JPH0342518Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は硬貨選別装置に係り、例えば、硬貨選
別機などにおいて、硬貨を径によつて選別する装
置に関する。

〔従来の技術〕

従来のこの種の硬貨選別装置は、例えば特開昭
52−17094号公報に記載されている構造が知られ
ている。この公報に記載されている硬貨選別装置
は、第７図に示すように、硬貨選別通路１に形成
した硬貨選別穴２の選別縁部３を硬貨選別通路１
の一側に突出して配置した基準ローラ４から選別
する硬貨の径より大きくかつ下流側の選別穴２で
選別する硬貨の径より小さい寸法位置に直線状に
形成し、この選別通路１の幅方向に弾性的に変位
可能なベルト５で硬貨６を搬送して硬貨の径に応
じた選別穴２から硬貨を落下させて選別する構造
が採られている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記従来の硬貨選別装置の構造では、ベルト５
にて硬貨選別通路１を搬送される硬貨６は基準ロ
ーラ４に沿つて硬貨選別通路１の他側方向にベル
ト５の弾性的変位で移動されながら進行し、その
硬貨選別穴２にて選別される硬貨６の縁部が硬貨
選別穴２の選別縁部３から落込み選別される。し
かしながら硬貨の選別縁部を高速に処理しようと
すると、硬貨は選別穴２から落下しない内に選別
穴２の下流端に突当り、後続の硬貨の落下を阻害
し、選別が不確実になる問題があつた。

本考案は上記問題点に鑑みなされたもので、硬
貨選別通路の各選別穴にて選別される各硬貨は、
選別穴の下流側の端部に突当たることなく、確実
に選別穴から落下選別され、次の硬貨と衝突する
ことなく高速選別が可能な硬貨選別装置を提供す
るものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の硬貨選別装置は、硬貨径に応じた選別
穴を複数形成した硬貨選別通路上をこの硬貨選別
通路の幅方向に弾性的に変位可能な搬送ベルトに
てこの搬送ベルトの搬送軌道に沿つて硬貨を搬送
し、この硬貨選別通路の一側に前記各選別穴に対
向して硬貨移送面に突出された基準ローラによつ
て選別穴に対する硬貨の選別位置を定め、この選
別位置に前記搬送ベルトの弾性で硬貨を前記基準
ローラに沿つて案内し、その選別穴にて選別され
る径の硬貨周縁を選別穴の基準ローラ側と反対側
の選別縁部から落下させて選別を行い、その選別
穴を通過する硬貨は搬送ベルトの復帰により元の
搬送軌道上へ戻されて次の位置の選別穴に送り込
む硬貨選別装置において、前記各選別穴の選別縁
部は前記基準ローラからの寸法を硬貨選別通路の
上流側がその選別穴にて選別する硬貨の径よりも
大きくかつ下流側の選別穴にて選別する硬貨の径
より小さくした略直線上の落下拡幅縁部をし、こ
の落下拡幅縁部から落下させる硬貨の落下を保証
する各選別縁部の下流側に元の搬送軌道への硬貨
の復帰移動方向となる前記基準ローラ側の一側に
向つて傾斜され前記基準ローラからの寸法を下流
側の選別穴にて選別する硬貨の径より小さくした
保持縮幅縁部を延在させたものである。

〔作用〕

本考案の硬貨選別装置は、硬貨選別通路の一側
に沿つてベルトにて搬送される硬貨は基準ローラ
の位置でベルトの搬送軌跡から硬貨選別通路の他
側に移動しながら進行し、この基準ローラの位置
の選別穴で選別される硬貨は、選別穴の選別縁部
の落下拡幅縁部に落込み、この選別縁部は落下拡
幅縁部に連続した傾斜状の保持縮幅縁部にて選別
縁部が延在され、硬貨は選別縁部の端部に突当た
ることなく落下され、次の硬貨と衝突することが
ない。そして、基準ローラの位置でベルトの搬送
軌跡から他側に移動したベルトは硬貨が基準ロー
ラの位置を外れると、元の位置の搬送軌跡上に戻
る。

〔実施例〕

本考案の一実施例の構成を図面第１図および第
２図について説明する。

１０は硬貨補給部で、回転円盤１１とこの回転
円盤１１の周囲に設けられた案内壁１２からな
り、この案内壁１２には硬貨放出部１３は開口さ
れている。

１４は前記硬貨補給部１０の一側下方に設けら
れた硬貨送出し装置で、この硬貨送出し装置１４
は回転円盤１５を、この回転円盤１５の周囲に設
けられた案内壁１６とにて形成され、前記硬貨放
出部１０の硬貨放出部１３から放出された硬貨１
７が回転円盤１５上に補給されるようになつてい
る。前記案内壁１６の一側には回転円盤１５上に
突出する直線状の硬貨送出し部１８が形成され、
この硬貨送出し部１８は前記回転円盤１５の上面
と略同一位置から上側に送出し口１９が開口され
ている。この硬貨送出し部１８の上部内側に硬貨
厚み規制部材２０がリベツト２１にて取付けられ
ている。この硬貨厚み規制部材２０は弾性板など
にて形成され、この硬貨厚み規制部材２０の下縁
の厚み規制縁部と前記回転円盤１５の上面との間
には一枚の硬貨１７の通過を許容できる程度の間
隙を形成する高さ位置に硬貨厚み規制部材２０は
取付けられている。そして、この硬貨厚み規制部
材２０の厚み規制縁部は回転円盤１５の中心方向
には上昇移動するように変形可能で、かつ回転円
盤１５の周縁外方へは変形移動は阻止されるよう
に前記送出し口１９の左右周縁に重なつて取付け
られている。

また２２は硬貨通路で、前記硬貨送出し部１８
の外側に位置して前記回転円盤１５の略接線方向
に形成され、この硬貨通路２２は外方一側に硬貨
通路規制側板２３を有し、この硬貨通路規制側板
２３の内側縁は前記回転円盤１５の上面を略同一
面を形成している。この硬貨通路２２の送出し端
には硬貨識別部２４が設けられ、この硬貨識別部
２４は磁気センサ２６が設けられ、この硬貨識別
部２４に連続して硬貨誘導部２７が設けられてい
る。そして前記硬貨送り出し部１８の外側位置に
おいて前記硬貨通路２２上にローラ付プーリ２８
が回転自在に軸支され、また前記硬貨誘導部２７
の上方に終端側プーリ２９が回転自在に軸支さ
れ、この両プーリ２８，２９に丸ベルト３０を縣
回し、この両プーリ２８，２９間に回転自在に支
持した複数のプーリ３１に前記丸ベルト３０を係
合する。そして、前記ローラ付プーリ２８は硬貨
送出し部１８から送出される硬貨１７の面に対し
て傾斜状態の軸３２に回転自在に支持され、この
ローラ付プーリ２８のプーリ部３３は軸３２によ
つて傾斜され、ローラ部３４は前記傾斜プーリ部
３３に隣接して軸３２の傾斜下方に位置して一体
に回転されるように設けられ、このローラ部３４
は前記傾斜プーリ部３３から離れるに従つて径小
となるテーパー状に形成されている。また、前記
終端側プーリ２９は、前記ローラ付プーリ２８の
軸３２の傾斜角度を同一角度またはその傾斜角度
より小さい傾斜角度から反対側に傾斜した傾斜角
度の範囲内に傾斜した回転軸３５に取付けられて
いる。そして回転円盤１５の回転遠心力で硬貨送
出し部１８から送出された硬貨１７はローラ付プ
ーリ２８のローラ部３４にて硬貨通路２２に掻き
出され、ベルト３０にて硬貨誘導部２７に向かつ
て移送されるようになつている。また、この硬貨
通路２２を移送される硬貨１７は前記硬貨識別部
２４の磁気センサ２６にて識別される。さらに、
この硬貨識別部２４の硬貨搬出側にはストツパ３
６が硬貨１７の移送面に進退自在に設けられ、前
記硬貨識別部２４にて異種硬貨が識別された時に
次の硬貨を停止させるようにストツパ３６が図示
しない電磁石によつて進出される。また、前記硬
貨誘導部２７には硬貨１７の移動面の一側に異種
硬貨排除穴３７が開口され、この異種硬貨排除穴
３７に硬貨を誘導する排除案内部材３８が硬貨１
７の移送面の他側に回動自在に設けられ、この排
除案内部材３８が図示しない電磁石によつて回動
されると、硬貨移動面に排除案内部材３８の先端
排除案内縁３９が進出され、硬貨は排除案内縁３
９によつて異種硬貨排除穴３７に案内される。さ
らに、この硬貨誘導部２７の先端側には硬貨移送
面に臨ませて計数通路切換え部材４０が回動自在
に設けられ、この計数通路切換え部材４０に回動
自在に連結したアーム４１は中間部に回動自在に
取付けられ、このアーム４１は回転板４２に突設
したピン４３に長溝４４が係合され、この回転板
４２の回動で計数通路切換え部材４０は回動さ
れ、この計数通路切換え部材４０の切換え案内縁
４５は硬貨を選別通路４６または計数口４７に案
内するようになつている。この計数口４７は硬貨
誘導部２７の下流他側に開口されている。

また、前記硬貨選別通路４６は前記硬貨誘導部
２７の一側に直交方向に形成され、この硬貨選別
通路４６は複数の選別穴４８が硬貨の移送方向に
形成されている。そして、この硬貨選別通路４６
の一側に前記各選別穴４８に対向して硬貨移送面
に突出し選別穴４８に対する選別位置を定める基
準ローラ４９がそれぞれ回転自在に支持されてい
る。この各選別穴４８の選別縁部５０はこの選別
穴４８の基準ローラ４９側と反対側の縁部で形成
され、この選別縁部５０は第３図に示すように、
基準ローラ４９からの寸法L₁を硬貨選別通路４
６の上流側がその選別穴４８にて選別する硬貨の
径よりも大きくかつ下流側の選別する硬貨の径よ
り小さくした略直線状の落下拡幅縁部５１とし、
各選別縁部５０の下流側は前記基準ローラ４９側
の一側に向かつて傾斜され前記基準ローラ４９か
らの寸法L₂を下流側の選別穴４８にて選別する
硬貨の径より小さくした保持縮幅縁部５２を延在
形成し、この各硬貨選別穴４８は径の小さい硬貨
から順次選別するようになつている。

また、この硬貨選別通路４６上には上流端と下
流端に支持したプーリ５３，５４に縣回したベル
ト５５が設けられ、このベルト５５にて硬貨は硬
貨選別通路４６を移送される。このベルト５５は
弾性的に硬貨選別通路４６の幅方向に変位可能と
なつている。前記基準ローラ４９によつて選別穴
４８に対する硬貨の選別選別位置に前記ベルト５
５の弾性で硬貨を案内するようになつている。ま
た前記選別穴４８の上流側の位置側に形成した凹
部５８に計数用フオトセンサ５９が設けられてい
る。

なお、前記硬貨誘導部２７上のプーリ２９の回
転軸３５を硬貨選別通路４６のプーリ５４の軸５
６はそれぞれ電動機により回転される。

また、前記プーリ５３，５４の中間部には複数
のプーリ５７が設けられている。

次にこの実施例の作用を説明する。

硬貨補給部１０から硬貨送出し装置１４の回転
円盤１５上に補給された硬貨１７は回転円盤１５
の回転による遠心力で周縁部に移動され、案内壁
１６に沿つて移動される。そして硬貨送出し部１
８の送出し口１９から硬貨厚み規制部材２０の下
縁厚み規制縁部と回転円盤１５の上面の間から外
方に送出される。この際２枚重なつていた二層の
硬貨１７は硬貨厚み規制部材２０の厚み規制縁部
によつて下層の硬貨のみ送出される。そして２枚
重なつた硬貨が硬貨厚み規制部材２０の厚み規制
縁部と回転円盤１５との間に上側の硬貨の一部が
噛み込んだ場合には、回転円盤１５の回転で硬貨
厚み規制部材２０の厚み規制縁部が回転円盤１５
の中心側に向かつて上昇変形移動して硬貨は硬貨
厚み規制部材２０から外れる。

そして、硬貨送出し部１８から外側に送出され
た回転円盤１５上の硬貨は硬貨通路２２に移送さ
れ、ローラ付プーリ２８のローラ部３２にて硬貨
通路２２に掻き出されてベルト３０にて硬貨通路
２２を移送され、硬貨識別部２４にて硬貨が適正
な場合は計数通路切換え部材４０の切換え案内縁
４５までベルト３０にて移送される。そして、硬
貨がローラ付プーリ２８にて硬貨通路２２に移送
される際に、ローラ部３４の周速がベルト３０を
縣回したプーリ部３３の速度より小さいため、硬
貨は一定間隔を保持して硬貨通路２２を移送さ
れ、しかもローラ部３４はテーパー状に形成され
ているためプーリ部３３側より外側の径小部の周
速が異なり、ベルト３０よりローラ部３４の硬貨
との接触面積が大きいため、硬貨１７はローラ部
３４の径小側に寄せられ、硬貨は通路規制側板２
３に沿つてベルト３０にて移送される。そして硬
貨通路２２を移送される硬貨はベルト３０が両プ
ーリ２８，２９の軸３２，３５の傾斜角度がそれ
ぞれ異なることによりねじれているため、確実に
硬貨通路規制側板２３に沿つて移送される。そし
て、硬貨通路２２を移送される硬貨が硬貨識別部
２４で不適正硬貨として識別された場合には、電
磁石にて排除案内部材３８が第１図鎖線で示すよ
うに回動されて排除案内縁３９が硬貨通路面に進
出され、硬貨は排除案内縁３９にて異種硬貨排除
穴３７に排除される。このときに電磁石によりス
トツパ３６が硬貨移送面に進出され、不適正硬貨
として識別された次の硬貨を停止させる。また、
計数通路切換え部材４０は硬貨を単に計数する場
合は第１図鎖線で示す位置に保持れ、硬貨は切換
え案内縁４５にて計数口４７に案内される。

また、硬貨を選別する計数通路切換え部材４０
は第１図実線で示す位置に保持され、硬貨は硬貨
選別通路４６に案内され、ベルト５５にて硬貨選
別通路４６を移送され、この選別通路４６を移動
する硬貨は径の小さい硬貨の順に各選別穴４８の
落下拡幅縁部５１と基準ローラ４９の間隔によつ
て選別穴４８から落下選別される。そして、この
選別通路４６にて選別される硬貨は選別通路４６
の一側に沿つてベルト５５で移送され、基準ロー
ラ４９の位置に至ると、基準ローラ４９により、
第３図に示すように、ベルト５５は搬送軌跡から
他側にベルト５５の弾性で移動しながら選別通路
４６を進行し、選別穴４８に対する硬貨の選別位
置が定められ、この選別穴４８にて選別される硬
貨１７はその周縁が第４図に示すようにこの選別
穴４８の基準ローラ４９を反対側の選別穴４８の
選別縁部５０の落下拡幅縁部５１から離反し、硬
貨１７は第６図に示すように周縁部から選別穴５
０に落込み、硬貨１７はベルト５５から離反し、
ベルト５５は元の搬送軌跡に直線状に復帰すると
ともに選別穴４８は下流側に保持縮幅縁部５２が
延在されているので、第５図に示すように硬貨選
別穴４８が従来の選別穴の下流側の端部の位置５
０ａに比べて下流側に拡がつた位置５０ｂとな
り、選別された硬貨１７は選別穴４６の下流側の
端部に突当たることなく、硬貨１７は確実に落下
され、次の硬貨１７と衝突することがなくなる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、選別通路をベルトにて移送さ
れる硬貨はその一側縁が、選別されるべき選別穴
の落下拡幅縁部から落下を開始され、ベルトは硬
貨から離反し、この状態で硬貨は硬貨の移送方向
に延在する選別穴から落下し、選別穴の下流側の
端部に突当たることがないため、次の硬貨と衝突
するおそれがなく、硬貨を高速に搬送しても硬貨
を確実に選別処理することができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す硬貨選別装置
の平面図、第２図は同上の硬貨選別通路部の斜視
図、第３図は同上選別通路部の平面図、第４図は
同上縦断面図、第５図は同上説明図、第６図は同
上硬貨選別時の状態を示す説明図、第７図は従来
の硬貨選別装置の平面図である。 ４６……硬貨選別通路、４９……基準ローラ、
５０……選別縁部、５１……落下拡幅縁部、５２
……保持縮幅縁部、５５……搬送ベルト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 硬貨径に応じた選別穴を複数形成した硬貨選別
   通路上をこの硬貨選別通路の幅方向に弾性的に変
   位可能な搬送ベルトにてこの搬送ベルトの搬送軌
   道に沿つて硬貨を搬送し、この硬貨選別通路の一
   側に前記各選別穴に対向して硬貨移送面に突出さ
   れた基準ローラによつて選別穴に対する硬貨の選
   別位置を定め、この選別位置に前記搬送ベルトの
   弾性で硬貨を前記基準ローラに沿つて案内し、そ
   の選別穴にて選別される径の硬貨周縁を選別穴の
   基準ローラ側と反対側の選別縁部から落下させて
   選別を行い、その選別穴を通過する硬貨は前記搬
   送ベルトの復帰により元の搬送軌道上へ戻されて
   次の位置の選別穴に送り込む硬貨選別装置におい
   て、 前記各選別穴の選別縁部は前記基準ローラから
   の寸法を硬貨選別通路の上流側がその選別穴にて
   選別する硬貨の径よりも大きくかつ下流側の選別
   穴にて選別する硬貨の径より小さくした略直線上
   の落下拡幅縁部とし、 この落下拡幅縁部から落下させる硬貨の落下を
   保証する各選別縁部の下流側に元の搬送軌道への
   硬貨の復帰移動方向となる前記基準ローラ側の一
   側に向つて傾斜され前記基準ローラからの寸法を
   下流側の選別穴にて選別する硬貨の径より小さく
   した保持縮幅縁部を延在させた ことを特徴とする硬貨選別装置。