JPH0331409B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、パン生地やカマボコ生地のような粘
弾性のある生地の流量を、その運搬中に定量化す
る装置に関する。

（従来の技術） 従来、パン等の生地は、スクリユーを用いた押
出しあるいはピストン−シリンダを用いた押出し
装置によつて、連続的または間欠的な定量供給を
行なつていた。

しかし、これらは装置が大型になるという欠点
があり、さらに、生地の供給時に過剰な圧力が作
用したり、またはスクリユーによる撹拌等で生地
が切断されたりすることが多く、特にパン生地に
おいては、そのために生地のゲル構造が破壊され
てしまうことになり、後工程で生地のゲル構造の
回復を行わなければならない等の余分な工程を必
要としている。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明は、パン生地のような粘弾性のある生地
を、その運搬の過程で連続的に定量化させるとと
もに、その定量化に際して、生地に圧力や撹拌力
が作用しないような装置を提供することを目的と
する。

（問題点を解決するための手段） 本発明の装置は、可変速度で駆動される供給コ
ンベアと、その端部の下方に所定の落差を設けて
連接される定速コンベアとから構成される搬送装
置と、供給コンベアの搬送ベルトの途中に設けら
れる秤量装置、および供給コンベアの終端部の上
方に設けられる押え装置とから構成される。

そして、秤量装置によつて、連続的に、または
間欠的に生地の単位長さ当たりの重量を秤量し
て、その秤量値を制御装置に入力し、その入力さ
れた値によつて、供給コンベアから生地を排出す
る速度を変化させるようにしている。また、速度
の可変な供給コンベアから定速コンベアへ生地を
排出する際に、コンベアのベルトと押え装置との
間に生地を挟んで、その部分から垂直に下降さ
せ、生地がその自重によつて伸縮することを利用
して、生地の流量の定量化をはかつている。

（実施例） 図面に基づいて、本発明の実施例について説明
する。

第１図に示すように、本発明の装置は、供給コ
ンベア１と、その終端部から下方に所定の落差を
設けて設置される定速コンベア１１とから構成さ
れる搬送装置で、供給コンベア１のベルト１ａの
下面の所定の位置に設けられる秤量装置３、およ
びコンベア１の終端部の上方に設けられるローラ
１０と、供給コンベア１と所定の落差Ｈを介して
設けられる定速コンベア１１とからなる。

供給コンベア１のベルト１ａの下面の所定の位
置には、秤量装置が設けられていて、ベルト上を
搬送される生地２を、その秤量台３ａの長さＡ毎
に分割した状態で秤量を行う。

また、コンベア１の終端部の上方には、突起１
０ａを所定の角度で設けたローラ１０が、ベルト
１ａと同調して駆動されることによつて、生地２
の上面に所定の間隔で圧力部２ａを形成するよう
になつている。

本発明においては、コンベア１の駆動ロール４
は、モータ６によつて駆動されるが、この駆動ロ
ール４に同調して回転する回転トランスジユーサ
ー５を設け、ベルト１ａの速度に応じて回転量の
パルスを発生する。

供給コンベア１と落差Ｈを介して設けられる定
速コンベア１１は、一定の速度で駆動されるもの
である。

さらに、本発明の装置においては、供給コンベ
ア１のベルト１ａの下面に接する秤量台３ａを有
する秤量装置３を設け、その上方を搬送される生
地２を、その秤量台３ａの長さＡ毎に荷重センサ
ー８によつて秤量を行い、その重量Ｘを制御装置
のマイクロコンピユータ９に入力する。

制御装置は、第２図に示すように、回転トラン
スジユーサー５から発生されるパルスと、荷重セ
ンサー８の秤量値をマイクロコンピユータ９に入
力し、その演算された値に応じて、インバータ７
を介してコンベア１の駆動モータ６の速度を制御
するようにしている。

そして、その制御に際しては、秤量台３ａの長
さＡまたはＡより短い一定の長さを供給コンベア
１が動く毎に、回転トランスジユーサー５が秤量
の指令を発生し、その指令に応じて荷重センサー
８が秤量を行い、その値をマイクロコンピユータ
９に入力する。そして、生地２の単位長さＡの重
量が重い時には、その秤量した部分Ａがコンベア
１の終端部にきたときにコンベア１の駆動速度を
遅くし、生地が軽いときには、コンベアの速度を
速くするようにモータ６の回転速度を制御するよ
うにしている。

したがつて、その制御に際しては、生地２の秤
量単位長さＡの重量Xaが重いときは、コンベア
１の速度Ｖを遅くするようにして、速度Vaでモ
ータ６を駆動し、生地の重量Xbが軽いときには、
コンベア１を速い速度Vbで駆動するように制御
を行う。

供給コンベア１の終端部の上方に設けられてい
るローラ１０は、生地２を強く押圧した圧力部２
ａをつくり、生地２が常に供給コンベア１と同速
で移動するようにし、一定の速度で搬送する定速
コンベア１１によつて生地２が運搬されるとき
に、単位重量の重い生地が伸長する位置を限定す
る作用を行うとともに、単位重量の軽い生地の場
合も、同じく高速で供給コンベア１から送り出さ
れる生地を一定位置で縮めるように作用するもの
である。

そして、これらの生地の伸長や縮めの作用は、
生地２が垂下時に自重により伸長する作用によつ
て行われるものである。

（作用） 本発明の装置における各構成部材の作用につい
て説明すると、生地２は人手によつて予め細長く
して生地供給コンベア１に載せられ、生地供給コ
ンベア１は、この生地を運行の過程で、秤量装置
３において、単位長さＡ当たりの重量の秤量を行
う。

すなわち、マイクロコンピユータ９は、回転ト
ランスジユーサー５によつて、上記した間隔Ａと
同じ距離だけ、あるいはこれより少ない一定の長
さだけ生地が搬送されたことを検出する毎に、秤
量装置３に秤量の指令を与え、その指令にしたが
つて、荷重センサー８が秤量を行い、その秤量値
Ｘをマイクロコンピユータ９に入力する。

そして、秤量Xnを持つ生地の部分Anがそれぞ
れ供給コンベア１の終端部Ｐに到達したことを、
回転トランスジユーサー５が発生するパルスをカ
ウントすることによつてマイクロコンピユータ９
が検出すると、マイクロコンピユータ９は、その
生地の重量Xnに応じて、コンベア１の速度Vnを
自動的に設定する。この場合のコンベア１の速度
と生地の重量との関係は、 Xa・Va＝Xb・Vb＝一定 となる。

すなわち、コンベア１から排出される際の生地
の速度Ｖは、生地の重量Ｘに反比例した値とな
る。

また、生地の単位長さＡの重量Ｘは、コンベア
１によつて搬送される生地を分割した長さＡの各
部分Aa、Ab、……ではすべてについて異なるは
ずであるから、供給コンベア１によつて搬送され
る生地２の各秤量部分がコンベア１の終端部Ｐに
きた時には、コンベア１の駆動速度Ｖは常に変化
することになる。そして、その速度変化の状態
は、秤量値が標準値よりも重いときには遅くさ
れ、軽いときには速くなるように制御されるので
ある。

したがつて、供給コンベア１から、所定の落差
Ｈの間隔をもつて配置されている定速コンベア１
に、コンベア１の端部から生地２を垂れ下がつた
状態で供給するときに、生地２の排出速度が遅い
と、生地２は、その部分で延びた状態で定速コン
ベア１１上に載り、生地が軽いときには、供給コ
ンベア１から高速で排出されるために、垂下部分
で伸びがない状態で、または生地が縮められた状
態となつてコンベア１１に載せられることになる
ので、一定の速度Vcで駆動される定速コンベア
１１上では、生地２は一定の単位重量を有するも
のとして搬送され、流量の定量化が果たされるこ
とになる。

さらに、本発明の装置において、供給コンベア
１の終端部に設けられているローラ１０は、生地
２がお互いの速度が常に異なつている２つのコン
ベア１と１１を渡ろうとする時に、２つのコンベ
ア１と１１の速度の違い分だけの引伸しや縮みを
正しく行わせるようにするために設けられた生地
押え装置である。

ローラ１０を設けることにより、生地はコンベ
ア間においてのみ引伸しまたは縮み作用が行われ
るが、もしこのローラと両コンベア間の落差が存
在しない時は、生地の伸長や縮みはコンベア１の
終端部と、コンベア間の落差Ｈの指定された短い
距離間で行われるものではなく、２つのコンベア
１と１１の両方にまたがつた不定位置の長い区間
で発生するので、秤量位置Ａと引伸しまたは縮め
の位置がずれていしまい、生地流量の定量化効果
は全く現れないのである。

一般に硬い生地を秤量する場合は、ローラ１０
には表面に突起があつた方がよいし、また、軟ら
かい生地の場合は、ローラには表面に突起がなく
てもよく、コンベア間の落差Ｈは小さくして生地
流量の定量化効果を得ることができる。

なお、上記した本発明の実施例においては、秤
量装置３の秤量台３ａの単位長さＡは、任意に設
定できるものであるから、その長さＡを短い距離
とすることによつて、より正確に生地の重量を平
均化することも可能となる。

すなわち、生地の重量変化を微分測定して、そ
の変化値を供給コンベア１の終端位置での反比例
した速度に変換する。

このように、コンベア間での生地の定量化のよ
り正確化を可能にしている。

（発明の効果） 本発明の装置は、前記したような構成を有する
ものであるから、生地がその供給コンベア上に一
定しない状態で供給されたとしても、その生地の
搬送の途中で、コンベア間の移し換え時に容易に
平均化することを可能にしている。

また、本発明の装置は、その構成が比較的簡単
なものであるが、これによつて得られる効果は非
常に大きいものである。

そして、本発明の装置をパンの製造工程に適用
した場合には、生地のゲル構造を破壊することが
なくなるために、従来の装置のように寝かし工程
を設けることを必要としないので、パンの製造装
置を小型化することを可能にし、製品のコストを
低下させることができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の装置の構成を示す側面図で
あり、第２図は、制御装置のブロツク図である。 １……供給コンベア、２……生地、３……秤量
装置、４……駆動ローラ、５……回転トランスジ
ユーサー、６……モータ、７……インバータ、８
……荷重センサー、９……マイクロコンピユー
タ、１０……ローラ、１１……定速コンベア。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 生地を搬送する速度の可変な供給コンベアの
   搬送部のベルトの途中に生地の単位長さ当たりの
   重量を秤量する秤量装置を、また、終端部の上方
   にこれと同調運動する生地押え装置を設け、前記
   供給コンベアの終端部の下方には一定速度で運行
   するコンベアを設け、供給コンベアが生地の秤量
   値に反比例する速度で定速コンベアに生地を垂下
   させて移し換えるようにしたことを特徴とする生
   地の流量定量化装置。 ２ 供給コンベアの終端部の上方に設けられる押
   え装置が、外周に突起の形成されたローラである
   特許請求の範囲第１項記載の生地の流量定量化装
   置。