JPH0334247Y2

JPH0334247Y2 -

Info

Publication number: JPH0334247Y2
Application number: JP1988015990U
Authority: JP
Priority date: 1988-02-09
Filing date: 1988-02-09
Publication date: 1991-07-19
Also published as: JPH01120914U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）この考案は、有機性汚水の流入、曝気、沈殿、
排出工程を同一槽内で行なつて活性汚泥法により
浄化処理する回分式活性汚泥処理装置における上
澄水引抜装置に関するものである。

（従来技術）従来、回分式活性汚泥処理装置に設置される上
澄水引抜装置として、例えば第２図に示すような
ものがある。即ち、反応槽５１の底面側には排出
基管５２が配管されており、この排出管５２の端
部には反応槽５１内に揺動可能に排出管５３が接
続されており、この排出管５３の上端部には上澄
水を集水可能なトラフ５４が接続され、このトラ
フ５４には空気タンク５５が付設されて、トラフ
５４が反応槽５１内に浮動する構造となつてい
た。

（考案が解決しようとする課題）上記従来構造においては、反応槽５１内に汚水
が流入されて所定時間曝気処理された後に、反応
槽５１の底面側に汚泥が沈降され、その上面側に
上澄水が分離されるが、この上澄水をトラフ５４
にて徐々に集水し、排出管５３及び排出基管５２
を介し外部に排出し得る構造としたものであり、
このような従来構造においては、曝気工程時にト
ラフ５４の上面側より汚水がトラフ５４及び排出
管５３内に流入することが多く、この排出管５３
内に流入した汚水は上澄水の排出工程の初期にお
いて汚泥濃縮槽等へ移送する必要があり、処理工
程が複雑となり、処理能力が劣るという問題点が
あつた。

（課題を解決するための手段）本考案は上記従来の問題点に鑑み案内したもの
であつて、曝気時等にトラフ内に汚水が流入する
ことなく、上澄水の排出を良好に行ない得る上澄
水引抜装置を提供せんことを目的とし、その要旨
は、有機性汚水の流入、曝気、沈殿、排出工程を
同一槽内で行なう回分式活性汚泥処理装置の上澄
水引抜装置であつて、反応槽内に揺動可能に配管
された排出管の上端部に接続された上澄水を集水
可能なトラフと、該トラフ内に出没可能に嵌挿さ
れたフロートと、該フロートの上面側に当接状に
配置されロツド下端部が前記トラフの底面に固定
されたエアシリンダとを備え、該エアシリンダの
出没作動に伴つて前記フロートが前記トラフ内に
出没して前記排出管を開閉し得るように構成した
ことである。

（作用）トラフ内には出没可能にフロートが嵌挿されて
おり、このフロートの上面側にはエアシリンダが
配置されて、エアシリンダのロツド下端部はトラ
フの底面側に固定されているため、エアシリンダ
が作動されて出没することによりトラフとフロー
トが嵌合、離反することとなり、トラフとフロー
トが離反された状態ではトラフとフロート間に隙
間が生じるため、この隙間より上澄水がフロート
内に流入して排出管を通り外部に良好に排出され
る。

一方、トラフとフロートが嵌合された時には、
フロートによりトラフとフロート間の隙間が閉鎖
され、かつ排出管が閉止され、トラフ内には汚水
が流入することができず、曝気時等においてトラ
フ及び排出管内に汚水が流入することが有効に防
止される。

（実施例）以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図は本例上澄水引抜装置の概略構成図を示
し、図において、回分式反応槽内に浮動状に配置
される集水トラフ１は上面側が開口した箱状に形
成されており、底面側から上面側に亘り拡開状の
傾斜した側面を形成しており、底面中央部には排
出管２が開口状に接続されている。この排出管２
は蛇腹ホース等により構成され反応槽内を揺動可
能となつており、その下端部は外部と連通状とな
つている。従つて、反応槽内の上澄水を外部に排
出する際には、集水トラフ１の上面開口より上澄
水を集水トラフ１内に集水して、その集水した上
澄水を排出管２を介し外部に排出することがで
き、上澄水の水位の低下に伴つて徐々に集水トラ
フ１が下降し、排出管２が下方に揺動し得る構造
となつている。

本例においては、集水トラフ１の内部にフロー
ト３が嵌挿されており、このフロート３は発泡ス
チロール等の素材にて形成されたものであつて、
集水トラフ１の上部開口側より出没可能に嵌挿さ
れて、トラフとフロート間の隙間を開閉しかつ排
出管２の開口部を開閉可能となつている。

このフロート３の上面側にはその長手方向に沿
つて一対のエアシリンダ４，４が配設されてお
り、各エアシリンダ４，４のロツド４ａの下端部
は集水トラフ１の底面に固定状となつている。
又、各エアシリンダ４，４の下部のシリンダフラ
ンジ４ｂ，４ｂが前記フロート３の上面側に当接
し、このシリンダフランジ４ｂによりフロート３
を下方に押圧することができるものとなつてい
る。又、各エアシリンダ４にはポートａ，ｂが形
成されており、各ポートにはエア通路T₁，T₂が
接続配管されており、エア通路T₁，T₂の端部に
はソレノイドバルブ５が取り付けられ、さらにソ
レノイドバルブ５にはコンプレツサー等のエア源
Ｅが接続されている。

従つて、ソレノイドバルブ５が操作されてエア
シリンダ４のａポートにエア圧が供給された時に
は、各エアシリンダ４，４のロツド４ａ，４ａが
下方に延出されて集水トラフ１を下方に押し出す
こととなり、その時には集水トラフ１よりフロー
ト３が離反して集水トラフ１の内側面とフロート
３間に隙間が生ずることとなる。この隙間を介し
集水トラフ１内に上澄水が流入することができ、
この状態で集水トラフ１にて上澄水を集水し、排
出管２により上澄水を徐々に外部に排出させるこ
とができる。

上澄水の排出が終了した後には、ソレノイドバ
ルブ５を操作することにより各エアシリンダ４の
ｂポートにエア圧が供給されて、各ロツド４ａ，
４ａが没入されるため、集水トラフ１内にフロー
ト３が強固に嵌挿されて、フロート３の下面部に
より排出管２の開口部が閉止されることとなり、
又、集水トラフ１の内側面にフロート３が強固に
密着して集水トラフ１の上部開口をも閉止するこ
ととなる。そのため、集水トラフ１内には最早汚
水等が流入するこがなく、この状態で反応槽内に
て汚水の曝気が行なわれる際にも、集水トラフ１
内には汚水は全く流入することがない。

曝気工程の終了後には再びソレノイドバルブ５
を切替操作してエアシリンダ４，４を作動させ、
集水トラフ１とフロート３間に隙間を形成させて
良好に上澄水のみを集水トラフ１内に流入させて
排出管２を介し外部に排出させることができる。

このように本例においては、曝気時等には排出
管２及び集水トラフ１をフロート３を介し閉止さ
せることができるため、従来のように曝気時に集
水トラフ１内に汚水が流入することがなく、上澄
水のみを良好に外部に排出させることができ、処
理能力を向上させることができる。

（考案の効果）本考案の装置は、有機性汚水の流入、曝気、沈
殿、排出工程を同一槽内で行なう回分式活性汚泥
処理装置の上澄水引抜装置であつて、反応槽内に
揺動可能に配管された排出管の上端部に接続され
た上澄水を集水可能なトラフと、該トラフ内に出
没可能に嵌挿されたフロートと、該フロートの上
面側に当接状に配置されロツド下端部が前記トラ
フの底面に固定されたエアシリンダとを備え、該
エアシリンダの出没作動に伴つて前記フロートが
前記トラフ内に出没して前記排出管を開閉し得る
ように構成したことにより、エアシリンダを簡易
に作動させて、上澄水の排出時には集水トラフと
フロート間に隙間を形成させ上澄水を良好に排出
させることができるとともに、曝気時等にはフロ
ートを集水トラフに強固に嵌挿させて汚水の流入
を有効に防止することができ、簡単な装置により
上澄水の排出処理効率を向上させることができる
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す上澄水引抜装
置の概略構成図、第２図は従来装置の一例を示す
概略構成図である。１……集水トラフ、２……排出管、３……フロ
ート、４……エアシリンダ、４ａ……ロツド、４
ｂ……シリンダフランジ、ａ，ｂ……ポート、５
……ソレノイドバルブ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

有機性汚水の流入、曝気、沈殿、排出工程を同
一槽内で行なう回分式活性汚泥処理装置の上澄水
引抜装置であつて、反応槽内に揺動可能に配管さ
れた排出管の上端部に接続された上澄水を集水可
能なトラフと、該トラフ内に出没可能に嵌挿され
たフロートと、該フロートの上面側に当接状に配
置されロツド下端部が前記トラフの底面に固定さ
れたエアシリンダとを備え、該エアシリンダの出
没作動に伴つて前記フロートが前記トラフ内に出
没して前記排出管を開閉し得るように構成したこ
とを特徴とする回分式活性汚泥処理装置における
上澄水引抜装置。