JPH0331410B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、パン生地やカマボコ生地のような粘
弾性のある生地を連続的に帯状生地として成形す
るとともに、その流量を定量化と、生地の幅や厚
み等の寸法を一定する方法および装置に関する。

（従来の技術） 従来、パン等の生地は、スクリユーによる押出
し、あるいはピストンによる吸引、押出しによつ
て一定量の連続的な供給を行つていた。

しかし、これらの機械的な方法によると、その
生地の供給に際して、生地に圧力や撹拌力が作用
することになり、特にパン生地においては、その
ゲル構造が破壊されてしまうことが多い。したが
つて、その生地のゲル構造を回復するために、後
工程で一定の寝かせ時間を用意しなければならな
かつた。

また、前記した従来の装置においては、押出し
機能と帯状体の成形機能がそれぞれ別体の装置に
よつて行われていたために、装置が大型化、重量
化して簡便な方法ではなかつた。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明は、簡便な装置を用い、圧力や撹拌力の
伴わない方法によつて、パン生地のような粘弾性
のある生地の流量を、その供給の過程で連続的に
一定化させ、かつ、幅と厚さの一定した帯状生地
を容易に得ることができるようにする方法と、そ
のための装置を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本発明の方法は、速度の可変な供給コンベアで
連続して生地を搬送し、その途中で生地の単位長
さ当りの重量を遂次秤量し、それが供給コンベア
の終端部に到達したとき、供給コンベアの速度を
前記生地の秤量値に反比例した速度に変更させ
て、下流に連接された定速コンベアに移し換え、
この間、供給コンベアの終端部において、供給コ
ンベアと同調して運動する押え装置で生地を押さ
えながら行い、続いて定速コンベアよりも高速で
駆動される高速コンベアに移し換え、定速コンベ
アおよび高速コンベア上で生地幅を狭めながら延
展を行うことを特徴とするものである。

また、上記方法の実施に使用する本発明の装置
は、生地を搬送する速度の可変な供給コンベアの
搬送部のベルトの途中に生地の単位長さ当りの重
量を秤量する秤量装置を、また、終端部の上方に
これと同調運動する生地押え装置を設け、供給コ
ンベアに続いて上面に狭圧板を有する定速コンベ
アを連接し、さらに、この定速コンベアよりも高
速で駆動される高速コンベアをその下流に連接
し、これらの定速コンベアおよび高速コンベアの
上方にまたがつて長円軌道を自転公転しながら運
行するローラを配置し、生地供給コンベアは生地
の秤量値に反比例した速度で、生地を定速コンベ
ア以下に供給して成形するようにしたことを特徴
とするものである。

本発明において、遂次秤量された生地の単位長
さ当りの重量に応じて、供給コンベアの速度を制
御するには、例えば、供給コンベアの駆動部に回
転トランスジユーサーを設け、秤量した部分の生
地が供給コンベアの排出端部にきたときに、その
秤量値に応じて供給コンベアの速度を変化させ
る。すなわち、重量が重いときには供給コンベア
の速度を遅くし、重量が軽いときには供給コンベ
アの速度を速くする。そして、一定の速度で駆動
されている定速コンベアに生地を移し換える際
に、生地を伸ばしたり、または縮めたりすること
によつて、定速コンベア上での生地の単位重量を
一定にするようにしている。

この供給コンベアの速度の制御は、マイクロコ
ンピユータを主体とした制御装置により行う。す
なわち、前記回転トランスジユーサーと荷重セン
サーから、その測定値とパルスとをマイクロコン
ピユータに入力し、入力された値に応じて、マイ
クロコンピユータが演算を行い、インバータを介
して供給コンベアの駆動モータを制御するように
なつている。

そして、定速コンベア上において、狭圧板によ
つて不揃いの幅の生地を押し縮めて一定の幅にす
ると同時に、定速コンベアおよび高速コンベア上
において、生地は上方からのローラの転動圧を受
けて厚さが調整され、寸法および流量の一定した
生地帯が連続的に生産される。

（実施例） 図面に基づいて本発明の実施例について説明す
ると、１は生地の供給コンベアであり、矢印Ｖ
は、その進行方向および速度を示す。２は連続し
て供給される生地を示す。３は秤量装置であり、
長さＡの秤量台３ａを有している。秤量装置３
は、生地供給コンベア１のベルト１ａの裏面に接
触して、その上方を通過する生地２の重量Ｘを秤
量台３ａの長さＡの単位で測定する。この場合の
長さＡは、任意の長さでよく、極限までの小さい
単位を含むものである。

４は生地供給コンベア１の駆動ローラであり、
５は駆動ローラ４に接続してその回転量のパルス
を発信する回転トランスジユーサーであり、コン
ベアの移動量を実測する。６は駆動ローラ４の入
力モータであり、７はモータ６の回転をコントロ
ールするインバータであり、８は秤量装置３にお
ける荷重を計るための荷重センサーである。９は
荷重センサー８からの荷重の情報と回転トランス
ジユーサー５による位置の情報を記憶し、演算し
てインバータ７に指令を出すマイクロコンピユー
タである。

１０は生地供給コンベア１の終端上方に取りつ
けられた生地押え装置であり、ローラまたは外周
に突起のあるローラが用いられ、生地供給コンベ
ア１と同調回転している。１１は一定速度Vmで
運行している定速コンベアであり、生地供給コン
ベア１の終端に続いて設けられている。１２は定
速コンベア１１の上面に取り付けられた左右一対
の狭圧板であり、支点１３を中心に揺動してコン
ベア上を通過する生地２を狭圧し、生地２の幅を
Ｗで示した寸法まで圧縮して小さくする。この場
合、狭圧板１２は、揺動しないで固定された装置
であつても、ほぼ同じような目的を果たすことが
できるものである。

１４は定速コンベア１１の下流に連接された高
速コンベアであり、定速コンベア１１よりも速い
一定した速度Vnで運行している。１５は、定速
コンベア１１および高速コンベア１４の上方にま
たがつて設置された生地延展装置であり、長円状
の軌跡１６に沿つて、自転公転するローラ１７に
よつて、生地を定速コンベア１１および高速コン
ベア１４に押しつけ、その引伸し効果によつて、
生地２の厚さＨに延展する。

（作用） つぎに、本発明の作用について説明すると、生
地供給コンベア１によつて運行される生地２が秤
量装置３の上方を通過するときに、回転トランス
ジユーサー５が秤量装置３の秤量台３ａの長さＡ
と同じ距離だけ、あるいはＡの距離よりも短い一
定の距離だけ、生地供給コンベア１が移動したこ
とを確認する毎に、荷重センサー８が秤量値Ｘを
マイクロコンピユータ９に入力する。そして、秤
量値Xa、Xb、……の記憶を持つた生地の秤量位
置Aa，Ab，……が生地供給コンベア１の終端Ｐ
に到達したことを、マイクロコンピユータ９が回
転トランスジユーサー５の上方に基づいて把握す
る そして、秤量された生地の部分Anに対するコ
ンベア１の速度Vnは、インバータ７によつて周
波数が調整され、モータ６が変速され、秤量値
Xnに反比例した速度で生地の運行を行う。

この場合において、Ｘは単位長さＡの生地の重
量であり、運行する生地２のそれぞれの部分Aa，
Ab，……ではすべてその重量が異なるばずであ
るから、生地供給コンベア１は、Ａの距離の運行
毎に速度が変化することになる。そして、その速
度変化の状態は、秤量値が標準値よりも重い場合
は遅くなり、軽い時には速くされて、生地２を定
速コンベア１１に移し換えることになるのであ
る。

すなわち、この場合には、 Xa・Va＝Xb・Vba＝Ｂとなる。

（上記した数式において、Ｂは生地流量の一定値
である。） そして、これは秤量台３ａの長さＡを極限まで
小さくした微分計測であつても同じである。

この時に、ローラ１０が生地を強く押圧するこ
とにより、供給コンベア１と定速コンベア１１と
の間で移し換える時の生地は、２つのコンベアの
速度差の分だけ強制的に引き伸ばされ、または縮
められたりして、結果的にＡの単位間の重量ムラ
を解消して、定速コンベア１１上を運行し、つぎ
に高速コンベア１４へ移行するのである。

この際、硬い生地の場合には、ローラ１０の表
面に突起があつた方がよいが、軟らかい生地の場
合は、ローラ１０の表面に突起がなくても、生地
の流量の定量化の効果を得ることができる。

そして、定速コンベア１１上の生地２における
Ａの長さは、その重さＸに反比例した引張りを受
けるので、第３図に示したAa，Abの如くその長
さは同一でなくなり、流量は一定以下の誤差の範
囲に収められる。すなわち、その長さAa，Ab内
の部分的な重量誤差を残すだけとなるのである。

このように、誤差の範囲を狭められた生地は、
狭圧板１２によつて不揃いの幅を押し縮められ
て、以前よりも小さくなつた一定寸法の幅Ｗとな
る。

この幅の圧縮と同時に、生地は上方からローラ
１７の転動圧を受け、高さＨの圧縮を受ける。こ
の時、高速コンベア１４の速度Vnが Vn×Ｈ×Ｗ×Ｇ＝Ｂ（Ｇは生地の比重である）
の関係にあつた場合、生地は左右（Ｗ）と上下(H)
の圧縮と同時に、定速コンベア１１と高速コンベ
ア１４の速度差による連続的な引伸しを受けて、
生地内圧力は均衡し、Aa，Abのそれぞれの単位
内に残された部分的な重量誤差は解消され、同時
に幅はＷに統一され、厚さはＨに成形されて送り
出されることになり、このように本発明では、寸
法および流量の一定した生地帯が連続的に生産さ
れるのである。

なお、上記した実施例においてはパン生地の流
量の定量化を行う場合についてのみ記載したが、
本発明は、この実施例に限定されるものではな
く、その他に、麺類やカマボコ類のような食品材
料にも適用できることは、その構成より当然可能
なものである。

（発明の効果） 本発明は、上記したような構成と作用を有する
ものであるから、生地がその供給コンベアの上に
一定しない状態で供給されたとしても、その生地
の搬送の途中で、コンベア間の移し換え時に容易
に平均化できるとともに、寸法および厚みの一定
した生地の生産を可能にしている。

また、本発明をパンの製造工程に適用した場合
には、生地のゲル構造を破壊することがなくなる
ために、従来のように寝かし工程を設けることを
必要としないので、パンの製造装置を小型化する
ことを可能にし、製品のコストを低下させること
ができることになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の実施例の装置の側面図、第
２図は、その平面図、第３図は、定速コンベアに
移し換えられた生地の状態を示す説明図であり、
第４図は、制御装置のブロツク図である。 １……供給コンベア、２……生地、３……秤量
装置、４……駆動ローラ、５……回転トランスジ
ユーサー、６……駆動モータ、７……インバー
タ、８……荷重センサー、９……マイクロコンピ
ユータ、１０……ローラ、１１……定速コンベ
ア、１２……狭圧板、１３……支点、１４……高
速コンベア、１５……生地延展装置、１６……軌
跡、１７……ローラ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 速度の可変な供給コンベアで連続して生地を
   搬送し、その途中で生地の単位長さ当りの重量を
   逐次秤量し、それが供給コンベアの終端部に到達
   したとき、供給コンベアの速度を前記生地の秤量
   値に反比例した速度に変更させて、下流に連接さ
   れた定速コンベアに移し換え、この間、供給コン
   ベアの終端部において、供給コンベアと同調して
   運動する押え装置で生地を押さえながら行い、続
   いて定速コンベアよりも高速で駆動される高速コ
   ンベアに移し換え、定速コンベアおよび高速コン
   ベア上で生地幅を狭めながら延展を行うことを特
   徴とする寸法および流量の一定した生地帯の連続
   生産方法。 ２ 生地の延展を長円軌道を自転公転しながら運
   行するローラにより行う特許請求の範囲第１項記
   載の寸法および流量の一定した生地帯の連続生産
   方法。 ３ 生地を搬送する速度の可変な供給コンベアの
   搬送部のベルトの途中に生地の単位長さ当りの重
   量を秤量する秤量装置を、また、終端部の上方に
   これと同調運動をする生地押え装置を設け、供給
   コンベアに続いて生地幅を狭めるようにする左右
   一対の狭圧板を有する定速コンベアを連接し、さ
   らに、この定速コンベアよりも高速で駆動される
   高速コンベアをその下流に連接し、これらの定速
   コンベアおよび高速コンベアの上方にまたがつて
   長円軌道を自転公転しながら運行するローラを配
   置し、生地供給コンベアは生地の秤量値に反比例
   した速度で、生地を定速コンベア以下に供給して
   成形するようにしたことを特徴とする寸法および
   流量の一定した生地帯の連続生産装置。