JPH0333728Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ナイフ紙折り機における電動機構で
上下動される紙折りナイフの紙折りローラに対す
る位置を正確簡便に調節する装置に関するもので
ある。

従来の電動機構で上下動される紙折りナイフの
紙折りローラに対する所要位置を調節するナイフ
調節装置は、複雑な機構を伴い、その上、ナイフ
支持軸を装備させた匣体全体を位置固定ネジの開
放、締着操作でガイド基板に沿わせて上下動せし
め、その匣体の上下動に伴いナイフ支持軸の高さ
を調節させるという手段、構成に係る装置である
から、ナイフ位置を決めるためには、その都度、
モーター、クラツチブレーキ機構に係る電動制御
装置を取付けてなる非常に重量のある匣体の全体
を一々上下調節しなければならないため、その取
扱い操作は、匣体が重く面倒で甚だ省力性に欠け
るし、その重い匣体の上下操作機構は、機構の複
雑性を伴い、ガイド基板に沿わせる匣体の上下動
は正確な微調節が難かしく、従つて、ナイフの正
確位置の微調節が迅速にセツトできない不便性を
有し、特に、ナイフ支持軸を電動上下させる電動
クランク機構を装備してなる電動クランク式ナイ
フ装置においては、匣体はより非常に重量があつ
て、上下調節操作が不便であるという欠点があ
り、実用性に欠けている。

又、本願と同一出願人に係る特許第666327号
（特公昭47−17006号）の先行特許発明や、実公昭
47−18009号の先行考案の各紙折装置が存在する
が、これらの装置は、カム回転に係るレバー駆動
機構であつて、そのレバーの先端部がレバー支持
部材間に遊嵌されて上下動するものであるから、
そのレバー駆動機構は、機構の複雑長大化と共
に、カム駆動機構の騒音と、レバーとレバー支持
部材とのこすれぶつかり騒音と摩耗が大きく且つ
カム摩耗によるレバー運動の微妙な狂いが起り易
く、ナイフ位置が狂い易い欠点がある。

本考案は電動クランクピン機構をもつて、上記
の各先行考案のレバー駆動機構から生ずる騒音と
カム摩耗等の欠点を確実に除去すると共に、電動
クランク式ナイフ装置においても、クランク運動
する軸杆の下端部に対し、紙折りナイフ機構を自
由回動式に連結せしめた上で、その連結部に其処
を上下操作させる調節ナツト機構を装備せしめる
ことで、匣体下方個所における簡単な調節ナツト
操作だけで、匣体と関係なくナイフ部自体だけを
直接に上下動操作が迅速に行え且つ自由回動式の
連結機構の介在をもつて、連結部の回転上下動に
従うナイフ回動を解消せしめることで、機構が簡
単で製作し易く、而も取扱い簡便のもとに正確な
微調節操作が容易可能なナイフ調節装置を提供
し、ナイフ調節操作の迅速簡易化と省力化を確実
ならしめ、且つナイフ装置の機構の簡素小型化と
相俟つて、正確なナイフ調節のもとに正確な紙折
り作業が実現されるナイフ紙折り機を経済的に提
供することを目的とするものである。

本考案の実施例を図面に付て説明すると次のよ
うである。

それは、１は電動制御機構で周知の装置であ
る。２は該制御機構１の回転軸、３は回転軸２を
内部に突出させるよう該制御機構１を装備した匣
体であり、その前面には匣内を監視、修理に適す
る適当な窓孔４が設けられている。そして、匣内
に突出している電動の回転軸２に対し、クランク
機構を匣内において装置する。即ち、回転軸２に
偏心板５を定着し、該板５に対し、クランク杆６
の一端部をベアリング７を介して枢着したネジ８
を螺着し、他端部にはベアリング９を介してクラ
ンクピン１０を枢着し、該ピン１０のネジ部に対
し、該匣体３の対向の上下貫通孔１１，１２を縦
貫する所要の長さのスピンドル１３を螺着支持せ
しめ、該スピンドル１３の下底中央部にネジ孔１
４を縦設し、該孔１４に対し、球体突起１５を下
向きに設けてなる連結ネジ１６を螺着すると共
に、該ネジ１６に対し、該ネジ１６を回動操作さ
せる調節ナツト１７を螺着せしめ、該突起１５に
対し、紙折りナイフ１８を取付けた取付部材１９
の上面部に該突起１５を嵌合して球体ジヨイント
となる凹所２０を設け、該突起１５と凹所２０と
を嵌合してスピンドル１３下方に該取付部材１９
を球体連結せしめて構成するものである。

なお、スピンドル１３の形態は、図示の単なる
円柱軸の他に多種な適当軸体のものが対象となる
し、又、球体連結機構は、必要に応じ、第３図お
よび第４図に示すように、取付部材１９の凹溝２
２と角状の張出突起軸２３との嵌合その他適当な
自由回動式連結機構が採用できる。又、第５図の
ように、調節ナツト１７をスピンドル１３の下端
部とネジ付けとなる袋ナツト１７′として、その
袋ナツト１７′に適当な自由回動式連結機構を直
結させる設計に変更してもよい。図中２１，２
１′は紙折りローラ、Ｓ，S′はナイフ両側部に配
備する回り止めストツパー機構であり、それは適
宜な設計が採用される。

本考案は上記の如く構成したから、クランクピ
ン１０に螺着支持されて匣体３の上下貫通孔１
１，１２を貫通直立しているスピンドル１３は、
クランク杆６の電動クランク運動による該ピン１
０の上下運動に伴い上下運動し、該スピンドル１
３の下方に連結されている紙折りナイフ１８は上
下運動されてナイフ紙折り作業が行われる。

この該ピン１０の上下運動は、電動制御機構１
の回転軸２の電動で偏心板５が回転して、枢着の
ネジ８が円軌道回転することにより、枢着のクラ
ンク杆６が匣内においてクランク運動することに
より行われる。

ところで、紙質、紙厚等により紙折りローラ２
１，２１′に対するナイフ位置の高さを変更調節
する操作は、匣体３の下方位置において、スピン
ドル１３の下端部に取付けられている調節ナツト
１７の回動操作を行うだけで済み、簡単迅速にナ
イフの高さを正確に調節できる。

それは、該ナツト１７を回動すると、それに伴
い該ナツト１７およびスピンドル１３のネジ孔１
４に螺着している連結ネジ１６がネジ動されて上
下動することになり、該ネジ１６に連結されてい
るナイフを取付けた取付部材１９が直接に上下動
せしめられてナイフの高さが円滑に調節される。
なお、第５図の袋ナツト１７′の場合も、それを
回動するだけで該ナツト１７′がスピンドル１３
に対してネジ上下動することになり、該ナツト１
７′に自由回動式に連結されているナイフの高さ
は前記同様に簡単迅速に調節されることになる。

この連結ネジ１６のネジ上下動は、該ネジ１６
と回り止めされているナイフを取付けた定置の取
付部材１９との連結が、球体或は適当な自由回動
式の連結構成となつているから、連結ネジ１６の
ネジ動は定置の取付部材１９に対して、その連結
部が空転して、取付部材１９の連動回転は解消さ
れ、該部材１９は回動せず直下に上下動し、ナイ
フの上下動は正確に支障なく行われる。

以上により、本考案は、匣体３自体を全く動か
す必要がなく、且つ又、ナイフのクランク上下動
に関係なく、匣底部の調節ナツト１７を直接に回
動操作するだけでナイフの高さを簡単迅速且つ正
確に微調節することができ、又、自由回動式のナ
イフ部の連結機構の介在をもつて、ナツト回動に
連動するナイフ回動は解消されて、ナイフ調節は
全く安定円滑に行えて至便重宝であるし、又、ス
ピンドル１３は円柱軸の採用で済むし、その下端
部に対して連結ネジ１６、調節ナツト１７、ナイ
フ取付けの取付部材１９の連結の機構を装備させ
るだけで済むから、従来の前記装置に比べて、機
構簡素で製作し易く、その機構の簡素化に伴い全
体の小型化に有利であり、又、電動クランクピン
機構なので、従来のレバー駆動機構に比べて機構
が複雑長大化せず、従来前記の駆動騒音や摩耗等
の欠点も解消される。その結果、小型で経済的で
ナイフ調節が実に簡便にできるナイフ装置が提供
できて、正確なナイフ紙折り作業が実現できる等
の効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案実施の実施例を示すもので、第１
図は正面図、第２図は第１図のＡ−Ｂ線の側断面
図、第３図および第４図は連結部の他例の断面
図、第５図は調節ナツトを袋ナツト機構とした実
施例の部分断面図である。 ３……匣体、２……回転軸、１０……クランク
ピン、１３……スピンドル、１４……ネジ孔、１
５……球体突起、１６……連結ネジ、１７……調
節ナツト、１８……紙折りナイフ、１９……取付
部材、２０……凹所、１７′……袋ナツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 適当な電動クランク機構を備えた匣体３に対
   し、該クランク機構のクランクピン１０の上下運
   動のもとに上下動されるよう所要の長さのスピン
   ドル１３を縦嵌せしめ、該スピンドル１３の下底
   中央部にネジ孔１４を縦設し、該孔１４に対し、
   球体突起１５を下向きに設けてなる連結ネジ１６
   を螺着すると共に、該ネジ１６に対し、該ネジ１
   ６を回動操作させる調節ナツト１７を螺着せし
   め、該突起１５に対し、紙折りナイフ１８を取付
   けた取付部材１９の上面部に、該突起１５を嵌合
   して球体ジヨイントとなる凹所２０を設け、該突
   起１５と凹所２０とを嵌合してスピンドル１３下
   方に該取付部材１９を球体連結せしめてなるナイ
   フ紙折り機のナイフ調節装置。