JPH0335477B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は複数枚のパネルを上下方向に連結吊持
してなるシヤツターを吊上げ吊下げして開口部を
開閉するパネルシヤツター装置に関するものであ
る。

［従来の技術］ パネルシヤツター装置は一般に、複数枚のパネ
ルの両側縁を夫々ローラチエーンで一連に連結吊
持して構成されたシヤツターが、ローラチエーン
に咬合う誘導スプロケツトの正逆回動に連動して
吊下げ吊上げられて開口部を閉鎖開放するが、吊
下げ時各パネル両側縁に配設された走行ローラが
開口部両側に立設された案内レールに案内されて
各パネルは垂直平面状に配列して開口部を閉鎖
し、吊上げ時各パネルが開口部上部に前後方向に
設けられた収納レールに順次送り込まれて前記走
行ローラで吊下並列され開口部を開放するように
なつている。

ところが、従来知られているパネルシヤツター
では、走行ローラとローラチエーンの配置関係
が、ローラチエーンの吊持部よりも内側に走行ロ
ーラを配置していたので、収納時におけるパネル
間のローラチエーンの垂下を邪魔しないよう収納
レールをブラケツトから離間せしめた部位に位置
させて、両部材間にローラチエーンを垂下させる
ためのスペースを確保しなければならず、このた
め収納レール全長をローラの近傍位置から直接ブ
ラケツトに支持できなくなり、したがつて、収納
レールは、ブラケツトから対向離間せしめて駆動
軸で支持した平板状の構造としなければならず、
構成が複雑化してしまう許りか、ローラチエーン
の更に外側には、誘導スプロケツトを正逆回動す
るための駆動スプロケツトや軸受部材等の開閉部
材を配設する空間領域を格別に設けなければなら
ず、このため収納ケース幅が大きくなりコンパク
トな納まり構造にすることができないという欠点
を有し、しかも、各パネル間に垂下されたローラ
チエーンは、前記平板状の収納レールに近接して
いるため、パネル移動時に収納レールとの擦れ音
を生じてしまうなど実用性に欠けるものであつ
た。

［解決しようとする問題点］ 本発明は上記従来のパネルシヤツター装置の実
状に鑑みて、これを改善すべくなされたものであ
つて、その目的とするところは、収納ケース内に
取付けられる部品の配置を、殊更専用スペースを
確保することなく、ブラケツトに取付けることを
可能にし、収納ケース全体を簡単な構成で、しか
も軽量コンパクトな納まりにすることができ、パ
ネルの吊込み作業やローラ、ローラチエーン等の
消耗部品の取替、修理作業が容易に行える納まり
構成を確保できるパネルシヤツター装置を提供せ
んとするものである。

［課題を解決するための手段］ 前記課題を解決するために、本発明が採用した
技術手段は、複数枚のパネル体の左右両側端面よ
りも外側に走行ローラを設け、さらに各パネル体
を、その左右両側端面よりも外側に設けられるロ
ーラチエーンで吊持状に連結し、該ローラチエー
ンを左右のブラケツトに軸支した誘導スプロケツ
トに噛合せしめ、誘導スプロケツトの正逆回動に
連繋するローラチエーンの送り作動によつて、パ
ネル体を、開口部左右の上下方向に設けられた案
内レールに沿つた直列姿勢の縦移動と、前記ブラ
ケツトの前後方向に設けられた収納レールに沿つ
た並列姿勢の横移動とに継送するようにしてなる
パネルシヤツターにおいて、前記走行ローラを、
パネル体の左右両側端面よりも外側に配した前記
誘導スプロケツトの外側の移動軌跡を移送せしめ
て収納レール上を転動すべくローラチエーンの外
側に配置させ、パネル並列姿勢では、各パネル間
のローラチエーンを収納レールよりも内側に垂下
せしめてパネル体を収納すべく構成したことを特
徴とするものである。

［実施例］ 本発明の構成を、図面に示された実施例に基づ
いて説明すれば、１は建造物の開口部に設けられ
るパネルシヤツターであつて、該パネルシヤツタ
ー１は、上下方向所定間隔を存して配設した複数
のパネル体２，２…を、その左右両端上側部に配
設した支持軸３を介してローラチエーン４に一連
状に連結枢支することによつて構成されている。
各パネル体２はそれぞれ横方向に長い長尺板状に
形成されていて、その上縁には長手方向全長に亘
つて凸条２ａが形成され、下縁には凸条２ａが密
嵌合する凹溝２ｂが形成されている。５は開口部
左右両縁に垂直状に縦設される案内レールであつ
て、該案内レール５に案内されてパネルシヤツタ
ー１は上下に垂下した状態で昇降するようになつ
ている。案内レール５の上方には収納ケース６が
備えられているが、該収納ケース６のブラケツト
６′内には横方向に向く収納レール６ａが敷設さ
れている。

７は案内レール５の上端よりも上方位置に配さ
れる誘導スプロケツトであつて、該誘導スプロケ
ツト７は図示しない駆動機構で正逆転する駆動軸
７ａを介してブラケツト６′の内側に軸支されて
おり、誘導スプロケツト７に噛合するローラチエ
ーン４を吊上げ吊下げることによつて開口部を開
放閉鎖するようになつている。案内レール５の上
方にある誘導スプロケツト７は、案内レール５の
上方延長線上よりも収納レール６ａ側に偏倚した
位置でローラチエーン４と噛合するようになつて
おり、これによつて案内レール５の上端部と誘導
スプロケツト７との間には傾斜状の継送レール８
が形成されている。９は走行ローラであつて、該
走行ローラ９はパネル体２，２…の端面よりも外
側に配した誘導スプロケツト７の外側の移動軌跡
を移送されて収納レール６ａ上を転動するように
ローラチエーン４の外側に配置されており、した
がつて、パネル２，２…の収納時におけるパネル
並列姿勢では、各パネル２，２間のローラチエー
ン４を収納レール６ａよりも内側に垂下せしめ
て、パネル２，２…を収納するように構成されて
いる。

［作用］ 次に、叙上のように構成した本発明の作用につ
いて説明する。

まず、パネルシヤツター１の開放作動は、誘導
スプロケツト７を正回転しローラチエーン４を吊
上げることによつて、縦方向に直列状のパネル体
２，２…が最上段のものから順次一連状に上昇
し、案内レール５から継送レール８を経て収納レ
ール６ａ側に継送されて収納ケース６内に横方向
に並列状に収納されることによつて行われるが、
この場合、誘導スプロケツト７の回動によつて上
昇するパネル体２は、案内レール５の上端部から
傾斜状の継送レール８を経て収納レール６ａ側に
移送されることになるため、後続の下側パネル体
２が衝接することはない。したがつて、高速で開
放作動しても後続の下側パネル体２が上側パネル
体２に衝接することを未然に防止することがで
き、円滑な開放作動を高速で行うことができる。

一方、パネルシヤツター１の閉鎖作動は、誘導
スプロケツト７を逆回転してローラチエーン４を
吊下げることによつて、前記逆操作で収納レール
６ａから継送レール８を経て案内レール５側に継
送されることによつて行われる。この場合、吊持
されるローラチエーン４は、パネル２の上端縁に
設けた支持軸３に枢支連結してあるので、パネル
２の繰出し時にパネル２がまぐさ部より吹込む風
圧を受けても、揺動の慣性重量が大きくなり、風
圧による揺動は小さくなるから、垂直の案内レー
ル５への継送が確実に行われ、高速閉鎖に対処で
きることとなる。

ところで、上記一連の開閉作動の過程におい
て、特に本発明では、走行ローラ９を、パネル体
２の左右両側端面よりも外側に配した前記誘導ス
プロケツト７の外側の移動軌跡を移送せしめて収
納レール６ａ上を転動すべくローラチエーン４の
外側に配置させ、パネル並列姿勢では、各パネル
２，２…間のローラチエーン４を収納レール６ａ
よりも内側に垂下せしめてパネル体２を収納すべ
く構成したので、ローラチエーン４の外側に配置
された走行ローラ９が転動する収納レール６ａの
下面域には、ブラケツト６′とローラチエーン４
との間に容易に空間部を形成することができるた
め、当該空間部を隔ててローラチエーンを垂下さ
せることができ、したがつて、従来のようにロー
ラチエーン４よりも更に外側に別途空間部を形成
することなく、パネル２の移動時におけるローラ
チエーン４とブラケツト６′との擦れ音を防止で
きるばかりか、当該空間部には、駆動スプロケツ
トや駆動チエーン等の開閉部材を配設できるな
ど、収納レール６ａ下面の空間部を有効に利用で
きることと相俟つて、収納ケース６の幅を縮小せ
しめてコンパクトな納まりとすることができ、収
納スペース６が規制された建付けが要求される現
場であつても対応することができる。

また、各パネル２がローラチエーン４で連結さ
れた状態であつても、収納レール６ａの基端側や
終端側、或いは中間部位から収納レール６ａ上に
走行ローラ９を転動させることができ、狭い囲繞
された収納ケース６内であつても各パネル２，２
…間に垂下されるローラチエーン４に何ら邪魔さ
れることなくパネル吊込み作業ができ、しかも、
走行ローラ９やローラチエーン４等の消耗品の取
替え作業にあたつても、パネルが吊込まれた状態
で容易に取替えることができる。

なお、上記実施例では、継送経路を傾斜状の継
送レール８に構成したが、これに限定されるもの
だけでなく、第４図に示す如く延長レール１０を
段差状にして案内レール５上端と誘導スプロケツ
ト７間に傾斜状の継送経路を構成したものであつ
てもよく、さらに、第５図の如く案内レール５の
上端部に、収納レール６ａとは反対の外側に突出
した補助レール１１を設け、案内レール５と同一
の上昇軌跡を上昇する上側パネル体２に対し、後
続の下側パネル体２が外側に移送されて齟齬状に
なるべく構成してもよく、さらには第６図の如く
補助スプロケツト１２を設けて傾斜状の継送経路
を形成したものであつてもよい。

［発明の効果］ これを要するに本発明は、複数枚のパネル体の
左右両側端面よりも外側に走行ローラを設け、さ
らに各パネル体を、その左右両側端面よりも外側
に設けられるローラチエーンで吊持状に連結し、
該ローラチエーンを左右のブラケツトに軸支した
誘導スプロケツトに噛合せしめ、誘導スプロケツ
トの正逆回動に連繋するローラチエーンの送り作
動によつて、パネル体を、開口部左右の上下方向
に設けられた案内レールに沿つた直列姿勢の縦移
動と、前記ブラケツトの前後方向に設けられた収
納レールに沿つた並列姿勢の横移動とに継送する
ようにしてなるパネルシヤツターにおいて、前記
走行ローラを、パネル体の左右両側端面よりも外
側に配した前記誘導スプロケツトの外側の移動軌
跡を移送せしめて収納レール上を転動すべくロー
ラチエーンの外側に配置させ、パネル並列姿勢で
は、各パネル間のローラチエーンを収納レールよ
りも内側に垂下せしめてパネル体を収納すべく構
成したから、次のような格別顕著な効果を奏す
る。

収納レールは、ブラケツト内壁面に直接取付
けて支持する簡単な構成とすることができて、
ローラチエーンの外側に配置された走行ローラ
が転動する収納レールの下面域には、ブラケツ
トとローラチエーンとの間に容易に空間部を形
成し得て、当該空間部を隔ててローラチエーン
を垂下でき、したがつて、従来のようにローラ
チエーンよりも更に外側に別途空間部を形成す
ることなく、パネル移動時におけるローラチエ
ーンとブラケツトとの擦れ音を防止できるばか
りか、当該空間部には、駆動スプロケツトや駆
動チエーン等の開閉部材を配設できるなど、収
納レール下面の空間部を有効に利用できるよう
になり、収納ケース幅を縮小せしめてコンパク
トな納まりとすることができ、もつて、収納ス
ペースが規制された建付けが要求される現場で
あつても対応することができる。

各パネルがローラチエーンで連結された状態
であつても、収納レール基端側や終端側、或い
は中間部位から収納レール上に走行ローラを転
動させることができ、従つて、狭い囲繞された
収納ケース内であつても各パネル間に垂下され
るローラチエーンに何ら邪魔されることなくパ
ネル吊込み作業を行い得て、しかも、走行ロー
ラやローラチエーン等の消耗品の取替え作業に
あたつても、パネルが吊込まれた状態で容易に
取替えることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本発明に係るパネルシヤツター装置の
実施例を示すものであつて、第１図はパネルシヤ
ツターの概略を示した全体斜視図、第２図は要部
斜視図、第３図は作用説明図、第４図、第５図及
び第６図はそれぞれ他の実施例を示す作用説明図
である。 図中、１はパネルシヤツター、２はパネル体、
３は支持軸、４はローラチエーン、５は案内レー
ル、６は収納ケース、６ａは収納レール、７は誘
導スプロケツト、９は走行ローラである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複数枚のパネル体の左右両側端面よりも外側
   に走行ローラを設け、さらに各パネル体を、その
   左右両側端面よりも外側に設けられるローラチエ
   ーンで吊持状に連結し、該ローラチエーンを左右
   のブラケツトに軸支した誘導スプロケツトに噛合
   せしめ、誘導スプロケツトの正逆回動に連繋する
   ローラチエーンの送り作動によつて、パネル体
   を、開口部左右の上下方向に設けられた案内レー
   ルに沿つた直列姿勢の縦移動と、前記ブラケツト
   の前後方向に設けられた収納レールに沿つた並列
   姿勢の横移動とに継送するようにしてなるパネル
   シヤツターにおいて、前記走行ローラを、パネル
   体の左右両側端面よりも外側に配した前記誘導ス
   プロケツトの外側の移動軌跡を移送せしめて収納
   レール上を転動すべくローラチエーンの外側に配
   置させ、パネル並列姿勢では、各パネル間のロー
   ラチエーンを収納レールよりも内側に垂下せしめ
   てパネル体を収納すべく構成したことを特徴とす
   るパネルシヤツター装置。