JPH0334669Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は電子写真装置のヒートローラ方式の定
着装置に使用するソフトタツチセンサーに関する
ものである。

（従来の技術） 従来のこの種のセンサーは第２図に示すように
サーミスタ等の感熱素子１と、該感熱素子１を一
側面に支持するスポンジ等の弾性支持部材２と、
これらのものの外周を被覆するポリイミド等の耐
熱性を有する耐熱テープ３等で構成されていた。
そして、ヒータ４を内蔵させたヒートローラ５の
一外周に前記感熱素子１を支持した面を押当て、
その後方に板バネ６を設けることにより当該板バ
ネ６と前記弾性支持部材２との弾性を利用して感
熱素子１をヒートローラ５の外周に圧接配置し、
該箇所でヒータ４により加熱されるヒートローラ
５の表面温度の変化に応じて感熱素子１の抵抗値
を変化させ、該抵抗値の変化を検知回路で検知
し、その信号を制御回路に送つて該制御回路を介
し、前記ヒートローラ５のヒータ４の発熱状態を
制御して当該ヒートローラ５の表面温度を常に定
着に最適な状態に保持するようにしていた。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、このような構成のソフトタツチ
センサーは、ヒートローラ５の熱が感熱素子１の
抵抗値を変化させる以前に、弾性支持部材２によ
つて吸収されてしまうこと、及び当該感熱素子１
とヒートローラ５の表面との間には耐熱テープ３
が介在していること等が原因で当該感熱素子１の
応答性をにぶくしてしまうことを免がれず、その
結果(1)コピー作業におけるウエイトタイムを長く
してしまう、(2)及び当該ヒートローラ５のウオー
ミングアツプ時のオーバーシユート温度を必要以
上に上昇させてしまつて、その周辺に配置した機
器や或いは定着すべき記録紙に悪影響を及ぼす等
といつた欠点があつた。

本考案は上記従来のヒートローラ方式の定着装
置に使用するソフトタツチセンサーの諸欠点を除
去するためになされたものである。

（問題を解決する手段及び作用） そのために前記感熱素子１を支持する弾性支持
部材２を二重にし、その中間部には断熱部材を介
在させると共に、該弾性部材のドラムに面する側
には切欠部を設け、該切欠部には前記感熱素子１
を収熱部材を介して配置する。

これにより当該感熱素子１をヒートローラ５の
一外周に板バネ６を用いて配置するとき、前記二
重に設けた弾性支持部材により、該感熱素子１を
ヒートローラ５に対して弾性的に支持して、その
表面温度を検知できるようにすると共に、該検知
時にヒートローラ５の表面の熱エネルギーが当該
弾性支持部材２に極力吸収されないようにする一
方、該ヒートローラから感熱素子１への熱エネル
ギーの伝導率を高めて、その応答性を鋭敏にする
ようにしてものである。

（実施例） 以下本考案を図面に示す実施例に基づいて詳細
に説明する。

第１図は本考案のヒートローラ方式の定着装置
に用いるソフトタツチセンサーの一実施例を示す
斜視図である。

同図において、略四角形状に設けた弾性支持部
材２を中間部の適所で切断して二重構造にする。
そして該中間部には断熱部材７を挾持すると共
に、当該弾性支持部材２の感熱素子１を配置する
部分を切欠して切欠部８を作り、該切欠部８内に
はサーミスタ等の感熱素子１を収熱部材９を介し
て配置する。

本考案は以上のように構成したものである。次
にその使用状態について説明する。

まず前記弾性支持部材２の切欠部８を有する面
をヒートローラ５の一外周に当接し、その後方を
板バネ６で支持する。これにより当該弾性支持部
材２の切欠部８内に配置した感熱素子１をヒート
ローラ５の外周に圧接させる。このようにすれば
当該感熱素子１はヒートローラ５に対し、前記弾
性支持部材２と、これを支持する板バネ６との弾
性により、ヒートローラ５に対し直接ソフトタツ
チさせた状態となる。次に、該感熱素子１を検知
回路に電気的に接続し、該検知回路を制御回路を
介して前記ヒートローラ５のヒータ４の電源回路
に接続する。

その上で当該ソフトタツチセンサーによりヒー
トローラ５の表面温度を検知するようにすれば、
ヒートローラ５の表面から発する熱エネルギーは
前記感熱素子１を支持する弾性支持部材２が二重
になつており、その中間部には断熱部材７が設け
られているので該弾性支持部材２の全体に吸収さ
れることはなくなる。と同時に感熱素子１は、こ
れを配置する部分の弾性支持部材２が切欠されて
おり、該切欠部８内に収熱部材９を介して配置さ
れているので前記ヒートローラ５からの熱エネル
ギーは該収熱部材９によつて収熱されて感熱素子
１による検知されるのでその検知性能は非常に鋭
敏となる。従つてその信号を前記検出回路を介し
て制限回路に送り、該制御回路でヒートローラ５
のヒータ４の発熱状態を制御するとき、その応答
性が非常に良くなるので、コピー作業のウエイト
タイムを第３図のＢに示すように従来のソフトタ
ツチセンサーに比して約２秒程度短縮することが
できると共に、当該ヒートローラ５のウオーミン
グアツプ時のオーバーシユート温度も効果的に制
御できることになる。

（考案の効果） しかして前記ヒートローラ方式の定着装置の温
度検出手段として、本考案のソフトタツチセンサ
ーを使用すれば、コピー作業時におけるウエイト
タイムが短くなり、その分作業能率の向上が可能
になると共に、ヒートローラ５のウオーミングア
ツプ時のオーバーシユート温度も適切に制御でき
るので、該ヒートローラ５の周辺の機器や記録紙
等に過熱による悪影響を及ぼすことも防止でき
て、安全性の確保にも役立つといつた効果を有す
る。

尚、本考案は上記実施例に限定されなければな
らない理由はなく、たとえば前記収熱部材９は第
４図に示すように断熱部材７の大きさと同じ大き
さにして、これを前記二重にした弾性支持部材２
の間に挾持するようにしても良く、このようにす
れば、その製作時間を短縮することができること
はいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のヒートローラ方式の定着装置
に用いるソフトタツチセンサーの一実施例を示す
斜視図、第２図は従来のソフトタツチセンサーを
ヒートローラの一外周に配置した状態を示す断面
側面図、第３図は本考案のソフトタツチセンサー
と従来のソフトタツチセンサーとを使用した制御
装置によるヒートローラの表面温度の制御状態を
示す図、第４図は本考案のソフトタツチセンサー
の他の実施例を示す斜視図である。 図中、１……感熱素子、２……弾性支持部材、
７……断熱部材、８……切欠部、９……収熱部
材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ヒートローラの一外周に配置するソフトタツチ
   センサーにおいて、前記ヒートローラの表面温度
   を検知するために用いる感熱素子の支持部材とし
   て二重構造にした弾性支持部材を用い、該弾性支
   持部材の中間部には断熱部材を介在させると共
   に、該弾性部材のドラムの接する側には切欠部を
   設け、該切欠部内に前記感熱素子を収熱部材を介
   して配置することを特徴とする加熱定着装置用ソ
   フトタツチセンサー。