JPH03353B2 - - Google Patents
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- JPH03353B2 JPH03353B2 JP58237698A JP23769883A JPH03353B2 JP H03353 B2 JPH03353 B2 JP H03353B2 JP 58237698 A JP58237698 A JP 58237698A JP 23769883 A JP23769883 A JP 23769883A JP H03353 B2 JPH03353 B2 JP H03353B2
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C30—CRYSTAL GROWTH
- C30B—SINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
- C30B25/00—Single-crystal growth by chemical reaction of reactive gases, e.g. chemical vapour-deposition growth
- C30B25/005—Growth of whiskers or needles
-
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- C30—CRYSTAL GROWTH
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- C30B29/00—Single crystals or homogeneous polycrystalline material with defined structure characterised by the material or by their shape
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は炭化ケイ素ウイスカーの製造方法に関
する。 〔従来技術〕 従来、炭化ケイ素ウイスカーの製造方法として
様々な方法が提案されている。原料としてのケイ
素源に着目すると、SiCl4のような塩化物、酸化
物(SiO2)、あるいは単体(Si)と酸化物
(SiO2)の混合物を用いたものが多く、原料とし
て窒化ケイ素(Si3N4)を用いた例は少ない。原
料としてSiCl4のような塩化物を用いる方法は、
低温で加熱処理できるという長所をもつている
が、原料が加水分解され易く、取扱いが難しいた
めに、工業的に有利な方法とはいえない。また、
原料として酸化物(SiO2)、あるいは単体(Si)
と酸化物(SiO2)とを用いる方法では、生成し
たSiCウイスカー中に原料SiO2が残留するため精
製工程が必要であり、しかも収率が低いので安価
な原料を用いているのにも拘らず、製造コストが
高くなるという欠点がある。さらに、特公昭50−
17200号公報には、窒化ケイ素をケイ素源として
用いる方法が開示されている。この方法は、窒化
ケイ素粉末と炭素質粉末を、水素中にて1300℃〜
1500℃で1時間以上加熱反応させるものである。
しかしこの方法は、水素雰囲気中で行うため、爆
発防止のための十分な配慮が必要であり、収率も
極めて低く、工業的に十分有利な方法とはいえな
い。 〔発明の目的〕 したがつて本発明の目的は、低コスト、高収率
かつ安全に炭化ケイ素ウイスカーを製造する方法
を提供することである。 〔発明の構成〕 本発明者らは、窒化ケイ素(Si3N4)をケイ素
源として用いる炭化ケイ素ウイスカーの製造方法
について鋭意研究の結果、窒化ケイ素と炭素の反
応系中に一酸化炭素を存在させることにより上記
目的が達成されることを見出し、本発明を完成す
るに至つた。 すなわち本発明は、窒化ケイ素と炭素を、一酸
化炭素を含む非酸化性雰囲気中で加熱反応させる
ことを特徴とする炭化ケイ素ウイスカーの製造方
法である。 原料として窒化ケイ素と炭素を用い、水素雰囲
気中で加熱処理して炭化ケイ素ウイスカーを製造
する、前記特公昭50−17200号公報記載の方法で
は、式に示すような、窒化ケイ素と炭素との直
線的な反応により、炭化ケイ素ウイスカーが生成
するものと考えられる。 Si3N4+3C→3SiC+2N2↑ () これに対し、本発明の方法では、窒化ケイ素と
炭素を含む反応系中に、一酸化炭素ガスを存在さ
せることを特徴としている。以下の理論に拘泥す
るものではないが、本発明では、第1段階とし
て、窒化ケイ素と一酸化炭素が反応して中間生成
物SiOを生成し(式)、次にこのSiOが炭素と反
応して炭化ケイ素ウイスカーSiCを生成し(式
)、また、式の反応により同時に生成した一
酸化炭素は再び式の反応に循環使用される、す
なわちこの反応系において一酸化炭素は一種の触
媒として作用しているものと考えられる。 Si2N4+3CO→3SiO+3C+2N2↑ () 3SiO+6C→3SiC+3CO () 本発明において、反応系雰囲気中の一酸化炭素
濃度は0.1体積%以上であることが好ましい。こ
れより低濃度では粒状炭化ケイ素が生成し、ウイ
スカー状炭化ケイ素の収率は極端に少なくなる。
一酸化炭素濃度の上限は特にないが、原料窒化ケ
イ素の分解により窒素ガスが発生するため、一酸
化炭素濃度は、90体積%程度より高くならない。 本発明において、反応系雰囲気中には一酸化炭
素以外の非酸化性ガス、例えば窒素、アルゴンま
たはこれらの混合ガスを含有させることができ
る。 本発明では、反応系雰囲気が非酸化性でありか
つ一酸化炭素を、好ましくは0.1体積%以上含ん
でいればよく、必ずしも非酸化性雰囲気ガスを反
応系中に積極的に流入させたり、撹拌、循環させ
る必要はない。したがつて、一酸化炭素を含む、
窒素あるいはアルゴンのような非酸化性ガスを反
応系中に送り込みながら、あるいは、一酸化炭素
を非酸化性ガス、または一酸化炭素ガスで反応容
器中の雰囲気を置換した後、加熱反応させればよ
い。また反応系は原料炭素を含んでいるので、反
応容器中の当初の雰囲気が酸化性雰囲気であつて
も、これを加熱によつて一酸化炭素を含む非酸化
性雰囲気に変換することができる。 本発明方法において反応温度は、1400〜1900℃
が好ましい。1400℃より低いとウイスカーの生成
収率が低くなり、一方、1900℃より高いと、炭化
ケイ素のβ→α転移によりウイスカーが破壊され
るので好ましくない。キヤリヤーガスとしてアル
ゴンを用いると、1400℃でウイスカーが得られる
が、窒素を用いた場合には、1500℃以上にしない
と、ウイスカーの生成収率が十分高くならない。 本発明の反応圧力は、特に制限されない。一般
に常圧で十分に反応が進行する。 本発明によれば、一酸化炭素濃度、キヤリヤー
ガスの有無、キヤリヤーガスの種類、加熱温度を
調整することにより、生成するウイスカーの形状
を任意に変えることができる。 たとえば、長いウイスカーを製造するには、一
般的に、一酸化炭素濃度は低い方がよく、加熱温
度も低い方がよい。また、キヤリヤーガスを使用
する場合、アルゴンより窒素を使用した方が長い
ウイスカーが得られる傾向が強い。さらに炭素源
として、結晶性の低いものを用いた方が、長いウ
イスカーが得られることが多く、さらにまた、窒
化ケイ素と炭素の粉末を混合して使用する場合、
充填密度が低くなるに従い、長いウイスカーが得
られるようになる。このようにして、本発明によ
れば、長さ20〜500μm、直径0.1〜20μm程度のウ
イスカーを、任意に高収率で得ることができる。 本発明に使用される、原料窒化ケイ素および炭
素の形状は特に限定されない。両者の粉末を混合
し、または混合することなく反応系中に存在させ
ればよい。また、特に粉末にすることなく、塊状
で使用しても反応が進行し、炭化ケイ素ウイスカ
ーが得られる。さらには、一方の素材でつくられ
た容器中に他方の素材の粉末または塊状物を存在
させて反応させることもできる。 〔発明の効果〕 本発明によれば、不純物の少ない高品質の炭化
ケイ素ウイスカーを、低コスト、高収率かつ安全
に製造することができる。 〔実施例〕 以下、実施例および比較例により本発明をさら
に具体的に説明する。なお実施例および比較例
中、ウイスカーの「収率」は次式により算出し
た。 ウイスカーの収率=生成した炭化ケイ素ウ
イスカーの重量/生成した全炭化ケイ素の重量×100(
%) (全炭化ケイ素の重量=〔ウイスカー炭化ケイ素の重量
〕+〔粒子状炭化ケイ素の重量〕) 実施例 1〜30 α及びβを含む窒化ケイ素粉末1.4Kgと粉末状
炭素0.6Kgとの混合物を、黒鉛製チユーブ容器
(133.4〓×101.6〓×600l)内に充填し、グラフアイ
ト抵抗発熱体(228φ×152.4〓×2100l)を使用した
連続式横型雰囲気炉中において、表に示すような
所定の温度、所定の雰囲気、送り速度25mm/min
で該チユーブ容器を加熱焼成した。雰囲気ガスは
該チユーブ容器の送り方向と逆向きに流量50/
minでチユーブの出口側から供給した。 雰囲気が窒素及び一酸化炭素から成る場合、ウ
イスカーの生成するCOガス濃度は0.1から100体
積%までの範囲であつた。しかし、実施例9の
CO=100%は原料窒化ケイ素の熱分解による窒素
ガスの発生のため、実質的に90%付近まで希釈さ
れた。他の実施例のガス組成は流入時と反応時に
おいて殆んど差が認められなかつた。 実施例4〜8から明らかなように、収率の点か
らCO濃度は5〜40体積%がより望ましい。 雰囲気がアルゴン及び一酸化炭素から成る場
合、実施例11〜13に見られるように収率の点から
CO濃度は1〜30体積%がより望ましい。 ウイスカーの長さ及び形状(アスペクト比すな
わち長さ/直径の比:大きい方が好ましい)は、
前記のとおり、原料の炭素の種類、充填度合等を
変えることにより制御することができる。500μ
m程度の長さのウイスカーを収率よく得るにはカ
ーボンの種類として結晶性の低いもの、例えばフ
アーネスブラツク(FEF)を用いるとよい(実
施例7および14)。 また、炭化ケイ素化率、すなわち、原料窒化ケ
イ素が炭化ケイ素に転化した割合は、実施例6が
99%、実施例10が39%および後述の比較例1が15
%であつたほかは、すべて100%であつた。 特公昭50−17200号公報記載の方法である、雰
囲気が水素あるいは水素及び窒素から成る場合
を、比較例1〜4に示した。この場合でもウイス
カーは生成するが、その収率は最良のものでも60
%以下であり(比較例3)、極めて効率の悪い方
法であることがわかる。しかるに、本発明の雰囲
気ガス中に一酸化炭素を共存させる方法は、水素
の場合と比較して炭化ケイ素ウイスカーの収率が
高く、常にほぼ90%を越えており、炭化ケイ素ウ
イスカーを経済的に量産する上で極めてすぐれた
方法であると言える。 これ迄炭化ケイ素ウイスカーの製造は生産コス
トが高く、経済的に量産化することが困難とされ
ていたが、本発明方法では、各温度条件下の雰囲
気にCOガスを共存させることにより、収率よく
ウイスカーを量産できる。しかもその形状を任意
に制御することが可能となり、用途に応じた形状
のものが提供できるようになつた。
する。 〔従来技術〕 従来、炭化ケイ素ウイスカーの製造方法として
様々な方法が提案されている。原料としてのケイ
素源に着目すると、SiCl4のような塩化物、酸化
物(SiO2)、あるいは単体(Si)と酸化物
(SiO2)の混合物を用いたものが多く、原料とし
て窒化ケイ素(Si3N4)を用いた例は少ない。原
料としてSiCl4のような塩化物を用いる方法は、
低温で加熱処理できるという長所をもつている
が、原料が加水分解され易く、取扱いが難しいた
めに、工業的に有利な方法とはいえない。また、
原料として酸化物(SiO2)、あるいは単体(Si)
と酸化物(SiO2)とを用いる方法では、生成し
たSiCウイスカー中に原料SiO2が残留するため精
製工程が必要であり、しかも収率が低いので安価
な原料を用いているのにも拘らず、製造コストが
高くなるという欠点がある。さらに、特公昭50−
17200号公報には、窒化ケイ素をケイ素源として
用いる方法が開示されている。この方法は、窒化
ケイ素粉末と炭素質粉末を、水素中にて1300℃〜
1500℃で1時間以上加熱反応させるものである。
しかしこの方法は、水素雰囲気中で行うため、爆
発防止のための十分な配慮が必要であり、収率も
極めて低く、工業的に十分有利な方法とはいえな
い。 〔発明の目的〕 したがつて本発明の目的は、低コスト、高収率
かつ安全に炭化ケイ素ウイスカーを製造する方法
を提供することである。 〔発明の構成〕 本発明者らは、窒化ケイ素(Si3N4)をケイ素
源として用いる炭化ケイ素ウイスカーの製造方法
について鋭意研究の結果、窒化ケイ素と炭素の反
応系中に一酸化炭素を存在させることにより上記
目的が達成されることを見出し、本発明を完成す
るに至つた。 すなわち本発明は、窒化ケイ素と炭素を、一酸
化炭素を含む非酸化性雰囲気中で加熱反応させる
ことを特徴とする炭化ケイ素ウイスカーの製造方
法である。 原料として窒化ケイ素と炭素を用い、水素雰囲
気中で加熱処理して炭化ケイ素ウイスカーを製造
する、前記特公昭50−17200号公報記載の方法で
は、式に示すような、窒化ケイ素と炭素との直
線的な反応により、炭化ケイ素ウイスカーが生成
するものと考えられる。 Si3N4+3C→3SiC+2N2↑ () これに対し、本発明の方法では、窒化ケイ素と
炭素を含む反応系中に、一酸化炭素ガスを存在さ
せることを特徴としている。以下の理論に拘泥す
るものではないが、本発明では、第1段階とし
て、窒化ケイ素と一酸化炭素が反応して中間生成
物SiOを生成し(式)、次にこのSiOが炭素と反
応して炭化ケイ素ウイスカーSiCを生成し(式
)、また、式の反応により同時に生成した一
酸化炭素は再び式の反応に循環使用される、す
なわちこの反応系において一酸化炭素は一種の触
媒として作用しているものと考えられる。 Si2N4+3CO→3SiO+3C+2N2↑ () 3SiO+6C→3SiC+3CO () 本発明において、反応系雰囲気中の一酸化炭素
濃度は0.1体積%以上であることが好ましい。こ
れより低濃度では粒状炭化ケイ素が生成し、ウイ
スカー状炭化ケイ素の収率は極端に少なくなる。
一酸化炭素濃度の上限は特にないが、原料窒化ケ
イ素の分解により窒素ガスが発生するため、一酸
化炭素濃度は、90体積%程度より高くならない。 本発明において、反応系雰囲気中には一酸化炭
素以外の非酸化性ガス、例えば窒素、アルゴンま
たはこれらの混合ガスを含有させることができ
る。 本発明では、反応系雰囲気が非酸化性でありか
つ一酸化炭素を、好ましくは0.1体積%以上含ん
でいればよく、必ずしも非酸化性雰囲気ガスを反
応系中に積極的に流入させたり、撹拌、循環させ
る必要はない。したがつて、一酸化炭素を含む、
窒素あるいはアルゴンのような非酸化性ガスを反
応系中に送り込みながら、あるいは、一酸化炭素
を非酸化性ガス、または一酸化炭素ガスで反応容
器中の雰囲気を置換した後、加熱反応させればよ
い。また反応系は原料炭素を含んでいるので、反
応容器中の当初の雰囲気が酸化性雰囲気であつて
も、これを加熱によつて一酸化炭素を含む非酸化
性雰囲気に変換することができる。 本発明方法において反応温度は、1400〜1900℃
が好ましい。1400℃より低いとウイスカーの生成
収率が低くなり、一方、1900℃より高いと、炭化
ケイ素のβ→α転移によりウイスカーが破壊され
るので好ましくない。キヤリヤーガスとしてアル
ゴンを用いると、1400℃でウイスカーが得られる
が、窒素を用いた場合には、1500℃以上にしない
と、ウイスカーの生成収率が十分高くならない。 本発明の反応圧力は、特に制限されない。一般
に常圧で十分に反応が進行する。 本発明によれば、一酸化炭素濃度、キヤリヤー
ガスの有無、キヤリヤーガスの種類、加熱温度を
調整することにより、生成するウイスカーの形状
を任意に変えることができる。 たとえば、長いウイスカーを製造するには、一
般的に、一酸化炭素濃度は低い方がよく、加熱温
度も低い方がよい。また、キヤリヤーガスを使用
する場合、アルゴンより窒素を使用した方が長い
ウイスカーが得られる傾向が強い。さらに炭素源
として、結晶性の低いものを用いた方が、長いウ
イスカーが得られることが多く、さらにまた、窒
化ケイ素と炭素の粉末を混合して使用する場合、
充填密度が低くなるに従い、長いウイスカーが得
られるようになる。このようにして、本発明によ
れば、長さ20〜500μm、直径0.1〜20μm程度のウ
イスカーを、任意に高収率で得ることができる。 本発明に使用される、原料窒化ケイ素および炭
素の形状は特に限定されない。両者の粉末を混合
し、または混合することなく反応系中に存在させ
ればよい。また、特に粉末にすることなく、塊状
で使用しても反応が進行し、炭化ケイ素ウイスカ
ーが得られる。さらには、一方の素材でつくられ
た容器中に他方の素材の粉末または塊状物を存在
させて反応させることもできる。 〔発明の効果〕 本発明によれば、不純物の少ない高品質の炭化
ケイ素ウイスカーを、低コスト、高収率かつ安全
に製造することができる。 〔実施例〕 以下、実施例および比較例により本発明をさら
に具体的に説明する。なお実施例および比較例
中、ウイスカーの「収率」は次式により算出し
た。 ウイスカーの収率=生成した炭化ケイ素ウ
イスカーの重量/生成した全炭化ケイ素の重量×100(
%) (全炭化ケイ素の重量=〔ウイスカー炭化ケイ素の重量
〕+〔粒子状炭化ケイ素の重量〕) 実施例 1〜30 α及びβを含む窒化ケイ素粉末1.4Kgと粉末状
炭素0.6Kgとの混合物を、黒鉛製チユーブ容器
(133.4〓×101.6〓×600l)内に充填し、グラフアイ
ト抵抗発熱体(228φ×152.4〓×2100l)を使用した
連続式横型雰囲気炉中において、表に示すような
所定の温度、所定の雰囲気、送り速度25mm/min
で該チユーブ容器を加熱焼成した。雰囲気ガスは
該チユーブ容器の送り方向と逆向きに流量50/
minでチユーブの出口側から供給した。 雰囲気が窒素及び一酸化炭素から成る場合、ウ
イスカーの生成するCOガス濃度は0.1から100体
積%までの範囲であつた。しかし、実施例9の
CO=100%は原料窒化ケイ素の熱分解による窒素
ガスの発生のため、実質的に90%付近まで希釈さ
れた。他の実施例のガス組成は流入時と反応時に
おいて殆んど差が認められなかつた。 実施例4〜8から明らかなように、収率の点か
らCO濃度は5〜40体積%がより望ましい。 雰囲気がアルゴン及び一酸化炭素から成る場
合、実施例11〜13に見られるように収率の点から
CO濃度は1〜30体積%がより望ましい。 ウイスカーの長さ及び形状(アスペクト比すな
わち長さ/直径の比:大きい方が好ましい)は、
前記のとおり、原料の炭素の種類、充填度合等を
変えることにより制御することができる。500μ
m程度の長さのウイスカーを収率よく得るにはカ
ーボンの種類として結晶性の低いもの、例えばフ
アーネスブラツク(FEF)を用いるとよい(実
施例7および14)。 また、炭化ケイ素化率、すなわち、原料窒化ケ
イ素が炭化ケイ素に転化した割合は、実施例6が
99%、実施例10が39%および後述の比較例1が15
%であつたほかは、すべて100%であつた。 特公昭50−17200号公報記載の方法である、雰
囲気が水素あるいは水素及び窒素から成る場合
を、比較例1〜4に示した。この場合でもウイス
カーは生成するが、その収率は最良のものでも60
%以下であり(比較例3)、極めて効率の悪い方
法であることがわかる。しかるに、本発明の雰囲
気ガス中に一酸化炭素を共存させる方法は、水素
の場合と比較して炭化ケイ素ウイスカーの収率が
高く、常にほぼ90%を越えており、炭化ケイ素ウ
イスカーを経済的に量産する上で極めてすぐれた
方法であると言える。 これ迄炭化ケイ素ウイスカーの製造は生産コス
トが高く、経済的に量産化することが困難とされ
ていたが、本発明方法では、各温度条件下の雰囲
気にCOガスを共存させることにより、収率よく
ウイスカーを量産できる。しかもその形状を任意
に制御することが可能となり、用途に応じた形状
のものが提供できるようになつた。
【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 窒化ケイ素と炭素を、一酸化炭素を含む非酸
化性雰囲気中で加熱反応させることを特徴とする
炭化ケイ素ウイスカーの製造方法。 2 一酸化炭素濃度が、0.1〜90体積%である特
許請求の範囲第1項記載の方法。 3 反応温度が、1400〜1900℃である特許請求の
範囲第1項記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58237698A JPS60131899A (ja) | 1983-12-16 | 1983-12-16 | 炭化ケイ素ウイスカ−の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58237698A JPS60131899A (ja) | 1983-12-16 | 1983-12-16 | 炭化ケイ素ウイスカ−の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60131899A JPS60131899A (ja) | 1985-07-13 |
JPH03353B2 true JPH03353B2 (ja) | 1991-01-07 |
Family
ID=17019180
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58237698A Granted JPS60131899A (ja) | 1983-12-16 | 1983-12-16 | 炭化ケイ素ウイスカ−の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60131899A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6236100A (ja) * | 1985-08-09 | 1987-02-17 | Ube Ind Ltd | 炭化珪素ウイスカ−の製造法 |
CN108002839B (zh) * | 2017-12-08 | 2021-04-16 | 东华大学 | 一种ZrC1-x-SiC复相陶瓷的制备方法 |
-
1983
- 1983-12-16 JP JP58237698A patent/JPS60131899A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60131899A (ja) | 1985-07-13 |
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