JPH0341954A - 創傷被覆材の製造方法 - Google Patents

創傷被覆材の製造方法

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JPH0341954A
JPH0341954A JP17883589A JP17883589A JPH0341954A JP H0341954 A JPH0341954 A JP H0341954A JP 17883589 A JP17883589 A JP 17883589A JP 17883589 A JP17883589 A JP 17883589A JP H0341954 A JPH0341954 A JP H0341954A
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wound
gel
benzene
wound dressing
soln
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JP17883589A
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Inventor
Shigeru Komatsuzaki
小松崎 茂
Toshitatsu Hirayama
平山 俊達
Tetsuo Toyokawa
哲生 豊川
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 イ、産業上の利用分野 本発明は創傷被覆材の製造方法に関し、例えば火傷、外
傷等の創傷の治療に好適な被覆材の製造方法に関するも
のである。
口、従来技術 従来、火傷、外傷或いは創傷等による広範囲の皮膚欠損
傷の治療に、種々の被覆材が開発されている。
こうした創傷被覆材については構造上の種々の工夫がな
されているが、現在多く使用されている形態としては、
織物やスポンジ構造体の片面に細菌の浸入を阻止するた
めにシリコーン膜を貼付したものである。この構造体は
、患部からの滲出液を吸収してフィブリンを形成するこ
とによって一次生体密着を生じ、これに続く線維芽細胞
や毛細血管の浸入によって二次生体密着が可能となり、
被覆材と創傷面との強固な密着が生じる。しかし、シリ
コーン膜は膜下に体液中のタンパク質が堆積するので、
既に創傷面に存在する細菌の繁殖源となる危険性が大き
く、このために創傷の治療が却って妨げられるという欠
点を有している。
また、上記の如きスポンジ構造体においては、上記した
滲出液及び血液との接触性や、薬剤の放出効率、患部の
被覆性等の要求性能についてこれ迄あまり検討されては
いない。例えば、米国特許第3113568号公報に示
された構造体は、第10図及び第11図に示すように、
バッド11の下側に設けられた網状構造の発泡フオーム
からなるバリア20として形成されている。このバリア
20を構成する単位セル21は、脚状のリンク23によ
って立体的に連結されて気孔となる各フェース22が形
成された多面体状の構造を呈している。
従って、このような構造体は単なる網状物であるから、
その構造上、上記した各要求性能を十分に満たすものと
はならない。即ち、綱状物が単に脚上のリンク23で連
結されているにすぎないので、滲出液や血液と接触する
接触面積が不十分であり、綿状物の機械的強度が小さく
、網状物から分散する薬剤(これは予め構造体中に内包
される。)の放出効率が小さく、かつ細菌に対するバリ
ア性もなお改善の余地が残されている。こうした問題は
、他の公知のスポンジ構造体全般に存在するものである
ハ8発明の目的 本発明者は、従来の皮膚欠損傷治療用被覆材等の創傷被
覆材について種々検討を重ねたところ、スポンジ構造体
等の多孔質構造を具体的に改変できる方法を見出し、本
発明に到達した。
本発明の目的は、滲出液や血液と材料との接触面積を増
し、凝固及びカサブタ形成を促進し、機械的強度も大き
くし、材料表面に分散して存在する薬剤の放出効率を上
げ、水分及び水蒸気の透過性を落とさずにバリア性を増
大させ、カサブタが形成された段階においてより有効な
被覆効果を得ることのできる創傷被覆材の製造方法を提
供することにある。
二0発明の構成 即ち、本発明は、原料物質含有液を攪拌しながら加温し
て均一な溶液を作成する工程と、この均一な溶液を攪拌
しながら冷却して原料物質含有粒子が分散した分散ゲル
を作成する工程と、この分散ゲルの凍結状態を制御する
凍結状態制御剤の存在下で前記分散ゲルを凍結、乾燥す
る工程とを有する創傷被覆材の製造方法に係るものであ
る。
ホ、実施例 以下、本発明の詳細な説明する。
本実施例による創傷被覆材の製造方法を説明する。以下
の製造方法は、凍結状態制御剤としてのシクロヘキサン
の添加時期によって次の2通りの方法がある。
(a)、溶解時添加 まず、第1図に示すように、型8として例えば52cm
 X 14cmの寸法のものを使用し、この中に例えば
1 cnl当たり重ff10.26gのナイロンメツシ
ュ3を底面から例えば5 mmの高さに張り渡す。そし
て、型8内に注入する分散ゲル7(ポリアミノ酸分散ゲ
ル)を調製するのに、例えばポリ(L−ロイシン)′a
度が0.11w/v%の場合、次の組成物を調製する。
なお、ポリ (L−ロイシン)e1度は通常0.01〜
1w/v%の範囲で調製される。
ヘンゼン         1ON (1バツチ) ポリ (L−ロイシン)11g スルファジアジン銀    4g この組成物に、シクロヘキサンをベンゼンに対して0.
5〜10%、例えば1%の割合で添加した後、攪拌しな
がら、ベンゼンをとばさないで溶液が組織変化しない温
度である55″C以上、特に70〜75°Cで約1時間
、均一な溶液になるまで攪拌する。しかる後、攪拌しな
から55°C〜はぼ室温まで冷却し、分散ゲルを調製す
る。なお、上記均一溶液をそのまま室温に冷却して均一
ゲルとした後、均一ゲルをすりつぶすか或いは均一ゲル
をふるいに通す等の操作をすることによって、分散ゲル
を調製することもできるが、製造時の操作性を考慮する
と、均一溶液を上記したように攪拌しながら冷却して調
製するのが効率的である。得られた分散ゲルは、ゲル化
した分散粒が分散液(これは非常に少量)中に分散した
ものからなっている。この分散ゲルは、ポリ(L−ロイ
シン)、ベンゼン、シクロヘキサン及びスルファジアジ
ン銀を含有する粒径1゜〜1000μmの分散粒が分散
したものである。なお、使用できる溶媒はベンゼンがよ
いが、他のポリロイシンの溶媒を使用することもできる
次に、上記分散ゲルを第1図に示したようにして型8内
に室温のまま注型し、更にそのまま凍結、乾燥させる。
凍結温度は0〜−40″C(例えば−1゜”C)とし、
その後の乾燥は減圧下でベンゼンを蒸発させなから0〜
80’C1例えば10″C(棚板42の温度)で行う。
この凍結時の状態は、第2図に概略図示したように、棚
板42(創傷面)側から凍結が進行し、分散粒4間のフ
リーのベンゼン33が早く結晶化し、下方から上方へと
徐々に結晶化が生じ、この過程で、第3図(創傷被覆材
の断面全体の膜構造の走査型電子顕微鏡写真)に示すよ
うに、創傷面側31では繊維状構造、内部(内層)30
では網状構造が住成されるものと考えられる(32は表
面である)。そして、上記の分散粒4は既述した膜状物
1となる°部分であり、ベンゼンの蒸発した部分に多数
の気孔が形成される。
こうして得られたナイロンメツシュ内蔵の多孔性フィル
ムに第4図のようにl mmφ又は2鵬φの細孔10を
10mm間隔で千鳥足状に形威し、創傷被覆材41を作
製した。
(b)0分散後添加 上記した(a)において、シクロヘキサンを添加しない
で均一な溶液を同様に調製し、これを同様に%、例えば
1%の割合で添加し、この分散ゲルを上記と同様に室温
で注型し、凍結乾燥後、細孔を形成して創傷被覆材41
を作製した。
第5図は、上記に得られた創傷被覆材の構造を更に詳細
に示すものである。但し、第3図に示した創傷被覆材の
表面とは最外面より厚さ10〜200μmの領域(表層
)、創傷面側とは表面と反対側の最外面より厚さ10〜
200amの領域、内部とは表面、創傷面側以外の領域
(内層)を意味する。
なお、第3図の創傷被覆材の断面においては、ナイロン
メツシュ3が埋め込まれていて、これを境にして組織の
状態が変化している状況が示されている。
第5A図は創傷被覆材についてその表面の一部分の膜構
造の走査型電子顕微鏡写真、第5B図はその内部の同様
の走査型電子顕微鏡写真、第5C図はその創傷面側の同
様の走査型電子顕微鏡写真を夫々示す。これらの写真か
ら、本例の創傷被覆材は、微小な膜状物(又は膜片)1
が三次元的に複雑に連結されることによって気孔2を内
包する如くに構成された独得の多孔質構造からなってい
ることが分かる。これは、第11図に示したような脚状
のリンクで構成された多孔質構造とは根本的に異なって
いる。即ち、膜状物1は分散ゲル中の分散粒に対応して
生成されるものであって、その幅が比較的広く、気孔2
間を隔絶することなしに連続的に(連続気孔として)つ
なげており、かつ気孔2自体もサイズが大きくて個数も
多い。こうした気孔は特に創傷被覆材の内部で多く見ら
れるが、創傷面側も気孔が多数見られる。
上記(a)、(b)の方法で得られる創傷被覆材はいず
れも、シクロヘキサンを存在せしめた(又は添加した)
状態で凍結乾燥している(但し、シクロヘキサンは乾燥
時に蒸発して膜中には残らない。)ので、シクロヘキサ
ンによってゲルが全体として凍結し難くなり、過冷却状
態となる。このため、凍結のプロセスが、シクロヘキサ
ン無添加の場合に比べて異なったものとなり、これに基
づいて第3図、第5図に示した独得の構造を生成するも
のと考えられる。
このようにシクロヘキサンが凍結プロセスを制御するも
のと推定されるが、シクロヘキサン以外にも同様の効果
を奏する添加物質としては、ベンゼンと混和しかつベン
ゼンとは融点及び沸点があまり大きく異ならないもので
あれば使用可能であり、例えばジオキサン、シクロオク
タン等が挙げられる。添加量はベンゼンに対し0.5〜
10%が適当であり、例えば1〜2%とするのがよいが
、あまり少ないと添加効果がなく、またあまり多いと得
られる膜構造が不良となってしまう。
本例の創傷被覆材の構造によれば、次の(])〜(3)
に示す如〈従来にはない顕著な作用効果を得ることがで
きる。
(1)、多くの気孔2(これは各部においてほぼ−様な
孔径を有している。)が膜状物1による三次元構造中に
内包されているので、創傷面からの滲出液や血液と材料
との接触面積が増大し、凝固及びカサブタ形成を促進す
ることができ、かつ機械的強度も大きくできる。
(2)、これに加えて、材料表面に分散して存在する薬
剤(これは上述のように予め材料中に含有させておくこ
とができる。)の放出効率を上げることができる。
(3)、また、水分及び水蒸気の透過性を落とさずにバ
リア性を増大させ、カサブタが形成された段階において
より有効な被覆効果を得ることができる。
第3図においては、ナイロンメツシュ3として繊維太さ
1〜50デニール、度目数1〜100本/インチであり
、例えば太さ15デニール、度目数40本/インチのも
のを埋め込み、このメツシュに組織を絡ませることによ
って被覆材の強度を向上させている。そして、メツシュ
3を境にして、表面側30では気孔2が大きく、創傷面
側31では気孔2が小さくて膜Mi織が比較的密になっ
ていることが分かる。即ち、第1図のように、メツシュ
3をセットした棚板42上の型8内に分散ゲル7を注い
粒子はメツシュ3から創傷面側に通過するが、粗い粒子
は通過せずにメツシュ3よりも表面側に残される傾向が
ある。この結果、上記したようにメツシュ3を境にして
その両側の組織が変化することになる。メツシュ3より
も創傷面側は気孔2は小さいが個数が多くなるので、透
水性及び強度、薬剤の放出性のいずれもが良好であり、
かつ、メツシュ3よりも表面側は気孔2が大であるため
に透水性が一層良好となり、強度も膜状物1が幅広であ
ってメツシュ3による補強作用が加わるために十分にな
っており、また柔軟性又はクツション性も良好である。
また、表面32の組織は外部からの細菌の侵入を防止す
る効果が良くなっている。
表面32が比較的緻密な組織となるときには、効果が一
層向上する。この場合、第2図に概略的に示すように、
凍結時には棚板42の側から表面に向かって徐々に温度
が上昇する温度勾配が形成され、分散粒4間で溶媒(ベ
ンゼン等)の微結晶33が創傷面側から生成されるため
、表面にポリアミノ酸が押しやられて密度が高くなるも
のと推定される。
上述した創傷被覆材41は、全体が組織親和性に優れる
多孔質ポリ−α−アミノ酸からなるフィルム状体であっ
て、抗菌剤としての例えばスルファジアジン銀を含有し
、厚さが0.1〜10訪、例えば1mmであってよく、
表面には厚さ0.5〜5μm、特に1〜3μmの薄い表
面層32が形成されている0表面層32中の気孔2の孔
径は20μm以下、内部30中の気孔2の孔径は20〜
500tImとしてよい。内部30中には例えばナイロ
ンメツシュ3からなる芯材が埋設されていて、創傷被覆
材41の機械的強度を高め、使用中に破れたりすること
がないようにしている。また、この創傷被覆材41には
、表面と裏面との間を貫通する細孔10が多数設けられ
ている。この細孔10の径は数十〜数千μmであり、そ
のピッチdは10IIII11としてよい。
従って、生体40の創傷面から排出される体液は、多数
の気孔2を通って創傷被覆材41の31から内部30に
滲み込むと共に、毛細管現象によって細孔10を通って
表面層32へ滲出する。このように、体液は創傷被覆材
41中に順調に吸収され、生体40の創傷面と創傷被覆
材41との境界に体液が滞留することがなく、体液の滞
留による細菌繁殖の危険を防ぎ、創傷の治癒が速くなる
そして、表面1132中の気孔は、前述したように微細
であり、外部から菌が侵入するのを防いでいる。
創傷被覆材41中の抗菌剤は創傷面における細菌を死滅
させ、これ以後は、外部からの細菌の侵入による感染を
阻止することができるが、このためには一定速度で微量
の抗菌剤が放出されること(徐放)が望ましい。そこで
、本例において、上記の多孔性層の基材を特に疎水性ポ
リ−α−アミノ酸で構成することによって、層内での液
体の循環を著しく制限し、長期にわたっての薬剤の放出
を可能としている。
また、本例では、多孔性層中に抗菌剤を含有せしめて徐
放作用を発揮させることができるが、このためには、抗
菌剤含有量は(基材ポリマー100部に対して)0〜1
00重量部、即ち0〜50重量%とするのがよい。
本例で使用する組織親和性の優れたポリ−α−アミノ酸
には、ポリ(T−ベンジル−L−グルタメート)(PB
LG)、ポリ (L−ロイシン)、ポリ(Nε−カルボ
ベンゾキシ−L−リジン)、及びこれらのアミノ酸の組
合せ等がある。これらのポリ−α−アミノ酸は疎水性で
ある上に、ポリマー化が容易であり、凍結真空乾燥ので
きるベンゼン又はジオキサンに溶解するため、特に加工
性に優れた膜材料である。
また、本例で′使用可能な局所抗菌剤としては、スルフ
ァジアジン銀、スルファジアジン亜鉛、スルファジアジ
ンセリウム、硝酸銀、ゲンタマイシン等がある。そして
、上記の組織親和性の優れた多孔性膜材料に抗菌剤を添
加し、この混和物より被覆材を作成することができる。
なお、上記の抗菌剤と併用して、血管収縮剤(止血用)
や鎮痛剤等の他の薬剤を多孔性層に含有させることもで
きる。
本例による創傷被覆材において、多孔性層中に埋設(即
ち、中間に介在)させた芯材3は該被覆材に機械的強度
を付与すると共に、例えば深在性■度熱傷と■度熱傷の
治療の一定期間創傷面を被覆保護したのち、多孔性層を
剥離する役割を示すのである。剥離の際、再生した組織
内に残留する基材は生体内で分解吸収される。この意味
において、特に、上述したように多孔性層である内層が
ある程度の厚み(0,1〜10mm)を有していないと
、組織に密着した部分も剥がれてしまう。また、芯材3
を組み込む位置を制御することによって、治癒後の被覆
材の除去性を改善できる。
即ち、被覆材を創傷面番こ当てると滲出液や血液と一体
化したカサブタを形成するが、これにナイロンメツシュ
3も絡んでいれば、ナイロンメツシュ3を剥がすことに
より全体を除去でき、そのためには、ナイロンメツシュ
を組み込む位置を適度に制御する必要がある。
本例による創傷被覆材は生体に貼着して使用する際、生
体が動いたときにこの動きに対応して適度に屈曲する屈
曲性を有することが望ましい。即ち、屈曲性がないと、
生体から剥離し易いからである。そうした屈曲性を付与
すべく、上記の芯材3は適度な伸縮性を有する(伸縮自
在である)ことが望ましい。使用可能な芯材3としては
、天然繊維(タンパク繊維、セルロース繊維、鉱物繊維
等)、合成繊維(ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、シリコ
ーン、ポリエステル等)、金属繊維(ステンレス、銅等
)が挙げられる。その芯材の形態は、メツシュ状がよく
、例えばナイロンメツシュやシリコーンガーゼとして作
成可能である。
なお、本例による創傷被覆材の少なくとも一方の面(特
に創傷面側ンには、生体親和性の良好な(若しくは創傷
治癒を促進する)物質を付着せしめておくのが望ましい
。このような物質層を積層して設けることによって、初
期生体密着を促進し、被覆材と創傷面との間に゛滲出液
の貯留を阻止して治療促進効果を奏することができる。
積層方法としては、予め上記物質の多孔性層を設け、こ
の上に前記の方法により被覆材を形成するか、或いは被
覆材の表面に上記物質の溶液を塗布し、凍結乾燥する。
上記物質としては、フィブリノーゲン、アルブミン、T
−グロブリン、フィブロネクチン等の血清タンパク、コ
ラーゲン(アテロコラーゲンを含む。)、ゼラチン、ム
コ多糖類が挙げられる。
このうち、フィブリノーゲンは血液凝固タンパクであり
、スロンビンの作用でフィブリンを形成する。フィブリ
ンは、線維芽細胞に対して極めて優れた接着性と増殖性
を示すので、被覆材の創傷面側にフィブリノーゲンを塗
布することにより、止血効果を示すと同時に、優れた生
体密着と創傷治療効果を示すことになる。また、コラー
ゲンは線維芽細胞に対して優れた接着性と増殖性とを示
す材料であるため、やはり生体密着と創傷治療効果を示
す。
以上に作製された創傷被覆材について、以下に示す各テ
ストを行った。
(1)、水蒸気透過性 第6図に示すように、創傷被覆材41 (水蒸気透過部
は直径5cmの円形)を張り渡し、リング状部50をパ
ラフィン51で固めてシールし、40″C575%RH
の雰囲気下で、創傷被覆材41を通して移動する水分を
透過水分として乾燥剤53の重量増加から求めた。結果
を第6図のグラフに示した。
この結果から、本発明による創傷被覆材は透湿性が高い
ことが分かる。ここで、均一ゲル凍結乾燥品とあるのは
、上述した均一ゲル(シクロヘキサン無添加)をそのま
ま凍結乾燥して得られた創傷被覆材を示す。
(2)、血清透過性 第7図に示すように、馬血清60を容した輸液ビン61
から馬血清60を導く導管62の下端に、創傷被覆材4
1を配したミリポアフィルタ63を設け、高さHを変え
ながら収容ビン64に滴下す−る血清の流量を測定した
。結果を第7図のグラフに示した。
この結果は、本発明による創傷被覆材の血清透過性は十
分であることを示している。
(3)、血漿透過性 これも、第7図の装置を用いて、馬血清600代わりに
馬血漿を収容し、同様にしてその流量を測定した。第8
図に結果を示した。
この結果も、本発明による創傷被覆材の血漿透過性は良
好であることを示している。
(4)、動物実験 体重的3 kgの家兎を用いて、ベントパルビタールナ
トリウム全身麻酔下に、背部を制電・消毒の後、電動式
デルマトームで深さ20/1000インチ、大きさ25
 X 50mmの分層皮膚欠損側を作成した。創面を本
発明による創傷被覆材で被覆し、その上に滅菌ガーゼ及
び滅菌カント綿をのせ、弾性包帯にて圧迫固定した。術
後10日0に、創部を肉眼的に観察の後、ヘマトキシリ
ン−エオシン染色により創の断面を組織学的に観察した
。その結果、肉眼的観察において、いずれも上皮化の完
了を示し、また、組織学的観察においては、創傷被覆材
内への浸出液の浸透及び創面での良好な肉芽形成・上皮
化を示した。比較例として、市販の創傷被覆材であるB
iobrane @(米国Woodroof Labo
ratoriesInc、製)及び0pSite @(
英国Sm1th and NephewMedical
 Lim1ted  製)を使用して同様ニシテ実験を
行った結果、肉眼的観察においていずれもほとんど上皮
化を示さず、また、組織学的観察においては、いずれも
創傷被覆材内への浸出液の浸透がなく、創面の治癒もほ
とんどみられなかった。
以上、本発明の実施例を述べたが、これらの実施例は本
発明の技術的思想に基づいて更に変形可能である。
例えば、本発明による創傷被覆材の製造条件は種々変更
してよく、これに対応して、膜構造又は組織は上述の膜
状物のサイズや分布、気孔のサイズや分布等により種々
変化させてよい。また、上述したシクロヘキサンの添加
時期も変更してよく、例えば場合によっては均一ゲル、
分散ゲルの各調製時に夫々添加してもよい。被覆材の材
質、組成等も上述したものに限定されることはない。使
用する溶媒(ベンゼン等)の種類や使用量、ナイロンメ
ツシュの配置も変化させてよい。ナイロンメツシュは省
略することができる。また、第9図に示すように、被覆
材に形成する細孔10も、上述した例のような小さな丸
孔(第9図(A))をはじめ、第9図(B)の如く表裏
に貫通したスリット状の切れ目10′、第9図(C)の
如く表裏に貫通した十字状の切れ目10′、第9図(D
)の如く表裏に貫通した×字状の切れ目10′、第9図
(E)の如き極小のピンホール状の貫通孔10′等、種
々変化可能である。第9図(日)以降のものは、切れ目
又は孔を形成するときに抜はカスが生じず、また第9図
(C)や(D)のものは十字又は×字の交差部分を指先
でめくり上げると、被覆材の内側の創傷面の状態を目視
で観ることができる。
へ0発明の作用効果 本発明は上述したように、原料物質の均一な溶液を冷却
して分散ゲルとし、これを凍結状態制御剤の存在下で凍
結、乾燥しているので、得られた創傷被覆材は凍結のコ
ントロールによって微小な膜状物による独得の三次元構
造中に気孔が内包されたものとなる。従って、この被覆
材によって、創傷面からの滲出液や血液と材料との接触
面積が増大し、凝固及びカサブタ形戒を促進することが
でき、かつ機械的強度も大きくできる。また、材料表面
に分散して存在する薬剤の放出効率を上げることができ
、かつ、水分及び水蒸気の透過性を落とさずにバリア性
を増大させ、カサブタが形成された段階においてより有
効な被覆効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第9図は本発明の実施例を示すものであって、 第1図は型に注型する状態を示す断面図、第2図は創傷
被覆材の製造に用いる分散ゲルの凍結状況を示す概略図
、 第3図は同創傷被覆材の断面全体の膜構造の走査型電子
顕微鏡写真、 第4図は同創傷被覆材の断面斜視図、 第5A図は同創傷被覆材の表面の一部分の膜構造の走査
型電子顕微鏡写真、 第5日図は同創傷被覆材の内部の同様の走査型電子顕微
鏡写真、 第5C図は同創傷被覆材の創傷面側の同様の走査型電子
顕微鏡写真、 第6図は水蒸気透過性テストに用いるカップとそのテス
ト結果を示す断面図及びグラフ、第7図は血清透過性テ
ストに用いる装置とそのテスト結果を示す断面図及びグ
ラフ、 第8図は血漿透過性テストの結果を示すグラフ、第9図
(A)、(B)、(C)、(D)、(E)は各種の孔又
は切れ目を有する創傷被覆材の一部分の各平面図 である。 第10図は従来の創傷被覆材の断面図、第11図は同創
傷被覆材の網状構造単位の拡大斜視図である。 なお、図面に示す符号において、 1・・・・・・・・・膜状物 2・・・・・・・・・気孔 3・・・・・・・・・ナイロンメツシュ4・・・・・・
・・・分散粒 7・・・・・・・・・分散ゲル 8・・・・・・・・・型 10・・・・・・・・・細孔 30・・・・・・・・・内部(内M) 31・・・・・・・・・創傷面側 32・・・・・・・・・表面(表層) 33・・・・・・・・・ベンゼンの微結晶41・・・・
・・・・・創傷被覆材 42・・・・・・・・・棚板 である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.原料物質含有液を攪拌しながら加温して均一な溶液
    を作成する工程と、この均一な溶液を攪拌しながら冷却
    して原料物質含有粒子が分散した分散ゲルを作成する工
    程と、この分散ゲルの凍結状態を制御する凍結状態制御
    剤の存在下で前記分散ゲルを凍結、乾燥する工程とを有
    する創傷被覆材の製造方法。
JP17883589A 1989-07-11 1989-07-11 創傷被覆材の製造方法 Pending JPH0341954A (ja)

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