JPH0340112B2 - - Google Patents

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JPH0340112B2
JPH0340112B2 JP59107609A JP10760984A JPH0340112B2 JP H0340112 B2 JPH0340112 B2 JP H0340112B2 JP 59107609 A JP59107609 A JP 59107609A JP 10760984 A JP10760984 A JP 10760984A JP H0340112 B2 JPH0340112 B2 JP H0340112B2
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Description

【発明の詳細な説明】
<産業上の利用分野> 本発明は電解用電極材料に関し、さらに詳しく
は食塩水、海水等の希薄塩化物溶液の電解用の陽
極として使用するのに適した、塩素過電圧、塩素
電流効率、耐久性等が改善された電極材料に関す
る。 <従来の技術> 海水等の希薄塩化物水溶液を電解して陽極に塩
素を発生させ、この塩素と水酸イオンとの反応に
より生成する次亜塩素酸イオンの殺菌性、漂白力
を利用して、例えば海中構造物への生物の付着防
止、プールや上下水道の水処理等を行なうことは
公知である。 このような電解に使用される電解槽は長期間の
連続運転を効率よく確実に行なう必要があるた
め、使用される電極、殊に陽極材料に対しては、
良好な塩素電流効率、低い塩素過電圧及び優れた
耐久性が要求されている。 従来、海水や希薄食塩水等の希薄塩化物水溶液
の電解用陽極材料として、例えば、チタンのよう
な耐食性電極基体の表面に白金、イリジウム、ロ
ジウム、ルテニウムなどの白金属金属の酸化物を
被覆したもの(特公昭48−3954号公報)をはじめ
として多数のものが提案されているが、上記の電
極は塩素発生電位が高く、電流効率が低く、又そ
れらの持続性に欠けており、しかも電極の消耗も
激しいという欠点がある。これらの欠点を解決す
るものとして、最近では、チタン又はチタン合金
の電極基材にタンタル又はニオブの導電性酸化物
の中間層を介してイリジウムなどの白金属金属の
酸化物の被覆を設けたもの(特開昭57−192281号
公報)、電導性耐食母材表面に白金又は白金族金
属を電気メツキした第1層とその上層に白金族金
属又はその合金を塗布メツキした第2層と、さら
にその上層に白金又は白金族金属を電気メツキし
た第3層からなる電解用不溶性電極(特開昭57−
101677号)、導電性基材上に酸化パラジウム、白
金及び所定量比の(RuTi)O2よりなる組成物を
被覆したもの(特開昭58−61286号公報)、バルブ
金属基体上にルチル構造を有する白金−酸化イリ
ジウム混合物の第1被覆層と、或る種の酸化マン
ガン及びルチル構造の酸化チタンの混合物の第2
被覆層を設けた不溶性陽極(特開昭58−136790号
公報)等が開示されている。これらの電極は個々
にそれなりに電極特性の改善の成果は認められる
が、しかし、塩素過電圧、塩素電流効率及び耐久
性の3特性が揃つて改善されたものはなく、さら
に改善の余地が残されている。 <本発明の目的> 本発明の目的は、塩素過電圧、塩素電流効率及
び耐久性の3特性が充分に改善された陽極材料を
提供することである。 すなわち、本発明の主たる目的は、海水や希薄
食塩水等の希薄塩化物溶液の電解において、塩素
過電圧が低く且つ塩素電流効率が高く、しかも長
期にわたる連続運転においてもこれらの特性の低
下の少なく、耐久性に優れた陽極材料を提供する
ことである。 本発明のその他の目的及び特徴は以下の説明に
おいて明らかになるであろう。 <本発明の構成> 本発明によれば、 (a)チタン又はチタン合金よりなる電極基体と、 (b) TiOx〔ここで、1<x<2である〕で示さ
れる平均組成をもち且つ平均厚さが100〜1000
Åの範囲内にある酸化チタン層を介して上記電
極基体に結合せしめられた見掛密度が8〜19
g/cm3の範囲内の多孔性白金被覆層と、 (c) 該多孔性白金被覆層に担持せしめられた酸化
イリジウム及び酸化コバルトと から成ることを特徴とする希薄塩化物溶液電解用
陽極が提供される。 以下、本発明の陽極をその製造工程に沿つてさ
らに具体的に説明する。 本発明の陽極において導電性電極基体としては
耐食性を有するチタン又はチタン合金が使用され
る。チタン合金としては従来から電極材料に使用
されているものが同様に使用可能であり、例え
ば、チタン−タンタル合金、チタン−ニオブ合
金、チタン−ジルコニウム合金等が挙げられる。 本発明の陽極の1つの特徴は、上記のチタン又
はチタン合金よりなる電極基体(以下「チタン基
体」という)と白金被覆層との間に、TiOx〔こ
こで、1<x<2である〕で示される平均組成を
もつ酸化チタンの不働態化層を介在せしめたこと
にある。かかる酸化チタンの不働態化層は、例え
ば、本発明者らが先に提案した方法(特公昭58−
3036号公報参照)に従い、チタン基体表面に化成
化処理によつて水酸化チタンの薄い皮膜を形成さ
せた後、白金を電気メツキし、次いで上記水素化
チタンの皮膜を分解及び酸化することによつて形
成せしめることができる。 先ず、チタン基体表面を常法に従い、例えばト
リクロルエチレン、トリクロルエタン等での洗浄
又はアルカリ溶液中での電解により脱脂した後、
フツ化水素濃度が約1〜約20重量%のフツ化水素
酸又はフツ化水素酸と硝酸、硫酸等の他の酸との
混酸で処理することにより、チタン基体表面の酸
化膜を除去する。該酸処理はチタン基体の表面状
態に応じて常温ないし約40℃の温度において数分
間ないし十数分間行なうことができる。このよう
に酸処理されたチタン基体表面を濃硫酸と接触さ
せて該チタン基体表面に水素化チタンの薄い層を
形成する。使用する濃硫酸は一般に40〜80重量
%、好ましくは50〜60重量%程度の濃度のものが
適当であり、この濃硫酸には必要により、処理の
安定化を図る目的で小量の硫酸ナトリウムその他
の硫酸塩等を添加してもよい。該濃硫酸との接触
は通常チタン基体を濃硫酸の浴中に浸漬すること
により行なうことができ、その際の浴温は一般に
約100〜約150℃、好ましくは約110〜約130℃の範
囲内の温度とすることができ、また浸漬時間は通
常約0.5〜約10分間、好ましくは約1〜約3分間
で充分である。この硫酸処理により、チタン基体
の表面にごく薄い水素化チタンの皮膜を形成させ
ることができる。 硫酸処理されたチタン基体は硫酸浴から取り出
し、好ましくは窒素、アルゴン等の不活性ガス雰
囲気中で急冷してチタン基体の表面温度を約60℃
以下に低下させる。この急冷には洗浄も兼ねて大
量の冷水を用いるのが適当である。 このようにしてごく薄い水素化チタンの皮膜を
形成したチタン基体は、希フツ化水素酸又は希フ
ツ化物水溶液(例えばフツ化ナトリウム、フツ化
カリウム等)中で浸漬処理して該水素化チタン皮
膜を生長させ該皮膜の均一化及び安定化を図る。
ここで使用しうる希フツ化水素酸又はフツ化物水
溶液中のHFの濃度は一般に0.05〜3重量%、好
ましくは0.3〜重量%の範囲内とすることができ、
また、これらの溶液による浸漬処理の際の温度は
一般に10〜40℃、好ましくは20〜30℃の範囲であ
る。該処理はチタン基体表面に通常0.5〜10ミク
ロン、好ましくは1〜3ミクロンの厚さの水素化
チタンの均一皮膜が形成されるまで行なうことが
できる。この水素化チタン(TiHy、ここでyは
1.5〜2の数である)は水素化の程度に応じて灰
褐色から黒褐色を呈するので、上記範囲の厚さの
水素化チタンの皮膜の生成は、経験的に該基体表
面の色調の変化を標準色標との明度対比によつて
コントロールすることができる。 このようにして水素化チタンの皮膜を形成した
チタン基体は適宜水洗した後通常の方法で白金を
電気メツキする。このメツキに使用しうる浴組成
としては、例えばH2PtCl6、NH4PtCl6
K2PtCl6、Pt(NH32(NO26等の白金化合物を硫
酸溶液(PH1〜3)又はアンモニア水溶液に白金
換算で約2〜約20g/の濃度になるように溶解
し、さらに必要に応じて浴の安定化のために硫酸
ナトリウム(酸性浴の場合)、亜硝酸ナトリウム、
硝酸ナトリウム(アルカリ性浴の場合)等を小量
添加した酸性又はアルカリ性のメツキ浴が挙げら
れる。かかる組成のメツチ浴を用いての白金電気
メツキは、チタン基体表面に形成された水素化チ
タン皮膜の分解をできるだけ抑制するため、所謂
ストライクメツキ等の高速メツキ法を用い約30〜
約60℃の範囲の比較的低温で行なうのが望まし
い。 この電気メツキにより、チタン基体の水素化チ
タン皮膜上に多孔性の白金被覆層を形成せしめる
ことができる。その際の白金被覆層の見掛密度は
8〜19g/cm3、好ましくは12〜18g/cm3の範囲内
にあるのが適当である。該多孔性被覆層の見掛密
度が8g/cm3より小さいと白金の結合強度が低下
して剥離しやすくなり、反対に19g/cm3を越える
と後述する酸化イリジウム及び酸化コバルトの安
定な担持が困難となる。白金被覆層の見掛密度の
コントロールは、例えば白金メツキ浴の浴組成及
び/又はメツキ条件(電流密度や電流波形等)を
経験的に調整することによつて行なうことができ
る。 また、上記白金の電気メツキは上記基体上への
白金の被覆量が通常少なくとも0.2mg/cm2以上と
なるまで継続する。白金の被覆量が0.2mg/cm2
り少ないと後述する焼成処理に際して水素化チタ
ン皮膜部の酸化がすすみ過ぎて導電性が低下する
傾向がみられる。白金の被覆量の上限は特に制限
されないが、必要以上に多くしてもそれに伴うだ
けの効果は得らず、却つて不経済となり、通常は
5.0mg/cm2以下の被覆量で充分である。白金の好
適な被覆量は1〜3mg/cm2である。 ここで、多孔性の白金被覆層における白金の被
覆量は、ケイ光X線分析法を用い次の如くして求
めた量である。すなわち、前述した如く前処理し
たチタン基体上に前記の方法で種々の厚さに白金
メツキを施し、そのメツキ量湿式分析法及びケイ
光X線分析法により定量し、両方法による分析値
をグラフにプロツトして標準検量線を作成してお
き、次いで実際の試料をケイ光X線分析にかけて
その分析値及び標準検量線から白金の被覆量を求
める。 また、白金被覆層の見掛密度(δg/cm3)は、
上記の如くして求めた白金の被覆量(ωg/cm2
と試料の断面顕微鏡観察で求めた白金被覆層の厚
さ(tcm)からδ=ω/tによつて求めたものであ る。 かようにして多孔性の白金被覆層を設けたチタ
ン基体は次いで大気中で焼成することにより、該
白金被覆層の下の水素化チタンの皮膜の層を熱分
解して該層中の水素化チタンの実質的に殆んどを
チタン金属に戻し、さらに白金被覆層との境界部
近傍のチタンを低酸化状態の酸化チタンに変え
る。この焼成は一般に約300〜約600℃、好ましく
は約300〜約400℃の温度で10分〜4時間程度加熱
することにより行なうことができる。 しかる後、このように焼成された白金被覆チタ
ン基体の白金被覆面にイリジウム化合物及びコバ
ルト化合物を含む溶媒溶液、好ましくは低級アル
コール溶液を適用し含浸させた後乾燥することに
より、白金被覆層にイリジウム化合物及びコバル
ト化合物を付着せしめる。ここで使用するイリジ
ウム化合物及びコバルト化合物は以下に述べる焼
成条件下に分解してそれぞれ酸化イリジウム及び
酸化コバルトに転化しうる低級アルコール溶媒に
可溶性の化合物であり、イリジウム化合物として
は塩化イリジウム酸、塩化イリジウム、塩化イリ
ジウムカリ等が例示され、また、コバルト化合物
としては例えば塩化コバルト、硝酸コバルト、酢
酸コバルト等が挙げられる。一方、これらイリジ
ウム化合物及びコバルト化合物を溶解しうる低級
アルコールとしては例えばメタノール、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノール、ブタノー
ル又はこれらの混合物が挙げられる。イリジウム
化合物及びコバルト化合物の種類によつては溶解
し易いアルコールの種類が異なる場合があり、例
えば塩化イリジウム酸はブタノールに溶け易く、
塩化コバルトはエタノールに溶け易いが、この場
合には予め塩化イリジウムをブタノールに溶解し
且つ塩化コバルトをエタノールに溶解した後両者
の溶液を混合することにより、イリジウム化合物
及びコバルト化合物の低級アルコール溶液を調製
することができる。 かかる低級アルコール溶液中におけるイリジウ
ム化合物及びコバルト化合物の濃度には特に制限
はなく、それぞれの化合物の溶解度以下の範囲の
適宜の濃度をとることができるが、白金被覆層へ
の浸透を円滑に行なうためにはあまり高濃度でな
い方が有利である。また、該溶液中のイリジウム
化合物とコバルト化合物の割合は、最終製品とし
ての陽極上に要求される酸化イリジウム及び酸化
コバルトの存在割合に依存するが、Ir/Coの金
属原子比に換算して一般に50/50〜99/1、好ま
しくは65/35〜90/10の範囲内にするのが適当で
ある。 該低級アルコール溶液の白金被覆層上への適用
は、例えば刷毛塗り、スプレー、浸漬等の手段で
行なうことができる。このようにして適用された
低級アルコール溶液は白金被覆層が多孔性である
ので該層中に自然に浸透していくが、場合によつ
ては例えば基体に高周波の振動を加えることによ
り浸透を促進するようにしてもよい。 このようにイリジウム化合物及びコバルト化合
物の低級アルコール溶液を適用した該基板は、約
20〜約150℃の範囲内の比較的低温で乾燥させた
後、大気中で焼成する。該焼成は例えば電気炉、
ガス炉、赤外線炉などの適当な加熱炉中で一般に
約450〜約600℃の温度、好ましくは約500〜約550
℃の温度に加熱することによつて行なうことがで
きる。その際の加熱時間は焼成すべき基体の大き
さに応じて大体3分〜30分間程度である。 この焼成によりイリジウム化合物及びコバルト
化合物はそれぞれ酸化イリジウム及び酸化コバル
トに変わると共に、白金被覆層の下の酸化チタン
を層が生長する。 多孔性の白金被覆層に担持される酸化イリジウ
ム及び酸化コバルトの量は両者の合計で、イリジ
ウム及びコバルト金属に換算して一般に0.01〜2
mg/cm2、好ましくは0.05〜0.5mg/cm2の範囲内が
好都合である。また、白金被覆量に対する酸化イ
リジウムと酸化コバルトの割合はそれぞれの金属
に換算した重量比(Pt/Ir+Co)で一般に70/
30〜99/1、好ましくは80/20〜97/3の範囲内
にあるのが望ましい。酸化イリジウム及び酸化コ
バルトは白金被覆層に混合酸化物及び/又は固溶
体の形で存在していると考えられる。ここで白金
被覆層中の酸化イリジウム及び酸化コバルトの定
量はケイ光X線分析法を用いて行なうことができ
る。すなわち、前述の如くして作成した白金被覆
チタン基板上に、既知濃度のイリジウム化合物又
はコバルト化合物の低級アルコール溶液の一定量
をマイクロピペツドで秤量し、それを該基板上に
適用して上記の如く焼成を行ない白金被覆層に酸
化イリジウム又は酸化コバルトを担持せしめた
後、ケイ光X線分析にかける。このようにして酸
化イリジウム又は酸化コバルトの量とケイ光X線
分析値との関係をプロツトした標準検量線を作成
する。この標準検量線をもとに試料をケイ光X線
分析にかければ、試料の酸化イリジウム及び酸化
コバルトの量を求めることができる。 また、上記の如く焼成することにより得られる
陽極の白金被覆層とチタン基体との間に介在する
酸化チタン層は、TiO、Ti2O3及びTiO2等の2種
もしくはそれ以上の混合酸化物からなり、その平
均組成はTiOx〔ここで1<x<2、好ましくは
1.5<x<2、最適には1.9<x<2である〕で示
すことができるものである。この酸化チタン層の
組成は得られる陽極を王水で処理して白金被覆層
を溶解除去した後の試料についてESCA及びエリ
ブソメトリー等で分析することにより決定するこ
とができる。 上記酸化チタン層の厚さのコントロールは上記
焼成条件を変更することにより経験的に行なうこ
とができる。しかして、本発明の陽極における酸
化チタン層の厚さは100〜1000Å、好ましくは200
〜600Åの範囲内にあるようにするのが適当であ
る。該酸化チタン層の厚さが100Åより薄いと陽
極の耐食性が劣り、反対に1000Åを越えると陽極
の電導性が悪化するので好ましくない。 以上に述べた如くして製造される本発明の陽極
は、後述する実施例において実証されているとお
り、塩素過電圧が低く、塩素電流効率が高く、し
かも耐久性にも優れており、海水を直接電解して
次亜塩素酸ソーダを発生させて海洋生物の構築物
等への付着防止や下水の滅菌処理を行なうための
装置、3〜8%程度の低濃度の食塩水を電解して
同様に上水、中水道、プール等の殺菌を行なうた
めの装置等の用途に好適に使用することができ
る。 <実施例> 次に実施例を掲げて、本発明の陽極の製造法及
び特性についてさらに具体的に説明する。 実施例 1 JIS2種相当チタン板素材(t0.5×ω10×l10mm)
をトリクレンで脱脂洗浄した後、20℃の8重量%
HF水溶液で2分間処理し、次いで120℃の60重
量%H2SO4溶液中で3分間処理した。次いで、
チタン基体を硫酸溶液から取り出し、窒素雰囲気
中で冷水を噴霧し急冷した。更に20℃の0.3重量
%HF水溶液中に2分間浸漬した後水洗した。 水洗後Pt(NH32(NO22を硫酸溶液に溶解して
Pt含有量5g/、PH≒2、50℃に調整した状
態のPtメツキ浴中で30mA/cm2で約6分間のメ
ツキを行なつて、見掛密度約16g/cm3で電着量が
1.7mg/cm2の多孔性のPt被覆層をチタン基体上に
形成した。 このようにして多孔性のPt被覆層を設けたチ
タン基体を400℃の大気中で1時間加熱処理した。 次いで、塩化イリジウム酸のブタノール溶液と
塩化コバルトのエタノール溶液を混合し、Ir93
g/及びCo7g/(金属換算)を含有する浸
透液を調製した後、マイクロピペツトでPt被覆
層1cm2当り浸透液1μ秤量し、それをPt被覆層
浸透させた後室温で30分間乾燥し、更に500℃の
大気中で5分間焼成し、実施例陽極−1を作製し
た。 次に、上記浸透液のIr及びCoの濃度をそれぞ
れ76g/及び24g/とする以外は上記実施例
陽極−1の製造と同様の工程で実施例陽極−2を
作製した。 比較のため、Ir93g/を含有する塩化イリジ
ウム酸のブタノール溶液のみを浸透液とし、上記
実施例陽極−1と同様の工程で比較例陽極−1を
作製した。 このようにして得られた各陽極の分極測定を大
気圧下に30℃で塩素を飽和させた30g/塩化ナ
トリウム水溶液中で銀−塩化銀参照電極を用いて
行なつた。その測定結果を添付第1図に示す。図
中、曲線aは実施例陽極−1及び−2のものであ
り、曲線bは比較例陽極−1のものである。 この測定結果から、実施例陽極−1及び−2は
比較例陽極−1より塩素過電圧がはるかに低いこ
とがわかる。 実施例 2 JIS2種相当チタン板素材(t1×ω10×l50mm)を
トリクレンで脱脂洗浄した後、20℃の8重量%
HF水溶液で2分間処理し、次いで120℃の60重
量%H2SO4溶液中で3分間処理した。次いで、
チタン基体を硫酸溶液から取り出し、窒素雰囲気
中で冷水を噴霧し急冷した。更に20℃の0.3重量
%HF水溶液中に2分間浸漬した後水洗した。 水洗後Pt(NH32(NO22を硫酸溶液に溶解して
Pt含有量5g/、PH≒2、50℃に調整した状
態のPtメツキ浴中で40mA/cm2で約1分間のメ
ツキを行ない、次にPt(NH32(NO22をPtとし
て10g/含むPH≒9のアンモニア溶液に、液を
安定化させる目的で亜硝酸ナトリウム及び硝酸ア
ンモニウムをそれぞれ5g/と20g/の濃度
で添加したPtメツキ浴中で90℃、15mA/cm2
約4分間メツキを行なつて、該チタン基体上に見
掛密度約16g/cm3で電着量が1.3mg/cm3の多孔性
のPt被覆層を形成した。 このようにして多孔性のPt被覆層を設けたチ
タン基体を400℃の大気中で1時間加熱処理した。 次いで、塩化イリジウム酸のブタノール溶液と
塩化コバルトのエタノール溶液を混合し、Ir93
g/及びCo7g/(金属換算)を含有する浸
透液を調製した後、Ptメツキ層1cm2当り1μの
浸透液秤量し、それを該Ptメツキ層に浸透させ
た後室温で30分間乾燥し、更に500℃の大気中で
5分間焼成し実施例陽極−3を作製した。 比較のため、塩化イリジウム酸のブタノール溶
液と塩化パラジウム塩酸溶液を混合し、Ir93g/
及びPd7g/(金属換算)を含有する浸透液
を調製し、この浸透液を用いて上記実施例陽極−
3の製造と同様の工程で比較例陽極−2を作製し
た。 次に、上記で得た各陽極を電解槽にセツトし、
陰極(ステンレスSUS304)との間隔10mmで、液
温20℃の30g/塩化ナトリウム水溶液を流速1
/hで流し、100mA/cm2の電流密度でこれら
の陽極の電解耐久試験を60日間連続して行なつ
た。 表−1にこれらの陽極の耐久試験前と後の有効
塩素発生効率の測定結果を示す。なお、該効率は
ヨウ素法(JIS K 0102に準ずる)を用いて測定
した。
【表】 註) 有効塩素の
測定値(g)
* 有効塩素発生効率=

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a)チタン又はチタン合金よりなる電極基体
    と、 (b) TiOx〔ここで、1<x<2である〕で示さ
    れる平均組成をもち且つ平均厚さが100〜1000
    Åの範囲内にある酸化チタン層を介して上記電
    極基体に結合せしめられた見掛密度が8〜19
    g/cm3の範囲内の多孔性白金被覆層と、 (c) 該多孔性白金被覆層に担持せしめられた酸化
    イリジウム及び酸化コバルトと から成ることを特徴とする希薄塩化物溶液電解用
    陽極。
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