JPH0339407Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案は振出し栓に係る。

「従来の技術」 この種の振出し栓としては、例えば実公昭51−
53952号公報が示す考案が知られている。該振出
し栓は、容器体口頂面を閉塞する頂壁から口頸部
外面へ螺合させる周壁を垂設すると共に、その頂
壁前部を開口して該開口周縁から注出筒を起立
し、かつ該注出筒の左右両側から後方へ突出する
ように頂壁後部の左右両側から起立する左右側壁
の上端に、頂壁後縁から第１ヒンジを介して第１
節板を起立すると共に該第１節板上端から第２ヒ
ンジを介して第２節板を斜上前方へ突出し、更に
該第２節板前端から上記注出筒上面を閉塞する蓋
板を屈折部を介して突出して、その蓋板後端部の
左右両側に付設したピンを枢着したものであり、
上記第２ヒンジ部分を斜下前方へ押込むと、上記
第１、第２節板が下前方へ逆くの字状に弾性反転
することで上記蓋板がピンを中心に開放し、又蓋
板前端部を押下げると再び元形に両節板が弾性反
転することで閉蓋するよう設けたものである。

「考案が解決しようとする課題」 上記従来の振出し栓は、上記両節板をくの字状
から逆くの字状に弾性反転させることで開蓋する
が、その操作のためには、第１、ないし第２節板
を押圧しなければならない。しかしそれ等節板は
弾性変形可能に形成されているため、押圧時の手
応えが充分でない欠点があつた。

本案は押圧部分と弾性変形部分とを異にして、
上記手応えが確実となるよう設けたものであり、
しかも振出し栓の形状および構造を従来と異なる
ものとして従来品に飽きた消費者の要望に応えよ
うとするものである。

「課題を解決するための手段」 半球面状であつて、頂部から前面側にかけての
外面に帯状の係合溝を凹設し、この係合溝６部に
振出し孔７を穿設し、また頂部から後面側にかけ
ての帯状部を内方に凹陥８して容器体１口部に装
着されたキヤツプ体２と、該キヤツプ体２の下部
外面に係嵌装着した環状体１１の左右両側からキ
ヤツプ体２上方まで延びるアーチ１２を立設し、
他方キヤツプ体２頂面部に、前半部を前記係合溝
６内へ着脱自在に嵌合して上記振出し孔７を閉塞
する蓋板部１６ａとし、後半部を前記凹陥部８上
方へ突出する柄部１６ｂとした帯状の栓板１６
を、裏面中間部のヒンジ９によりキヤツプ体２に
頂部に枢着して配設し、この栓板１６のヒンジ９
より前方側上面を揺動可能な弾性板１４により可
撓ヒンジ１５，１３を介してアーチ１２裏面に結
合したクリツク形栓部材３とからなる。

「作用」 第１図、第３図は常時、つまり栓板１６が振出
し孔７を閉栓している場合で、この場合弾性板１
４は前方に傾斜して栓板１６を上面から押さえ、
安定した状態にある。この状態から内容物を振出
しするには、栓板１６後部の押下げ部を矢示のよ
うに下方の凹陥部８内に押下げればよい。する
と、栓板１６はヒンジ９を支点とし弾性板１４を
弾性変形させて時計方向に回動する。弾性板１４
下端の可撓ヒンジ１５が、上記ヒンジ９と弾性板
１４上端の可撓ヒンジ１３とを結ぶ直線上に位置
したときを死点として、後方へ移動すると同時に
弾性板１４は弾性復元することとなり、よつて弾
性板は第３図２点鎖線が示すように移動し、同時
に栓板１６は弾性反転、つまりクリツク作用によ
り開栓状態に移行する。振出し孔７を閉栓するに
は上記と逆に上昇している蓋板部１６ａの前部を
押下げればよい。

「実施例」 本考案振出し栓は、振出し孔を穿設して容器体
１口部に装着される半球面状のキヤツプ体２と、
このキヤツプ体２に組込まれ、操作により回動し
て前記振出し孔を開閉栓する栓板を備えたクリツ
ク形栓部材３とから構成され、これら各部は合成
樹脂材で成形製作される。

キヤツプ体２は、肉薄の下部内周には容器体１
の口頸部に螺着する螺溝４を、下部外周には係合
突条５をそれぞれ周設し、また頂部から前面側に
かけての外面に帯状の係合溝６を凹設し、この係
合溝６部に数個の振出し孔７を穿設し、さらに頂
部から後面側にかけての帯状部を内方に深く凹陥
８し、そして前記係合溝６の頂部側端縁部をヒン
ジ９の溝部として下方に凹陥している。

クリツク形栓部材３は、内周の係合凹溝１０を
前記係合突条５に係嵌してキヤツプ体２下部外面
に嵌合装着された環状体１１の左右両側から門形
のアーチ１２をキヤツプ２上方まで立設し、この
アーチ１２頂部の中央部裏面から、可撓ヒンジ１
３を介し揺動可能な弾性板１４を垂設し、この弾
性板１４下端を可撓ヒンジ１５を介し栓板１６の
ヒンジ９より前側上面に結合している。

この栓板１６は、前半部を前記係合溝６に係合
される弯曲した蓋板部１６ａに、後半部を水平方
向に延びて前記凹陥部８上に位置する柄部１６ｂ
に形成し、可撓ヒンジ１５より後部寄りの裏面に
前記ヒンジ９のボス１７を形成している。１８は
ヒンジピンである。尚、弾性板１４はアーチ１２
頂部裏面から栓板１６上面までの垂下長より幾分
長い寸法である。

「考案の効果」 本案は既述構成とするもので、前半部を蓋板部
１６ａに、かつ後半部を柄部１６ｂとした栓板１
６の裏面中間のヒンジ９を、半球面状で、かつ頂
部から後面にかけての帯状部を内方に凹陥８した
キヤツプ体１の頂部に枢着し、かつキヤツプ体下
部に装着した環状体１１の両側からキヤツプ体上
方まで延びるアーチ１２の下面と、上記ヒンジ９
より前方側上面とを、可撓ヒンジ１３，１５を介
して弾性板１４で連結させたから、上記栓板の一
部を押圧するだけで、弾性板１４に触れることな
く栓板を弾性反転させてキヤツプ体前面上部の振
出し孔７を開閉させることが出来、又上記キヤツ
プ体上部に延びるアーチ１２を設けたから該アー
チにより他物が直接柄部１６ｂに触れて不用意に
蓋板部１６ａが開くことを防止でき、更にそのア
ーチ１２とキヤツプ体頂面上へ枢着した栓板１６
とを可撓ヒンジを介して弾性板が連結したから、
全体形状および構造を従来品と異なる振出し栓と
することが出来る。又部材も２部材で形成でき、
従つて部材成形および組付けを極めて容易に行う
ことが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案振出し栓の閉栓、開
栓状態の外形斜視図、第３図は同振出し栓の縦断
面図である。 １……容器体、２……キヤツプ体、３……栓部
材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 半球面状であつて、頂部から前面側にかけての
   外面に帯状の係合溝を凹設し、この係合溝６前部
   に振出し孔７を穿設し、また頂部から後面側にか
   けての帯状部を内方に凹陥８して容器体１口部に
   装着されたキヤツプ体２と、該キヤツプ体２の下
   部外面に係嵌装着した環状体１１の左右両側から
   キヤツプ体２上方まで延びるアーチ１２を立設
   し、他方キヤツプ体２頂面部に、前半部を前記係
   合溝６内へ着脱自在に嵌合して上記振出し孔７を
   閉塞する蓋板部１６ａとし、後半部を前記凹陥部
   ８上方へ突出する柄部１６ｂとした帯状の栓板１
   ６を、裏面中間部のヒンジ９によりキヤツプ体２
   の頂部に枢着して配設し、この栓板１６のヒンジ
   ９より前方側上面を揺動可能な弾性板１４により
   可撓ヒンジ１５，１３を介してアーチ１２裏面に
   結合したクリツク形栓部材３とからなる振出し
   栓。