JPH0340880Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、例えば梯子自動車等の高所作業
車、特に傾斜矯正付旋回台を備えた高所作業車に
関するものである。

従来の技術 第５図は高所作業車、例えば梯子自動車の一例
を示すもので、同図に於いて、１は車体、２は車
体１の後部に装設された傾斜矯正付旋回台、３は
旋回台２上に据付た支持フレーム、４は支持フレ
ーム３に根部を枢着させた梯子、５は梯子４を起
伏させるシリンダ、６はアウトリガ、７は梯子受
けである。

上記傾斜矯正付旋回台２は、第６図に示すよう
に、支持フレーム３が取付けられるテーブル８と
車体１に取付けられるベース９との間に、楔形状
の２個の輪１０，１１を重ねたものを介在させ、
テーブル８の水平面に対する傾斜をセンサ１２に
よつて検知し、回転駆動モータ１３によつて２個
の輪１０，１１を所定角度ずつ回転させることに
より、第７図に示すように、２個の輪１０，１１
の重なりの相対角度及び重なつた２個の輪１０，
１１の方向によりテーブル８にベース９に対して
所定の傾きと方向をもたせ、テーブル８を水平に
傾斜矯正するようにしたものである。

尚、上記旋回台２は傾斜矯正時にテーブル８を
ベース９に対して回転しないように廻り止めする
必要があり、通常は第５図に示すように、梯子４
が車体１に一体化された梯子受け７に係止されて
いることを利用し、この梯子受け７を廻り止め装
置として使用している。

考案が解決しようとする問題点 ところで、上記梯子自動車に於いて、旋回台２
で傾斜矯正を行う場合、梯子４が車体１に対して
前後左右に傾動する。ところが、梯子４は車体１
に一体化された梯子受け７に係止されている為、
車体１に対して前後左右に傾動すると、梯子受け
７との間で無理な力が作用して損傷したり梯子受
け７を損傷する虞れがあつた。

問題点を解決するための手段 この考案は、上記問題点に鑑み、作業機械が取
付けられたテーブルと車体との間に、楔形状の２
個の輪を重ねたものを介在させ、２個の輪を所定
角度ずつ回転させることにより、２個の輪の重な
りの相対角度及び重なつた２個の輪の方向により
テーブルに車体に対して所定の傾きと方向をもた
せ、テーブルを水平に傾斜矯正するようにした傾
斜矯正付旋回台を装備する高所作業車に於いて、
梯子受けを支持台にアームを所定の抵抗力を持た
せて揺動自在に枢着して構成すると共に、梯子起
伏シリンダを旋回台の傾斜矯正と同時に倒伏側に
作動するように構成し、該シリンダのヘツド側と
ロツド側を配管で連通し、該配管の途中にロツド
側の圧力が高くなつたときに開くパイロツト式逆
止め弁を設けた構造の高所作業車にて上記問題点
を解決せんとするものである。

作 用 旋回台の傾斜矯正時に梯子が車体に対して前後
に傾動するときは起伏シリンダにより梯子を起伏
し、梯子が車体に対して左右に傾動するときは梯
子受けのアームを梯子に追従して揺動する。

実施例 第１図はこの考案を梯子自動車に適用した実施
例を示すもので、同図に於いて、２１は車体、２
２は車体２１の後部に装設された傾斜矯正付旋回
台、２３は旋回台２２上に据付けた支持フレー
ム、２４は支持フレーム２３に根部を枢着させた
梯子、２５は梯子２４を起伏させるシリンダ、２
６はアウトリガ、２７は梯子受けである。

上記起伏シリンダ２５は、第２図に示すよう
に、旋回台２２の傾斜矯正時に倒伏側に作動する
ように構成されていると共に、ヘツド側の配管２
８の途中から配管２９を分岐してロツド側の配管
３０の途中に接続し、かつ、上記配管２９の途中
に図示のようにパイロツト式逆止め弁３１を設け
たものである。尚、第２図に於いて、３２は起伏
シリンダ２５の方向切換弁、３３は旋回台２２の
駆動モータ、３４は駆動モータ３３の方向切換
弁、３５は傾斜矯正付旋回台制御部で駆動モータ
３３の方向切換弁３４を切換操作すると同時に起
伏シリンダ２５を倒伏側に作動するように方向切
換弁３２を切換するように構成されている。３６
はパイロツト式逆止め弁３１を開く為の最低圧を
設定するリリーフ弁である。

次に、上記梯子受け２７は第３図に示すよう
に、車体２１に立設された台形状の下部支持台３
７上に上部支持台３８を固定し、この上部支持台
３８に中心軸３９を中心にアーム４０を揺動自在
に装着し、このアーム４０の両端に夫々梯子２４
の下面を案内するローラ４１と梯子２４の側面を
案内するローラ４２とを回転自在に装設してい
る。尚、この梯子受け２７はアーム４０をみだり
に揺動しないようにする為に、第４図に示すよう
に、アーム４０を一体に固着する中心軸３９の端
部に、座金４３、中心軸押え４４を介してボルト
４５を螺挿し、このボルト４５を所定の締着力で
締付けることにより、中心軸押え４４を座金４３
を介して上部支持台３８に押圧させて中心軸３９
に所定の抵抗力をもたせている。

以上がこの考案の構成で、次に前記構成に基づ
いてこの考案の高所作業車の動作を説明する。

先ず、旋回台２２の傾斜矯正時に梯子２４が車
体２１に対して前方に傾動して梯子受け２７を無
理に押え付けようとすると、起伏シリンダ２５の
ロツド側の配管３０の圧力が上昇してパイロツト
式逆止め弁３１を開き、起伏シリンダ２５のヘツ
ド側とロツド側が配管２８，２９，３０を介して
連通するから、起伏シリンダ２５を伸長して梯子
２４を起立させ、梯子受け２７に無理な力が作用
するのを防止する。

次に、旋回台２２の傾斜矯正時に梯子２４が車
体に対して後方に傾動して梯子受け２７から浮き
上がろうとすると、起伏シリンダ２５を旋回台２
２の傾斜矯正と同時に倒伏側に作動するように構
成しているから、起伏シリンダ２５を退縮して梯
子２４を倒伏させ、梯子２４が梯子受け２７から
浮き上がるのを防止する。そして、旋回台２２の
傾斜矯正時に梯子２４が車体２１に対して左右方
向に傾動すると、梯子２４と一体に梯子受け２７
のアーム４０が中心軸３９を支点に揺動し、梯子
２４と梯子受け２７との間には無理な力が作用し
ない。

尚、上記説明はこの考案の一実施例について説
明したが、各構成要素は同一機構を有するものに
変更することができる。例えば梯子受け２７は、
上記実施例では中心軸３９に中心軸押え４４を取
付けることにより所定の抵抗力を持たせてアーム
４０をみだりに揺動しないようにする方式のもの
を示したが、この他にシリンダ等を用いてアーム
４０をみだりに揺動しないようにする方式が採用
できる。

考案の効果 この考案によれば、傾斜矯正付旋回台の傾斜矯
正時に梯子が車体に対して前後左右に傾動して
も、梯子と梯子受けとの間に無理な力が作用する
のを防げたり、梯子が梯子受けから浮き上がるの
を防げるから、梯子や梯子受けが損傷するのを防
止でき、傾斜矯正付旋回台を備えた高所作業車と
して優れた特長を発揮し得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の高所作業車の一実施例を示
す概略側面図、第２図は起伏シリンダの回路図、
第３図は梯子受けの正面図、第４図はその一部拡
大側断面図、第５図は高所作業車の一例を示す概
略側面図、第６図及び第７図は傾斜矯正付旋回台
の詳細図である。 ２１……車体、２２……傾斜矯正付旋回台、２
４……起伏シリンダ、２７……梯子受け、３１…
…パイロツト式逆止め弁、３７……下部支持部、
３８……上部支持部、３９……中心軸、４０……
アーム、４５……中心軸押え。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 作業機械が取付けられたテーブルと車体との間
   に、楔形状の２個の輪を重ねたものを介在させ、
   ２個の輪を所定角度ずつ回転させることにより、
   ２個の輪の重なりの相対角度及び重なつた２個の
   輪の方向によりテーブルに車体に対して所定の傾
   きと方向をもたせ、テーブルを水平に傾斜矯正す
   るようにした傾斜矯正付旋回台を装備する高所作
   業車に於いて、梯子受けを支持台にアームを所定
   の抵抗力を持たせて揺動自在に枢着して構成する
   と共に、梯子起伏シリンダを旋回台の傾斜矯正と
   同時に倒伏側に作動するように構成し、該シリン
   ダのヘツド側とロツド側を配管で連通し、該配管
   の途中にロツド側の圧力が高くなつたときに開く
   パイロツト式逆止め弁を設けたことを特徴とする
   高所作業車。