JPH034162B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、紙筒苗の如き土付苗を移植する移植
機であつてかつ選別した土付苗を多数畦同時に移
植する移植機に関する。

〔従来の技術とその課題〕

従来、土付苗を圃場に移植する移植機として
は、１畦移植か２畦同時移植する構成のものが普
通である。

これは、移植機が、その進行方向に回転する苗
植付機構と、該苗植付機構に対し土付苗の供給を
容易にするため横方向に伸長する苗供給機構との
組合せで製作されるため、３畦以上の多畦用とす
ると、中間に位置する苗供給機構が畦幅により制
限される結果、必要な長さをとることができない
ためであり、これに苗選別機構を組み込んだ場合
は、特公昭55−28650号公報記載のもののように、
苗供給機構と苗植付機構との間はさらに長くな
り、多畦同時移植はいよいよ困難となるものであ
る。

本発明は、このような課題を解決することを目
的に提案されたものである。

〔課題を解決するための手段〕

本発明多畦用土付苗移植機の構成は次のとおり
である。

苗選別コンベアを苗選別搬送速度可変部と苗密
接搬送速度不変部とから構成し、その苗選別コン
ベアと該苗選別コンベアに土付苗を供給する苗供
給コンベアとを上下方向に所要の間隔において対
設している。

苗選別コンベアの上記苗密接搬送速度不変部の
送出端側と苗植付機構との間に、上記苗選別搬送
速度可変部において選別され苗密接搬送速度不変
部の送出端側から送出された土付苗を挟持転送し
て苗植付機構に供給する苗挟持転送コンベアを架
設している。

また、苗供給コンベアと苗選別コンベアとの間
に上記苗選別搬送速度可変部が選別した土付苗の
詰まり具合を検出して上記苗供給コンベア及び苗
選別搬送速度可変部の速度を適宜調節させる無接
点検出装置を設けている。

〔作用〕

土付苗は苗供給コンベアから苗選別搬送速度可
変部に供給され、そこで選別された良苗だけが苗
密接搬送速度不変部に搬送され、その良苗である
土付苗は、苗密接搬送速度不変部の送出端側から
送出されたところで苗挟持転送コンベアによつて
挟持転送され苗植付機構に供給され、圃場に移植
される。

上記において、苗供給コンベアと苗選別コンベ
アとの間に設けた無接点検出装置が、上記苗選別
搬送速度可変部が選別した良苗である土付苗の詰
まり具合を検出して上記苗供給コンベア及び苗選
別搬送速度可変部の速度を適宜調節させ、それに
より苗密接搬送速度不変部の良苗たる土付苗の数
量に過不足を生じさせることなく常に所定の密接
揃列状態に維持し、設定株間どおり正確な移植を
行わせる。

苗選別搬送速度可変部と苗密接搬送速度不変部
とからなる苗選別コンベアと該苗選別コンベアに
土付苗を供給する苗供給コンベアとを上下方向に
所要の間隔をおいて対設し、かつその間に苗選別
搬送速度可変部が選別した土付苗の詰まり具合を
検出して上記苗供給コンベア及び苗選別搬送速度
可変部の速度を適宜調節させる無接点検出装置を
設けているから、苗供給コンベアと苗選別コンベ
アとが構成する苗供給機構の長さを比較的短くで
きる利点があり、したがつて、２畦用の選別機構
付きの移植機はもちろん、３畦以上の選別機構付
きの移植機であつても苗供給機構を畦幅により制
限される所要の長さ内に設定できるので、所期の
多畦同時移植を可能にする。

〔実施例〕

以下図示の実施例について詳しく説明する。

４は、機枠１に支承した軸３，３′に取り付け
た一対のプーリー２，２′間に所要の傾斜状態に
して架設した苗供給コンベアで、この苗供給コン
ベア４は通常平ベルトが使用され、その上に土付
苗である例えば紙筒苗Ｐを密接列状に載置し矢示
方向に搬送する。

５は苗供給コンベア４の搬送端の上方に軸架し
た苗押え輪、６は該苗供給コンベア４の搬送端の
前方に軸架した苗分離輪である。

苗供給コンベア４が搬送する紙筒苗Ｐは、その
搬送端と苗押え輪５の間から前方に突出したとこ
ろで、それらより速く回転する苗分離輪６によつ
て１本１本の紙筒苗Ｐに分離され、苗分離輪６の
下方に位置する苗ガイド７に誘導せられて、苗供
給コンベア４の下方に所要の間隔をおいて水平に
架設した苗選別コンベア上に転載される。

苗選別コンベアは、苗選別搬送速度可変部と苗
密接搬送速度不変部とからなるものであり、該苗
選別搬送速度可変部は、溝付きプーリー８，８′
間に掛けられた紐状ベルト９……と、溝付きプー
リー８とその前方の溝付きプーリー１０′の間に
掛けられた１本の根部支持ベルト１１と、溝付き
プーリー８′と１０′との間に配置の溝付きプーリ
ー１０の軸１２に遊嵌した溝付きプーリー１３と
前記溝付きプーリー８との間に張設した葉部支持
ベルト１４と、葉部支持ベルト１４上に対接して
設けた葉部押えベルト１５と、上記溝付きプーリ
ー１０，１０′間に張設した翼片２０付きの苗整
列ベルト１６と、その溝付きプーリー１０′とそ
の前方のプーリー１５′との間に張設した苗搬送
ベルト１７……により構成されている。

上記ベルト９，１１，１４〜１７の各々の速度
は前記苗供給コンベア４の速度より速くなるよう
にしてある。

苗分離輪６で分離された紙筒苗Ｐは、苗ガイド
７に誘導せられて根部支持ベルト１１、葉部支持
ベルト１４及び紐状ベルト９上に転載され紐状ベ
ルト９の送出端に達したあと、それが健全な良苗
たる紙筒苗Ｐであるとき、根部を根部支持ベルト
１１に支持させるとともに葉部を葉部支持ベルト
１４と葉部押えベルト１５の間に挟持させて苗整
列ベルト１６の翼片２０，２０間に移行せしめら
れ所要の揃列状態となるが、葉部のない不良苗
P′であるときは葉部支持ベルト１４で支持されな
いので系外に落下することによつて、選別作用を
受ける。

苗密接搬送速度不変部は、上記プーリー１５と
同軸のフリープーリー１５″とその前方のプーリ
ー１８との間に張設した紐状の苗整理ベルト１９
……により構成されている。

この苗整理ベルト１９の速度は紙筒苗Ｐの出現
率を考慮し苗供給ベルト４より遅くしてある。

上記苗整列ベルト１６に移行せしめられ所要の
揃列状態となつた良苗である紙筒苗Ｐは、苗搬送
ベルト１７……で搬送されたあと、さらに苗整理
ベルト１９に移行し、後記苗挟持転送コンベアに
向けて搬送される。

この苗整理ベルト１９は、紙筒苗Ｐを一定条件
で苗植付機構に供給するために該機構と連動回転
し、苗供給ベルト４、したがつてまた苗搬送ベル
ト１７より遅く走行するようにしてあるので、紙
筒苗Ｐが連続して送られると、その紙筒苗Ｐは苗
整理ベルト１９及び苗搬送ベルト１７上に密接し
いわゆる詰まつた状態になるが、上記のように系
外に排出される不良苗P′が連続しているときは苗
整理ベルト１９上の紙筒苗Ｐがその間隔を開ける
ようになるものである。

２２は苗供給コンベア４と苗選別コンベアとの
間、さらに具体的には苗供給コンベア４と苗整理
ベルト１９との間に設置した無接点検出装置で、
紙筒苗Ｐと苗整理ベルト１９上での詰まり具合
を、苗搬送ベルト１７の送出端側上方に設けた反
射鏡２１を介して検出し、その検出結果に基づ
き、電磁クラツチＣ等を介してベルト１７，１
６，１１，１４，１５，９及び苗供給コンベア４
の走行速度を調節し、常時適正な数量の紙筒苗Ｐ
が苗整理ベルト１９上に供給乗載するようにして
いる。

無接点検出装置２２としては、例えば、オンデ
レー方式のものであつて紙筒苗Ｐが所定速度で搬
送されているときはその検出を無効とし、紙筒苗
Ｐが詰まつてきて搬送速度が遅くなつたときそれ
を有効検出する型式のものを採用する。

２４，２４′は、苗選別コンベアさらに正確に
は苗密接搬送速度不変部たる苗整理ベルト１９の
送出端とその上方に軸架した苗押え輪２３との間
から送出された紙筒苗Ｐを、図示していない回転
型の苗植付機構に送給すべく挟持転送する一対の
苗挟持転送コンベアで、苗挟持転送コンベア２４
の上端が上記苗整理ベルト１９の送出端の前方に
位置していて、その上端で上記の送出された紙筒
苗Ｐを下方に少し移送したところでそれを他方の
苗挟持転送コンベア２４′との間に挟持し、苗植
付機構に向け転送するものである。

〔発明の効果〕

以上述べたところから明らかなとおり、本発明
によれば、土付苗は苗供給コンベアからその下方
に位置する苗選別搬送速度可変部に供給され、そ
こで選別された良苗だけが苗密接搬送速度不変部
に搬送され、その良苗である土付苗は、苗密接搬
送速度不変部の送出端側から送出されたところで
苗挟持転送コンベアにより挟持転送され、その状
態で苗植付機構に供給され、圃場に移植されるも
のであつて、苗供給コンベアと苗選別コンベアと
の間に設けた無接点検出装置が、上記苗選別搬送
速度可変部が選別した良苗である土付苗の詰まり
具合を検出して上記苗供給コンベア及び苗選別搬
送速度可変部の速度を適宜調節させ、それにより
苗密接搬送速度不変部の良苗たる土付苗の数量に
過不足を生じさせることなく常に所定の揃列状態
に維持し、設定株間どおり正確な移植を行わせる
ことができる。

そのうえ、苗選別搬送速度可変部と苗密接搬送
速度不変部とからなる苗供給コンベアと該苗選別
コンベアに土付苗を供給する苗供給コンベアとを
上下方向に所要の間隔をおいて対設し、かつその
間に苗選別搬送速度可変部が選別した土付苗の詰
まり具合を検出して上記苗供給コンベア及び苗選
別搬送速度可変部の速度を適宜調節させる無接点
検出装置を設けているから、苗供給コンベアと苗
選別コンベアとが構成する苗供給機構の長さを比
較的短くできる利点があり、したがつて、２畦用
の選別機構付きの移植機はもちろん、３畦以上の
選別機構付きの移植機であつても苗供給機構を畦
幅により制限される所要の長さ内に設定できるの
で、所期の多畦同時移植を可能にする。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の要部の側面図、第２図は同じ
く要部の平面図である。 ４……苗供給コンベア、９，１１，１４，１
５，１６及び１７……苗選別搬送速度可変部を構
成する紐状ベルト、根部支持ベルト、葉部支持ベ
ルト、葉部押えベルト、葉揃別ベルト及び苗搬送
ベルト、１９……苗密接搬送速度不変部たる苗整
理ベルト、２４，２４′……苗挟持転送コンベア、
２２……無接点検出装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 苗選別搬送速度可変部と苗密接搬送速度不変
   部とからなる苗選別コンベアと該苗選別コンベア
   に土付苗を供給する苗供給コンベアとを上下方向
   に所要の間隔をおいて対設し、苗選別コンベアの
   上記苗密接搬送速度不変部の送出端側と苗植付機
   構との間に、上記苗選別搬送速度可変部において
   選別され苗密接搬送速度不変部の送出端側から送
   出された土付苗を挟持転送して苗植付機構に供給
   する苗挟持転送コンベアを架設し、かつ上記苗供
   給コンベアと苗選別コンベアとの間に上記苗選別
   搬送速度可変部が選別した土付苗の詰まり具合を
   検出して上記苗供給コンベア及び苗選別搬送速度
   可変部の速度を適宜調節させる無接点検出装置を
   設けてなることを特徴とする多畦用土付苗移植
   機。