JPH0337086Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は混在硬貨を金種別に選別する如くした
硬貨選別機における硬貨選別通路のベルトプーリ
ーに関するものである。

〈従来の技術〉 現在、一般に用いられている各種金種が混在す
る硬貨群を、硬貨径を基にして金種別に選別する
硬貨選別機は、高速選別可能となる回転盤より硬
貨通路へ１列に高速繰出しをし、選別孔を配した
硬貨選別通路部にて所定の径ごとに落下選別する
方式を採つてする。この場合、硬貨選別通路部の
搬送ベルトによる硬貨送りは、該硬貨選別通路の
選別孔に対し硬貨の片側を位置規正し、該硬貨の
落下条件を一定とする如くする。例えば、特公昭
57−13039号公報のように硬貨選別通路の片側部
に円板を配設し、該円板に硬貨を接衝させ進行方
向を搬送ベルトと共に外側（横方向）へ一旦振つ
て選別孔に対する位置規正をし、該円板を過ぎた
硬貨を前記搬送ベルトの弾性による軌道復元にて
元の進路とする。しかし、ここで問題となる点
は、硬貨を圧接移動するための搬送ベルトが横振
り位置（円板位置にあつて）からベルト自体のも
つ弾性復元力で元の軌道に戻るときに、従来用い
られる断面円形状搬送ベルトを半分だけ接触する
ベルト溝を配す単なるプーリーでは、復元力の強
さにより該搬送ベルトが必要以上に片寄り変形
し、該プーリーの溝山に乗上げる（喰い込む）こ
とがしばしば生じ故障の原因となつている（第５
図Ｂ参照）。特に、この場合搬送ベルトが２本平
行配設にあつては、外側位置の搬送ベルトに顕著
に現われる。

〈考案が解決しようとする問題点〉 本考案は上記実情に鑑み、円板位置にて横振り
された硬貨に追従して撓む搬送ベルトが、その弾
性復元力で元の軌道に戻る位置の抑え用ベルトプ
ーリーにあつて、該搬送ベルトの喰い込みを招か
ない硬貨選別機における硬貨選別路のベルトプー
リーを提供することを目的としたものである。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は、混在硬貨を弾力性のある搬送ベルト
をもつて硬貨選別通路に水平の１列給送をし、該
硬貨選別通路の選別孔位置にて片側に配す進路変
更用円板で硬貨を他側となる横ずらしをし選別孔
に対し位置規正をし、該円板を過ぎて元の進路に
搬送ベルトの弾力で戻す硬貨選別通路の戻り位置
のベルトプーリーにおいて、丸形ベルトの半分が
接触する２本のベルト溝中、少なくとも前記進路
変更用円板に丸形ベルトを連通するサイドのベル
ト溝を、該ベルト溝の内側溝面に溝角を大としベ
ルトずれ受けの傾斜面を形成したものである。

〈作用〉 上記のような構成のため、搬送ベルトの回転に
より給送された硬貨が硬貨選別通路の円板で横振
りされ、これに追従した撓んでなる搬送ベルトが
円板位置を過ぎて所定軌道に戻るとき、該ベルト
の復元力が大でベルト溝中を強くずれ動いても、
この内側溝面の傾斜面で一種の逃げ作用を果すた
め、直ちに溝山へ乗上げることはない。即ち、ベ
ルト溝の溝角を大としたプーリーのため、搬送ベ
ルトの通路面に対する喰い込みを招かない。

〈実施例〉 以下、本考案を実施例の図面に基づいて詳述す
れば、次の通りである。

１３は硬貨選別機２の硬貨通路３の末端位置と
なる選別孔４を径幅順に複数個配設の硬貨選別通
路５部上に平行架設した搬送ベルト６を掛ける復
元力規制用ベルトプーリーで、該ベルトプーリー
１３の２本のベルト溝１ａ，１ｂ中、前記選別孔
４位置の前部に取付けた進路変更用円板１４に丸
形ベルトを連通するサイドのベルト溝１ａを、こ
の内側溝面１a′の溝角αを大とするよう開放切欠
８をもたせ（例えば、半円弧のベルト溝１ａの底
部よりの鉛直線を基準とし50゜角）、該内側溝面１
a′にベルト戻り用傾斜面９を形成してなる。ま
た、１はベルト規制用プーリーで、該プーリー１
の２本のベルト溝１ａ，１ｂ中、前記選別孔４位
置の片側に取付けた進路修正用円板７と反対側位
置のベルト溝１ａを、この内側溝面１a′の溝角α
を大とするよう開放切欠８をもたせ、該内側溝面
１a′にベルト戻り用傾斜面９を形成してなる。１
０は硬貨選別通路５の選別孔４位置に配すベルト
プーリーで、該ベルトプーリー１０のベルト溝１
０ａは２本の搬送ベルト６が平行載置し、且つ各
搬送ベルト６が横ず可能となるよう広ベルト溝１
０a′の構造となつていて、図示にあつて該ベルト
プーリー１０と前記ベルトプーリー１が交互に配
設している。但し、この場合の搬送ベルト６は、
柔軟で弾性力を有し且つ摩擦力の大となる合成ゴ
ム等の材料からなる断面円形を呈し、円板７の接
衝にて進路修正をする硬貨Ａに追従して撓むよう
構成してなる。

いまこの作用を説明すると先ず第３図に示す如
き硬貨選別機２において、高速回転をする回転盤
１１より水平に１列繰り出しとなる硬貨Ａは、全
体としてＬ型状に掛け渡してなる無端の搬送ベル
ト６にて硬貨鑑別部１２を備えた硬貨通路３を経
て複数個の選別孔４（図示にあつて、１円の最小
径硬貨より500円の最大径硬貨までの６個）を配
す硬貨選別通路５へ進む。この場合、該硬貨選別
通路５位置にあつては前記同様の搬送ベルト６と
同様構成の搬送ベルト６が掛かり２連搬送を取つ
ている。

ここにおいて、選別孔４位置に搬送ベルト６，
６の搬送をもつて送られた硬貨Ａは、側方に取付
けた硬貨進路に少し突出せる円板７に接衝するた
め、該円板７縁に沿つて硬貨Ａは強制的に外側
（円板７に対し）、即ち横方向へ進路を変更すると
共に、この硬貨Ａに摩擦接触する搬送ベルト６，
６も追従して軌道を外方に振られ撓むものとな
る。この場合、選別孔４位置に配設した抑えのベ
ルトプーリー１０は広ベルト溝１０a′を呈してい
るため、搬送ベルト６，６の横振り追従も自在と
なる。但し、このとき、搬送ベルト６，６には弾
性力にてもどしの復元力が絶えず加わつてなるた
め、円板７縁に硬貨Ａが絶えず接触し、このこと
が該円板７縁より一定間隔ａを隔てて穿つた選別
孔４との位置規制となり、所定径の硬貨Ａのみが
落下する。

このようにして、選別孔４位置（円板７位置）
を過ぎた横振れしてなる搬送ベルト６，６は、横
方向変位に起因する復元力が働き復元力規制用と
なる次のベルトプーリー１で所定の走行軌道に戻
る。この場合、横方向変位が大きく形成される外
側（円板７に対し）の搬送ベルト６ａにあつて復
元力が大に働きベルト溝１ａの内側へ強く戻ろう
とする。しかし、該ベルト溝１ａの内側面１a′に
は傾斜面９が配してなるため、その傾斜面９の開
放面積分だけ搬送ベルト６ａが逃げ込み得、従つ
て、ベルトプーリー１の溝山１ｃに乗上げない。
即ち、搬送ベルト６がベルトプーリー１下に喰い
込まない。尚、２連の搬送ベルト６，６中、内側
となる搬送ベルト６ｂは、外側の搬送ベルト６ａ
に比して大なる復元力が働かないため、これに対
応するベルト溝１ｂには傾斜面９を配さない。但
し、ベルト材質によりこの態様によつても大なる
復元力が及ぶときは、勿論、該ベルト溝１ｂにも
傾斜面９を設けるものである。

〈考案の効果〉 上述のように硬貨選別機における硬貨選別通路
のベルトプーリーは、ベルト半分が接触するベル
ト溝の片側溝面に溝角を大とするベルト戻り受け
用傾斜面を形成したことにより、通路に突出とな
る円板にて進路を選別孔側へ変える硬貨に追従す
る搬送ベルトが、該円板を過ぎて元の搬送軌道に
戻る復元力が大に働いても、前記傾斜面に搬送ベ
ルトの一部が変形して実質的に逃げるため、該搬
送ベルトの一部が溝山へ乗上げることもない。即
ち、この硬貨選別通路にあつて硬貨送り用となる
搬送ベルトがこれを支持するプーリーに喰い込み
停止する等の故障を一掃する。また、このプーリ
ーは構造が極めて簡単化してなるため、製作が容
易で、且つ既製のこの種のプーリーへの代替も簡
単に出来る等の実用的効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
正面図、第２図は側面図、第３図は使用状態の平
面図、第４図は搬送ベルトの横振り及び復元力に
よる戻りの関係を示す平面図、第５図Ａ，Ｂは本
考案のベルト溝と搬送ベルトの復元位置関係の説
明図及び従来のベルト溝と搬送ベルトの復元位置
関係の説明図である。 １……ベルト規制用プーリー、１ａ，１ｂ……
ベルト溝、４……選別孔、５……硬貨選別通路、
６……搬送ベルト、７……進路修正用円板、９…
…ベルト戻り受け用傾斜面、１３……復元力規制
用ベルトプーリー、１４……進路変更用円板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 混在硬貨を弾力性のある搬送ベルトをもつて硬
   貨選別通路に１列給送し、該硬貨選別通路の選別
   孔位置にて片側の進路変更用円板及び進路修正用
   円板で硬貨を横ずらし選別孔に対する位置規制を
   すると共に、該円板を過ぎて元の進路に搬送ベル
   トの弾力で戻す硬貨選別通路の戻り位置の復元力
   規制用ベルトプーリー及びベルト規制用プーリー
   において、丸形ベルトの半分が接触する２本のベ
   ルトの溝中、少なくとも前記進路変更用円板に丸
   形ベルトを連通するサイドのベルト溝を、その内
   側溝面の溝角を大としベルト戻り受け用傾斜面を
   形成した硬貨選別機における硬貨選別通路のベル
   トプーリー。