JPH0693517A - 異形繊維状SiCとその製造方法 - Google Patents

異形繊維状SiCとその製造方法

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JPH0693517A
JPH0693517A JP4263074A JP26307492A JPH0693517A JP H0693517 A JPH0693517 A JP H0693517A JP 4263074 A JP4263074 A JP 4263074A JP 26307492 A JP26307492 A JP 26307492A JP H0693517 A JPH0693517 A JP H0693517A
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JP
Japan
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sic
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fibrous
reaction
surface area
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JP4263074A
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Inventor
Takashi Oda
高士 小田
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Tokai Carbon Co Ltd
Original Assignee
Tokai Carbon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規形状の異形繊維状を呈する高比表面積の
SiCとそれを製造するための方法を提供する。 【構成】 異形繊維状SiCは、巨視的に笠状の大径部
と小径部とが連続的に重なり合ったフィン付外観(図
1)を呈しており、比表面積が3〜20m2/gの範囲にあ
る特異性状を備える。該異形繊維状SiCの製造方法
は、Si源と炭材とから還元炭化反応によりSiCに転
化させる方法において、Si源に遷移金属含有量が10
00ppm 以下のコロイダルシリカを用い、炭材との混合
組成をC/SiO2 モル比として1.6〜5の範囲に設
定し、生成反応ガスが滞留し易い条件下で1300から
2000℃の温度で加熱することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、これまで知られていな
い新規形状の異形繊維状を呈する高比表面積のSiCと
それを製造するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】SiC(炭化珪素)は、材質的に卓越し
た強度、硬度、耐熱性、化学的安定性などの特性を有す
るため、古くから研磨材、摺動材、高温治具等として有
用されているが、近年ではウイスカーや長繊維形状の材
料が金属、セラミックスなどを対象とした複合強化材と
して実用されている。このほか、最近では触媒担持体と
して注目されている。
【0003】従来、SiCを製造する方法として、シリ
カのようなSi源を炭材とともに加熱処理する還元炭化
法、ハロゲン化珪素化合物と炭化水素を気相系で加熱反
応させる気相反応法、有機珪素化合物を熱分解反応させ
る熱分解法が知られている。SiCの製造は、粉体、粒
体、ウイスカー、短繊維、連続繊維などが対象とされる
が、これら形状の異なる生成物は主に反応条件やプロセ
ス条件を制御することによって製造されている。例えば
還元炭化法を用いてSiCウイスカーを生成させる場合
には、ウイスカーの成長が遷移金属触媒の介在を前提と
するVLS(Vapor-Liquid-Solid)機構に支配されるた
め、相当量のCo、Fe、Ni等の触媒成分を含む原料
系を適用することが重要な条件となる。しかし、従来技
術により得られるSiCのウイスカーや繊維は、それ自
体の比表面積が小さいため複合材用プリフォームや触媒
担持体とするには形状および性状特性面に不足面があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、還元炭化
法によるSiCの生成機能について原料組成および反応
条件と生成物形状との関係につき多角的な研究を重ねる
過程で、特定の条件設定を与えると従来にない新規形状
の異形繊維状SiCが効率よく生成しえることを見出し
た。
【0005】本発明は前記の知見に基づいて開発された
もので、その目的は、新規形状を呈する高比表面積の異
形繊維状SiCとそれを製造するための方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による異形繊維状SiCは、巨視的に笠状の
大径部と小径部とが連続的に重なり合ったフィン付外観
を呈しており、比表面積が3〜20m2/gの範囲にある独
特の繊維性状を有することを特徴とする。
【0007】図1は本発明に係る異形繊維状SiCを1
0000倍に拡大したSEM写真であり、図2は拡大倍
率を50000倍にした際のSEM写真である。このよ
うに本発明の異形繊維状SiCは、あたかもフィン付部
材もしくは蛇腹管のような外観を呈する短繊維性状を有
しており、笠状の大径部は直径0.1〜5μm で、小径
部の径は概ね前記大径部の1/5〜4/5の範囲にあ
る。また、その比表面積は3〜20m2/gであり、SiC
ウイスカーの比表面積(約1〜3m2/g) に比べて高水準
にある。
【0008】上記の異形繊維状SiCを得るための本発
明による製造方法は、SiC源と炭材からなる混合原料
を不活性雰囲気中で高温加熱してSi源の還元炭化反応
によりSiCに転化させる方法において、Si源に遷移
金属含有量が1000ppm 以下のコロイダルシリカを用
い、炭材との混合組成をC/SiO2 モル比として1.
6〜5の範囲に設定し、反応生成ガスが滞留し易い条件
下に1300〜2000℃の温度で加熱することを構成
上の特徴とするものである。
【0009】本発明のプロセスでは、シリカ源としてコ
ロイダルシリカを選択使用する。ゾルの分散濃度やアル
カリイオン成分等には特に限定はないが、通常、分散シ
リカ粒子が1〜100nmでNa+ 系のものが好適に用い
られる。コロイダルシリカをSi源とする理由は、炭材
成分との混合性を改善し、炭材組織の内部まで均一に含
浸分散させることができるうえ、含有されているNaイ
オンなどが反応ガス成分を発生し易くする機能を営むか
らである。しかし、適用するコロイダルシリカには、C
o、Fe、Niのような遷移金属の含有量が1000pp
m 以下、好ましくは700ppm 以下でなければならな
い。遷移金属含有率が1000ppm を越えるとSiCウ
イスカーの生成が主体的となって本発明の異形繊維状S
iCを生成させることができなくなる。
【0010】炭材には、ファーネスブラック、アセチレ
ンブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラッ
ク、微粒状の炭素粉末、コークス粉末などが使用され
る。これら炭材の製造履歴は問題とされないが、可及的
に金属不純物の含有量が少ないものを使用することが好
ましい。コロイダルシリカと炭材からなる混合原料は、
両成分が均一分散するばかりでなく炭材組織内部にSi
源が入り込む状態に調製される。このための効果的な混
合手段は、強力な撹拌装置を用いて両原料成分を十分に
混練するか、炭材がカーボンブラックの場合にシリカゾ
ル溶液を造粒液として転動造粒する方法などである。造
粒化する場合には、装置としてカーボンブラックのペレ
ット化に適用されるピン型造粒機を用いることができ
る。
【0011】混合原料の組成は、C/SiO2 のモル比
として1.6〜5範囲内になるように設定する。該モル
比が1.6未満になるとSi源のSiCへの転化率が低
下して未反応シリカの残留量が多くなり、5を越えると
逆に炭素源が余剰となって未反応の遊離炭素量が多くな
る。
【0012】調製されたシリカとカーボンブラックから
なる混合原料は、黒鉛のような高耐熱性材料で作成され
た反応容器に充填し、不活性雰囲気に保持された加熱炉
中で1300〜2000℃の温度域で加熱反応させる。
この際、反応系内で生成した反応ガスが滞留し易い環境
条件を与えることが重要である。このためには、反応容
器に混合原料を充填するときに上部空間を設け、かつ上
蓋により密閉して加熱反応させる方法が適切な手段とな
る。
【0013】反応後の反応容器には空間部に異形繊維状
SiCが密生しており、その性状は巨視的に笠状の大径
部と小径部とが連続的に重なり合ったフィン付外観を呈
している。生成物は反応容器から取り出して、燃焼酸化
処理、酸洗浄処理などの後処理を施して残留する炭材お
よびシリカ成分を除去する。このようにて得られる異形
繊維状SiCの比表面積は、3〜20m2/gの範囲にあ
る。
【0014】
【作用】本発明の異形繊維状SiCは、従来知られてい
る粉体、ウイスカー、繊維状の性状とは異質の極めて独
特の形態を呈しており、その比表面積も3〜20m2/gと
大きいものである。このため、複合材用のプリフォーム
とする場合にはVf (体積含有率)が低い成形体を形成
することができ、また触媒担持体とする場合にも有利に
なる。
【0015】本発明の製造方法による異形繊維状SiC
の生成機構は、次式の (1)および(2) による2段階の還
元炭化反応を介して進行するものと考えられる。 SiO2(s)+C(s) →SiO(g) +CO(g) … (1) SiO(g) +2CO(g) →SiC(s) +CO2(g)… (2) したがって、 (2)式の気相反応が異形繊維性状を形成す
るための要件となるが、Si源となるコロイダルシリカ
に1000ppm を越える量の遷移金属が含有されている
と、VLS反応機構が進行して生成するSiCは異形繊
維状とはならずウイスカーとして成長するようになる。
また、生成反応ガスが滞留しないような条件、例えば反
応容器に空間部や蓋がないような場合には、COガス濃
度が低下するため次式(3) の気−固反応が支配的となっ
て、粒子状のSiCが生成する。 SiO(g) +2C(s) →SiC(s) +CO(g) …(3)
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。
【0017】実施例1〜8、比較例1〜5 表1に示す各種のコロイダルシリカ(Si源)および炭
材を万能撹拌機〔(株)ダルトン社製〕で十分に混合
し、乾燥したのち上部に空間部分ができるように黒鉛製
反応容器に充填し、黒鉛蓋を被せて密封した。この反応
容器を、窒素ガス雰囲気に保持された高周波炉に入れて
20℃/min の昇温速度で所定の温度まで上昇し、この
温度に2時間保持して還元炭化反応をさせた。反応後に
回収された炭化珪素粉末の性状を、表2に示した。な
お、表2中に異形繊維状SiCとあるのは、図1および
図2のSEM写真に示したと同一の形態を指すものであ
る。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】表1と表2を対比して明らかなように、実
施例によるSiCは高比表面積の異形繊維状であった
が、本発明の製造条件を外れる比較例では異形繊維状S
iCを生成させることができなかった。
【0021】比較例6 反応容器に黒鉛蓋をしないで開放状態で高周波炉に設置
し、その他は全て実施例1と同一の条件でSiCの生成
反応をおこなった。得られたSiCは粉末状で異形繊維
状の生成物は認められなかった。
【0022】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に従えばこれまで
知られていなかった新規形状の異形繊維状を呈する高比
表面積のSiCと、該異形繊維状SiCを得るための還
元炭化法による工業的な方法を提供することができる。
かかる本発明の異形繊維状SiCは、その特異な性状の
ため低Vfの複合材用プリフォームや高比表面積の触媒
担持体を形成するために特に有効で、成形体の機械加工
性も良好なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る異形繊維状SiCの繊維形状を示
したSEM写真(拡大倍率10000倍)である。
【図2】本発明に係る異形繊維状SiCの繊維形状を示
したSEM写真(拡大倍率50000倍)である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巨視的に笠状の大径部と小径部とが連続
    的に重なり合ったフィン付外観を呈しており、比表面積
    が3〜20m2/gの範囲にある異形繊維状SiC。
  2. 【請求項2】 Si源と炭材からなる混合原料を不活性
    雰囲気中で高温加熱してSi源の還元炭化反応によりS
    iCに転化させる方法において、Si源に遷移金属含有
    量が1000ppm 以下のコロイダルシリカを用い、炭材
    との混合組成をC/SiO2 モル比として1.6〜5の
    範囲に設定し、生成反応ガスが滞留し易い条件下に13
    00〜2000℃の温度で加熱することを特徴とする異
    形繊維状SiCの製造方法。
JP4263074A 1992-09-04 1992-09-04 異形繊維状SiCとその製造方法 Pending JPH0693517A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007223853A (ja) * 2006-02-24 2007-09-06 National Institute For Materials Science 炭化珪素ナノワイヤーの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007223853A (ja) * 2006-02-24 2007-09-06 National Institute For Materials Science 炭化珪素ナノワイヤーの製造方法

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