JPH033394Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、温室栽培を行うビニールハウス等に
使用されるビニールシート、つまり合成樹脂シー
トの接合装置におけるシート原反台車の移動装置
に関する。

（従来の技術） 温室栽培を行うビニールハウス等に使用される
ビニールテント、つまり合成樹脂テントは、所定
幅の複数枚の合成樹脂シートの隣接側縁どうしを
接合することによつて幅広に形成される。

複数枚の合成樹脂シートは、接合機本体に所要
間隔を有して平行に対向配設された複数の原反台
車のそれぞれに、回転自在に軸支されたロール巻
状の合成樹脂シート原反を回転させることによつ
て連続的に繰り出し、案内ローラを経て送りロー
ラ、即ち駆動手段に導かれる過程で、隣接側縁ど
うしを、例えば重ね合せた状態で、加熱用の電極
ローラを備えた熱溶着部を通過することにより溶
着接合される。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、合成樹脂シートの隣接側縁どうしを
熱溶着するための重ね合せ量、即ち隣接側縁のラ
ツプ量は、ロール巻状のシート原反を回転自在に
軸支している原反台車の移動によつてなされる。
即ち、原反台車を互いにシート原反の幅方向、つ
まり接合機本体と平行な方向に移動させることに
よつて設定される。

しかし、従来の原反台車は、単に車輪によつて
移動可能に支持された構成であり、ラツプ量設定
の場合における原反台車の移動を作業者による手
押しに依存していた。

したがつて、シートのラツプ量設定に際し、そ
の設定値の近傍位置に原反台車を移動させる初期
の調整段階では、大重量の原反台車を比較的大き
い移動量で移動させなければならないので、手押
し作業が大変である。しかも、設定値の近傍位置
から設定位置までのわずかな移動（例えば１〜２
mmの移動）を要求される微調整を、手押し作業に
よつて綿密に行うことはきわめて困難であり、調
整作業に長時間を要し、作業性に劣る問題点を有
している。

本考案は、前記従来の問題点を解決するために
なされたもので自動化によつて移動させ、特にラ
ツプ量設定値の近傍位置から設定位置に至るシー
ト原反台車のわずかな移動、即ちシートラツプ量
の微調整を容易かつ正確に行うことができる合成
樹脂シートの接合装置における原反台車の移動装
置を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本考案に係るシート原反台車の移動装置は、複
数の原反台車がそれぞれ少なくとも１対の駆動輪
及び従動輪により接合機本体に平行移動可能に支
持されている。

そして、動力伝達機構を介して前記駆動手段輪
を所要回転速度で回転駆動する少なくとも１つの
駆動手段を塔載し、駆動手段の駆動速度制御又は
駆動手段の駆動速度制御および動力伝達機構の変
速制御によつて正逆方向に移動可能に構成してい
る。

（作用） 本考案においては、単一駆動手段の駆動速度制
御，高速駆動手段と低速駆動手段の切換駆動制
御、もしくは単一駆動手段の駆動と動力伝達機構
の切換制御の組合せ等によつて原反台車が高速又
は低速移動される。

（実施例） 第１図は本考案の一実施例を適用した合成樹脂
シート接合装置の斜視図、第２図は同右側面図を
示し、これらの図において１は接合機本体で、そ
の機枠１Ａの前方側（第１図の手前側で第２図の
左方側）には、複数の原反台車２…が所要間隔を
有して対向配設され、各台車２にはロール巻状の
ビニールシート原反３ａ，３ｂ，３ｃを支持する
ための原反受け台４…が設けられているととも
に、原反３ａ，３ｂ，３ｃの両端部に対応してカ
ツター装置５…がそれぞれ設けられている。原反
受け台４は、台車２の両端部に立設された支柱４
ａの上端部にＹ字形の軸受４ｂを設けてなり、こ
れらの軸受４ｂに、原反３ａ〜３ｃに通した支軸
６を乗せ掛ける構成となつている。

カツター装置５は、略Ｌ字形でその上向き腕と
横向き腕との交叉部分を回動自在に台車２に取り
付けた揺動杆５ａと、この揺動杆５ａの上向き腕
の上端に取り付けた回転カツター刃５ｂと、この
回転カツター刃５ｂの側方に取付けたローラ５ｃ
と、回転カツター刃５ｂを回転駆動するモータ５
ｄと、揺動杆５ａの横向き腕に設けられた重り５
ｅとを備え、重り５ｅは揺動杆５ａの横向き腕に
穿孔された長孔５ｆに沿つてスライドできるよう
になつており、重り５ｅの固定位置によつてカツ
ター刃５ｂの原反３ａ〜３ｃに対する押付力を増
減調整できるようになつており、又、ローラ５ｃ
の外周面はカツター刃５ｂの刃先よりビニールシ
ートS₁〜S₃の一枚の厚さに相当する距離だけ後退
した位置に設定されている。

機枠１Ａには複数のブラケツト７，…が各原反
３ａ〜３ｃの端部間に対応して並設され、これら
のブラケツト７，…にはそれぞれ支持腕８，…が
支軸９，…を支点に起倒可能に取り付けられてい
る。そして、これら支持腕８，…の各先端には案
内ローラ１０が回転自在に架設されており、支持
腕８，…は倒置状態においてブラケツト７，…に
片持ち式に支持される。この時、案内ローラ１０
が、第２図から明らかなように、平行に二列に配
置された両側の原反３ａ，３ｃおよび３ｂとの間
の上方の所定位置に位置するとともに、支持腕
８，…を起立させた時にこれが機枠１Ａに当接し
て僅かに後方への傾斜状態で保持され、この時、
案内ローラ１０は後方の原反受け台４の後側斜め
上方に位置する。

又、機枠１Ａの頂部には送りローラつまり、シ
ートS₁〜S₃の引張駆動手段１１が設けられてお
り、この引張駆動手段１１は駆動モータ（図示せ
ず）により第２図の矢印方向に回転駆動される。
１２，１３は前述の案内ローラ１０と駆動手段１
１との間に設けられた上部および下部電極ローラ
である。これらの電極ローラ１２，１３は機枠１
Ａの上部に傾斜状態で設けられたガイド板１４の
透孔１４ａの両側に対設されており、同調器１５
からの指令信号によつて同調回転して、両電極１
２，１３の間を通るビニールシートS₁，S₂，S₃を
熱溶着温度に加熱するようになつている。

１６は上部電極ローラ１２の押付力調整機構で
ある。

さらに、機枠１Ａには切断装置１７が設けられ
ている。この切断装置１７は、駆動手段１１の後
方に設けられたレール１７ａに沿つて横振れなく
モータ１７ｄによりビニールシートの幅方向に往
復走行する自走式のものであり、回転切断刃１７
ｉと切断用駆動モータ１７ｈとを有している。

１８は機枠１Ａの後部に設けられたビニールシ
ートの折畳み装置である。この折畳み装置１８
は、機枠１Ａに取り付けられた回転軸１８ａと、
この回転軸１８ａに所定の間隔を存して平行に対
設された回転軸１８ｂとの間に、複数の無反ベル
ト１８Ｃ，…を巻き掛けるとともに、この両回転
軸１８ａ，１８ｂを連結している連結腕１８ｄ
と、機枠１Ａに設けられたクランク腕１８ｅとを
連結杆１８ｆによつて連結してなり、クランク腕
１８ｅが第２図の矢印方向に１回転するのに伴つ
て連結腕１８ｅが同図の矢印で示すように前後に
往復揺動される構成となつている。更に、機枠１
Ａの上方には横向きに延びる桁材１９が設けられ
ていて、この桁材１９に一端が枢着された支持腕
２０の自由端部には押えローラ２１が装着されて
おり、この押えローラ２１がビニールシートを前
述の送りローラ１１に押し付けていることによつ
て、送りローラ１１に巻き掛けられたビニールシ
ートが後方に送られる。又、桁材１９には、支持
腕２０とは反対側に延びる支持杆２２が片持ち式
に支持されており、この支持杆２２の先端部に接
合用のビニールシートS₄のロール巻状の原反２３
が取り付けられ、この原反２３から繰り出された
ビニールシートS₄がガイドピン２４を介して両電
極ローラ１２，１３間に導かれる。

前記各原反台車２…は、第３図にも示されるよ
うに、２対の駆動輪２５Ａ，２５Ｂと少なくとも
１対の従動輪２６によつて、接合機本体１に平行
移動可能になされている。

前記駆動輪２５Ａ，２５Ｂは、それぞれ駆動手
段２７Ａ，２７Ｂにとつて動力伝達機構２８を介
して回転駆動される。本実施例では駆動手段２７
Ａを低速回転出力軸を有する電動機によつて構成
し、駆動手段２７Ｂを前記駆動手段２７Ａよりも
高速回転出力軸を有する電動機によつて構成する
とともに、両駆動手段２７Ａ，２７Ｂをそれぞれ
原反台車２に塔載している。

次に、前記構成とした実施例装置の作用に付い
て説明する。原反受け台４に支持された原反３ａ
〜３ｃから繰り出されたビニールシートS₁〜S₃
は、その両端部がカツター装置５によつて繰り出
し方向に平行に且つ直線状に切断される。この
時、カツター装置５は重り５ｅの固定位置とによ
つてビニールシートS₁〜S₃の一枚の厚さを切断す
るのに必要な押圧力に調整されていることによつ
て、原反３ａ〜３ｃ繰り出されるビニールシート
S₁〜S₃は、繰り出される部分のみの端部がカツタ
ー刃５ｂによつて切断除去され、各ビニールシー
トS₁〜S₃の端部が備えられる。このビニールシー
トS₁〜S₃は案内ローラ１０を経て上，下部の電極
ローラ１２，１３間に導かれ、更に、引張駆動手
段１１と押えローラ２１とによつて後方に送ら
れ、折畳み装置１８の無端ベルト１８ｃの上に乗
せられる。

他方、原反２３から繰り出された接合用ビニー
ルシートS₄はガイドピン２４を介して両電極ロー
ラ１２，１３間に導かれ、第４図に示すように、
カツター装置５によつて端部に揃えられ一定の間
隔Ｗで対向された相隣接するビニールシートS₁，
S₂およびS₂，S₃の各側縁に跨がつて接合用ビニー
ルシートS₄が重ね合わされ、これらを両電極ロー
ラ１２，１３で挾んで加熱することにより、相隣
接するビニールシートS₁，S₂およびS₂，S₃と接合
用ビニールシートS₄とが熱溶着される。

電極ローラ１２，１３によつて熱溶着されたビ
ニールシートS₁〜S₄は折畳み装置１８に送られ
る。この折畳み装置１８の無端ベルト１８Ｃは、
両回転軸１８ａ，１８ｂの回転によりビニールシ
ートの送り出し速度と同調して回転しているとと
もに、クランク腕１８ｅの回転によつて往復揺動
しているから、その往復揺動に伴つて接合された
ビニールシートＳが折畳まれながら受け台上に払
い出される。

そして、各ビニールシートS₁〜S₃が所定の長さ
分だけ接合された時点で、検知装置（図示せず）
により検出されて、両電極ローラ１２，１３によ
る熱溶着部、駆動手段１１等の駆動が停止し、切
断装置１７の走行用モータ１７ｄ、切断刃回転用
モータ１７ｈが駆動してこのカツター刃１７ｉで
接合されたビニールシートＳが幅方向一直線に切
断される。

前記第４図で示した溶着方式、つまり、ビニー
ルシートS₁，S₂およびS₂，S₃の各側縁に跨がつ
て、接合用ビニールシートS₄を重ね合せた溶着方
式の他に、第５図に示すように、接合用ビニール
シートS₁，S₂およびS₂，S₃側縁どうしを直接溶着
する場合がある。このような溶着方式において、
適正な溶着を行うに好適なビニールシートS₁，S₂
およびS₂，S₃の側縁のラツプ量Ｗを設定する場
合、ならびに、第４図のビニールシートS₁，S₂お
よびS₂，S₃の対向間隔Ｗを設定する場合には、ま
ず、高速回転出力軸を有する電動機つまり、駆動
手段２７Ｂを駆動させ、動力伝達機構２８を介し
て駆動輪２５Ｂを駆動する。

これによつて、前記対向間隔Ｗの近傍位置又は
ラツプ量Ｗの近傍位置まで、ビニールシートS₂，
S₃およびS₂，S₃の側縁が接近もしくはラツプさ
れ、この時点で駆動手段２７Ｂの駆動を停止す
る。

ついで、低速回転出力軸を有する電動機、即
ち、駆動手段２７Ａを駆動させ、動力伝達機構２
８を介して駆動輪２５Ａを駆動する。

これによつて、前記対向間隔Ｗの近傍位置又は
ラツプ量Ｗの近傍位置から対向間隔Ｗの設定位置
およびラツプ量Ｗの設定位置まで、ビニールシー
トS₁，S₂およびS₂，S₃の側縁を接近もしくはラツ
プさせる。

前記実施例では２対の駆動輪２５Ａ，２５Ｂの
それぞれを、動力伝達機構２８を介して回転駆動
するように構成して説明しているが、本考案は前
記実施例にのみ限定されるものではなく、例えば
第６図に示すように、１つの駆動手段２７ｃの変
速出力軸が動力伝達機構２８を介して１対の駆動
軸２５Ａを回転駆動させる構成、或は第７図に示
すように２つの駆動手段２７Ｄ，２７Ｅそれぞれ
の出力軸を変速動力伝達機構２８Ａに入力し、そ
の出力を１対の駆動輪２５Ａに伝達するように構
成してもよい。しかし、事実上操作の確実性およ
びコスト面において第１実施例が最も有利であ
る。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、各原反
台車を少なくとも１対の駆動輪および従動輪によ
り接合機本体に平行移動可能に支持するととも
に、動力伝達機構を介して、駆動輪を所要回転速
度で回転駆動する少なくとも１つの駆動手段を塔
載し、この駆動手段の駆動速度制御又は駆動手段
の駆動速度制御および動力伝達機構の変速制御に
よつて正逆方向に移動可能に構成しているから、
ビニールシート側縁をラツプ量設定値の近傍もし
くは対向間隔設定値の近傍へ移動させる作業が、
自動的に容易になされる上、前記近傍位置から設
定位置へのわずかな移動、即ち、シートラツプ量
もしくは対向間隔の微調整が容易かつ正確になさ
れ、作業性の向上を実現できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を適用した合成樹脂
シート接合装置の斜視図、第２図は同右側面図、
第３図は原反台車の正面図、第４図は溶着方式の
一例を示す断面正面図、第５図は溶着方式の他の
例を示す断面正面図、第６図は本考案の他の実施
例を示す概略平面図、第７図はさらに他の実施例
を示す概略平面図である。 １……接合機本体、２……原反台車、３ａ〜３
ｃ……原反、１１……引張駆動手段、１２，１３
……電極ローラ、２５Ａ，２５Ｂ……駆動輪、２
６……従動輪、２７Ａ〜２７Ｅ……駆動手段、２
８……動力伝達機構。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 接合機本体に所要間隔を有して平行に対向配
   設された複数の原反台車のそれぞれに、回転自
   在に軸支されたロール巻状の合成樹脂シート原
   反を、少なくとも前記接合機本体に組込まれた
   引張駆動手段により繰出し方向に回転させて繰
   り出し、その繰り出された合成樹脂シートの隣
   接側縁どうしを電極ローラで高周波溶着させる
   ようにした合成樹脂シートの接合装置におい
   て、前記各原反台車は、少なくとも１対の駆動
   輪および従動輪により前記接合機本体に平行移
   動可能に支持され、かつ動力伝達機構を介して
   前記駆動輪を所要回転速度で回転駆動する少な
   くとも１つの駆動手段が塔載されているととも
   に、この駆動手段の駆動速度制御、又は駆動手
   段の駆動速度制御および動力伝達機構の変速制
   御によつて正逆方向に移動可能に構成されてな
   ることを特徴とする合成樹脂シートの接合装置
   におけるシート原反台車の移動装置。 (2) 前記駆動手段が電動機であることを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の樹脂シ
   ートの接合装置におけるシート原反台車の移動
   装置。