段階において被覆効果がより十分となる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第12図は本発明の実施例を示すものであって
、 第1図は型に注型する状態を示す断面図、第2図はタイ
プlの創傷被覆材の製造に用いる分散ゲルの凍結状況を
示す概略図、 第3図は同創傷被覆材の断面全体の膜構造の走査型電子
顕微鏡写真、 第4図は同創傷被覆材の断面斜視図、 第5A図はタイプ1の創傷被覆材の表面の一部分の膜構
造の走査型電子顕微鏡写真、 第5日図は同創傷被覆材の内部の同様の走査型電子顕微
鏡写真、 第5C図は同創傷被覆材の創傷面側の同様の走査型電子
顕微鏡写真、 第6図はタイプ2の創傷被覆材の製造に用いる分散ゲル
の状況を示す概略図、 第7図は同創傷被覆材の断面全体の膜構造の走査型電子
顕微鏡写真、 第8A図はタイプ2の創傷被覆材の表面の一部分の膜構
造の走査型電子顕微鏡写真、 第8B図は同創傷被覆材の内部の同様の走査型電子顕微
鏡写真、 第8C図は同創傷被覆材の創傷面側の同様の走査型電子
顕微鏡写真、 第9図は水蒸気透過性テストに用いるカップとそのテス
ト結果を示す断面図及びグラフ、第10図は血清透過性
テストに用いる装置とそのテスト結果を示す断面図及び
グラフ、第11図は血漿透過性テストの結果を示すグラ
フ、 第12図(A)、(B)、(C)、(D)、(E)は各
種の孔又は切れ目を有する創傷被覆材の一部分の各平面
図 である。 第13図は従来の創傷被覆材の断面図、第14図は同創
傷被覆材の網状構造単位の拡大斜視図である。 なお、図面に示す符号において、 1・・・・・・・・・膜状物 2・・・・・・・・・気孔 3・・・・・・・・・ナイロンメツシュ4・・・・・・
・・・分散粒 7・・・・・・・・・分散ゲル 8・・・・・・・・・型 10・・・・・・・・・細孔 30・・・・・・・・・内部(内N) 31・・・・・・・・・創傷面側 32・・・・・・・・・表面(表層) 33・・・・・・・・・ベンゼンの微結晶41・・・・
・・・・・創傷被覆材 42・・・・・・・・・棚板 である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.原料物質含有液を攪拌しながら加温して均一な溶液
    を作成する工程と、この均一な溶液を攬拌しながら冷却
    して原料物質含有ゲル粒子が分散した分散ゲルを作成す
    る工程と、この分散ゲルを凍結、乾燥する工程とを有す
    る創傷被覆材の製造方法。
  2. 2.原料物質含有液を攬拌しながら加温して均一な溶液
    を作成する工程と、この均一な溶液を攬拌しながら冷却
    して原料物質含有ゲル粒子が分散した分散ゲルを作成す
    る工程と、この分散ゲルを攬拌しながら加温する工程と
    、この加温されたゲルを放冷後に凍結、乾燥する工程と
    を有する創傷被覆材の製造方法。
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