JPH0333218A - ポリエステル系熱分割型複合繊維およびその不織布 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、極めて風合がソフトな複合繊維及びその不織
布に関するものである。さらに詳しくは。

表面感触が非常に優れ、高強力で、かつ、ドレープ性に
優れた不織布を製造するためのポリエステル系複合繊維
及びその不織布に関するものである。

（従来の技術） ソフトな風合の不織布を製造するためにできるだけ単糸
繊度の小さい極細繊維を用いることが提案されているが
、極細繊維は、開悲性が悪く、カード通過性も劣るため
満足な不織布が得られていない。これを解決するための
方策として今までに複合繊維技術を用いて極細繊維を得
る方法が数多く提案されている。例えば９特公昭４５−
６２９７号公報や特公昭４５−９９０７号公報に開示さ
れているように、多芯シースコア糸を用いて不織布を懲
戒した後、　４１１￥成分を溶解し、不織布構成繊維を
極細繊維化する方法あるいは特公昭５３−１０１６９号
公報に開示されているように中空環状型複合繊維を不織
布又は織編物形成後に機械的手段にて分割する方法等が
知られている。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、これら従来から知られている方法等によ
り複合繊維を得、この繊維を用いて極細繊維不織布を作
成する場合、下記に述べる欠点を有するものである。す
なわち、鞘成分を溶解除去する方法は、溶剤を使用しな
ければならず、溶剤コストや溶解する重合体成分のコス
トが高くつくこと、また溶解工程や溶剤を回収する工程
等の設備を設置しなければならない等の欠点を有してい
る。

さらに、不織布ウェブの繊維同士を接着する際、アクリ
ル系やＰＶＣ系のバインダー等を必要とするものである
。このことは、特公昭５３−１０１６９号公報に開示さ
れている技術においても同様であり、不織布にする際、
やはり前記アクリル系やＰＶＣ系のバインダー等を必要
とする。このため得られた不織布は、バインダー付与に
より不織布の柔軟性が乏しくなり、風合が硬くなる等の
極細繊維を使用しているにもかかわらず、その特性を発
揮できないものであった。

（課題を解決するための手段） 本発明者らは、上記問題点を解決すべく鋭意研究を重ね
た結果１本発明に到達したものである。

すなわち９本発明は、直鎖脂肪族ポリエステル成分Ａと
芳香族ポリエステル成分Ｂの融点差が２０℃以上で、か
つ、高融点成分が２個以上に分割配置された断面形状を
有し、しかも該複合繊維の両成分とも一部は繊維表面に
露出しており、熱処理にて高融点成分が分割可能である
ポリエステル系熱分割型複合繊維およびその不織布を要
旨とするものである。

第１図は９本発明の熱分割型複合ｗｉ維の断面を示す一
例であり、Ａ成分としては直鎖脂肪族ポリエステル、Ｂ
成分としては芳香族ポリエステルが挙げられる。本発明
に使用されるＡｍ分のポリエステルとしては、炭素原子
数１４以上の直鎖脂肪族ジカルボン酸成分と炭素原子数
２以上の直鎖アルキレングリコールとからなるポリエス
テルが挙げられる。

本発明における炭素原子数１４以上の直鎖脂肪族ジカル
ボン酸成分の具体例としては、テトラデカン−１，１４
−ジカルボン酸、オクタンジオ−ル、　１８−ジカルボ
ン酸、エイコサン−１，２０−ジカルボン酸及びこれら
のエステル形成性誘導体が挙げられる。また。

炭素原子数２以上の直鎮アルキレングリコール成分の具
体例としては、エチレングリコール、１，４−ブタンジ
オール、１．６−ヘキサンジオール、ｌ、８−オクタン
ジオール、　１．１０−デカンジオール等が挙げられる
が、得られるポリエステルの柔軟性及び経済性から１．
４−ブタンジオール及び１．６−ヘキサンジオールが最
も好ましい。

ジカルボン酸成分及びアルキレングリコール成分は２種
以上併用してもよく１本発明の熱分割型複合繊維の効果
を損なわない範囲で他の成分を共重合成分として加えた
り、艶消剤、安定剤２着色剤等の添加剤を添加してもよ
い。なお９本発明で使用されるＡ成分のポリエステルを
直鎖脂肪族ポリエステルに限定した理由は１分枝脂肪族
ポリエステルの場合、結晶性が悪く、製糸性が不良とな
るからである。

ＢｔＬ分のポリエステルとしては、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレートを主成分とする
もので、酸成分としてイソフタル酸。

アジピン酸等のカルボン酸やグリコール成分としてネオ
ペンチルグリコール等を共重合したポリエステルのいず
れもが使用できる。

次に、直鎖脂肪族ポリエステル成分Ａと芳香族ポリエス
テル成分Ｂの構成比としては重量比でＡ成分／Ｂ成分＝
ｉｏ〜７０％／９０〜３０％が好ましく。

さらに好ましくは、３０〜６０％／７０〜４０％が望ま
しい。Ａ成分が１０％未満の場合、不織布にする時の接
着力が不足し、不織布強力が低くなる。一方、７０％を
超えると、接着力が高くなり、不織布強力が向上するが
、接着面積も増加するため、風合が硬くなるので好まし
くない。

次に、成分Ａと成分Ｂの融点差が２０℃以上であること
が必要である。それは、熱処理にて繊維の分割化および
不織布化を行う本発明においては。

高融点成分と低融点成分の融点差が２０℃未満になった
場合１両成分の熱変形温度領域が重なり、高融点成分が
変形したり、ひどい場合には溶融し、得られる不織布の
強度や風合が損なわれる等のｌＬ＋目、：ｊがある。こ
のため、良好な不織布を得るためには２両成分の融点差
を２０℃以上とすることが必要となる。

また、成分Ａと成分Ｂのどちらかが他方を取り囲んだい
わゆる海島繊維の場合、熱処理により分割させるのに長
時間かかり、極端な場合１分割できない場合もある。そ
のため目的とするソフトな不織布が得られなかったりす
るため、成分Ａと成分Ｂのいずれも一部は繊維表面に露
出していることが必要である。

次に、上述した該複合繊維を用いて不織布を製造するに
は、先ずカーデイングにより不織ウェブを作成し２次い
で不織ウェブをニードルパンチャウォーターニードル等
によりｕ！！維相互を絡合させる。次に、熱処理にて不
織布化を行うものであろが、熱収縮の大きな繊維１例え
ば貼り合わせ型複合熱分割繊維においては、絡合工程を
通さずにそのまま熱処理を施して不織布化を行うことも
ある。

熱処理は、熱風乾燥機やエンボッジンゲロール、カレン
ダーロール等の熱ロールを通して不織布化を行うことが
できる。また、この繊維を１００％使用するのではなく
、必要に応じて他の接着繊維や接乳剤を併用してもよく
、得ようとする不織布に最適な組み合わせを選択すれば
よい。なお、熱処理温度としては、高融点ポリマーの融
点未満で、かつ。

低融点ポリマーの融点以−トの温度で実施することがで
きる。以下１図面により本発明を説明するが本発明がこ
れら図示されたものに限定されるものでないのはいうま
でもないことである。

第２図は２本発明に係る複合紡糸口金装置の縦断面図、
第３図及び第４図は、それぞれ第２図のＣＣ“線、　Ｄ
−Ｄ’線の切断断面図を示している。

第２〜第４図において、Ａは紡糸液Ａ、Ｂは紡糸液Ｂを
示し、（１）は下口金板で、誘導孔（２）の先端に複合
流用異形吐出孔（３）を有している。（４）は上口金板
で。

紡糸液Ａ用吐出孔を有するキャピラＩＪ−（５）を備え
ており、キャビラＵ−（５）は下口金板（１）の複合流
用の吐出誘導孔の内壁に実質的に密着挿入されている。

キャビラＩＪ−（５）の外周部には第３図に示すように
紡糸液Ｂを供給する通路とＩ、（る切欠き（６）が設け
られている。紡糸液Ａは、キャビラＩＪ−（５）の上端
から導入され、紡糸液Ｂは、上口金板（４）の誘４孔（
７）及びそれに連通した間隙（８）を通して導入される
。

紡糸液Ｂは、誘導孔（７）で均一に各紡糸孔に分配され
１間隙（８）を通過し、吐出誘導孔の上部で均圧化され
、さらにキャビラＩＪ−（５）の切欠き（６）により定
量的かつ均一に供給される。第５図において、Ａは成分
Ａよりなる構成部分で＋Ｂｌ〜Ｂ４は成分Ｂよりなる構
成部分である。そして、第２〜第４図に示す如き構造の
紡糸口金を用いることで、第５図の如き形態を有する十
字型複合繊維の未延伸糸が得られる。得られた未延伸糸
を延伸した後、該複合繊維を不織布化する場合、下記に
示す工程より製造される。

複合綿−カード→不織ウェブ−・ニードリンク−熱処理
−製品 得られた不織布は、熱分割型複合繊維からなるもので、
熱処理工程で大部分が剥離し、一部が部分的に接着して
いる極めて風合の良好ｊ、（ものである９゜（作用） 本発明の複合繊維を利用すると１分割前は単糸繊度が２
〜８デニ一ル程度の通常の不織布用短繊維と同程度の単
糸繊度を有し、カード通過性も良好で、優れた不織ウェ
ブが得られる。ところが、直鎖脂肪族ポリエステルにお
いては、非極性のメチレン基の部分が多いため、ポリオ
レフィン系ポリマーと同様、ポリエチレンテレフタレー
トとは非相溶性を示すことになる。そのため、複合繊維
の一部の境界面で先ず、剥離が生じ、さらにＡ成分の融
点以上の温度で熱処理を行うと、Ａ成分の熱収縮も大き
いため融解ばかりでなく、その熱収縮によっても複合繊
維間の分割もスト−ズに行うことができる。次いで、Ａ
成分が熱処理分割後極細繊維となった後にＢ成分を部分
的に接着するものである。このため接着が部分接着とな
り、かつ、接着点が増えて強力が高くなり、風合も良好
となる。

（実施例） 次に１本発明を実施例によって具体的に説明する。なお
、実施例にて行った製品の評価方法はＦ記の通りである
。

（１）不織布引張強力 ＪＩＳ　Ｌ−１０９６ストリップ法に準じて巾２５ｍｍ
。

長さｌｏｏ＋ｎｍの試験片を用い、最大引張強力を測定
した。

（２）圧縮剛軟度 ５０＋ｎｍ　Ｘ　１００＋＋＋ｍの試験片を作成し、こ
の試験片を高さ５０ｍｍ、円周１００ｍ１１１の円筒状
とし平板式ロードセル上に置き、５０ｍｍ／分の速度で
円筒状試験片を圧縮させてその時の最大荷重を測定した
。

（３）目付 ＪＩＳ　Ｐ−８１４２に準じて測定した。

実施例１〜３．比較例１〜２ オクタデカン−１，１８−ジカルボン酸１００重量部と
１．４−ブタンジオール１４０重量部を重合容器に充填
した後、常法によりエステル化度応９重縮合反厄により
第１表に示される相対粘度〔フェノールと四塩化エタン
との等重量混合物を溶媒とし、溶液濃度０、５ｇ／１０
０ｍｊ！　、温度２０℃で測定〕を有する直鎖脂肪族ポ
リエステルを得た。（融点８２℃）このポリエステルと
相対粘度ｌ、３８のポリエチレンテレフタレートとを減
圧乾燥後９通常の複合繊維用溶融紡糸装置を用いて、溶
融紡糸するに当たり、第２〜第４図に示す紡糸口金（孔
数３１９ケ）を用い、八より直鎖脂肪族ポリエステル、
Ｂよりポリエチレンテレフタレートを導入し、吐出量を
それぞれ第１表に示す内容で吐出し、紡糸温度２８０℃
、捲取速度１０００ｍ／分で捲き取った。得られた未延
伸糸の断面形状は、第５図に示すものであった。得られ
た糸条を１０万デニールのトウに集束し、延伸温度６５
℃にて第１表に示す延伸倍率で延伸し、押込み式クリン
パーで捲縮を付与した後、長さ５１ｍｍに切断して繊度
２デニールの熱分割型複合繊維を得た。次に、この複合
繊維スフをカード機に供給し。

目付８０ｇ／ｍ２の不織ウェブを得た。次に、バーブ付
ニードルを有するニードルロッカールームに通して針密
度１６０本／ｃｍ２にてニードリングを行った。

引続き、ニードルパンチ後の該ウェブをサクションドラ
イヤーにて１１０℃で１分間熱処理することで不織布を
得た。得られた不織布は、第１表に示すように、風合が
ソフトで、良好な感触を有し、かつ、高強力なものであ
った。また１本発明と比較する目的で比較例１として第
６図（ア）に示す断面形状を有する複合繊維を製造した
。Ａ成分とＢｙ、分の重量比を第１表に示す割合で行う
以外、他の条件については全〈実施例１に準じて不織布
を製造した。第１表から明らかなように不織布の強力が
低く、かつ、不織布を構成している複合繊維の分割も認
められなかった。

（以下、余白〉 第１表 比較例２ 実施例１で用いたポリエチレンテレフタレートを使用し
て０．５デニ一ルＸ５１ｍｍの１００％ポリエチレンテ
レフタレートからなる短繊維を得９次いで該短繊維をカ
ード機に通したところ、カード沈みが発生し、均一な不
織ウェブが得られなかった。

実施例４ 実施例１のＢ成分を相対粘度１．６０のポリブチレンテ
レフタレートに変更した以外、他は全〈実施例１に準じ
て不織布を製造した。得られた不織布の強力は３．１５
ｋｇ、圧縮剛軟度５８ｇであって２強力、風合とも満足
のできるものであった。

実施例５ 実施例１のＢ成分を５ソジウムイソフタレート２．５ｍ
ｏ１％共重合したポリエステルに変更した以外。

他は、全〈実施例１に準じて不織布を製造した。

得られた不織布の強力は３．０９ｋｇ、圧縮剛軟度６０
ｇで。

強力、風合とも満足のできるものであった。

（発明の効果） 本発明の熱分割型複合繊維は９分割割繊することで極細
繊維となるもので、これを不織布に使用すると、極細繊
維間に均一に直鎖脂肪族ポリエステルが点接着されるた
めバインダーを新たに付与することもなく経済的で、し
かも高強力で風合の良好なものが得られるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は９本発明の繊維の断面形状の一例を示す説明図
である。第２図は１本発明に係る複合繊維の紡糸口金装
置の断面図で、第：３図および第４図は、それぞれ第２
図のＣ−Ｃ・およびＤ〜Ｄ・線の切断断面図、第５図は
、第２図の紡糸口金装置において得られた複合繊維の断
面形状を示す説明図。 また、第６図は、比較例のｍ離断面形状を示す説明図で
ある。 Ａ　　紡糸液ＡＢ　　　紡糸液Ｂ １　　下口金板　　　２　　誘導孔 ３　　異形吐出孔　　４　　上口金板 ５　　キャピラリー　６　　切欠き ７　　誘導孔　　　　８　　間隙

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）直鎖脂肪族ポリエステル成分Ａと芳香族ポリエス
   テル成分Ｂからなる複合繊維において、Ａ成分とＢ成分
   の融点差が２０℃以上で、かつ、高融点成分が２個以上
   に分割配置された断面形状を有し、しかも該複合繊維の
   両成分とも一部は繊維表面に露出しており、熱処理にて
   高融点成分が分割可能であるポリエステル系熱分割型複
   合繊維。
2. （２）直鎖脂肪族ポリエステル成分Ａと芳香族ポリエス
   テル成分Ｂからなる複合繊維から構成された不織布であ
   って、前記複合繊維を構成するＡ成分とＢ成分の融点差
   が２０℃以上で、かつ、高融点成分が２個以上に分割配
   置された断面形状を有し、しかも該複合繊維の両成分と
   も一部は繊維表面に露出しており、低融点成分の融点以
   上の温度で熱処理することで実質的に分割せしめられて
   いるポリエステル系熱分割型複合繊維からなる不織布。