JPH0539079Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、壜体の口筒に組付けられるキヤツプ
装置に関するものであつて、密封シールに優れ、
液体の注出が容易で、注出した液体の量を計量す
ることができるようにしたものである。

〔従来の技術〕

壜体容器の口筒に組付けられるキヤツプは、密
封シールに優れ、液体の注出が容易であることが
要求されるが、さらには注出した液体の量を計測
することができるものであれば、使用の点で極め
て便利である。

通常のキヤツプは有頂筒体であるから、これを
逆立させれば液体を収納することができ、しかも
収納量は一定であるので、注出した液体の量を計
測することが可能である。

しかしながら、この種のキヤツプは、壜体容器
の口筒に組付けられるものであるから、比較的容
積が小さく、従つて用途が狭いばかりでなく、壜
体からの液体の注入が難しく、また計量して所定
の処理をした後は、再度逆にして口筒に組付ける
のであるから、キヤツプ内に残留した液体が壜体
の外面に垂れ落ちてしまう不都合があつた。

この点に関し、例えば実公昭54−22525公報の
ごとき計量キヤツプの考案が提案されている。

この考案は、キヤツプの天板に、壜口に緩く嵌
合する計量筒体を垂下設した構成であり、この計
量筒体に比較的大きな容積を与えることができ、
再度口筒に組付けた際にキヤツプ内の残留液体が
壜体の外面に垂れ落ちてしまうことがないので、
一応の効果を発揮するものとなつている。

ところで、別体物であるパツキン体を利用する
ことなく口筒の密封シールをキヤツプだけで確実
に達成するには、キヤツプを軟質合成樹脂で成形
するのが望ましいのであるが、ネジキヤツプの場
合は、螺合結合を利用して壜体に対する組付きを
確保するものであるので、キヤツプを軟質合成樹
脂で成形することができず、液体を収納している
壜体を強固にかつ確実に密封シールする点に関し
て必ずしも満足するものではなかつた。

上記考案の場合も、着脱自在に螺合して壜口を
開閉する計量キヤツプにより、壜口を直接密封シ
ールするので、強固で確実な密封シールを達成維
持することができないと云う不都合があつた。

一般に大型の合成樹脂製壜体は、口筒の直径に
比して胴部の径が極めて大きく、従つて押出しブ
ロー成形により成形した場合、口筒の寸法精度に
劣る問題点があり、そのため口筒の部分における
シール能力が充分ではない。特に前記した構成の
計量キヤツプでは、ネジキヤツプ構造のキヤツプ
により口筒を直接密封しなければならないので、
有効な密封シールを強固にそして確実に達成する
のに困難を生じていた。

通常のこの種キヤツプでは、キヤツプの天板に
口筒上端面に対向してシール条を周設し、キヤツ
プの螺合限でシールを達成するものであるが、振
動等によつて上記螺合がどうしても緩みがちであ
り、それゆえに密封シールの確実性に不安を残す
ものであつた。

また、上記計量キヤツプの考案では、計量筒体
の口径が口筒の口径よりも必然的に小さいので、
壜体内の液体をこの計量キヤツプに注出し難い欠
点もあつた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本出願人は、上記した種々の問題点を解決すべ
く、口筒部分の有効な密封シールを強固にかつ確
実に達成するキヤツプ装置を先に提案した（例え
ば実願昭61−18647号等）。

この考案は、壜体の口筒に密に組付く中栓体
と、口筒に外キヤツプとして組付けられる計量キ
ヤツプとの間に、シール条を配した構成で、計量
キヤツプを口筒に螺合締付けすることによつてシ
ールを確実にするものであり、上記した要請に充
分応えることのできるものである。

しかしながら、ここでは、まず壜体の口筒と中
栓体とを密に組付け、さらに口筒に外キヤツプと
して組付けられる計量キヤツプと中栓体との間を
シールする二段階の密封であるから、確実性に不
安が残るところであつた。

本考案は、上記した従来例における問題点、欠
点そして不都合を解消すべく考案されたもので、
密封シールに優れ、液体の注出が容易で、しかも
注出した液体の量を計測することのできるように
することを目的としたものである。

〔問題点を解決するための手段〕

以下、本考案によるキヤツプ装置を、本考案の
一実施例を示す図面を参照しながら説明する。

本考案によるキヤツプ装置は、壜体１と中栓体
５と計量キヤツプ９とから構成されている。

液体を収納する壜体１は、その口筒２の外周面
に螺条４が周設されたものである。

中栓体５は、軟質合成樹脂製であつて、前記し
た口筒２内に密に嵌入組付けされる筒壁６内に、
この筒壁６の下端から、先細となつた樋形状のガ
イド片８を、筒壁６の上端から突出する高さで一
体に立設した構成となつている。

次に、計量キヤツプ９は、有頂筒体形状をして
いて、その周壁１０は、前記した筒壁６とガイド
片８との間に挿入位置することができ、この周壁
１０の外周には、鍔部１１を介して組付き筒１２
が垂下連設され、さらにこの組付き筒１２の内周
面には、螺条４に螺合する螺条１３が周設されて
いる。

そして、この計量キヤツプ９の鍔部１１の下面
には、前記した壜体１の口筒２上端部内に密に嵌
入される短筒壁１４と、口筒２の上端面に密接す
るシール条１５とが設けられている。

口筒２の上端部内には、短筒壁１４が密に嵌入
されるので、中栓体５の筒壁６は、この短筒壁１
４の嵌入限位置よりも下位に上端が位置する姿勢
で密に嵌入組付けされる。

〔作用〕

上記した構成にあつて、中栓体５が口筒２に密
に組付けられた状態で、計量キヤツプ９を口筒２
に螺合組付けすると、螺合限では、計量キヤツプ
９の短筒壁１４は口筒２の上端部内に密に嵌入
し、また口筒２の上端面に対向して位置するシー
ル条１５は、口筒２上端面に密接することにな
り、この密な嵌入或いは密接により口筒２と計量
キヤツプ９の密封シールが二重に、しかも確実に
達成されることになる。

特に、短筒壁１４は口筒２に上端部内に密嵌入
するものであるから、密封シールは極めて強固で
あり、短筒壁１４の密嵌入を主体とし、さらにシ
ール条１５による口筒２上端との密接によりシー
ルが確実となるのであり、中栓体５と口筒２との
密な組付きは、従来の製品程には厳格に要求され
ない。

また、中栓体５に設けたガイド片８は、先細と
なつた樋形状となつて筒壁６内から突出している
ので、壜体１内の液体は、このガイド片８によつ
てその注出流動形態を規制されながら注出される
ことになり、これによつて計量キヤツプ９内への
壜体１内からの液体の注入操作が極めて行い易い
ものとなる。

従つて、この計量キヤツプ９を利用しての注出
液体の計量が容易に達成することができ、また計
量キヤツプ９を口筒２に組付けた状態では、液体
を計量した周壁１０部分が中栓体５の筒壁６内に
位置するので、計量キヤツプ９に付着残存した液
体は確実に壜体１内に戻り、壜体１の外面を汚す
ことがない。

〔実施例〕

図示した実施例の場合、壜体１の口筒２の上端
部内周面には周条３が屈曲周設されている。

中栓体５の筒壁６の上端には、外鍔７が周設さ
れており、筒壁６を口筒２内に密に組付けた際
に、この外鍔７が口筒２の周条３に係止すること
になる。

なお、中栓体５に設けられたガイド片８は、例
えば筒体を斜めに削切して形成される先細となつ
た樋形状であり、先端部が筒壁６よりも上方に突
出しているので、計量キヤツプ９の周壁１０は、
このガイド片８を収納することのできる高さを有
するものとなつており、従つて周壁１０の外周面
から突周設された鍔部１１は、頂壁１６により塞
がれた周壁１０の上端よりもやや下位の位置から
突周設されることになる。

〔考案の効果〕

本考案は、以上説明したような構成となつてお
り、口筒と計量キヤツプとの密封シールを、短筒
壁の密嵌入を主体とし、さらにシール条による密
接を加えて、確実に勝つ強固に達成することがで
き、口筒の内径が壜体胴部の径に比べて小さい大
型壜体にあつて成形の精度の点で比較的劣つてい
る口筒の確実な密封保持が可能であり、また計量
キヤツプを使用しての注出液体の計量を容易にか
つ円滑にそして正確に達成することができ、さら
には構成が簡単で成形が容易であると共に、離型
による不正成形を生じる虞れがない等多くの優れ
た効果を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案によるキヤツプ装置の一実施
例の組付け状態を示す縦断面である。第２図は、
第１図の要部の拡大図である。 符号の説明、１……壜体、２……口筒、４……
螺条、５……中栓体、６……筒壁、８……ガイド
片、９……計量キヤツプ、１０……周壁、１１…
…鍔部、１２……組付き筒、１４……短筒壁、１
５……シール条。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外周面に螺条４を周設した口筒２を有する壜体
   １と、前記口筒２内に密に嵌入組付けされる筒壁
   ６内に、該筒壁６の下端から、先細となつた樋形
   状のガイド片８を、前記筒壁６の上端から突出す
   る高さで立設した軟質合成樹脂製の中栓体５と、
   前記筒壁６とガイド片８との間に挿入位置できる
   有頂筒体の周壁１０の外周に、前記螺条４に螺合
   する螺条１３を内周面に周設した組付き筒１２
   を、鍔部１１を介して連設した計量キヤツプ８と
   を有し、該計量キヤツプ９の鍔部１１下面に、前
   記壜体１の口筒２上端部内に密嵌入する短筒壁１
   ４と、前記口筒２の上端面に密接するシール条１
   ５とを設けて成るキヤツプ装置。