JP2507270Y2 - 液体塗布容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、一度の塗布量を過不足のない適量の一定量
を整定できる液体塗布容器に関する。

「従来の技術」 塗布容器としては、従来各種、各用途のものが出回っ
ている。しかし基本的には、液体を吸収して滲み出せる
塗布器を液体収納容器の口部に液密に取付け、使用に当
っては容器を倒立させて収納液を塗布器に吸収させ、こ
の塗布器で液を所要の塗布部に塗布させるもので、その
塗布量は恣意のものである。

「考案が解決しようとする課題」 塗布液が例えば育毛剤のような薬液の場合は、一定量
をその都度塗布しなければ効果はうすく、また定量以上
塗布しても効果は増大しない。

このような薬液を従来の塗布容器で使用することもで
きるが、従来塗布容器では適量の塗布がむずかしく、塗
布量が不足して薬液効果が現れなかったり、あるいは過
剰に塗布して徒らに薬液を無駄にしたりする。

本考案は、過不足なく常に適正な一定量の液体が塗布
できる液体塗布容器を得るにある。

「課題を解決するための手段」 本考案の液体塗布容器は、液体を収納する容器体１
と、頂板６中央部上面に斜め内上方向に傾斜したシール
用周面７を突設し、このシール用周面７外囲部の頂板６
に透孔８を開孔して前記容器体１の口頚部９外面に嵌着
された内キャップ２と、頂板10中央部に基端が前記シー
ル用周面７に密接して容器体１内をシールする分配筒11
を立設して前記内キャップ２外面に螺合された外キャッ
プ３と、この外キャップ３の頂板10周辺部から立設さ
れ、先端に注ぎ出し孔12を開孔し、前記分配筒11外面と
の間にドーナツ状の計量室13を形成した頭部体４と、こ
の頭部体４に内装したバネ14で上方に付勢され、先端が
前記注ぎ出し孔12より外方に突き出てこの注ぎ出し孔12
を内側から常時閉塞している弾性栓５とで構成してい
る。

「作用」 上記構成において、常時は第１図に示すように外キャ
ップ３は内キャップ２に対して一杯にねじ込んだ状態に
あり、この状態で分配筒11基端はシール用周面７に密接
して容器体１を口部でシールしている。

この状態で使用に当たっては外キャップ３を緩めてシ
ール部を解放し、第２図のように容器を倒立させ、透孔
８、解放したシール部を通して頭部体４側に液体を流下
させ、この後容器を正立状態に戻す。すると、流体は計
量室13に入り、溢れた余分の液体は透孔８から容器体１
内に戻るので、一定量の液体が計量される。

この状態で、第３図のように外キャップ３を再びねじ
込んでシール部を再シールする。この後、弾性栓５をば
ね14に抗し所要の箇所に押し付けて弾性栓５まわりにリ
ング状の隙間を形成し、この隙間から液体を塗布部に塗
布する。

「実施例」 以下図面を参照して一実施例を説明すると、本考案の
液体塗布容器は容器体１、内キャップ２、締め緩め操作
で容器体１を開閉口する外キャップ３、計量室13を形成
している頭部体４及び、この頭部体４の注ぎ出し孔12を
常時閉栓している弾性栓５とで構成している。

容器体１は、口頚部９の基部外面に鍔15を設けてい
る。

内キャップ２は、取付け周壁16外面にねじ山を形成
し、またこの取付け周壁16下端内面に前記鍔15を乗越え
てこれに係合する係合突起17を突設して前記口頚部９外
面に押込み装着されている。18,19は口頚部９外面、取
付け周壁16内面にそれぞれ設けられた噛合状態の回り止
め用の突起である。また頂板６の中央部を台形円錐体状
に突出させて斜め内上方向に傾斜したシール用周面７を
形成し、このシール用周面７まわりの頂板６部分に数個
の透孔８を開孔している。20は口頚部９に内嵌する環栓
である。

外キャップ３は、取付け用周壁21内面にねじ溝を形成
し、前記内キャップ２外面に螺合装着してある。またそ
の頂板10の中央部に基端が前記シール用周面７に密接し
てシール部22を形成する分配筒11を貫通立設し、そして
頂板10周辺部から内外二重状の係止用縁体23,24を起立
している。この外キャップ３は内キャップ２に対し締
め、緩めすることができ、これによりシール部22をシー
ルし、またシール解放することができる。

頭部体４は、伏せ鉢形の形状のもので、天板部中央に
注ぎ出し孔12を開口しており、下端周縁を前記係止用縁
23,24に挟着されて頂板10周辺部から上方に立設されて
おり、前記分配筒11外面との間の下半ドーナツ部を計量
室13としている。この計量室13は一度の塗布量の液量に
整定される。またこの頭部体４は、内部が透視できるよ
うに透明材で形成するのが好ましい。

弾性栓５は、前記頭部体４に内装したこの頭部体４周
壁に対応した形状のコイル状ばね14上端に、周縁にフラ
ンジ状に止縁を突設した台形円錐体状の栓体25を設け、
この栓体25を内側の下面から前記注ぎ出し孔12に挿通
し、第１図のようにこの栓体25をばね14で外方に押出
し、下端大径部分で常時注ぎ出し孔12を閉栓させるよう
にし、この閉栓状態で栓体25の先端側が外方に突き出て
いるようにしたものである。従って、栓体25をばね14に
抗して外部から内方に押込めば、栓体25の小径部分が注
ぎ出し孔12に位置することから、この栓体25まわりにリ
ング状の隙間が形成され、注ぎ出しが可能となる。

なお、図で26はカバーである。

即ち、上記実施例において、外キャップ３を内キャッ
プ２に対してねじ込んでシール部22を閉封した第１図の
通常状態から、外キャップ３を内キャップ２に対し緩め
るとシール部22が解放でき、従って容器を倒立させたの
ち正立に戻せば計量室13にて一定の適量が計量できるの
で、この後シール部22を再シールし、弾性栓５を塗布部
に当てばね14に抗して押込めば注ぎ出し孔12がリング状
に開孔するので、計量された適量の液体を塗布部に塗布
することができる。

上記実施例で、弾性栓５の栓体25を台形円錐体状に形
成したが、これは丸軸状とし、その外面軸方向に液路と
しての縦溝を設けるようにしたものでも同様の作用．効
果が期待できる。

「考案の効果」 以上説明したように本考案では、外キャップ３の緩
め、締めで容器体１口部が開閉口できるようにし、また
容器体１頂部の頭部体４内に計量室13を形成し、この計
量室13内の計量液を頭部体４先端の注ぎ出し孔12の弾性
栓５を塗布部に押し当て注ぎ出すようにしたので、一度
の塗布操作では過不足のない一定の適量の液体が塗布で
き、育毛剤のような薬液の塗布に有効かつ便利な液体塗
布容器が提供出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案液体塗布容器の一実施例の半
部断面図を示し、第１図は定常時、第２図はシール部を
解放して倒立させた場合、第３図は計量後の正立時の図
である。 １…容器体、２…内キャップ ３…外キャップ、４…頭部体 ５…弾性栓

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】液体を収納する容器体１と、頂板６中央部
   上面に斜め内上方向に傾斜したシール用周面７を突設
   し、このシール用周面７外囲部の頂板６に透孔８を開孔
   して前記容器体１の口頚部９外面に嵌着された内キャッ
   プ２と、頂板10中央部に基端が前記シール用周面７に密
   接して容器体１内をシールする分配筒11を立設して前記
   内キャップ２外面に螺合された外キャップ３と、この外
   キャップ３の頂板10周辺部から立設され、先端に注ぎ出
   し孔12を開孔し、前記分配筒11外面との間にドーナツ状
   の計量室13を形成した頭部体４と、この頭部体４に内装
   したバネ14で上方に付勢され、先端が前記注ぎ出し孔12
   より外方に突き出てこの注ぎ出し孔12を内側から常時閉
   塞している弾性栓５とからなる液体塗布容器。