JPH0332663B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、建造物の軒先等における樋の支持構
造に関する。

（従来の技術） 従来の樋の支持構造は、軒樋を支持する軒樋用
支持具と、集水器を支持する集水器用支持具と、
を備え、両支持具は軒樋あるいは集水器専用の支
持具で、形状が異なるものであつた。

従来の集水器用支持具としては、例えば、実開
昭52−82131号公報に記載されているようなもの
が知られている。

この従来の集水器用支持具は、略Ｌ字状の形状
をしており、横片が化粧板あるいは鼻隠し板等の
軒先部材に埋入され、縦片が集水器の後壁面に突
設された突部の下方に開口する系止孔を下方より
支持するものであつた。

従つて、集水器用支持具に集水器を取り付ける
際には、一旦、集水器を集水器用支持具の上方に
持ち上げた後、集水器用支持具を突部の係止孔に
挿入させるものであつた。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、このような従来の樋の支持構造
にあつては、軒樋用支持具と集水器用支持具とを
備えなければならなかつたために、在庫等が不便
であると共に、両支持具は化粧板、鼻隠し板等へ
固定させる高さが異なり、施工の際、手間を要す
るものであつた。

また、上述の集水器用支持具にあつては、集水
器の取り付けの際、一旦、集水器を集水器用支持
具の上方に持ち上げなければならないため、集水
器用支持具上方の屋根に当たり、取り付けが困難
であつた。

また、集水器用支持具は、集水器に対する支持
部分が一箇所であるため、集水器が樋の端部に配
置された場合、特に、集水器に連続する竪樋が鎖
樋の場合は、外力により集水器が支持部分を支点
として上下、前後方向に振れるものであつた。

従つて、集水器がたわみあるいは破損を生じた
り、集水器と他部品との接合部分から水漏れを生
じるという問題点があつた。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、上述のような問題点を解決すること
を目的として成されたもので、この目的達成のた
めに本発明では、軒樋を支持する軒樋用支持具
と、集水器を支持する集水器用支持具と、を備え
た樋の支持構造において、前記軒樋用支持具及び
集水器用支持具として両支持具を兼用する樋吊具
を用い、該樋吊具に集水器を下方より取り付け可
能な先端側支持構造及び後端側支持構造を設け、
前記先端側支持構造によつて集水器及び軒樋の先
端側耳部を内側から支持させた。

（作用） 従つて、本発明の樋の支持構造では、軒樋用支
持具及び集水器用支持具として両支持具を兼用す
る樋吊具を用いたために、化粧板、鼻隠し板等へ
の樋吊具の固定位置が一定となり、施工の際、手
間を省くことができる。

また、樋吊具に集水器を下方より取り付け可能
な先端側支持構造及び後端側支持構造を設けたた
めに、屋根が邪魔になることなく容易に集水器を
取り付けることができると共に、集水器に対する
支持部分が先端側及び後端側の２箇所に設けら
れ、集水器の上下、前後方向の振れを防止でき
る。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面により詳述する。

まず、第１図〜第３図に示す第１実施例につい
てその構成を説明する。

１は軒樋であつて、前壁面２及び後壁面３の上
端部に先端側耳部４及び後端側耳部５が設けられ
ている。

６は集水器であつて、前壁面７及び後壁面８の
上端部の長手方向両端部には、前記軒樋１の両耳
部４，５を外側から支持する軒樋用耳受部９，９
が設けられ、前壁面７及び後壁面８の上端部のう
ち前記軒樋用耳受部９，９以外の部分には先端側
耳部１０及び後端側耳部１１が設けられている。
前記先端側耳部１０は、前壁面７の上端部を屈曲
させ、後端側に開口部をもつ耳状に形成したもの
で、前記後端側耳部１１は後壁面８の上端部を断
面略Ｌ字形に屈曲させたものである。

尚、軒樋１と集水器６とは、先端側耳部４，１
０が同形同大で、かつ、後端側耳部５，１１の上
下幅が等しいと共に、先端側耳部４から後端側耳
部５までの前後幅と先端側耳部１０から後端側耳
部１１までの前後幅が等しく形成されている。

１６は樋吊具であつて、吊具本体１７と、該吊
具本体１７の上面に固定された止め具１８と、該
止め具１８に対して直交方向に設けられたベース
１９と、前記吊具本体１７の下面に固定されたバ
ネ板２０とを備え、ステンレス等の金属より成る
もので、この樋吊具１６は、軒樋１を支持する軒
樋用支持具と、集水器６を支持する集水器用支持
具として兼用できる。

尚、止め具１８及びバネ板２０の吊具本体１７
への固定は、リベツト、ボルト、スポツト溶接等
により行われる。

前記吊具本体１７は、中央部において水平に設
けられた固定部２１、該固定部２１の両端から斜
め上方へ延設された傾斜部２２，２３と、該傾斜
部２２，２３から水平に延設された水平部２４，
２５と、該水平部２４から上方へ延設された支持
片２６と、前記水平部２５から下方へＬ字形に延
設された耳受部２７より成る。

前記止め具１８は、長手方向の先端に水平に設
けられた固定部２８と、該固定部２８の後端側か
ら逆Ｌ字形に延設された屈曲部２９と、該屈曲部
２９から下方へ延設された垂直部３０より成る。

前記ベース１９は、両端部がネジ釘等によつて
化粧板あるいは鼻隠し板３１に固定され、前記止
め具１８の垂直部３０を固定させるものである。

前記バネ板２０は、前記吊具本体１７の固定部
２１に固定される水平部３２と、該水平部３２の
後端から延設された屈曲部３３より成る。

また、この振吊具１６には、先端側支持構造３
４及び後端側支持構造３５が設けられており、前
記先端側支持構造３４は吊具本体１７の支持片２
６により形成され、後端側支持構造３５は、吊具
本体１７の耳受部２７とバネ板２０の屈曲部３３
により形成されている。

次に、実施例の作用を説明する。

樋吊具１６によつて軒樋１及び集水器６を支持
する際には、まず、化粧板あるいは鼻隠し板２９
の軒樋１及び集水器６の取り付け位置に樋吊具１
６，１６を固定する。

次に、軒樋１の先端側耳部４及び後端側耳部５
を集水器６の軒樋用耳受部９，９に嵌合させるこ
とによつて連結された軒樋１及び集水器６の後端
側耳部５，１１を、それぞれ樋吊具１６，１６の
耳受部２７，２７に下方より押し込んで嵌合さ
せ、次いで、先端側耳部４，１０を、それぞれ支
持片２６，２６に係止させる。

この際、集水器用支持具としての樋吊具１６に
おいては、吊具本体１７の支持片２６が集水器６
の先端側耳部１０を内側から支持すると共に、耳
受部２７が後端側耳部１１を外側から支持し、か
つ、バネ板２０の屈曲部３３が後端側耳部１１を
内側から支持することによつて両耳部１０，１１
の離脱を防止している。

また、軒樋用支持具としての樋吊具１６につい
ても同様である。

次に、第４図に示す第２実施例について説明す
る。

この実施例は第１実施例で示したバネ板の代わ
りに吊具本体１７の水平部２４に係止ピン３６を
設けると共に、集水器６の後端側耳部１１に、後
壁面８の上端部から上方へ延設される吊具固定部
３８を設けた例である。

この係止ピン３６は、軒樋１及び集水器６取り
付け後、あらかじめ吊具本体１７に設けられた穴
３７に挿入されるものである。

尚、その他の構成及び作用に関しては、第１図
〜第３図に示す第１実施例と同様であるので、図
面に同一符号を付して省略する。

以上、本発明の実施例を図面により詳述してき
たが、具体的の構成はこの実施例に限られるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におけ
る設計変更等があつても本発明に含まれる。

例えば、樋吊具の両耳受部、軒樋及び集水器の
両耳部の形状は実施例に限られない。

また、樋吊具は、吊具本体、止め具、ベース、
バネ板あるいは係止ピンを備えたものを示した
が、これらの形状は実施例に限られないと共に、
樋吊具を合成樹脂で成形し、吊具本体と止め具等
を一体形成してもよい。

（発明の効果） 上述のように本発明の樋の支持構造によれば、
軒樋用支持具及び集水器用支持具として両支持具
を兼用する樋吊具を用いたために、在庫等が簡便
になると共に、化粧板鼻隠し板等への樋吊具の固
定位置が一定となり、施工の際、手間を省くこと
ができる。

また、樋吊具に集水器を下方より取り付け可能
な先端側支持構造及び後端側支持構造を設けたた
めに、屋根が邪魔になることなく容易に集水器を
取り付けることができると共に、集水器に対する
支持部分が先端側及び後端側の２箇所に設けら
れ、集水器の上下、前後方向の振れを防止できる
という効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明第１実施例の樋の支持構造を示
す斜視図、第２図は第１図の−線による断面
図、第３図は第１図の−線による断面図、第
４図は第２実施例構造を示す斜視図である。 １……軒樋、６……集水器、１０……先端側耳
部、１６……樋吊具、３４……先端側支持構造、
３５……後端側支持構造。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 軒樋を支持する軒樋用支持具と、集水器を支
   持する集水器用支持具と、を備えた樋の支持構造
   において、前記軒樋用支持具及び集水器用支持具
   として両支持具を兼用する樋吊具を用い、該樋吊
   具に集水器を下方より取り付け可能な先端側支持
   構造及び後端側支持構造を設け、前記先端側支持
   構造によつて集水器及び軒樋の先端側耳部を内側
   から支持させたことを特徴とする樋の支持構造。