JPH0337617Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本考案は、家庭、病院、特別養護老人ホーム等
の寝たきり老人に起こる床ずれを解消する床ずれ
防止布団材料に関するものである。

【従来の技術】

床ずれの原因は、寝たきり老人が同一の体位で
長時間臥床するため、体位の分布が偏在し、血行
障害が起きるためと考えられている。 最近種々の健康布団が提案（参照：特公昭53−
8249号公報、実公昭60−10450号公報等）されて
いるが、そのほとんどは単に指圧効果を求めたも
のであり、床ずれを根本的に解決するものではな
い。 又、寝具中に設けられた合成樹脂製のパイプの
小孔から空気を吹き上げて、血行を良くし、床ず
れを防止する寝具が提案されている（参照：特開
昭58−121918号公報、特開昭60−80452号公報及
び実開昭56−9423号公報）。

【考案が解決しようとする課題】

しかし、合成樹脂製のパイプは人間の筋肉より
かなり硬いので、人が寝たときに違和感を感じる
ことがある。又、パイプの小孔のみから空気が吹
き上がるので、人の身体を均一に刺激することが
出来ない。 本考案は、上記従来技術の欠点を解消し、約48
万人にのぼると推定されている寝たきり老人の床
ずれの主原因である血行障害を解消することを課
題としたものである。

【課題を解決するための手段】

本考案は、上面にほぼ中央部を通り端縁部に達
する多数条の凹溝が設けられているポリオレフイ
ン独立気泡体シートの上面に、表面に多数の凹凸
部を有するプラスチツク連続気泡体シートの裏面
を接着してなる床ずれ防止布団材料である。 本考案において、ポリオレフイン独立気泡体シ
ートには、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等からなる独
立気泡構造の発泡シートが使用できるが、弾性の
あるポリエチレン系発泡体シートが特に好まし
い。 本考案において、上記ポリオレフイン独立気泡
体シートの上面に設ける凹溝は、直線状、曲線状
または波形状等種々の形状のものが使用できる。
又、多数系の凹溝の配列の仕方は、並列状、放射
状または碁盤目状に設けられる。 この凹溝は、空気を外から強制的に流し込み、
上面の連続気泡体を通じて、空気を吹き上げるこ
とを目的とするものである。従つて、ポリオレフ
イン独立気泡体シートの端縁部に達する凹溝を空
気の流入口のみにし、塩化ビニル等のホースで繋
ぐことによつて、凹溝内の空気が逃げない様にす
ることが好ましい。ポリオレフイン独立気泡体シ
ート上面に凹溝を設ける方法としては、切削加
工、熱成形等がある。 上記連続気泡のプラスチツク発泡体シートは、
ウレタンフオーム、ポリエチレン連続気泡体の如
き軟質の材料で構成されており、その表面には、
ほぼ親指大の多数の凸部と凹部が形成されてい
る。 本考案のポリオレフイン独立気泡体シートと連
続気泡のプラスチツク発泡シートは、接着剤また
は粘着剤によつて一体的に貼り合わせられる。

【技術的手段の作用】

ポリオレフイン独立気泡体シートの端縁部に達
した凹溝から、ポンプ等によつて空気を強制的に
流し込む。凹溝に流し込まれた空気は、上面のプ
ラスチツク連続気泡体シートを通つて吹き上が
る。このように、空気が布団から吹き上がつてく
ると、寝たきり老人の毛細血管を刺激し、血液の
循環が良くなり、床ずれが解消できる。 このとき、ポンプと凹溝の組み合わせによつ
て、空気の吹き上がる部分を変化させると、より
効果的である。

【考案の効果】

以上の様に、本考案によれば、凹溝の上部の全
てが開口しているので、空気の吹き上げが均一に
行われ、寝たきり老人の皮膚面の血液循環が良く
なり、床ずれを容易に解消できる。又、凹溝が、
ポリオレフイン独立気泡体シートを加工したもの
であり、合成樹脂製のパイプを使用していないの
で、人が寝たときの感触が良く、異物による違和
感が無い。

【実施例】

以下、本考案の技術的手段の一具体例としての
実施例について説明する。 第１図に示すポリオレフイン独立気泡体シート
１は、厚さ約20mm、10倍発泡の独立気泡構造、２
はポリオレフイン独立気泡体シート１のほぼ中央
部を通り端縁部に達する凹溝である。該凹溝２
は、幅10mm、深さ７mmの半円形の凹溝で、ポリオ
レフイン独立気泡体シート１の上面に３cmの間隔
で蛇行する様に設けられている。 ３及び３′は、凹溝２がポリオレフイン独立気
泡体シート１の端縁部に達した空気の流入口であ
り、２箇所から空気を流し込める様に設けられて
いる。 第２図及び第３図は、本考案の使用例であり、
本考案の布団材料が、カバー６の中に収納され、
空気の流入口３及び３′には、塩化ビニルのホー
ス４及び４′が取り付けられ、ポンプと繋げる様
にしてある。

【図面の簡単な説明】

第１図はポリオレフイン独立気泡体シートの斜
視図、第２図は本考案の布団材料を使用した布団
を示す概略斜視図、第３図は本考案の布団材料の
断面図である。 図面において、１はポリオレフイン独立気泡体
シート、２は凹溝、３及び３′は空気の流入口、
４及び４′は塩化ビニルのホース、５はプラスチ
ツク連続気泡体シート、６はカバーを示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面にほぼ中央部を通り端縁部に達する多数条
   の凹溝が設けられているポリオレフイン独立気泡
   体シートの上面に、表面に多数の凹凸部を有する
   プラスチツク連続気泡体シートの裏面を接着して
   なる床ずれ防止布団材料。