JPH0340033B2 - - Google Patents

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JPH0340033B2
JPH0340033B2 JP11721583A JP11721583A JPH0340033B2 JP H0340033 B2 JPH0340033 B2 JP H0340033B2 JP 11721583 A JP11721583 A JP 11721583A JP 11721583 A JP11721583 A JP 11721583A JP H0340033 B2 JPH0340033 B2 JP H0340033B2
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は新規なアントラサイクリン抗生物質に
関し、さらに詳しくは下記式 で示されるアントラサイクリン抗生物質に関す
る。 アントラサイクリン系抗生物質としては、従来
から放線菌の培養液から得られるダウノマイシン
(米国特許第3616242号明細書参照)及びアドリア
マイシン(米国特許第3590028号明細書参照)が
知られており、これらの化合物は実験腫瘍に対し
て広い抗癌スペクトルを有し、癌化学療法剤とし
て癌床的にも広く利用されている。しかし、ダウ
ノマイシン及びアドリアマイシンはかなり強力な
抗癌作用を示すが決して満足できるものではな
く、発酵法、半合成法、微生物変換法等各種の手
段により種々の類縁化合物を創製する試みが行わ
れており、既にいくつか提案されている〔例え
ば、特公昭51−34915号公報(アクラシノマイシ
ンA及びB)、T.OKi et al,The Journal of
Antibiotics,Vol.33、第1331〜1340頁、F.
Arcamone,Topics in Antibiotic Chemistry,
Vol.2、第102〜279頁、ELLIS HORWOOD
LIMITED発行等参照〕。 本発明により提案される前記式()の化合物
は、アントラサイクリノン骨核の10位にカルボキ
シル基を有している点に構造的特徴を有する従来
の文献に未載の新規な抗生物質である。以下、本
明細書においてこの抗生物質を「カルボルビシ
ン」と命名し、該名称を用いる。 式()のカルボルビシンは、後述する如く培
養白血細胞L1210に対して強い増殖阻止作用を有
し、制癌剤として利用可能な化合物であり、さら
に、上述の如くアントラサイクリノン骨核に遊離
のカルボキシル基を有することから類似のダウノ
マイシン、アドリアマイシン等に比し、高い水溶
性を示す。従つて、本化合物はそれ自体およびそ
の加水分解処理によつて得られるアグリコンは、
新しいタイプのアントラサイクリン系抗生物質誘
導体の合成中間体としての用途も考えられる。 本発明によるカルボルビシンは、各種のアント
ラサイクリン系抗生物質の微生物による生合成及
び発酵生産性の研究過程において、見い出された
ものである。即ち、ダウノマイシン、カルミノマ
イシン及びその類縁化合物は、9個の酢酸分子、
1個のプロピオン酸分子が脂肪酸生合成に準じた
方法で脱水縮合することによりデカケタイドを形
成し、これよりアクラビノン、ε−ロドマイシノ
ンを経て生合成される経路が本発明者らにより解
明されているが、その詳細はいまだ明らかでない
(The journal of Antibiotics,Vol.33,第1158
〜1166頁)。 本発明者らはさらに検討すべく、バウマイシン
生産菌として公知(例えば、特公昭56−20319号
公報参照)のストレプトミセス セルレオビダス
(Streptomyces coeruleorubidus)ME 130−A4
(微工研菌寄第3540号及びATCC 31276)から分
離された変異菌株の生産物について検討したとこ
ろ、バウマイシン非生産性で、かつ、ダウノマイ
シン生産能を有する変量体、例えば3T−373株が
培養物からアントラサイクリン系抗生物質を単離
採取するのに常用されている溶媒抽出法では取得
困難な水溶性の高いカルボルビシンを培養液中に
著量蓄積していることを見い出し、本発明を完成
した。なお、カルボルビシンは、ダウノマイシン
生産菌株で処理することによりダウノマイシンに
変換できることから、ダウノマイシンの生合成に
おける前駆体であることが証明された。 しかして、カルボルビシンの製造は、アクチノ
ミセイテスに属するダウノマイシン、カルミノマ
イシン及びその類縁化合物を生成する微生物、例
えば、ストレプトミセス セルレオビダス8899
(NRRL3046)、ストレプトミセス セルレオル
ビダス31723(NRRL3045)、ストレプトミセス
セルレオビダスME130−A4(FERM P−3540及
びATCC31276)、ストレプトミセス ピユセテイ
ウス(St.peucetius)(N.c.I.B.9475)、ストレプ
トミセス グリセウス バラエテイルビト フア
シエンス(St.griseus var.rubidofaciens)
DS32041、ストレプトミセス ビフオーカス
(St.bifurcus)DS23219(NRRL3539)、ストレプ
トスポランギウム(Streptosporangium)sp.C−
31751(ATCC31129)もしくはアクチノマデユラ
ローゼオバイオラセア バール ビワコエンシ
ス ノブバール(Actinomadura roseoviolacea
var biwakoensisnov var)(FERM P−5155)
又はそれらから、それ自体公知の変換処理によつ
て分離されるカルボルビシン生産性菌株を栄養培
地に培養することによつて行うことができる。こ
れらの生産菌株の中で好適なものとしては、カル
ボルビシンの生合成以降に生産される代謝産物、
例えばカルミノマイシン、ダウノマイシン、バウ
マイシン等の生産性及び抑制されたカルボルビシ
ン生産菌株を挙げることができるが、具体的なも
のとしては、ストレプトミセス セルレオビダス
ME130−A4の変異菌株で3T−373株を挙げるこ
とができる。 該菌株は、昭和57年7月13日付で工業技術院微
生物工業技術研究所に微工研条寄第165号
(FERMBP−165)として国際寄託されている。 以下に、3T−373株の菌学的性学を示す。 1 形態 3T−373株は分枝した基中菌糸より直線状ある
いは鉤状の気菌糸を形成し、輪生枝は見られな
い。成熟胞子鎖は10ケ以上で、胞子の大きさは
0.4〜0.8×1.2〜2.0ミクロン位で、胞子の表面
は殆んど平滑である。時に一部の胞子の表面に
刺状突起の痕跡様の突起が僅かに認められる事
がある。 2 各種培地における成育状態 (1) シユークロース、硝酸塩寒天培地(28℃培
養) うすだいだい或はにぶいだいだい、ないし
は明るい茶(4ea〜4gc)の発育上に、灰黄
味ピンク(5cb)の気菌糸を着生し、溶解性
色素の生成は殆んど認められない。 (2) グルコース・アスパラギン寒天培地(28℃
培養) 灰黄或は明るいオレンジ黄、ないしはうす
だいだい(3ec〜3ea〜4ea)の発育をなす。 気菌糸は殆んど形成されず、溶解性色素も
殆んど生成されない。 (3) グリセリン・アスパラギン寒天培地(ISP
−培地5,28℃) うすだいだい(4ea)或はだいだい、ない
しは暗いだいだいの発育上に灰黄味ピンク
(5cb)の気菌糸を着生し、溶解性色素は僅
かにだいだい色を帯びる。 (4) 無機塩・スターチ寒天培地(ISP−培地
4,28℃) 明るい橙黄或はうすだいだい(3ea〜
4ea)、ないしは赤味だいだいの発育上に、
灰黄味ピンク(5cb)の気菌糸を着生し、溶
解性色素はピンクを、或は僅かにピンク色を
帯びる。 (5) チロジ寒天培地(ISP−培地7,28℃) うすだいだい(4ea)或は黄茶、ないしは
赤味だいだいの発育上に、紫を帯びた白
(13ba)ないし灰黄味ピンク(5cb)の気菌
糸を着生し、溶解性色素は殆んど認められな
い。培養長期(約20日)に及ぶとだいたい色
を帯びる。 (6) 栄養寒天培地(28℃培養) 赤ないし暗い赤の発育上に、灰黄味ピンク
(5cb)ないし極うすい紫(ca)の気菌糸
を着生し、溶解性色素はピンク色を帯びる。 (7) イースト・麦芽寒天培地(ISP−培地2,
28℃) にぶいだいだい(4gc)或は黄茶、ないしは
赤味茶の発育上に灰黄味ピンク(5cb)の気
菌糸をはじめはうつすらと、培養後14日目頃
より豊富に着生し、溶解性色素はだいだい色
を僅かに帯びる。 (8) オートミル寒天培地(ISP−培地、28℃) 明るい赤茶(5gc)或は赤茶、ないしは茶
の発育上に灰黄味ピンク(5cb)の気菌糸を
着生し、溶解性色素は極く僅かにピンク色を
帯びる。 (9) グルコース・ペプトン・ゼラチン培地(20
℃培養) 黄茶ないし暗い茶の発育上に、うすく白色
の気菌糸を僅かに着生し、溶解性色素は僅か
に茶色を呈する。 (10) 脱脂牛乳培地(28℃) 表面に発育し、カゼインは凝固しないが、
ペプトン化を生ずる。溶解性色素は茶色味を
呈する。 3 生理的性質 (1) 生育温度範囲 20℃、25℃、30℃、37℃、46℃、50℃の各
温度で試験の結果、46℃及び50℃を除いてい
ずれの温度でも生育したが、最適温度は30℃
〜37℃付近と思われる。 (2) ゼラチンの液化(グルコース・ペプトン・
ゼラチン培地、20℃培養、20日間) 液化する。 (3) スターチの加水分解(無機塩・スターチ寒
天培地、28℃培養) スターチを水解する。 (4) 脱脂乳の凝固、ペプトン化(脱脂牛乳培
地、28℃培養) 凝固は殆んどしないが、ペプトン化する。 (5) メラニン様色素の生成(トリプトン・イー
スト・プロス、ISP−培地1;ペプトン・イ
ースト・鉄寒天、ISP−培地6;チロシン寒
天、ISP−培地7、何れも28℃培養) チロシン寒天培地に於けるメラニン様色素
の生成は殆んどないか或は生成しても痕跡程
度認められた。しかし他の2種類の培地には
明らかにメラニン様色素の生成が認められ
る。 (6) 炭素源の利用性(プリドハム・ゴトリーブ
寒天培地、ISP−培地9,28℃培養) L−アラビノース、D−キシロース、D−
グルコース、D−フラクトース、シユクロー
ス、イノシトール、D−マンニツトを利用し
てよく発育する。L−ラムノース、ラフイノ
ースの利用は僅かで疑わしい。 本発明によるカルボルビシン生産菌株の培養
は、放線菌の栄養源として通常使用さるそれ自体
公知の培地組成物中で行うことができる。例え
ば、炭素源としては、グルコース、グリセリン、
蔗糖、殿粉、マルトーズ、動植物油などが使用で
き、窒素源としては、例えば大豆粉、肉エキス、
酵母エキス、ペプトン、コーンステープリカー、
綿実粕、魚粉などの有機物並びに硫酸アンモニウ
ム、塩化アンモニウム、硝酸ナトリウム、リン酸
アンモニウムなどの無機体窒素が使用できる。又
必要に応じて食塩、塩化カリウム、リン酸塩その
他Mg++,Ca++,Zn++,Fe++,Cu++,Mn++ある
いはNi++などの2価金属塩類及びアミン酸やビ
タミン類を添加する他発酵中の発泡を抑制するた
め、例えばシリコーン(信越化学KK製、−
KM75;商標)などの消泡剤を適宜添加すること
もできる。 温度、PH、通気攪拌および発酵時間等の発酵条
件は、用いられる菌株が最大量の該化合物を蓄積
する様に選択する。例えば温度は20〜40℃、好ま
しくは28℃、PH5〜9、好ましくは4において、
発酵時間は1〜10日間、好ましくは6日間で発酵
を行うのが有利でる。 該培養物からカルボルビシンを単離、採取する
には、発酵終了後の培養物を遠心分離によるか、
ケイ藻上の如き適当な濾過助剤の存在下で濾過す
ることにより、菌体と上澄または濾液に分離す
る。 菌体からは必要により、アセトン、メタノー
ル、エタノールもしくはブタノール等の水を混和
する有液溶媒を用いて抽出し、この濃縮液を濾液
と混合する。この混合液を濃縮した後、吸着担
体、例えば、合成吸着樹脂、シリカゲルを用いた
クラマトグラフイーにより処理するか、陰イオン
交換樹脂、陽イオン交換樹脂を用いる処理等を単
独にあるいは適宜組合せて使用することにより、
カルボルビシンは純粋な形で採取できる。 次に本発明によるカルボルビシンの有用性につ
いて述べる。本物質はマウス白血病培養細胞
L1210の増殖及び該酸合成を抑制する作用を有す
る。例えば20%仔牛血清を含むRPM1 1640培地
(ローズウエルバーグ研究所)へL1210細胞を5
×104ケ/ml接種し、同様に本物質を0.002〜
0.25μg/mlの濃度で添加し、37℃にて炭酸ガス培
養器中で培養し対照区に対する50%増殖阻害濃度
を求めた。更に上記のL1210培養細胞を10%仔牛
血清を含むRPM1 1640培地へ5×105ケ/mlとな
る様に懸濁し、37℃にて炭酸ガス培養器中で1〜
2時間培養を行つたのち、本物質を種々濃度で添
加し、15分後にさらに14C−ウリジン(0.05μCi/
ml)または14C−チミジン(0.05μCi/ml)を添加
し、37℃にて60分間培養した。反応液へ冷10%ト
リクロル酢酸を添加し、反応を中止すると同時
に、酸不溶物を沈澱させ、冷5%トリクロル酢酸
にてさらに2回洗滌したのち、ギ酸に溶解し、放
射活性を測定し、無添加対照区に対する放射能の
取込み率から50%取込み阻害濃度を求めた。次表
に結果を示す。
【表】 以上の結果に示される如く、本カルボルビシン
はマウス白血病細胞L1210に対し、極めて低濃度
で増殖を阻止し、同時にRNAおよびDNA合成を
阻害する作用を有しているが、代表的アントラサ
イクリン抗生物質ダウノマイシンと比較して、増
殖阻止作用が強い割には、核酸合成阻害作用が低
い特徴を有する化合物であり、制癌剤としての用
途が期待される。 以下に本発明を実施例によりさらに詳しく説明
する。 実施例 1 (1) ストレプトミセス セルレオルビダス
(streptomyces coeruleorrbidus)3T−373菌
株(微工研条寄第146号)のYS(0.3%酵母エキ
ス、1%可溶性デンプン、1.5%寒天、PH7.2)
斜面培養より一白金耳を採り、下記する種母培
地100mlを分注殺菌した500ml容三角フラスコに
接種し、28℃、ロータリー、シエカー
(220rpm)にて2日間振盪培養して種母を作成
した。 種母培地 可溶性デンプン 0.5% グルコース 0.5% エスサンミート(大豆粉、味の素社製)
1.0% 酵母エキス 0.1% NaCl 0.1% K2HPO4 0.1% MgSO4・7H2O 0.1% 水道水 PH7.4(殺菌前) 次いで下記組成の生産培地1.5を入れ、殺
菌した30容ジヤーフアーメンター2基に上記
の種母培養液を、1基当り750ml(5%に相当)
ずつ添加接種した。 生産培地 台湾酵母 5% 可溶性デンプン 7.5% 酵母エキス 0.3% NaCl 0.2% CaCO3 0.3% ミネラル混液※ 0.06% 水道水 PH8.2(加熱殺菌前) ※CuSO4・5H2O2.8g、FeSO4・7H2O0.4g
MnCl2・4H2O3.2g、ZnSO4・7H2O0.8gを
蒸留水500mlに溶解したもの。 通気量5/分、攪拌450回転/分で、28℃、
140時間培養すると培養液は濃赤褐色を呈し、
培養液1ml中およそ120μgのカルボルビシンを
蓄積した。 なお、培養液中の本物質は培養液1mlに1M
クエン酸緩衝液(PH3.5)1mlを加え、さらに
アセトン2mlを加えて攪拌、室温で1時間放
置、遠心操作により上清を分散、その10〜30μ
を薄層シリカゲルプレート(F254、メルク社
製)の下端より2cm位置にスポツトし、クロロ
ホルム/メタノール/水/酢酸(120/40/
3/0.4)で展開し、カルボルビシンのスポツ
トRf値;0.2を薄層様クロマトスキヤンナー
(島津製作所製CS−910型)を用いて波長
49.5nmで測定し、標準曲線より算定して定量
した。 培養120時間後、発酵を中止し、ジヤーフア
ーメンター2基より培養液を集め(総量27)、
濃硫酸でPH1.8に調整してのち遠心操作により
菌体と濾液に分離する。菌体区分は総量8の
アセトンで抽出し、その抽出上清をおよそ1/
3量まで減圧濃縮する。これを先の濾液と混合
し、4N苛性ソーダを用いてPH2.5に調整したの
ち、ダイヤイオンHP−2MG(合成吸着樹脂、
三菱化成社製)1のカラムに通す。PH2.5酸
性水で洗滌し、次いでおよそ2の50%アセト
ン水(PH2.5)で赤色着色向分を溶出する。溶
出液をおよそ1/3容まで濃縮し、PHを4N苛
性ソーダで8.5に調整し、500mlのクロロホルム
で2回洗滌抽出し不純物を除いた。さらに水層
のPHを6N塩酸で2.5となし、同容量のn−ブタ
ノールで抽出し、抽出液を減圧下で濃縮乾固し
て、カルボルビシンの粗粉末3.48gを得た。 (2) (1)で得た粗粉末1gを10mlのクロロホルム−
メタノール−水−酢酸(80:20:2:0.2)に
溶解し、これを同溶媒に懸濁、充填したシリカ
ゲルカラム(φ40×300mm、ワコーゲルC−200
(和光純薬(株)製使用)にかけ同溶媒で展開し、
目的物を含む溶出区を集め、減圧下濃縮乾固し
て630mgの粉末を得た。これを希重炭酸ソーダ
水溶液に溶解せしめ、クロロホルムで抽出洗滌
したのち、6N塩酸でPHを2.5となし、n−ブタ
ノールで抽出する。減圧下濃縮乾固し、デシケ
ーターにて真空乾燥してカルボルビシン432mg
を取得した。 (3) (1)で得た素粉末0.5gを0.1N塩酸100mlと溶解
し、85℃で1時間加熱処理した。この処理液を
100mlのクロロホルムで2回抽出し、濃縮乾固
して粗アグリコン粉未を得た。これを20mlのク
ロロホルムに溶解させ、クロロホルムで充填し
たシリカゲルカラム(φ30×300mm、シリカゲ
ルC−200(前出)使用)にかけ、次いで、クロ
ロホルム−メタノール(20:1)で展開した目
的アグリコンを含む溶出区を集め、減圧下で濃
縮乾固し、真空デシケーターで乾燥してカルボ
ルビシノン182mmを取得した。 実施例 2 ストレプトミセス セルレオルビダス8899
(NRRL3046)、同31723(NRRL3045)、同ME130
−A4(微工研菌寄第3540)、ストレプトミセス
ピユセテイウス(N.C.I.B.9475)、ストレプトミ
セスグリセウス バラエテイ ルビドフアシエン
スDS32041、ストレプトミセス ビフアーカス
DS2329(NRRL3539)、ストレプトスポランギユ
ウムL−31751(ATCC31129)及びアクチノマデ
ユラ、ワゼオバイオラセア、バール、ビワコエン
シス、ノブ、バールから選ばれる1菌株のYS斜
面寒天培養よりそれぞれ実施例1記載の種母培地
に接種し、2日間同様に培養し種母を作成した。 次いで下記組成の生産培地の50mlを分注殺菌し
た500ml容フラスコ100本(各菌株毎)に1mlずつ
種母を接種し、ロータリーシエヤー(220rpm)
にて28℃、6日間培養した。 生産培地 グリセロール 3%(w/v) エスサンミート(味の素社製、大豆粉) 1% コーンステイープリカー 2% 酵母エキス 0.1% 食 塩 0.3% 炭酸カルシウム 0.2% PH7.0(殺菌前) それぞれの菌株の培養液に関して、以下の如く
同様処理し、カルボルビシンを取得した。 即ち、培養液を集め、濃硫酸にてPH1.8に調整
したのち、遠心処理にて菌体と上清に分ける。菌
体は2のアセトン(PH2.5)で抽出し、その抽
出濾液を1/3量に濃縮し、先この上清分画と混
合する。これを再びPHを2.5に調整し、ダイヤイ
オンHP−2MG(前出)200mlのカラムに通す。お
よそ200mlのPH2.5水で水洗し、約400mlの50%ア
セトン(PH2.5)で溶出する。溶出液をおよそ180
mlまで濃縮する。4N苛性ソーダでPHを8.5に調整
し、クロロホルム100mlで2回抽出洗滌する。次
いで6N塩酸で水層のPHを2.5となし、100mlのn
−ブタノールで目的物質を抽出、濃縮乾固して、
粗粉末を得た。 粗粉末を1〜2mlのクロロホルム−メタノール
−水−酢酸(80:20:2:0.2)に溶解、同溶媒
系で充填したシリカゲル(C−200(前出し)使
用)カラム(φ15×150mm)にかけ、同溶媒系で
展開した。目的物質を含む溶出液を集め、減圧下
で濃縮乾固し、これを希重炭酸ソーダ水溶液20ml
に溶解せしめ、クロロホルムで洗滌後、PH2.5と
なし、n−ブタノール20mlで抽出、濃縮乾固、真
空乾燥してカルボルビシンを取得した。 下表に各菌株の5培養液からのカルボルビシ
ン取得量を示す。 菌株 5培養液から取得量(mg) 1 ストレブトミセス セルレオルビダス8899
(NRRL3046) 25 2 ストレプトミセス セルレオルビダス31723
(NRRL3045) 33 3 ストレプトミセス セルレオルビダス
ME130−A4(微工研菌寄第3450) 45 4 ストレプトミセス グリセウスバラエテイ
ルビドフアシエンスDS32041 15 5 ストレプトミセス ゼフアーカスDS23219
(NRRL3539) 12 6 ストレプトスポランギウムC−31751
(ATCC31129) 17 7 マクチノマデユラ、ローゼオバイオラセア、
バール、ビワコエンシス、ノブ、バール(微工
研菌寄第5155) 9 上記実施例によつて得られるカルボルジヒンは
下記の物理化学的性状を示す。 A) 融点 161〜163℃(分解) B) 〔α〕23 D(メタノール)+200゜(C:0.113) C) 紫外部及び可視部吸収スペクトル(メタノ
ール中) λmax,nm(E1% 1cm):495(222), 530(157) 575(24) D) 赤外部吸収スペクトル(KBr)(cm-1) 1710,1600,1580,1460,1390,1280,1190,
980 E) プロトン核磁気共鳴スペクトル(CDCI3
CD3OD)(δ.ppm) 1.16(3H,t,J=7.5,H−14)、1.32(3H,
d,J=6.5,H−6′)、1.5〜2.2(4H,m,H−
13,H−2′)、2.31(2H,bs,H−8)、3.74
(1H,bs,H−4′)、4.19(1H,s,H−10)、
4.23(1H,q,J=6.5,H−5′)、5.11(1H,
bs,H−7)、5.48(1H,bs,H−1′)、7.15
(1H,dd,J=8,1.5,H−3)、7.57(1H,
t,J=8,H−2)、7.61(1H,dd,=J=
8,1.5,H−1)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 式 で示される新規アントラサイクリン抗生物質。
JP11721583A 1983-06-28 1983-06-28 新規アントラサイクリン抗生物質 Granted JPS608300A (ja)

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JP11721583A JPS608300A (ja) 1983-06-28 1983-06-28 新規アントラサイクリン抗生物質

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JP11721583A JPS608300A (ja) 1983-06-28 1983-06-28 新規アントラサイクリン抗生物質

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JP2667463B2 (ja) * 1988-08-25 1997-10-27 メルシャン株式会社 抗生物質d788‐7の製造法

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