JPH0335727Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、注出する液体の量を計ることのでき
るキヤツプに関するものである。

〔従来技術〕

液体を収納する壜体にあつては、注出する液体
を計量する手段として、壜体の口筒に螺合組み付
けされたキヤツプを利用することが行なわれてい
る。すなわちキヤツプは有底筒形状であるのが一
般なので、この一定内容積を持つたキヤツプを口
筒から外した後に逆立させ、このキヤツプ内に壜
体から内容液を注入充填するのである。

このようにすれば、液体の注出量は或る程度計
量できるものの、その量はキヤツプの容積によつ
て設定されるので所望の擁を正確に計ることはで
きず、また計量後、そのキヤツプを正立復帰させ
て口筒に螺合組み付けすることになるので、残存
する液体、特に螺条間等に残留した比較的多量の
内容液がキヤツプから流れ出て、壜体の外面を汚
すといつた欠点、不都合があつた。

そこで、例えば実公昭54−22526号公報に開示
されているように、螺合用の外筒の内側に計量用
の内筒を一体成形した計量キヤツプが提案されて
いる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記公報記載の計量キヤツプによれば、計量後
に外筒内面に内容液が付着残留することは防止さ
れる。

しかしながら、計量用内筒の内径は当然、壜体
の口筒の外径よりも小径となるため、該口筒から
内筒への内容液の注入操作が難しく、外へこぼし
てしまうことがあり、さらには該内筒から他の部
分へあける際にも、該内筒が略直線円筒形状であ
るため、注出しにくかつた。また、計量用内筒は
構造上の制約からその容積を大きくすることがで
きるので、計量できる液量も少量に制限されざる
を得なかつた。

本考案は、上記した従来の問題点、欠点、不都
合を解消するべく考案されたキヤツプであつて、
正確に計量することのできる液量範囲を大きくす
ることができると共に、液体の壜体からの注入お
よび目的とする箇所への液体の注出を良好に達成
することを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案のキヤツプは、筒壁１と本体８と計量筒
１０とから構成される。

筒壁１は、前端下端から斜め後上方の上端にか
けて、左右一対の折り曲げ線３を設けて、この一
対の折り曲げ線３間前部部分を前方に突出した形
態の作用壁２に形成し、後端上端に蓋体７を開閉
自在に取り付けた構成であり、円筒形状の本体８
は、この筒壁１の下端に一体延長設され、壜体の
口筒の螺条に螺合する螺条９を内周面に周設した
ものであり、さらに計量筒１０は、前記した筒壁
１の下端に内鍔１４を介して一体垂下設され、前
記口筒内に挿入位置する有底短円筒形状である。

一対の折り曲げ線３間に形成された作用壁２は
くちばし状に前方に突出しているが、一対の折り
曲げ線３で折り曲げて弾性変形させながら反転さ
せることによつて内方に後退変位することができ
るものとなつている。

〔作用〕

上記した構成にあつて、非使用状態では、筒壁
１の前端である作用壁２を内方に押して折り曲げ
線３部分から内方に反転弾性変形させ、さらに蓋
体７を閉じた状態とし、筒壁１内にほこり等が入
らないようにする。

この姿勢で本体８を、液体が収納された壜体の
口筒に螺合組み付けするが、螺合限では口筒内に
計量筒１０が入り、キヤツプとしての機能を充分
に発揮することになる。

そして、口筒から外して蓋体７を開き、さらに
作用壁２を外方に押して折り曲げ線３部分から前
方に突出させれば、計量筒１０が有底短円筒形状
となつているので、口筒から壜体の液体は、筒壁
１から計量筒１０にかけての空間に注入充填され
ることになる。

それゆえ、前記空間の容積を一定に限定してお
けば、口筒からの液体の注出量を常に一定にする
ことができる。

また、キヤツプに対する液体の注入操作は、キ
ヤツプを口筒への組み付け姿勢と同じ正立姿勢の
ままで行われ、計量し、所定箇所にキヤツプ内の
液体を流した後に逆立させて口筒に組み付けるも
のではないので使用後にキヤツプ内に残存する液
体の小量が流れ出てしまうことはない。

そして、作用壁２を外方に変形させることによ
つて、前方に突出する姿勢となるので筒壁１の容
積が大きくなり、筒壁１の上端開口端が広くなる
ので口筒からの液体の注出操作が容易であり、さ
らにはキヤツプから他の部分に注ぐ場合にも外方
に突出する作用壁２部分がガイドとなつて操作し
易くなる。

〔実施例〕

以下に本考案の実施例を図面に従つて説明す
る。

筒壁１にあつて、一対の折り曲げ線３は肉薄線
を設けることにつて形成され、相互に前端下端で
連続する必要はないが、できる限りそれに近い状
態が望ましく、作用壁２の外周上端には、内方に
反転変形した作用壁２を外方に変形させるための
引張片４が付設され、さらに蓋体７は、筒壁１の
後端上端にヒンジ５および連結片６を介して連設
され、所謂ミラーヒンジ構造となつた蝶番により
筒壁１に結合されており、蓋体７の閉姿勢或いは
開姿勢が自己保持できるようになつている。

次いで、筒壁１下端に一体に垂下設される計量
筒１０は、嵌入筒１１と底壁１２とから構成され
ていて、嵌入筒１１の外径が口筒の内径とほぼ等
しく、嵌入筒１１の上部外周面にはシール条１３
が周設されていて、口筒内面とのシールを図り、
壜体の密封を達成している。

また、キヤツプの成形に際し、筒壁１上端まで
の液体の収納量、或いは計量筒１０のみの液体の
収納量を予定め設定しておけば、正確な計量がで
き、計量筒１０上端である内鍔１４を目安とすれ
ばその切り替えが正確に達成される。

〔効果〕

以上の説明から明らかなように、本考案のキヤ
ツプは、計量時には作用壁を外方へ反転変位させ
ることにより筒壁の開口端が拡大するので、液体
の注入、注出操作が容易となり、また計量できる
液体の量を多くすることができる。なおまた、計
量には壜体口筒に螺合する本体文分を使用しない
ので、計量後にキヤツプ内面に付着残留している
液体が流れ出て壜体表面を汚すことが防止され
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の断面図である。第２は本考案
の平面図である。 符号の説明、１；筒壁、２；作用壁、３；折り
曲げ線、７；蓋体、８；蓋体、９；螺条、１０；
計量筒、１４；内鍔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上面が開口し、前端下端から斜め後上方の上端
   にかけて、左右一対の折り曲げ線を設けて、該一
   対の折り曲げ線間の前部部分を外方および内方へ
   反転変位自在な作用壁に形成し、後端上端に蓋体
   を開閉自在に取り付けた筒壁と、該筒壁の下端に
   一体延長設され、壜体の口筒の螺条に螺合する螺
   条を内周面に周設した円筒形状の本体と、前記筒
   壁の下端に内鍔を介して一体垂下設され、前記口
   筒内に挿入位置する有底短円筒形状の計量筒とか
   らなるキヤツプ。