JPH0333182A

JPH0333182A - 種子の造粒コーティング用撥水剤

Info

Publication number: JPH0333182A
Application number: JP16733489A
Authority: JP
Inventors: Hiroyoshi Asano; 浅野　博嘉
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1989-06-29
Filing date: 1989-06-29
Publication date: 1991-02-13

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は、農芸作業合理化のために種子を造粒コーティ
ングする際に用いる造粒コーティング用の撥水剤に関す
る。

［従来の技術］農林業分野においても、省力化はコスト低減のための重
要な命題となっている。例えば野菜等の種子の播種にお
いても、省力化の一環として、手播きと同様に精密な機
械播き（これにより面倒な間引き作業の省略又は簡略化
が可能となる。）を行なう目的で、種子と、赤土、パー
ライト、珪藻土、炭酸カルシウム、タルク、水酸化カル
シウム、水酸化アルミニウム、カオリンなどの賦形材（
造粒材）との混合物を、ポリビニルアルコール、澱粉、
カルボキシメチルセルロース、ゼラチン等のバインダー
を用いるか又は用いないで、流動層型造粒機又は傾斜回
転パン型造粒機を用いて造粒することはかなり以前から
知られている（例えば、特公昭３８−３４８９号）。

このようにして得られた造粒コーティング種子は、播種
後に土壌中で適度の水分に遭うと、コーティング層が吸
水して、２〜３ケ所に亀裂を生じることにより破砕され
、発芽が起こる。

しかしながら、例えば、仮に、降雨や排水不良などの原
因で土壌が過湿状態にある場合には、粘稠な結合剤を含
むコーティング層が過剰の水分により崩壊して種子を哩
包し、発芽時のエネルギー代謝に不可欠の酸素の供給を
阻害するため、順調な発芽が妨げられる。

そこで、以上の問題を解決する目的で、コーティング層
を形成するコーテイング材中に、油脂、高級脂肪酸及び
その金属塩、セルロースエステル、ビニル樹脂、ウレタ
ン樹脂などの撥水剤又は防水剤を添加する技術が提案さ
れている（例えば、特公昭３８−３４６９号、特開昭５
４−８５９０８号、特開昭６０−１２９０５号）。

［発明が解決しようとする課題］しかしながら、以上の既知の撥水剤又は防水剤は、概ね
農業用土壌にとって異物であるか又は土壌のｐＨを変化
させる性質を有するため、仮に種子の発芽には悪影響を
及ぼさないにしても、その後に何らかの影響を及ぼして
栽培制御を難しくしたり、土壌を変質させるという問題
点かあった。

そこで、本発明が解決しようとする課題は、発芽に影響
する恐れや土壌を変質させる恐れのない、種子の造粒コ
ーティング用撥水剤を提供する処にある。

［課題を解決するための手段及び作用１以上の課題を解
決するため、本発明に係る種子の造粒コーティング用撥
水剤（以下、撥水剤という）は、高級脂肪族アルコール
及び／又はそのアルキレンオキサイド付加物を有効成分
とすることを要旨とするものである。

以下、発明の構成及び発明の実施に関連する重要な事項
につき項分けして詳細に説明する。

（１）撥水剤本発明の主体である撥水剤は、高級脂肪族アルコール及
び高級脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物
から選択される化合物である。

ここにいう高級脂肪族アルコールとしては、ミリスチル
アルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール
、エイコシルアルコール、トコシルアルコール、オレイ
ルアルコール等の炭素数が１４〜２２の疎水性を有する
飽和又は不飽和アルコールが好ましいものとして挙げら
れる。

また、高級脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付
加物としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを
単独で又は２Ｆ！以上混合して、前記の高級脂肪族アル
コール１モル当たりに５モル以下の割合で、規則的に又
は不規則に付加して得られるアルキレンオキサイド付加
物が好ましいものとして挙げられる。

なお、以上の高級脂肪族アルコール及びそのアルキレン
オキサイド付加物は、それぞれ単独で用いてもよいし、
２種以上を混合して用いてもよい。また、高級脂肪族ア
ルコールとそのアルキレンオキサイド付加物を併用して
もよい。

（２〉撥水剤の使用量等本発明の撥水剤の適当な使用量は、対象とする種子、造
粒手段の種類、造粒材や結合剤の種類及び割合、土壌の
性質等により変化するので一部には言えないが、少なく
とも造粒コーティング種子に疎水性を付与するに充分な
量でなければならない。一般に、その量はコーテイング
材総重量の５〜８０重量％、好ましくは１０〜３０重量
％である。

なお、所望により、上記の高級脂肪族アルコール及び／
又はそのアルキレンオキサイド付加物の一部を、本発明
の撥水剤の効果を失わせない限度で、油脂類、ゴム、セ
ルロースエステル、ビニル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ア
ルミニウム、ギ酸アルミニウム、ジルコニウム化合物、
長鎖脂肪族酸のピリジニウム塩、塩化物、エチレンイミ
ン化合物、イソシアネート、トリクロロメチルシラン等
の有機ケイ素化合物、シリコーン及び撥水性シリコーン
樹脂化合物、ワックス重合体又は誘導体、アクリル、ア
クリル樹脂、アクリル誘導体、パラジウム及びその誘導
体、フッ素系化合物、アルキル尿素の重合体、高級脂肪
酸及びその金属塩、及び脂肪酸アミド等の公知の撥水剤
と置換することができる。

（３）造粒材（賦形材）本発明の実施に当たり、本発明の撥水剤と共に使用され
る造粒材（賦形材）としては、種子造粒の目的に通常使
用される無機物をそのまま利用できる。このような造粒
材としては、例えば、珪藻土、水酸化アルミニウム、水
酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム
、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、炭酸カルシウム
、シリカ、ケイ酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム
、カオリン、クレー　タルク等が挙げられ、これらを単
独で、又は混合して使用することができる。

なお、これら造粒材としては、その平均粒径が１０μｍ
以下、殊に１μｍ以下の微粉末状のものが望ましい。

（４）結合剤（バインダー）本発明の実施に際し、本発明の撥水剤と共に使用するこ
とのできる結合剤（バインダー）としては、例えばポリ
ビニルアルコール、澱粉、カルボキシメチルセルロース
、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ゼラチン
等が挙げられる。但し、場合により結合剤の使用を必要
としないことがある。

本発明に係る撥水剤（高級脂肪族アルコール及び／又は
そのアルキレンオキサイド付加物）の疎水作用は、従来
の撥水剤と同様であるが、そのほかに下記の如き優れた
作用効果を呈する。

すなわち、 ■　土中において中性であるため、土壌のｐＨを変化さ
せず、かつ分解しても酸性或は塩基性を示すことがない
。

■　それ自体が中性であって、反応性にも乏しいため、
肥料、農薬その他の農業用薬剤と反応してその活性を変
化させることがない。

■　生分解性に優れ、土壌微生物により急速に分解され
るので、土中の異物として残留する懸念がない。

■　脂肪残基が疎水性のため、造粒機に付着しにくい。

なお、アルキレンオキサイドを付加して多少の親水性を
付与すると、造粒材との親和性が高まるため、破砕しに
くい丈夫な造粒コーティング種子が得られる。

［実施例］以下、実施例及び比較例を掲げ発明実施の具体例及び効
果につき記述するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。

実施例１〜３及び比較例１〜３発芽率８５％のニンジンの種子１１を傾斜回転パンに入
れ、この種子に濃度２重量％のカルボキシメチルセルロ
ースナトリウム水溶液をスプレーしながら、第１表に′
示す造粒材及び撥水剤の混合粉末（コーテイング材）を
加え、粒径が４ｍ麿となるまで造粒コーティングした後
、３５℃にて２４時間乾燥させた。

この造粒コーティング種子を用いて土壌中で発芽試験を
行なった。土壌状態及び発芽率を第１表に示す。

（以下余白）第表第１表（続き）注）ＥＯ：エチレンオキサイドＰＯ：プロピレンオキサイド上表から明らかなように、いずれの撥水剤も発芽率には
影響しないが、公知のステアリン酸カルシウムを用いる
と、土壌のｐＨが変化するだけでなく、カルシウム分が
残存する。また、ジクロロメチルシランは、それ自体が
分解しに＜＜、長年の間に土壌中に蓄積する恐れがある
。

従って、いずれも好ましいものではない。

これに反し、本発明の撥水剤は、土壌のｐＨに全く影響
せず、しかも易分解性であるので、種子の造粒コーティ
ング用撥水剤として非常に好ましいものである。

［発明の効果］以上説明したとおり、本発明は、発芽に影響したり、土
壌を変質させたりする恐れのない安全な種子の造粒コー
ティング用撥水剤を提供するので、農業生産の合理化及
び発展に多大の貢献をしうる。

Claims

【特許請求の範囲】

１、高級脂肪族アルコール及び／又はそのアルキレンオ
キサイド付加物を有効成分とする種子の造粒コーティン
グ用撥水剤。