JPH033197Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は含気食品や医薬用輸液ソフトパツクそ
の他各種の高圧殺菌処理を行なう噴霧式レトルト
殺菌機に関するものである。

従来の技術 従来よりレトルト殺菌機としては、熱水シヤワ
ー式及び熱水式のレトルト釜を用いて、加圧加熱
殺菌する装置が多く実施化されている。例えば、
特開昭58−47453号、特公昭58−57146号、特公昭
58−57147号公報に示されている。

考案が解決しようとする問題点 熱水シヤワー式レトルト殺菌装置の場合、熱水
の噴出部はレトルトの部はレトルトタンク上方部
からシヤワー状に噴出される構成がほとんどであ
つて、該上方部のトレーに載置された被処理物に
は最適の温度による加熱が生じても、積層された
下方部の被処理物には温度低下による不均一殺菌
状態の発生がみられる。

又、熱水式レトルト装置の場合、トレー内に収
容された被処理物が熱水の浮力の影響を受けて不
安定状態となる欠点がみられ、トレーに対して押
え蓋を設置するなど複雑な構成が要求された。特
に含気容器の場合にその影響が大きく、又、医薬
用輸液ソフトパツクなどでは熱水中に浸漬するこ
と自体不向きである等の難点があつた。

本考案の目的は上記の難点を解消し、トレーの
各段において近接した位置から噴出された細かい
水滴状の霧による均一な殺菌作用を受けることの
できるレトルト殺菌機を提供しようとするもので
ある。

問題点を解決するための手段 本考案は上記目的を達成するため、レトルト殺
菌機のタンク内で、複数段積み重ねたトレー内に
載置された被処理物と、前記タンク内へ噴霧状に
して熱水又は冷却水を噴出するスプレー部と、前
記タンクの下方端に溜つた水を加圧下でポンプ及
び熱交換器を通つて再び前記スプレー部から噴霧
状に噴出する循環路とから成り、前記スプレー部
は前記積み重ねたトレーの各段の両側にそれぞれ
対向するよう配設されると共に各段においてトレ
ー表面の全般に及ぶよう扇形で水平方向へ各対向
して噴霧散布するノズルとした噴霧式レトルト殺
菌機とした。

作用 本考案では複数段積み重ねたトレーの各段にお
いて、その両側から対向して熱水を噴出するスプ
レー部を設け、しかもこのスプレー部からはそれ
ぞれ扇形で水平方向内方へ向つて噴霧するノズル
を有するので、各段では一斉に均一な温度の熱水
及び蒸気の噴霧状態が生じる。従つて、トレーに
収容された被処理物は各段において、それぞれ熱
水及び蒸気を接近して受けることとなり、均一な
温度で迅速に処理ができる。トレーは何段になつ
ても上下方向及びトレーの平面上で温度差を生じ
ないので、均一処理が可能であり、熱水中とも異
なり被処理物の浮遊もなく、安定した状態で処理
され、且つ細かい水滴状の霧であるので、散布さ
れた周辺はすべて均一温度化でき効率の良い処理
ができる。

実施例 図面は本考案の実施例を示すもので、１はレト
ルト殺菌機のタンク、２はトレーで、タンク１内
で複数段積み重ねられている。３は被処理物、４
はスプレー部で、タンク１内へ噴霧状にして熱水
又は冷却水を噴出するノズルになつている。

５は循環路で、タンク１の下方端に溜つた水を
加圧下でポンプ６、熱交換器７を通つて再び前記
スプレー部４から噴霧状に噴出するようになつて
いる。

スプレー部４は前記積み重ねたトレー２の各段
の両側にそれぞれ対向して配設されると共に各段
のトレー２表面の全般に及ぶように扇形で水平方
向へ各対向して噴霧散布するノズルを有してい
る。

トレー２は複数段積み重ねられており、各段の
トレー表面に向つてスプレー部４が備えられてい
るので、循環路５を通つてスプレー部４から熱水
は細かい水滴状の霧となつて扇形で水平方向に散
布され、被処理物３は均一処理が行なわれる。

加熱工程が終了すると、レトルト外に設けてい
る熱交換器７の熱源としての蒸気８に代えて冷却
水９を供給し、噴霧に使用していたレトルト内の
熱水を徐冷する。

最終的には循環していた熱水が、熱交換器で間
接冷却され、冷却水より３〜５℃程度高い水がレ
トルト内へ噴霧されることになる。又、必要に応
じ、ある程度循環水の温度が低下し、含気容器の
変形の心配がなくなつた温度領域（処理する製品
によりこの温度は異なるが例えば20℃前後の温度
差）になつた時点で、スプレー部に冷却水を直接
供給する。

冷却水を循環路からスプレー部に直接供給する
場合はレトルト内の液位が上がらないようなポン
プ６の吐出側のバイパス１０からレトルト内の水
を排出するようにした。

考案の効果 本考案では熱水を噴霧状にし、しかもトレーの
各段に応じてスプレー部からそれぞれ扇形で水平
状に散布しているので、各段においても均一加熱
処理が行なわれる。熱水はスプレー部から細かい
水滴状の霧として扇形に散布されるので、その周
辺において、熱水と蒸気の両方から被処理物に確
実な加熱処理ができる。従つて、トレーが複数段
あつても上下方向及びトレーの平面上で処理温度
にむらがなく処理効率が高く、水容量が少なくて
すみ且つレトルト外の熱交換器を使用して加熱し
ているので、従来のように二槽式レトルト装置と
比較して、温水槽を省略できる等の効果がある。
さらに、熱水中で加熱処理するものではないの
で、被処理物が浮遊することもなく安定した状態
で処理が行なわれる。

又、冷却水を噴霧状にしてスプレー部から噴出
する場合、急激な冷却をさけて含気食品などの破
袋を防止するため、レトルト外の熱交換器を使用
して、熱水を間接的に冷却しながら、徐々に冷却
したり、段階的に冷却することもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案噴霧式レトルト殺菌機の縦断面
図、第２図は同トレーの一部平面図である。 １……タンク、２……トレー、３……被処理
物、４……スプレー部、５……循環路、６……ポ
ンプ、７……熱交換器。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 レトルト殺菌機のタンク内で、複数段積み重ね
   たトレー内に載置された被処理物と、 前記タンク内へ噴霧状にして熱水又は冷却水を
   噴出するスプレー部と、 前記タンクの下方端に溜つた水を加圧下でポン
   プ及び熱交換器を通つて再び前記スプレー部から
   噴霧状に噴出する循環路と、から成り、 前記スプレー部は前記積み重ねたトレーの各段
   の両側にそれぞれ対向するよう配設されると共に
   各段においてトレー表面の全般に及ぶよう扇形で
   水平方向へ各対向して噴霧散布するノズルとした
   ことを特徴とする噴霧式レトルト殺菌機。