JPH01170453A - 創傷被覆材の製造方法 - Google Patents

創傷被覆材の製造方法

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JPH01170453A
JPH01170453A JP62329077A JP32907787A JPH01170453A JP H01170453 A JPH01170453 A JP H01170453A JP 62329077 A JP62329077 A JP 62329077A JP 32907787 A JP32907787 A JP 32907787A JP H01170453 A JPH01170453 A JP H01170453A
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wound
gel
wound dressing
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JP62329077A
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Nobuyuki Shiotani
信幸 塩谷
Takamitsu Kuroyanagi
能光 黒柳
Toshitatsu Hirayama
平山 俊達
Ryuichiro Yoda
隆一郎 依田
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 イ、産業上の利用分野 本発明は創傷被覆材の製造方法に関し、例えば火傷、外
傷等の創傷の治療に好適な被覆材の製造方法に関するも
のである。
口、従来技術 従来、火傷、外傷或いは創傷等による広範囲の皮膚欠損
傷の治療に、種々の被覆材が開発されているが、これら
の被覆材を大別すると次の3つに分類される。
(1)、同種分層皮膚片、異種皮膚片、ヒト羊膜などの
組織片。
(2)、コラーゲン又はキチンの膜(不織布)、フィブ
リン膜などの再構成生体材料。
(3)、シリコーン膜とナイロン編物又はスパイラル状
のナイロン繊維との二層構造体に代表される合成高分子
材料。
しかしながら、上記のいずれも問題点がある。
即ち、(11の組織片は不感蒸泄の制御と体液の漏出の
防止については優れているが、免疫学的には拒進反応が
強く、短時間の被覆しかできない。また、(2)の再構
成生体材料としては安定供給可能なコラーゲンが主とし
て使用され、これは酵素処理により抗原性を低減できる
が、生体内での分解吸収が早いため長時間の被覆には適
さない。(3)の合成高分子材料は生体内では非分解吸
収性であるため、抗原性が低くて安定供給でき、滅菌も
可能であるが、生体との親和性が一般に低いという欠点
を有する。特に強いスパイラル状のナイロン繊維を用い
たものでは、創傷面に生成される新しい生体組織に繊維
の一部が埋まって、治癒後に創傷被覆材を創傷面から剥
すのが容易ではない。
そこで、この欠点を補うために構造上程々の工夫がなさ
れているが、現在多く使用されている形態としては、織
物やスポンジ構造体の片面に、細菌の浸入を阻止するた
めにシリコン膜を貼付したものである。この構造体は、
患部からの滲出液を吸収してフィブリンを形成すること
によって一次生体密着を生じ、これに続く線維芽細胞や
毛細血管の浸入によって二次生体密着が可能となり、被
覆材と創傷面との強固な密着が生ずる。しかし、シリコ
ン膜は膜下に体液中のタンパク質が堆積し、そのため既
に創傷面に存在する細菌の繁殖源となる危険性が大きく
、これが為に創傷の治療が却って防げられるという欠点
を有している。
こうした感染の対策としては現在、局所抗菌剤含有クリ
ーム又は軟膏を創傷面に塗る方法がとられているが、上
記のように外部からの細菌を遮断する各種の創傷被覆材
を使用した場合、上記の局所抗菌剤の使用は余り有効で
はなかった。
ハ0発明の目的 本発明者は、従来の皮膚欠損傷治療用被覆材について、
特に細菌による感染防止の点について種々検討した結果
、本発明に到達したものである。
本発明の目的は、創傷面の細菌による感染を防止し、体
液の漏出を防ぎ、早期治療をもたらすことのできる創傷
被覆材の製造方法を提供することにある。
二0発明の構成 本発明は、多孔性の創傷被覆材を製造するに際し、 (a)  型内に創傷被覆材材料の溶液を注入する工程
と、 (′b)  この創傷被覆材材料の溶液を冷却してゲル
化させ、片面のみに温風を当てて表面に薄膜を作成する
工程と、 (C1この創傷被覆材材料のゲルを前記型から離脱させ
る工程と、 (d)しかる後に、前記創傷被覆材材料のゲルを急冷し
、凍結乾燥させる工程と を有する、創傷被覆材の製造方法に係る。
ホ、実施例 以下、本発明の詳細な説明する。
第6図〜第8図は後述する方法で製造された創傷被覆材
を示し、第6図は拡大断面図、第7図は表側から見た拡
大斜視図、第8図は裏側(生体の創傷面に貼付する側)
から見た拡大斜視図である。
創傷被覆材11は、多孔質ポリ−α−アミノ酸からなる
フィルムであって、抗菌剤を含有し、厚さが約0.51
であり、内層18a上に厚さ0.5〜5μm、特に1〜
3μmの薄い表面層18bが形成されている。この材料
は組織親和性に優れたものである。表面層18b中の気
孔P2は、孔径が20μm以下(例えば数μm)であっ
て、内FJ18a中の気孔P1の孔径が20〜500μ
m(特に50〜200μm)であるのに対し、格段に微
細になっている。
内層18a中には略中夫にナイロンメノシェの芯材6が
埋設されていて、内層18aの裏面には円環状の凹部9
が所定のピンチで整然と設けられている。第6図は円環
状凹部Sの直径を含む面で切断して示しである。円環状
凹部9の径d、は2−Jβて゛あり、凹部9の間隔d、
も2flとしである。凹部9を避けた位置には、表面と
裏面との間を貫通する細孔10が穿設されていて、細孔
lOの径d4は数十〜数百μmであり、そのピッチd。
は4flとしである。
創傷被覆材11は次のようにして製造された。
第1図〜第6図は創傷被覆材製造の工程を示す断面図で
ある。
先ず、第1図に示すように、定板(第一の型)2上に間
隔をとって金属板(第二の型)5をビス4によって固定
し、金属板5上に枠(第三の型)3を載置する。これら
の型はビス4を介して作業台1上に載置される。枠3上
には厚さ10〜100 μmのナイロンメツジュロが金
属板5から少し離れて位置するように被せられる。その
メツシュ目の大きさ(第2図のaX)は1〜2fiであ
るのが望ましい。金属板5には、第2図に拡大図示する
ように、径d、が約2fiの貫通孔5aが設けられ、貫
通孔5aの形成時に「かえり」によって円環状の壁5b
が形成されている。
上記のような準備をしておいて、枠3内に抗菌剤として
のスルファジアジン銀を混合したポリ(L−ロイシン)
のベンゼン溶液(濃度0.25g /d l、温度70
℃)7を流し込む。溶液7は、第2図に拡大図示するよ
うに、ナイロンメツジュロのメツシュ目(円形の貫通孔
)6a、金属板5の貫通孔5aを矢印のように通って定
板2上に達し、枠内で所定厚さ(5〜20fi)で収容
される。次に、室温迄放冷し、この状態で約1分間経過
すると、溶液7はゲル化が進んで寒天状に固まる。
次に、第3図に示すように、熱風(100〜200℃)
14を吹付けると、寒天状の表面に薄い被膜8bが形成
されたゲル8となる。
次に、第4図に示すように、枠3を定板2から引剥すと
、ゲル8は金属板5を境にして枠内のゲル8aと金属板
5の下側のゲル8cとに分断される。ゲル8aは、固ま
っているので、枠から外れて落ちることはない。第4図
の拡大図である第5図に示すように、ゲル8は金属板5
の貫通孔sa内でゲル8aと80とに分断され、ゲル8
aには金属板5の円環状の壁5bによって円環状の凹部
9が形成される。
次に、ゲル8aを一20℃以下に急冷し、凍結真空乾燥
する。この乾燥によって溶媒のベンゼンが消失し、気孔
PiP2(第6図参照)が形成され、容易にスポンジ状
となる。前述したように、気孔P1は孔径が50〜20
0μmとなり、表面層18bは予め熱風で加熱されてい
るので、その中の気孔P2の孔径は数μmとなる。
次に、多数の針が整然と固定された針山(図示せず)に
よって表面側から細い貫通孔10を穿設し、枠から外す
と第6図の創傷被覆材11が完成する。
また、この被覆材をガス滅菌して遮光保存する。
以上の方法によるときは、次のような効果が奏せられる
(a)  ゲルの素材を金属板から剥しておいて凍結乾
燥するので、表裏両面共に露出していて、急冷が容易で
あり、乾燥も速く進行し、また再現性が良好で、得られ
る創傷被覆材の品質が安定して信頬性が高くなる。
由) 凹部9の寸法は、金属板5の貫通孔5aの形成条
件によって所望の寸法にできる。
(C)  定板及び金属板は、1枚の創傷被覆材を製造
する全工程に亘って使用に供されるのではなく、途中の
工程(第4図、第5図の工程)以降は不要になるので、
ゲル8cを除去して(除去しないでその個使用しても良
い。)次の創傷被覆材製造に使用でき、1個づつで連続
して次々に創傷被覆材製造に使用できて、設備費の点で
有利である。
+dl  裏面の円環状凹部は、金属板の貫通孔穿設時
に形成される「かえり」による壁によって形成されるの
で、この凹部形成のためのみの工程を必要としない。
(e)  ナイロンメソシュの芯材の存在により、得ら
れる創傷被覆材の機械的強度が高(、使用中破れる虞が
ない。
(f)  製造された創傷被覆材は、生体の創傷の手当
に頗る有効である。これについては後に詳述する。
ナイロンメソジュロは、円形の貫通孔6aを設けたもの
のほか、ナイロン繊維を縦糸と横糸とで編んでなるもの
、ナイロン繊維を45度づつ角度を変えて4方向にして
編んでなるもの、その他適宜の構造のもので良い。また
、金属板の貫通孔は、打抜きによって形成する場合は、
円形以外の適宜の形状であって良(、「かえり」によっ
て形成される壁は貫通の形状に合った形状となる。創傷
被覆材の厚さも、上記の例よりも厚くて良り、10m1
以下とすることができる。
次に、上記のようにして製造された創傷被覆材の使用例
を説明する。
第S図は生体の創傷面に創傷被覆材を貼付けた状態の拡
大断面図である。
生体12の創傷面12aから排出される体液13は、多
数の気孔P1を通って創傷被覆材2の内層18に滲み込
むと共に、毛細管現象によって細孔lOを通って表面層
18bへ矢印のように滲み込んでいく、また、円環状凹
部Sには体液13が貯留し、この体液は、矢印のように
細孔10に導かれ、表面層18bに向かう。
このように、体w1.13は創傷被覆材ll中に順調に
吸収され、生体12と創傷被覆材11との境界に体液1
3が滞留することがなく、体液の滞留による細菌繁殖の
危険を防ぎ、創傷の治癒が速くなる。
表面層18b中の気孔P2は、前述したように微細であ
り、外部から菌が侵入するのを防いでいる。
本例によれば、創傷被覆材中の抗菌剤は創傷面における
細菌を死滅させ、これ以後は、外部からの細菌の侵入に
よる感染を阻止することができるが、このためには一定
速度で微量の抗菌剤が放出されること(徐放)が望まし
い。一般に、薬剤と高分子材料とからなる複合体の場合
には、高分子材料が親水性であると、基材が膨潤するこ
とにより薬剤が容易に放出されるので、長時間にわたっ
て薬剤の徐放が望めない、また、高分子材料が疎水性で
あっても、複合体がフィルム状であると、フィルム表面
に存在する薬剤の結晶領域から容易に薬剤が放出され、
生じた空孔によってフィルム内部の薬剤も容易に放出さ
れるため、放出速度はコントロールすることが難しい。
そこで、本例において、上記の多孔性層(内層18a、
表面層1日b)の基材を特に疎水性ポリ−α−アミノ酸
で構成すると、層内での液体の循環が著しく制限され、
長期にわたっての薬剤の放出が可能となるのである。
例えば、本例による創傷被覆材からの薬剤の放出につい
て、薬剤としてスルファジアジン銀を使用し、生理食塩
水中で調べた結果、約1ケ月にわたってほぼ一定速度で
放出されることが見出された。
本例による創傷被覆材は、上記効果を実現する上で、上
記多孔性層を独特に構成していることに注目すべきであ
る。即ち、多孔性層を創傷面側の内層18aと表面層1
8bとで構成し、これら開領域の孔径、厚さ、及び抗菌
剤量を特定の範囲に設定している。
内層18aは、創傷面からの滲出液(体液)の吸収及び
組織の侵入にとって極めて重要な役割を有している。こ
の領域に存在する気孔P1の孔径が20μm未満である
と小さすぎて生体m織の浸入や滲出液の吸収が不良とな
り、また孔径が500μmを超えると大きすぎて創傷面
に対する層の接着性が悪化し、このために滲出液の滞留
を生じてしまう。従って、内層18a中の気孔P1の孔
径は20μm〜500μmとすべきであり、また50μ
m〜200 μmとするのが望ましい。また、内層の厚
さは0.5 m〜10m (望ましくは1 u+〜3 
m)とすべきであるが、これは、厚さが0.5 tx未
満では薄すぎて生体組織の侵入及び滲出液の吸収等が不
良となり、また厚さが1011を超えると厚すぎて却っ
て取板い(作業性)や成形性等の面で不利となるからで
ある。
また、表面層18bは外部からの細菌の侵入を防止する
ためのものであって、気孔P2の孔径が20μm以下で
は細菌侵入防止効果が良好であるが、20μmを超える
と細菌が透過して生体側へ侵入してしまう。但し、その
孔径は、酸素及び水蒸気を透過させて不感蒸泄をコント
ロールする必要性から、下限を1μm程度としておくこ
とが好ましい。
表面層18bの厚さについても、細菌の侵入防止の点で
0.5μm以上とすべきであるが、あまり厚いと上記し
たと同様の理由で不適当であるため、5μm以下とすべ
きである。この厚さは更に、1μm〜3μmとするのが
よい。
なお、上記多孔性層の特に内層18aの領域においては
、空孔(小孔)は連続気泡であって、その空孔の形状は
創傷面側より膜の表面側に移行するにしたがって径が減
少するように調整し、表面層は均一膜構造を呈すること
が好ましい。このような形状にすることによって創傷面
からの滲出液の吸収とm織の侵入を十分に可能にし、か
つ外部からの細菌の侵入を十分に遮断することができる
また、本例では多孔性層中に抗菌剤を含有せしめて徐放
作用をなさしめているが、このためには、抗菌剤含有量
は(基材ポリマー100部に対して)0〜100部、即
ち0〜50重量%とすべきである。
この含有量が50重量%を越えると被覆材の柔軟性が悪
くなるので、50重量%以下とすべきであるが、更に3
0〜50重量%とするのがよい。
本例で使用する組織親和性の優れたポリ−α−アミノ酸
には、ポリ (γ−ベンジルーし一グルタメート) (
PBLG) 、ポリ (L−ロイシン)、ポリ (N!
−カルボベンゾキシ−し−リジン)、及びこれらのアミ
ノ酸の組合せ等がある。これらのポリ−α−アミノ酸は
疎水性である上に、ポリマー化が容易であり、凍結真空
乾燥のできるベンゼン又はジオキサンに溶解するため、
特に加工性に優れた膜材料である。
また、本例で使用可能な局所抗菌剤としては、スルファ
ジアジン恨、スルファジアジン亜鉛、スルファジアジン
セリウム、硝酸銀、ゲンタマイシン等がある。そして、
本発明では上記の組織親和性の優れた多孔性膜材料に抗
菌剤を添加し、この混和物より被覆材を作成するのであ
る。
創傷被覆材を製造するには、ポリ−α−アミノ酸等の膜
材料溶液に所定量の抗菌剤を添加した溶液を、予めシリ
コンガーゼ又はナイロンメツシュ等の芯材を載置した容
器に注入し、しかる後に急冷し、これを凍結真空乾燥に
よりシート状多孔性層を形成することができる。
なお、上記の抗菌剤と併用して、血管収縮剤(止血用)
や鎮痛剤等の他の薬剤を多孔性層に含有させることもで
きる。
本例による創傷被覆材において、多孔性層中に埋設(即
ち、中間に介在)させた芯材は該被覆材に機械的強度を
付与すると共に、例えば深在性■度熱傷と■度熱傷の治
療の一定期間創面を被覆保護したのち、多孔性層を剥離
する役割を示すのである。剥離の際、再生した組織内に
残留する基材は生体内で分解吸収される。この意味にお
いて、特に、上述したように多孔性層である内層がある
程度の厚み(0,5〜10R)を有していないと、組織
に密着した部分も剥がれてしまう。
本例による創傷被覆材は生体に貼着して使用する際、生
体が動いたときにこの動きに対応して適度に屈曲する屈
曲性を有することが望ましい。即ち、屈曲性がないと、
生体から刊離し易いからである。そうした屈曲性を付与
すべく、上記の芯材は適度な伸縮性を有する(伸縮自在
である)ことが望ましい。使用可能な芯材としては、天
然繊維(タンパク繊維、セルロース繊維、鉱物繊維等)
、合成繊維(ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、シリコン、
ポリエステル等)、金属繊維(ステンレス、銅等)が挙
げられる。その芯材の形態は、メツシュ状がよく、例え
ばナイロンメンシュやシリコンガーゼとして作成可能で
ある。
なお、本例による創傷被覆材の少なくとも一方の面(特
に創傷面側)には、生体親和性の良好な(若しくは創傷
治癒を促進する)物質を付着せしめておくのが望ましい
。このような物質層を積層して設けることによって、初
期生体密着を促進し、被覆材と創傷面との間に滲出液の
貯留を阻止して治療促進効果を奏することができる。積
層方法としては、予め上記物質の多孔性層を設け、この
上に前記の方法により被覆材を形成するか、或いは被覆
材の表面に上記物質の溶液を塗布し、凍結乾燥する。上
記物質としては、フィブリノーゲン、アルブミン、γ−
グロブリン、フィブロネクチン等の血清タンパク、コラ
ーゲン(アテロコラーゲン含む。)、ゼラチン、ムコ多
糖類が挙げられる。
このうち、フィブリノーゲンは血液凝固タンパクであり
、スロンビンの作用でフィブリンを形成する。フィブリ
ンは、線維芽細胞に対して極めて優れた接着性と増殖性
を示すので、被覆材の創傷面側にフィブリノーゲンを塗
布することにより、止血効果を示すと同時に、優れた生
体密着と創傷治療効果を示すことになる。また、コラー
ゲンは線維芽細胞に対して優れた接着性と増殖性とを示
す材料であるため、やはり生体密着と創傷治療効果を示
す。
上記生体親和性の良好な若しくは創傷治癒を促進する物
質を付着する場合は、被覆材をエタノールに浸漬した後
、滅菌蒸留水を洗浄し、含水した被覆材の層の表面にヒ
トフィブリノーゲン水溶液(濃度1g/d1)を塗布し
、−20℃で急冷し、凍結乾燥させ、無菌室で数時間、
紫外線照射し、5℃で遮光保存するのがよい。
次に、上記に得られた創傷被覆材としての実際の評価は
、6−8週齢のラットを用いて行った。
即ち、ラット背部の片側に皮膚全層欠損傷(3(JX2
.5cm)を外科的に作成し、これに創傷被覆材を縫合
し、周辺にゲンタシン軟膏を塗布し、さらにテレファバ
ソトを縫合し、エラスチックバンドで包帯した。ラット
背部皮膚全層欠損傷に被覆材をあて、1分間程度軽く圧
迫しただけで、適度な強さで接着し、縫合時に被覆材が
移動することもなかった。下層部に存在するフィブリノ
ーゲンが創傷面においてフィブリンに変化し、接着剤と
して作用したと考えられる。また、創傷面におけるオー
リング(oozing)程度の出血に対しては十分な止
血効果が得られた。この様な初期の接着と止血は被覆材
下の血しゅ防止にも有効と考えられる。
2週及び4週後のMi織学的所見から、良好な生体密着
が得られていた。毛細血管に冨む新生組織が下層部に観
察された。
へ、発明の詳細 な説明したように、本発明は、型内で創傷被覆材材料溶
液がゲル化してなる素材を、型から離脱しておいて急冷
し、凍結乾燥するので、凍結乾燥に当って既に型から離
脱しており、従って、急冷が容易であり、乾燥も速く、
再現性が良好で信頼性が高い。また、上記の型は、上記
離脱工程以降は不要になるので、次の創傷被覆材製造に
使用でき、製造する創傷被覆材の数だけ必要ではなく、
用意すべき上記型の数が少なくて済み、設備費が低度で
済む。
また、本発明の方法によって製造された創傷被覆材は、
凍結乾燥によって多孔質となっているので、使用に当っ
て生体の創傷面から排出する体液が吸収され、創傷の治
癒が速い。
【図面の簡単な説明】
図面はいずれも本発明の実施例を示すものであって、 第1図は型内に創傷被覆材材料の溶液を注入している状
態を示す拡大断面図、 第2図は第1図の拡大部分断面図、 第3図は熱風を吹付けて創傷被覆材材料の表面に薄膜を
形成している状態を示す拡大断面図、第4図はゲル化し
た創傷被覆材材料を金属板(第二の型)から離脱させる
状態を示す拡大断面図、 第5図は第4図の拡大部分断面図、 第6図は創傷被覆材の拡大部分断面図、第7図は創傷被
覆材の表側から見た拡大部分斜視図、 第8図は創傷被覆材の裏側から見た拡大部分斜視図、 第S図は創傷被覆材の使用時の拡大部分断面図である。 なお、図面に示された符号に於いて、 2−−m−・−・一定板(第一の型) 3−−− − 枠(第三の型) 5−−−−−−−−−一金属板(第二の型)5 a  
−−−一貫通孔 5b−・−壁 6 −−−−− ナイロンメソジュ ロa−−−−−−−・メソシュ目 7−−−−〜−〜−−−創傷被覆材材料の溶液8−−−
−−−−〜創傷被覆材材料のゲル13 a−−−−−−
ゲルの内層 8b−〜−−−−−−・−ゲルの表面層9cm・−−−
−−−−ゲルの分離層 9−−−−−一一一−−円環状凹部 10−−−−一細孔 11−−−−−−−一 創傷被覆材 12−−−m−−生体 12a−−〜〜生体の創傷面 13−−一 体液 14−・−−−−−−一熱風 t 8 a−−−−−−−一創傷被覆材の内層18 b
 −−−−−−−一創傷被覆材の表面層Pl、P2−−
一・−・−気孔 である。 代理人  弁理士  逢 坂   宏 \ ト 塁昼\ぐ」

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1. 多孔性の創傷被覆材を製造するに際し、 (a) 型内に創傷被覆材材料の溶液を注入する工程と
    、 (b) この創傷被覆材材料の溶液を冷却してゲル化さ
    せ、片面のみに温風を当てて表面に薄膜を作成する工程
    と、 (c) この創傷被覆材材料のゲルを前記型から離脱さ
    せる工程と、 (d) しかる後に、前記創傷被覆材材料のゲルを急冷
    し、凍結乾燥させる工程と を有する、創傷被覆材の製造方法。
JP62329077A 1987-12-25 1987-12-25 創傷被覆材の製造方法 Pending JPH01170453A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012529921A (ja) * 2009-06-15 2012-11-29 メンリッケ・ヘルス・ケア・アーベー 圧縮された連続気泡発泡体材料からなる本体を備える創傷パッド
JP2020065849A (ja) * 2018-10-26 2020-04-30 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 ハイドロゲル膜及びその使用

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