JPS6322800B2 - - Google Patents

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JPS6322800B2
JPS6322800B2 JP56045789A JP4578981A JPS6322800B2 JP S6322800 B2 JPS6322800 B2 JP S6322800B2 JP 56045789 A JP56045789 A JP 56045789A JP 4578981 A JP4578981 A JP 4578981A JP S6322800 B2 JPS6322800 B2 JP S6322800B2
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JP
Japan
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adriamycin
subsp
streptomyces
formula
caesius
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JP56045789A
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JPS57159496A (en
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Shunichi Oki
Yukio Takatsuki
Akihiro Yoshimoto
Tomoyuki Ishikura
Tomio Takeuchi
Hamao Umezawa
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SANRAKU CO Ltd
Original Assignee
SANRAKU CO Ltd
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Publication date
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Publication of JPS6322800B2 publication Critical patent/JPS6322800B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H15/00Compounds containing hydrocarbon or substituted hydrocarbon radicals directly attached to hetero atoms of saccharide radicals
    • C07H15/20Carbocyclic rings
    • C07H15/24Condensed ring systems having three or more rings
    • C07H15/252Naphthacene radicals, e.g. daunomycins, adriamycins
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N1/00Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
    • C12N1/20Bacteria; Culture media therefor
    • C12N1/205Bacterial isolates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P19/00Preparation of compounds containing saccharide radicals
    • C12P19/44Preparation of O-glycosides, e.g. glucosides
    • C12P19/56Preparation of O-glycosides, e.g. glucosides having an oxygen atom of the saccharide radical directly bound to a condensed ring system having three or more carbocyclic rings, e.g. daunomycin, adriamycin
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12RINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES C12C - C12Q, RELATING TO MICROORGANISMS
    • C12R2001/00Microorganisms ; Processes using microorganisms
    • C12R2001/01Bacteria or Actinomycetales ; using bacteria or Actinomycetales
    • C12R2001/465Streptomyces

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、新規なアドリアマイシンの製造法に
関し、更に詳しくは、一般式 式中、R1はアセチル、1―ヒドロキシエチル
またはエチル基を表わし、R2は水素原子または
メチル基を表わす。但し、R1がエチル基の場合
はR2はメチル基を表わす。 で示されるアントラサイクリン抗生物質を、次式 で示されるアドリアマイシンに変換する能力を有
するストレプトミセス属に属する微生物の培養菌
体またはそれらの処理物の存在下、一般式()
で示されるアントラサイクリン抗生物質を生化学
的に式()で示されるアドリアマイシンに転換
せしめて、分離、精製することを特徴とするアド
リアマイシンの製造法に関する。 アドリアマイシンは、強い抗腫瘍活性を有する
アントラサイクリン抗生物質で、抗癌スペクトル
が広く癌治療上重要な化学療法剤であり、従来そ
の製造法としては、ストレプトミセス・ビユーセ
テイウス・サブスピーシーズ・カエシウス
Streptomyces peucetius subsp.caesius
ATCC 27952等の培養による方法(特公昭45−
26713号公報参照)、或はダウノマイシンを化学的
に処理して製造する方法(特公昭47−46597号公
報参照)等が知られている。 これらの方法またはその改良された方法が現実
にアドリアマイシンの製造に用いられているが、
より有効な製造法の開発が望まれていた。 本発明者らは種々のアントラサイクリン抗生物
質生産菌及びそれらから単離された種々の変異株
を用いる抗生物質変換法により、アントラサイク
リン群抗生物質の生合成を詳細に研究している過
程で、ダウノマイシンがアクラビノンからε―ロ
ドマイシノン、13デオキシダウノマイシンを経て
生合成される経路を明らかにした(例えば、J.
Antibioics 33,1158,1199(1980))。 これらの知見に基づき、上記アドリアマイシン
のより有利な製造法を開発すべく研究した結果、
上述の如く出発物質(基質)として式()に示
される抗生物質:下記表―1に具体的に示す、 【表】 に公知のアドリアマイシン生産菌もしくは該生産
菌の変異株を非増殖条件下で作用させるか、また
はそれらの菌体処理物を作用させる生化学的な変
換方法によれば、目的のアドリアマイシンが効率
よく得られることを見い出し、本発明を完成し
た。 本発明に使用される微生物は、非増殖条件の下
に、式()で示されるアントラサイクリン抗生
物質を式()で示されるアドリアマイシンに変
換する能力を有するものであれば、広範囲の微生
物から選ぶことができるが、一般にストレプトミ
セス属に属するアドリアマイシン生産菌またはそ
の変異株が好適なものとして挙げられる。その具
体的なものとしては、ストレプトミセス・ビユー
セテイウス・サブスピーシーズ・カエシウス
Streptomyces peucetius subsp.caesius
ATCC 27952もしくはストレプトミセス・ビユー
セテイウス・サブスピーシーズ・カルネウス
Streptomyces peucetius subsp.carneus
ATCC 21354またはそれらから誘導されるアント
ラサイクリン系色素非生産性変異株を挙げること
ができる。 該変異株は、公知の各種の変異手段、例えば、
ニトロソグアニジン、ジエポキシエタン、亜硝酸
塩等の変異誘起剤処理または紫外線、α―線、γ
―線、X―線等の放射線照射の手段によつて得ら
れる。 本発明で用いられる変異株の検索方法を具体例
によりさらに説明すれば通の通りである。 ストレプトミセス・ビユーセテイウス・サブス
ピーシーズ・カエシウス(Streptomyces
peucetius subsp.caesius) ATCC 27952菌株
の培養寒天斜面より一白金耳を5mlのYS液体培
地(0.3%酵素エキス―1%可溶出澱粉、PH7.2)
を分注した試験管中に接種し、2日間28℃で往復
振盪培養する。次いで培養液を超音波(トミイセ
イコ(Tomy Seiko)社製、UR―200P型)で30
秒間処理したのち、脱脂綿を詰めた殺菌小ガラス
管(φ1.5cm×2cm)を通過させ、遠心により集菌
した。これに1mg/ml濃度のN―メチル―N′―
ニトロ―N―ニトロソグアニジンを含む0.1Mト
リス―塩酸緩衝液(PH8.5)の5mlを加え懸濁し、
28℃で1時間振盪する。再び遠心し、上清を棄て
5mlの生理食塩水に懸濁、同食塩水で適当に希釈
し、YS寒天平板(前述、寒天1.5%)に塗布し、
28℃で5日間培養してコロニーを形成せしめる。
該コロニーをYS寒天斜面に移植培養したのち、
3mlのYS液体培地(前出)を含む試験管に接種
し、28℃で2日間振盪培養する。この全量を以下
に示す組成から成る発酵生産培地30mlを容れた
250mlフラスコに接種し、28℃で5日間回転振盪
培養する。 発酵生産培地 蔗糖 5 % エスサンミート(大豆粉、味の素社製)
2 % コーンステイーブ・リカー 0.2% 酵母エキス 0.2% りん酸第二カリウム 0.1% 硫酸マグネシウム 0.05% 炭酸カルシウム 0.2% ミネラル* 0.2%(PH7.4) *CuSO4・5H2O 2.8g FeSO4・7H2O 0.4g MnCl2・4H2O 3.2g ZnSO4・7H2O 0.8g 以上を500mlの水に溶解したもの 培養液5mlを採り、クロロホルム/メタノール
(3/2)混液5mlを加えて、ミキサーにて激しく振
盪する。アントラサイクリン生産菌培養液はクロ
ロホルム抽出層が橙〜赤色を呈するが、非生産菌
培養液では無色である。かくして非生産性菌株を
選別単離する。得られた非生産性菌株を前述と全
く同様にYS液体で培養し、これを種母として発
酵生産培地(30ml/250ml三角フラスコ)に接種
し、4日間培養する。これにダウノマイシン塩酸
塩の水溶液(1mg/ml)を0.3ml添加(最終濃度
10mg/ml)し、培養をさらに2日間継続する。培
養液5mlを採り、クロロホルム/メタノール(3/
2)混液の5mlを加え激しく振盪し、生成物をク
ロロホルム層に抽出する。濃縮乾固後、0.1N
HClを2ml添加し、85℃で30分間加熱し、生成物
を加水分解してアグリコン(アントラサイクリノ
ン)を生成せしめる。これに0.1mlのトルエンを
添加し振盪してアグリコンをトルエン層に移行せ
しめ、このうち10μをシリカゲル薄層プレート
上にスポツト、アドリアマイシン、ダウノマイシ
ン及びジヒドロダウノマイシンを対照に用い、ベ
ンゼン/アセトン/ギ酸(100/30/1)の溶媒
系で展開してアドリアマイシンの生産量を肉眼的
に検し、アドリアマイシンの生成率がよい菌株を
選択する。 これにより、当素者は本発明の目的に適合した
式(で示されるアントラサイクリン抗生物質を
生化学的に式()のアドリアマイシンに変換す
る能力を有する変異菌株を容易に検索することが
できる。 上記の如くして検索された前記変換する能力を
有する菌株の代表的なものには、ストレプトミセ
ス属に属するアドリアマイシン生産菌から変異処
理によつて得られる菌株が包含され、その好適な
一例としては、本発明者らが2N―267菌株の番号
を付した菌株が挙げられる。 この2N―267菌株は、親株であるストレプトミ
セス・ビユーセテイウス・サブスピーシーズ・カ
エシウス(Streptomyces peucetius subsp.
caesius) ATCC 27592とアントラサイクリン
抗生物質を生産しない性質及びそれに由来すると
考えられる各種寒天培地中での可溶性色素生産が
ない点を除けば全く同一であつた。 ストレプトミセス・ビユーセテイウス・サブス
ピーシーズ・カエシウス(Streptomyces
peucetius subsp.caesius) 2N―267菌株
ATCC31847(ブタペスト条約に基づく国際寄託)
の菌学的性状 1 形 態 顕微鏡下でよく分岐した基中菌糸より鉤状〜
不完全なラセン状の気菌糸を伸長し、輪生枝は
認められない。球状胞子は連鎖し大きさは1.8
×3.0ミクロン位で胞子の表面は平滑であるが
時にコブ状のものも見られる。 2 各種培地における生育状態 【表】 3 生理的特徴 (1) 生育温度範囲 20〜40℃最適28℃ (2) ゼラチン液化(グルコース、ペプトンゼラ
チン培地上) 陽 性 (3) スターチの加水分解(スターチ寒天培地
上) 僅かに陽性 (4) 脱脂牛乳の凝固、ペプトン化 な し (5) メラニン様色素の生成(チロシン寒天培地
上およびペプトン、イースト鉄寒天培地上)
な し 4 各炭素源の同化性(ブリドハム、ゴドリーブ
寒天培地上) L―アラビノース − D―キシロース + D―グルコース + D―フラクトース + シユクロース + イノシトール − L―ラムノース − ラフイノース + D―マンニツト + (+:よく同化する −:同化し難い) 本発明者等は、本菌株をストレプトミセス・ビ
ユーセテイウス・サブスピーシーズ・カエシウス
Streptomyces peucetius subsp.caesius)2N
―267として、アメリカン タイプ カルチヤー
コレクシヨン(American Type Culture
Collection)に昭和56年3月18日付ブタペスト条
約に基づく国際寄託を行い、ATCC31847の寄託
番号を得ている。 本発明の方法に用いられる微生物の培養菌体
は、上記菌株を栄養源含有培地に接種して、好気
的に培養し、対数増殖後期以後の増殖細胞を遠沈
等により集菌洗浄して用いられるが、就中定常増
殖ないしは、それ以後の増殖期のものが菌体の収
量及び前記アントラサイクリン抗生物質のアドリ
アマイシン変換活性の面で優れている。 培養に用いられる栄養源としては、放線菌の栄
養源として通常使用されるもの、例えば炭水化
物、窒素源、無機塩などの同化できる栄養源を使
用できる。例えば、ぶどう糖、グリセリン、麦芽
糖、蔗糖、糖蜜、デキストリン、澱粉などの炭水
化物や、大豆油、落花生油、ラードなどの油脂、
脂肪類の如き炭素源;ペプトン、肉エキス、大豆
粉、綿実粉、乾燥酵母、コーンステイーブリカ
ー、酵母エキス、脱脂乳、カゼイン、硝酸ナトリ
ウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウムなど
の窒素源;リん酸二カリウム、食塩、炭酸カルシ
ウム、硫酸マグネシウムなどの無機塩が使用で
き、必要により微量金属、例えばコバルト、マン
ガンなどを添加することができる。 また栄養培地は培養に先立ち殺菌することがで
き、この殺菌の前又は後で、培地のPHを4〜9の
範囲、特にPH6〜8の範囲に調節するのが有利で
ある。 培養方法としては、通常好気的在件下に培養す
るのが好適であり、通常撹拌しながら及び/又は
通気しながら行うことができる。また、培養方法
としては静置培養、振盪培養、通気撹拌をともう
液内培養のいずれも使用可能であるが、通気撹拌
培養が有利である。 如くして、増殖蓄積する菌体を遠心分離または
過等の分離手段により集菌し、PH6〜9の菌体
の活性に実質的に影響を与えない種々の緩衝液、
例えば、0.1モルトリスー塩酸(PH8.5)等で洗浄
し、本発明の方法に供する。 また、本発明の変換方法をより有利に実施する
ためには、上記の如くして得られた洗浄菌体をそ
れ自体公知の溶菌酵素、超音波処理等で細胞表層
構造を破壊しない程度処理した菌体が用いられ
る。 該菌体の処理に用いられる酵素としては、例え
ば、リゾチウム、ムラミダーゼ、溶菌酵素#2
(協和醗酵工業製:商標)等の動物および微生物
由来の酵素類を挙げることができる。 これらの酵素による該菌体の処理条件は、菌体
および酵素の種類並びに酵素活性の強弱によつて
広範な条件が選ばれるが、一般に該菌体を上記緩
衝液に菌体濃度が湿重量で10〜30g/100mlにな
る様に懸濁せしめ、該酵素を0.01〜1mg/mlにな
る様に添加し、20〜37℃で1〜2時間静置反応さ
せた後、集菌のため遠心分離手段に供する。 以上の方法によつて調製された菌体または該菌
体処理による式()で示されるアントラサイク
リン抗生物質の式()でされるアドリアマイシ
ンへの変換反応は、使用する菌体または菌体また
は菌体処理物の種類または使用量によつて、基質
アントラサイクリン抗生物質の濃度、反応温度、
反応時間、反応液PH等を広範に亘つて変えること
ができ、使用する菌または菌体処理物を特定した
場合の最適の反応条件の設定は、当業者であれば
簡単な小規模実校験により容易に決定することが
できる。 一般に菌体または菌体処理物は、PH6〜9の緩
衝液に懸濁した後、式()で示されるアントラ
サイクリン抗生物質を最終濃度が10〜100μg/
mlになる如く添加し、20〜37℃で15〜48時間に亘
つて激しく撹拌することによつて、本発明の変換
反応は遂行される。該反応は酸素を要求する酵素
反応であることが窺われることから、反応の収率
の向上、反応時間の短縮のためには、適度の通気
を行うことが好ましい。 また該反応に於ける菌体および菌体処理物の変
換反応活性は、マグネシウムイオンの共存によつ
て安定化されるため、反応液へ塩化マグネシウ
ム、硫酸マグネシウム等の添加が有利である。こ
の際、マグネシウムイオン濃度は、1〜10mMが
好適である。 また使用する緩衝液としては、PH6〜9にある
もので、通常の酵素反応に用いられる濃度範囲の
ものが選ばれるが、緩衝液の組成として、りん酸
イオンを包含しないものが好適に使用できる。 変換生成したアドリアマイシンを単離するには
反応菌体液を遠心分離により菌体と液に分離す
る。生成物は主として菌体に存在し、アセトン、
メタノール、n―ブタノール等で抽出することが
出来る。一方液成分はクロロホルム、酢酸エチ
ル、酢酸メチル、トルエン等の有機溶媒で抽出す
る。両者からの抽出物を混合し濃縮乾固すること
により、赤褐色の粗生成物を得ることが出来る。
更にアドリアマイシンを単離、精製するためには
シリカゲル、アルミナ、セフアデツクスLH―20
(スウエーデン、フアルマシヤ社製)、弱酸性或は
弱塩基性イオン交換樹脂或はイオン交換セルロー
ズ等を用いたカラムクロマトグラフ或はシリカゲ
ルを用いた分取用薄層クロマトグラフ、液体クロ
マトグラフ及び向流分配法等を適宜組合せること
により行うことが出来る。 以上の本発明方法によつて得られた標品のアド
リアマイシンとしての同定は、0.1N塩酸水、80
℃30分間の加水分解により得られるアグリコンの
数種類の溶媒系を用いてのシカゲル薄層(F254
ルク社製)上、でのRf値、紫外部、可視部吸収
スペクトル、赤外線吸収スペクトル等が標準アド
リアマイシノンと一致すること、酸加水分解中の
糖成分をJ.Antibiotics 32,801―819記載の方法
で定性分析した結果ダウノサミンが検出されたこ
とから証明された。 下記に示した本標品の物理化学的性状及び機器
分析値を文献値と比較した結果、アドリアマイシ
ンと一致した。 (1) 外 観 赤色粉末 (2) 元素分析 C H N 実験値(%) 59.51 5.40 2.65 計算値(%) 59.66 5.38 2.57 (但し、C27H29NO11として) (3) 分子量 543.5 (4) 融 点 199―201(dec)(塩酸塩として) (5) 紫外部、可視部吸収スペクトル 【表】 【表】 (6) 赤外線吸収スペクトル(KBr錠) νmax cm-1:3350,2950,1720,1620,1580,
1530,1420,1280,1230,1210,
1110,1080,980,910,870 (7) PMRスペクトル(100メガヘルツ、クロロホ
ルム中) H―1(8.00)、H―2(7.75)、H―3(7.35)、
H―1′(5.50)、H―7(5.25)、H―3′,H―
5′(4.15)、OCH3 (4.05)、H―4′(3.45)、CO
CH2OH(3.30)、H―10(3.05)、H―8
(2.20)、CH2―2′(1.70)、CH3 ―5′(1.35) アドリアマイシンの物理化学的性状及び機器分
析データーに関しては、以下の文献を参考にし
た。 文献1 Tetrahedron Letter,13,1007
(1969) 2 Biotechnol.Bioeng.11,1101(1969) 3 Recent Results in Cancer Res.
P.9 Berlior―Heidelberg―New
York,SPringer Verlag.1972 次に実施例によつて本発明の詳細を説明する。 実施例 1 馬鈴薯澱粉 1.5%(PH7.4) グルコース 1 % エスサンミート(大豆粉、味の素社製)
1 % 酵母エキス 0.1% りん酸二カリウム 0.1% 硫酸マグネシウム 0.1% 食 塩 0.3% ミネラル 0.125% 〔CuSO4・5H2O 2.8g FeSO4・7H2O 0.4g MnCl2・4H2O 3.2g ZnSO4・7H2O 0.8g〕 以上を500mlの水に溶解したもの 但し%は特に断りなき限りw/v%である。 上記培地を50mlを500ml三角フラスコへ分注殺
菌し、ストレプトミセス・ビユーセテイウス・サ
ブスピーシーズ・カエシウス(Streptomyces
peucetius subsp.caesius)2N―267をスラント
より1白金耳接種し、28℃にて48時間ロータリシ
エーカー(230rpm)にて培養したものを種母と
した。 蔗 糖 5 %(PH7.4) 大豆粉(エスサンミート)(前出)
2 % コーンステイーブリカー 0.2% 酵母エキス 0.2% りん酸二カリウム 0.1% 硫酸マグネシウム 0.05% 炭酸カルシウム 0.2% ミネラル(前出) 0.2% 上記培地5を50mlずつ、500ml三角フラスコ
へ分注殺菌したものへ、上記種母1mlを添加し、
ロータリシエーカー(230rpm)を用い、28℃に
て84時間培養を行つた。 培養液を遠心分離して菌体を集菌し、0.1モル
トリス―塩酸緩衝液(PH8.5)で洗浄、次いで同
緩衝液に懸濁し全量を5とした。この懸濁液50
mlを500ml三角フラスコに分注し、これに0.5mg/
ml濃度のダウノマイシン塩酸塩水溶液0.6mlを添
加し(全添加量50mg)、28℃でロータリーシエー
カーにて20時間振盪した。反応菌体液を遠心分離
し、菌体と上清とに分離する。上清に2のクロ
ロホルムを添加2回反復抽出を行う。一方菌体は
2のアセトンで、2回反復抽出を行い、得られ
たアセトン抽出液を減圧濃縮することによりアセ
トンを除去する。このものに容量の1/2量のクロ
ロホルムを加え、2回反復抽出し、上清より抽出
したクロロホルム溶液と合せ、減圧濃縮し、ター
ル状物質を得た。 上述の粗抽出物を少量のクロロホルムに溶解
し、これをシリカゲルPF254(メルク社製)で作製
した分取用薄層の下端より1.5cm位に線状に塗布
し、マグネシウム/メタノール/水/酢酸(75/
25/5/5;v/v/v/v)の溶媒系で展開す
る。アドリアマイシンのバンドに相当するRf0.2
の部分は、共存している基質残余のダウノマイシ
ン(Rf値、0.33)及びその代謝産物であるジヒド
ロダウノマイシン(Rf値、0.25)と完全に分離し
た。アドリアマイシン部分をかきとり、クロロホ
ルム/メタノール(4/1;v/v)混液で抽出
し、濃縮乾固した。夾雑物を除去するため、上記
の赤色濃縮乾固物を0.1モル酢酸溶液(PH3.0に調
製)50mlに溶解し、20mlのトルエンで2回洗浄し
た。水層を氷水中で冷却しながら、4N苛性ソー
ダで中和しPHを6.8に調節したのち、総量200mlの
クロロホルムで抽出した。クロロホルム層を水洗
し、芒硝で乾燥させたのち、減圧下でおよそ3ml
に濃縮し、これにn―ヘキサン20mlを加えて沈澱
させ、別し、真空乾燥を行い、アドリアマイシ
ンの赤色粉末12.6mgを得た。変換回収率は25%で
あつた。 実施例 2 ストレプトミセス・ビユーセテイウス・サブス
ピーシーズ・カエシウス(Streptomyces
peucetius subsp.caesius)2N―267株を実施例
1に示したと同一の方法で培地5を用いて培養
し、菌体を調製した。0.1モルトリス―塩酸緩衝
液(PH8.5)の1で1回洗浄し、最終濃度0.1
mg/mlになるように溶菌酵素#2(協和醗酵社製)
を添加した同一緩衝液中に菌体を懸濁させ、37℃
で1時間放置した。反応終了後、遠心分離(4
℃)により集菌し、菌体を5mM塩化マグネシウ
ム溶液1で洗浄し、再び、5mM塩化マグネシ
ウムを含む0.1モル トリス―塩酸緩衝液(PH
8.5)5に懸濁した。それに1mg/mlのダウノ
マイシン塩酸塩水溶液の50mlを加え混合したの
ち、50mlずつ500ml三角フラスコに分注し、ロー
タリーシエーカー(前出)上で20時間振盪反応さ
せた。 遠心分離により菌体と上清に分け、上清は1.5
のクロロホルムで抽出した。菌体は2のアセ
トンで2回抽出し、濃縮したのち1.5のクロロ
ホルムで再抽出した。両クロロホルム抽出層を濃
縮乾固した粗生成物を得た。このものを実施例1
で示したと同一の方法で、薄層クロマトグラフイ
ーを行い、アドリアマイシンを分離取得すると共
に、酸転操作により精製し、アドリアマイシン
19.2mgを得た。変換収得率は38.4%であつた。 実施例 3 ストレプトミセス・ビユーセテイウス・サブス
ピーシーズ・カエシウス(Streptomyces
peucetius subsp.caesius)2N―267株を実施例
1及び2で示したと同一の方法で、培地5より
溶菌酵素#2未処理及び処理の菌懸濁液を夫々調
製した。これに1mg/mlのジヒドロダウノマイシ
ン塩酸塩水溶液50mlを夫々添加し、よく撹拌混合
したのち、50mlずつ500ml三角フラスコに分注し、
20時間ロータリーシエーカーにて振盪し、実施例
1に示したと同一の方法でアドリアマイシンを抽
出、分離、精製し酵素未処理菌体による変換液よ
りアドリアマイシンを11.9mg(変換率23.9%)、
酵素処理菌体を用いた反応液よりアドリアマイシ
ン17.7mg(変換率35.4%)を取得した。 実施例 4 ストレプトミセス・ビユーセテイウス・サブス
ピーシーズ・カエシウス(Streptomyces
peucetius subsp.caesius)2N―267株を実施例
1で示したと同一の方法で、培地5より菌懸濁
液を調製した。これに1mg/mlのデオキシダウノ
マイシン塩酸塩水溶液50mlを添加し、撹拌混合し
たのち、50mlずつ500ml三角フラスコに分注し、
20時間ロータリ―シエーカーにて振盪し、実施例
1に示したと同一の方法でアドリアマイシンを単
離精製し、10.8mg(変換率21.6%)を取得した。 実施例 5 ストレプトミセス・ビユーセテイウス・サブス
ピーシーズ・カエシウス(Streptomyces
peucetius subsp.caesius)2N―267株を実施例
1で示したと同一の方法で、培地5より菌懸濁
液を調製した。これに1mg/mlのカルミノマイシ
ン或はジヒドロカルミノマイシンの塩酸塩水溶液
50mlを添加し、撹拌混合したのち、50mlずつ500
ml容三角フラスコに分注し、20時間ロータリ―シ
エーカーにて振盪した。 実施例1に示したと同一の方法でアドリアマイ
シンを単離精製し、カルミノマイシン変換反応液
から14.6mg(変換率29.2%)、ジヒドロカルミノ
マイシン変換反応液から12.8mg(変換率25.6%)
を夫々取得た。 実施例 6 ストレプトミセス・ビユーセテイウス・サブス
ピーシーズ・カエシウス(St. peucetius
subsp.caesius) ATCC 27952及びストレプト
ミセス・ビユーセテイウス・サブピーシーズ・カ
ルネウス(St. peucetius subsp.carneus
ATCC 21354を実施例1で示したと同じ方法で種
母を調製し、この1mlを実施例1で示した本培養
培地の50mlを含む500ml三角フラスコにそれぞれ
接種し、28℃で90時間、ロータリーシエーカー
(前出)にて培養した。各フラスコ1本分の培養
液を遠心分離し、菌体を集菌し、0.1モル トリ
ス―塩酸緩衝液50mlで洗浄した。再び5mM塩化
マグネシウムを含有する同緩衝液50mlに懸濁し、
500ml容三角フラスコに分注し、これに0.5mg/ml
のダウノマイシン塩酸塩水溶液の0.6mlを加える
(最終濃度10mg/ml)、28℃で20時間、ロータリー
シエーカー(前出)にて振盪した。夫々のフラス
コにより反応の5mlをサンプリングし、これに2
mlのメタノールを添加、撹拌、次いで3mlのクロ
ロホルムを加えてミキサーにて撹拌混合し、生成
物をクロロホルム層に移行し、分取濃縮乾固し
た。これに3mlの0.1N塩酸を加え、85℃で30分
加熱し、加水分解を行い、生成しているアドリア
マイシン及び共存するダウノマイシン、ジヒドロ
ダウノマイシンをそれぞれアドリアマイシン、ダ
ウノマイシン及びジヒドロダウノマイシンとなし
た。加水分解液よりこれらアグリコンを3mlのク
ロロホルムで2回抽出することにより単離し、濃
縮物として取得した。これを0.1mlのクロロホル
ムに溶解し、そのうち10μをシリカゲル薄層
(F254、メルク社製)にスポツトし、ベンゼン―
アセトン―ギ酸(100:30:1)の溶媒系で展開
した。この時アドリアマイシノンはRf値0.20ダウ
ノマイシンはRf値0.35、又ジヒドロダウノマイシ
ンはRf値0.16を示した。如くして得られたクロマ
トグラフ上のアドリアマイシンのスポツトを島津
TLCクロマトスキヤンナーCS―910型を用い、波
長490nmでスキカンニングを行い標準アドリアマ
イシノンの定量曲線より生成量を算定し、アドリ
アマイシン相当量に逆算した結果、以下に表記し
た結果を得た。なお比較のため同様に処理して得
た前述の2N―267株の結果を対照として掲げる。 【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 式中、R1はアセチル、1―ヒドロキシエチル
    またはエチル基を表わし、R2は水素原子または
    メチル基を表わす。但し、R1がエチル基の場合
    はR2はメチル基を表わす。 で示されるアントラサイクリン抗生物質を、次式 で示されるアドリアマイシンに変換する能力を有
    するストレプトミセス属に属する微生物の培養菌
    体またはそれらの処理物の存在下、一般式()
    で示されるアントラサイクリン抗生物質を生化学
    的に式()で示されるアドリアマイシンに転換
    せしめて、分離、精製することを特徴とするアド
    リアマイシンの製造法。 2 ストレプトミセス属に属する微生物の培養菌
    体の処理物が溶菌酵素で処理されたものである特
    許請求の範囲第1項記載の製造法。 3 ストレプトミセス属に属する微生物がストレ
    プトミセス・ビユーセテイウス・サブスピーシー
    ズ・カエシウス(Streptomyces peucetius
    subsp.caesius) ATCC 27952もしくはストレ
    プトミセス・ビユーセテイウス・サブスピーシー
    ズ・カルネウス(Streptomyces peucetius
    subsp.carneus) ATCC21354またはこれから得
    られる変異株である特許請求の範囲第1項または
    第2項記載の製造法。
JP56045789A 1981-03-28 1981-03-28 Preparation of adriamycin Granted JPS57159496A (en)

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JP56045789A JPS57159496A (en) 1981-03-28 1981-03-28 Preparation of adriamycin
EP82102532A EP0061737A1 (en) 1981-03-28 1982-03-25 Process for production of adriamycin

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JPS57159496A JPS57159496A (en) 1982-10-01
JPS6322800B2 true JPS6322800B2 (ja) 1988-05-13

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IT1155446B (it) * 1982-12-23 1987-01-28 Erba Farmitalia Procedimento per la purificazione di glucosidi antraciclinonici mediante adsobimento selettivo su resine
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EP0061737A1 (en) 1982-10-06

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