JPH0337873Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、例えば配線基板を取付けているシ
ヤーシを、その表面側及び裏面側にデバイス実装
を行い、或いは配線するなどのために表裏面をワ
ーク反転装置における昇降機構に関し、反転動作
の前後におけるパレツトへの支承の際のチヤツク
と支承面との寸法差を、小型で簡易な構成の装置
により修正できるよう工夫したものである。

（従来の技術） シヤーシを、表面側と裏面側の一方が上位とな
るように反転するのに、シヤーシの左右側板部
（デバイスなどが実装される取付板部の端部から
直角に折曲げられている）を、チヤツクにてチヤ
ツキングし、取付板部を支承しているパレツトか
らチヤツクと共にシヤーシをリフトしてセンタピ
ンを中心にシヤーシを180゜反転回動し、再び取付
板部をパレツトに支承するように構成した反転装
置を使用すると、反転回動に必要な空間が小さく
なつて反転装置は小型となり、チヤツキング及び
反転回動もバランス良く行われる利点を有してい
る。しかし、上記支承面はチヤツクのセンタピン
に一致することは無いので、反転回動前後におけ
る支承動作の際に、チヤツクのパレツトに対する
位置を、そのつど修正する必要がある。

即ち、シヤーシを反転回動するつど、チヤツク
のパレツトに対する位置を正確に修正するには、
通常、リミツトスイツチなどを用いて行うので、
制御動作が複雑となり、反転装置は高価となる。

尚、ワーク反転装置として、ワークを左右側板
部にてチヤツキングするようにしたチヤツクが水
平軸周にり反転回動され、このチヤツクは、シリ
ンによるリフト機構によつて昇降できるように
し、チヤツクの空間内で鉛直方向に昇降シリンダ
にて昇降する昇降テーブルを設けたものが、実開
昭61−201747号で知られている。

そして、上記昇降シリンダは、チヤツキング前
のワーク或いは反転後のワークを、サブテーブル
を介して単に下方から支承する構造であり、リフ
ト機構のシリンダとこの昇降シリンダとはその動
作が相互に無関係であるため、この反転装置は全
体として大型となり、その構造は複雑となつてし
まう。

（考案が解決しようとする問題点） この考案は、制御動作は簡単となつて装置の全
体が小型化され、構造も簡易なワーク反転装置の
昇降機構を得ることを目的としている。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するためのこの考案の構成
は、シヤーシ２４の取付板部３８がパレツト３４
にて支承され、チヤツク１１，１２とで左右側板
部２５，２５をチヤツキングされたシヤーシ２４
を、リフト機構６によつてパレツト３４からリフ
トさせてチヤツク１１，１２のセンタピン２２を
中心に反転回動して再びパレツト３４に支承する
ように構成されたワーク反転装置において、リフ
ト機構６を、上記リフト動作を行うためのメイン
シリンダ７と、該メインシリンダ７の同軸上に配
置され、かつ、メインシリンダ７と協働して反転
動作の前後における上記支承に伴い現われるパレ
ツト支承面とセンタピン２２との寸法差を修正す
るためのサブシリンダ８とによつて構成したもの
である。

（作用） シヤーシ２４の反転回動に必要なパレツト３４
からのリフト量は、メインシリンダ７の動作によ
つて得られ、パレツト支承面とセンタピン２２と
の寸法差のために、シヤーシ２４の反転動作の前
後における支承の際に必要なリフト量修正は、サ
ブシリンダ８をストローク一杯に動作させること
によつて行われる。

このように、リフト量修正を、サブシリンダ８
の動作によつて正確に行うことができ、反転動作
における必要なリフト動作は、単純な制御動作で
しかも、簡易な設備によつて可能となつた。しか
も、サブシリンダ８は、メインシリンダ７の同軸
上に配置され、かつ、メインシリンダ７と協働す
るように構成したので、これらのシリンダ部分は
長手方向及び、直径方向共、十分に小型となり、
その制御構成も簡易化された。

（実施例） 次にこの考案の一実施例を図にもとづいて説明
する。

第１図に全体正面図を、第２図に第１図の側面
図を夫々示したように、装置機枠１の一部を構成
して立設されている左右のガイド棒２，２に、横
フレーム３の左右の軸受４，４が滑合され、ガイ
ド柱２，２の上部の横梁５には、リフト機構６の
メインシリンダ７が取付けられ、横フレーム３に
サブシリンダ８を取付け、メインシリンダ７のメ
インピストン７ａとサブシリンダ８のサブピスト
ン８ａを、自在継手９と可撓継手１０とを介して
互いに連結している。左右のチヤツク１１，１２
を夫々先端部分に取付けているアーム１３，１３
は、横フレーム３に取付けている左右移動機構１
４，１４の移動シリンダ１５に夫々取付けられて
いる。

例示した左右移動機構１４は、プレート１６，
１６間に固定したガイド棒１７，１７に移動シリ
ンダ１５が滑合され、プレート１６，１６に固定
されて移動シリンダ１５に滑合されたピストン１
８の左方又は右方に圧力流体を供給することによ
つて、移動シリンダ１５，１５と共にアーム１
３，１３が、互に近づく方向に、又は離れる方向
に左右移動するものである。

チヤツク１１，１２は、第４図に要部平面図を
示したが、チヤツク本体１９に軸支された回動体
２０には、プレート２１が設けてあつて、回動体
２０と同心にセンタピン２２がプレート２１に設
けられている。

第１図における右側のプレート２１には、セン
タピン２２の前後位置に駆動ピン２３，２３が設
けてあり、シヤーシ２４の左右側板２５の円形の
センタピン穴２６にセンタピン２２が係合し、セ
ンタピン穴２６の前後に設けてある駆動ピン穴２
７，２７に駆動ピン２３，２３が係合するように
構成している。

駆動ピン２３，２３が設けられているチヤツク
１２を180゜回動するための回動機構２８は、アー
ム１３に取付けた反転モータ２９のプーリー３０
と、チヤツク１２の回動体２０に取付けているプ
ーリー３１とにベルト３２を巻いたものである。

シヤーシ２４は、第２図の例えば矢線Ａ方向に
移動するコンベア３３上のパレツト３４にて支承
されているが、シヤーシ２４に設けたノツクピン
穴３５にパレツト３４のノツクピン３６が嵌合し
て上記移動方向である前後方向及び、これに直角
な左右方向に関するシヤーシ２４の位置決めが行
われ、パレツト３４に取付けられている複数の支
承ピン３７によつてシヤーシ２４の取付板部３８
が支承され、取付板部３８の表面側３８ａには、
デバイス３９の実装が行われ、又、裏面側３８ｂ
には、図示は省略している配線などが行われる。

表面側３８ａが上位となるように支承ピン３７
によつて支承される第３図に示す状態では、支承
ピン３７の上端からセンタピン穴２６の中心C₁
までの寸法が（−）となるが、裏面側３８ｂが
上位となる第５図に示す支承状態では、支承ピン
３７の上端からセンタピン穴２６の中心C₂まで
の寸法は、＋ｔ（ｔは取付板部３８の板厚）と
なる。

したがつて、表面側３８ａが上位となる状態の
シヤーシ２４を、裏面側３８ｂが上位となる状態
に反転して支承ピン３７にて支承する前に、チヤ
ツク１１，１２の高さを、２＋ｔだけ上昇させ
る必要がある。

この２＋ｔの修正動作を、リフト機構６のサ
ブシリンダ８のサブピストン８ａが、そのストロ
ーク一杯に突出し或いは引込むことによつて行う
ように構成している。

次に動作順序を説明すると、表面側３８ａが上
位となつている第３図の支承状態でシヤーシ２４
がコンベア３４によつて送られ、シヤーシ２４の
左右外側方に停止しているチヤツク１１，１２
が、左右移動機構１４，１４の動作によつて左右
側板部２５，２５に近づき、センタピン２２がセ
ンタ穴２６に、駆動ピン２３，２３が駆動ピン穴
２７，２７に、夫々係合してチヤツキングが行わ
れる。

次にリフト機構６のメインシリンダ７のメイン
ピストン７ａがそのストローク一杯に引込んで横
フレーム３が上昇し、所定の高さで停止する。

回動機構２８が動作してチヤツク１２が180゜回
動すると、シヤーシ２４の裏面側３８ｂが上位と
なり、次にメインピストン７ａがストローク一杯
に突出動作をして横フレーム３が下降すると共
に、サブピストン８ａに対してサブシリンダ８が
ストローク一杯に上昇して前述した２＋ｔの寸
法修正が行われ、メインピストン７ａがストロー
ク一杯だけ突出したときに停止し、ノツクピン穴
３５がパレツト３４のノツクピン３６に嵌合する
と共に支承ピン３７，３７によつてシヤーシ２４
の表面側３８ａが支承されて裏面側３８ｂが上位
となる第５図の支承状態となる。

そこで左右移動機構１４，１４が動作してアー
ム１３，１３が左右外側方へ移動し、チヤツク１
１，１２がシヤーシ２４から離れ、次にサブピス
トン８ａに対してサブシリンダ８がストローク一
杯に下降して２＋ｔだけチヤツク１１，１２が
下動して待機位置となり、この位置では、センタ
ピン２２，２２は、コンベア３４によつて送られ
て来る次のシヤーシ２４のセンタピン穴２６，２
６と同一高さとなつている。

（考案の効果） この考案に係るワーク反転装置における昇降機
構は上述のように、反転回動を行うためにパレツ
ト３４からシヤーシ２４をリフトさせるために設
けられたリフト機構６を、リフト動作を行うため
のメインシリンダ７と、反転動作の前後における
パレツト３４への支承に伴い現われるパレツト支
承面とセンタピン２２との寸法差を修正するため
のサブシリンダ８とによつて構成しているので、
シヤーシ２４の反転回動に必要なパレツト３４か
らのリフト量は、メインシリンダ７のストローク
一杯の動作によつて得られ、パレツト支承面とセ
ンタピン２２との寸法差のためにシヤーシ２４の
反転動作の前後における支承の際に必要なリフト
量修正は、サブシリンダ８をストローク一杯に動
作させることによつて行われる。

このようにリフト量修正を、サブシリンダ８の
動作によつて正確に行うことができ、シヤーシの
反転動作に伴う必要なリフト動作は、メインシリ
ンダ７とサブシリンダ８の夫々のストローク一杯
の動作によつて正確に行われることになり、リミ
ツトスイツチの如きものを組合せたむづかしい制
御動作は不要となり、単純な制御動作でよい。

しかも、サブシリンダ８は、メインシリンダ７
の同軸上に配置され、かつ、メインシリンダ７と
協働するように構成したので、これらのシリンダ
部分は長手方向及び、直径方向共、十分に小型と
なつて昇降機構の全体も十分小型化され、その制
御構成も一層簡易化することができ、パレツトに
支承されているワークの反転装置として極めて好
適な昇降機構となつた。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の一実施例を示し、第１図は全体
正面図、第２図は第１図の側面図、第３図と第５
図は夫々の支承状態における要部側面図、第４図
は第３図の平面図、第６図は第１図の要部正面
図、第７図は第６図の側面図である。 ６……リフト機構、７……メインシリンダ、８
……サブシリンダ、１１，１２……チヤツク、２
２……センタピン、２４……シヤーシ、２５……
左右側板部、３４……パレツト、３８……取付板
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シヤーシの取付板部がパレツトにて支承され、
   チヤツクにて左右側板部をチヤツキングされたシ
   ヤーシを、リフト機構によつてパレツトからリフ
   トさせてチヤツクのセンタピンを中心に反転回動
   して再びパレツトに支承するように構成されたワ
   ーク反転装置において、 リフト機構を、上記リフト動作を行うためのメ
   インシリンダと、該メインシリンダの同軸上に配
   置され、かつ、メインシリンダと協働して反転動
   作の前後における上記支承に伴い現れるパレツト
   支承面とセンタピンとの寸法差を修正するサブシ
   リンダとによつて構成したことを特徴とするワー
   ク反転装置における昇降機構。